夢子のホテル大好きシリーズ
界ASO
それは阿蘇・くじゅう瀬の本高原にあって
世界のあちこちをうろうろ、日本の津々浦々をぷらぷらしている私にとって日本で一番好きな場所を言
え、と聞かれたら、「くじゅう高原!!」と迷いなく答える。熊本県と大分県にまたがって、くじゅう連山の
麓に広がるくじゅう高原からは天気の良い日には阿蘇五岳(根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳)
が見渡せ、まさに「別天地」の趣きがある。この眺望を観た人なら「こんな景色が日本にあるなんて知ら
なかった。これが日本なら一番美しい場所」と絶賛することマチガイ無し。ここに行った友人の誰もが、
もちろん私自身が何度もそう思った。こんなにステキな場所に自分の家を構えられないか。え?ここは
国立公園だから難しい?家が無理なら、せめて宿があったら滞在したいぞ。これまでレゾネイトくじゅう、
和太鼓集団TAOの宿泊施設などに泊まったことはあったが、くじゅう高原に隣接する瀬の本高原に新
しく極上の宿が出来たというので行ってみることにした。
2006年秋のくじゅう高原 阿蘇五岳を背景に牛が草を食み、薄が風に揺れ木々が色づく
熊本空港から約59キロ、別府と阿蘇を結ぶやまなみハイウェイ沿いにその宿はある。くじゅうの中心
地とも呼べる瀬の本交差点(私はいつも銀座4丁目と言っている)から別府(由布院)方面に車で数分
走った左側に、高原リゾート「阿蘇くじゅう高原COCO VILLAGE」があり、その一角が和風離れ宿の
「界ASO」。因みに「COCO VILLAGE」にはケーキ店「シェ・タニ」、リゾートエステ「ヤスラギ・スパ・ス
ィート」、オーベルジュ「アマファソン」、陶芸アトリエ「桃花庵」、「岡本睦郎美術館」などがある。
界ASOは全室離れ
界ASOの敷地は8000坪。一番高い所に本館があり、細長い緩やかな傾斜地に12の離れ家が建つ。
本館に一歩入ってみると、天井は高く、正面がガラス張りで開放感がある。ガラス張りの外のデッキは
月見台。左手にフロントがあり、スタッフの挨拶を受ける。一段下がったところがラウンジで、チェックイ
ンの手続きはここで。あらら、記入する項目はキレイにプリントされて署名するだけだわ。支払いがクレ
ジットカードの場合、デポジットを行う。毎朝部屋に届けてくれる新聞の希望、夕食、朝食の時間を決め
る。喫煙者であることをご存知で、さっと灰皿が出て来るところが嬉しい。お茶受けのおまんじゅうはマ
シュマロに餡が入っていた。ラウンジの真ん中には大きな暖炉がある。標高1000メートルを超える土
地だから、夏は涼しくて良いが、冬は寒いので暖炉は不可欠なのだろう。静かに流れる音楽は、寺垣
武氏の波動スピーカーからで、朝昼はクラッシック、夜はジャズの選曲だ。ショップコーナー(8:00から
21:00)には、宿で使用している器やキーホルダー、リネン製品などオリジナルグッズが並べられている。
小さなライブラリーには、宿泊された超ビッグな作家のサイン本や雑誌、CDなどが並び、DVD、アイポ
ッドなどと共に貸し出しもしてくれる。
ここがラウンジ 手前はショップ エントランス正面のガラス戸 ラウンジの真ん中には暖炉が
寺垣武氏の波動スピーカー 宿で使用しているオリジナル小物のショップ 月見台ではお茶も飲める
離れの部屋はどこも広々
私が2泊3日する部屋(というより一戸建て)は16号室。なだらかな坂道の左側に10番台が右側に20
番台の家が並ぶ。オープンして1年ということで、坂道の両脇に植えられた木々や、せせらぎの両脇に
置かれた石などが未だシックリ来ていないが、時間が解決するのだろう。16号室はかなり下に位置し
ている。行きは下りだからいいが、食事ドキには上って来るのか・・・え?カートでお迎えがある?ほっ。
部屋のタイプは2つ。小さい方(2人用)でも63u、大きい方(4人用)は78uと贅沢な広さである。私
が泊まる16号室は63uだった。東京都内の最高級クラスのホテルで一番広いスーペリアルームでも
45u。一戸建てということもあるが、贅沢極まりない広さである。玄関から部屋に入ると、広々とした居
間。正面は全面窓で、ガラス扉からいきなり美しい緑が目に飛び込んで来る。この緑の中に露天風呂
があるのだ。ゆったり3人(細い人ばかりなら6人?)ゆったり座れる大きなソファ、オットマン付きのチェ
アには、さり気なく膝掛けが。こうゆう気遣いは嬉しいね。テレビの下にはCD&DVDデッキが備えられ
ている。部屋の隅に小さめのテーブルと椅子。レターセットや宿の案内が引き出しに入っていた。案内
を読めば、クリーニングサービス、ルームサービス(14:00から24:00)もある由。但し、ルームサービ
スはおつまみと飲み物程度だが。はぁ、ここが2泊3日「我が家」になるのね。ワクワクして来る。
周囲はこんな風景 本館から客室への道 実際はもっと傾斜がある これが16号室の入り口
広々とした居間にはゆったりソファとチェアが 寝室を仕切るテレビ台 ライティングテーブル
テレビの裏は寝室。ドアは無く、左右から出入り出来る。ツインのベッド。気持ち良さそうな羽毛掛け蒲
団だが、あいにく私は羽毛が苦手。予約の際毛布でのベッドメーキングをお願いしておいたので、1つ
のベッドはきちんと毛布メイクになっている。枕は羽毛がスタンダードだが、ドーナツ型パイル、低反発
枕の用意もあるらしい。居間から続くガラス窓は寝室にも続き、外の緑が目に優しい。足元の壁面には
横長の窓が切ってあった。寝室の大きめのクローゼットには、セイフティボックス完備、大小サイズの羽
織の用意がある。クローゼットの下の引き出しには、作務衣スタイルのパジャマと浴衣。着物デザイナ
ーのカワイヨシロウ氏セレクションの浴衣で、外出用に男性用の角帯、女性用の半帯がある。浴衣の
着付けを希望すればやってくれるのですって。
寝具には気持ち良さそうな羽毛蒲団とリネンが使用されている 着心地の良かったパジャマ
大金は金庫へ お洒落な浴衣(男女用) 寒い日は活躍する羽織
居間からバスルームに向かう隅に飲み物コーナー。敷地内の井戸から汲み上げた阿蘇の伏流水が常
温で1本、冷蔵庫の中には冷されたものが1本入っている。この水が何とも美味しい!柔らかくて甘さ
まで感じる素晴らしい水だ。毎日新しい水を入れてくれるのがいいなぁ。湯沸しポット、コーヒー、紅茶、
日本茶と湯のみ茶碗が二つ。冷蔵庫には冷たい水とスポーツドリンク、烏龍茶、ビール、ジュースなど
の他に炭酸水、トニックウォーターが入れられ、横の棚にはウィスキー、ジン、ウォッカ、ブランデー、バ
ーボンのミニチュアボトル。つまり、部屋でジントニックやウィスキーソーダをご自由にどうぞ、という心
遣い。そしてこれらが全部フリーなのだ。つまり無料ね。宿泊料が高いのだから飲み物位無料でしょ、
と思う方もいるとは思うが、高い宿泊料に高い飲み物代を取る宿はいくらでもある。ただ、私は毎晩ウィ
スキーのミニチュアボトル1本と水を頂いただけであったが。
「飲み物環境」は抜群です!!!
スパ利用者にはハーブティとチョコクッキーが
トイレ・バスルームの水周りに行くには段を上る。本館を含めて何ヶ所かにある段差はちょっと緊張を
強いられる。特に私など夜は毎晩グデングデンに(そこまで行かないか)酔っ払っているからね。トイレ
はINAX製最新スタイルのシャワートイレ。閉じている蓋は「開けろ」と命令するとサッと開く。うそうそ、
センサーが感知すると蓋が開く。用を済ませると我が家のトイレと同じで勝手に水が流れる。そして感
心なことに、誰もいなくなると蓋が閉まる。こんなトイレの賢い動作が面白くて、しょっちゅうトイレに行っ
た。ガハハハ。
トイレの左側がバスルーム。ここも結構広い。入り口右側が洗面所でダブルシンク。アメニティが充実し
ている。イギリス「REN」のシャンプー・コンディショナー・バスジェル、固形石鹸、ブラシ&櫛、歯ブラシ、
シェービング、カット綿と綿棒、シャワーキャップ、そしてボディスポンジ。「REN」製品の香りが好き。シ
ンクの下には布袋に入ったヘアドライアー、ティッシュなど。シンクの反対側にはバスローブとタオル類。
タオルはマイクロファイバー混糸で吸水性、速乾性に優れた四国は今治の「七福タオル」製。マイクロフ
ァイバーは角質除去の働きもすると言う。バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルが2枚づつ置いて
あるが、棚を開けると同じ量のタオルがある。タオル類が豊富だと、実際使わなくても何となく心に余裕
が出来る。
バスタブにはジャグジー機能がついている。自宅にあるのに3年で1度しか使ったことの無いジャグジ
ーだが、家以外にあると何故か「わーい!」という気持ちになる。このバスタブにお湯を張るのがタイヘ
ン。湯と水の栓は、幅のあるバスタブの向こう側についている。上体を倒してヨイショっと栓を動かさね
ばならない。設計する人は、このヘンの位置にはもうちょっと気を使うべきだね。お洒落も大事だけど、
使い勝手がよくなければイカン。苦労して適温を調節している時、何となく点けっぱなしにしていたテレ
ビ画面が見える。バスルームと居間は細長いガラス窓で仕切られている場所があるのだった。これは
風呂からもテレビを観ることが出来る配慮か、それともカップルの入浴中の相手を盗み見るため?居
間側からはシェイドを下ろせるが。
バスタブに湯を並々と張り、ボコボコジャグジーを楽しんだ後カラダや髪を洗うには、バスタブの外の洗
い場を使うしか無い。湯桶やシャワーもそこにあるのだが、外のテラスにある露天風呂に行く通路にも
なっているので、洗い場をびちゃびちゃ濡らすのはちょっと抵抗があった。
開けートイレ! 流れろー水! 緑を見ながらジャグジーでボコボコボコ
洗面台はダブルシンク 質の高いアメニティが充実している
洗い場兼通路 ここを濡らすのはちょっとね マイクロファイバー混糸のバスローブとたっぷりのタオル
さて、お待ちかねの露天風呂。バスルームからも居間からも出ることが出来るとても長いテラスの下に
それはある。敷地内に2本の源泉があり、35度の源泉を加熱した掛け流しの単純温泉だ。ゆったりと
温泉を楽しんで欲しいと普段は40度位に調節されているが、熱い湯が好みであればお願いすればい
い。ザブーン!!満々のお湯がザーっと勢いよく流れ落ちる。貸切風呂なんかでなく、まさに自分専用
の露天風呂。目に痛いような緑を見ながら、自然に「アハハハ」と笑ってしまう。耳をすませば鶯の鳴き
声。姿こそ見えないが、すぐそこで鳴いていることが鳴き声の大きさでわかる。おっ?隣の家の窓が見
えるぞ。ということは隣の客があの窓を開けると、私の美しい裸体が見えてしまうということか!スタッフ
の方に伺うと、16号室はたまたまそうゆう位置になってしまったが、お願いすれば仕切りの目隠しを設
置してくれるそうだ。私が滞在した2泊は、隣の家は使用しない配慮があったので、油断して露天温泉
を楽しんだけどね。夜になると、露天風呂の隣に小さなかがり火が点火され、揺ら揺らと幻想的な世界
になるのだった。
たっぷりとしたテラスに置かれた2つのチェアと露天風呂 時々虫が来ます 夜の露天風呂は幻想的
朝起きたら居間からテラスに出てザブーン。昼は鶯が鳴き出したら、ポチャーン。そうして何度も「マ温
泉」を楽しむ。湯上りは、あのマイクロファイバー混糸のバスローブを纏い、ライブラリーから借りて来た
モーツアルトの弦楽四重奏のCDを大きな音で聴きながら、これまた借りた雑誌などをパラパラ読む。
「BRUTUS」のBACK TO
THE HOTELの特集は「一生に一度は訪れたい100の極楽ホテル案
とあり、この界ASOも紹介されていた。私今そこにいるのよ、なんて思いながら目を通すのは何と
ゼータクである。夜はお酒を飲みながら、ナット・キングコールの世界に浸って、眠りの世界へ・・・・。
食事は本館のダイニングで
食事は朝晩とも本館のダイニングで。出来立ての料理を食べて欲しいから、と言う。本館に行くというこ
とは坂を上る必要がある。本館に近い11号、12号、13号、21号室くらいならちょいちょいと歩けばい
いが、16号から18号室に宿泊した人は覚悟が必要だ(何を大袈裟な!)。はぁはぁ、ぜぃぜぃと坂を上
って行く。上るのはイヤだとか、空腹で倒れそうだとか、雨が降っているとか、荷物があるとか、要する
に坂を上りたくなければすぐさまカートのお迎えが来てくれるが、ご馳走の前には苦難も必要と私はず
っと自分の足で上る。本館の2階の階段を上った頃には息も切れてハァハァ・・・。するとスタッフの方が
「YUMEKOさま、いらっしゃいませ、坂道お疲れさまでした」と迎えてくれるのだ。
ダイニングは3つの席から選ぶことが出来る。カップル向きの窓側のテラス席、一人ぼっちに最適なカ
ウンター席、故あって誰にも見られたくないとか、騒がしいメンバーがいて迷惑をかけそうだからと言う
人には掘りごたつ座敷の個室席。テラス席からは、天気が良ければ阿蘇五岳が一望出来る。生憎梅
雨どきに宿泊したので曇ったり降ったりの悪天候だったが、チェックアウトの朝、その素晴らしい眺望を
見ることが出来てカンドーした。滞在中5回の食事は、この3種類の席どれにも座って頂いた。禁煙!
左側がカウンター席、右側が個室 土地柄か焼酎の品揃えは多い これが阿蘇五岳です
ここまではっきりは書かなかったが、界ASOは「旅館」である。パブリックスペースや客室の離れを見た
だけではそうは思わないのだが、お料理のコースを見れば、まさに「旅館」なのである。夕食は午後5時
半から午後9時(LO)まで和風コース料理が供される。岩下料理長の手書きによる本日の献立。玄海
灘や天草、豊後水道で捕れた魚介類、宮崎、鹿児島、壱岐の肉、地元の野菜など、九州各地の美味し
い素材を使った料理の数々。食事のサーブをするスタッフは全員インカムをつけて、食事の進み具合、
次の料理を出すタイミングなどキッチンと小声で打ち合わせされている。予約時にアレルギーのある食
材、嫌いなものなど聞かれるから食べられないものは無い。デザートまで十数品。毎晩お腹がハチキ
レルほど満腹になるのだった。その上、部屋に帰る時には「お夜食にどうぞ」とお稲荷さんか海苔巻を
渡され、更に肥満の心配は増すのだった。
ある日の夜のコース(天然鯛の焼き白子 新緑仕立て玉地蒸し、蒸し鮑と青さ海苔の吸い物、八寸:
筑
ワ、天豆焼き、宮崎地鶏のつくね焼き 大根おろしと温泉卵添え、ふろふき大根の旨煮、め葱と茗
荷の野菜寿司、天麩羅:さいまき海老・独活・穴子・玉葱、でっかい焼鯛の釜飯、赤出し、漬け物、
デザート:よもぎ白玉ぜんざい)
夕食が終ったら、離れの自室に帰っても良し、ラウンジで紫煙を燻らしながら洋酒を飲むも良し。私はも
ちろん紫煙&洋酒派である。波動スピーカーから流れるジャズに耳を済ませながら、豊かな空間で夜は
更けてゆく。
朝食は午前7時半から9時半(LO)まで。3種類のジュース、牛乳、飲むヨーグルトから飲み物を選ぶと
地元菊池の生野菜のサラダが登場。これが実に甘くて美味しい。自家製の明太子や漬けるのが大好
きという岩下料理長の漬け物などズラリとお皿が並ぶ。そこに竈で炊き上げた七城米が釜ごとドーンと
運ばれて・・。お好きなだけ召し上がれって。和食なのに、デザートとコーヒーが付くのも嬉しいね。連泊
する客には夕食も朝食も料理が重ならない工夫がされているし、昼食も茶蕎麦か胡麻うどんなどお願
い出来る。
ある日の朝食セット(熊本のトマトジュース、菊池の生野菜サラダ、湯豆腐、いとよりの焼物、タラコ入り
卵焼き、鯛の南蛮漬け、とろろ、蕎麦味噌、焼き明太子、梅干しと高菜漬け、豚汁、釜炊きご飯、ヨ
ーグルトババロアとメロン、コーヒー)
SPAの予約はお急ぎください
本館の1階にはSPAがある。3人のスタッフはインドネシアのバリ島でみっちり学んで来たと言う。コー
スは2つあり、馬油(まーゆ)を使用した「風わたる萬里」というオリジナルオイルマッサージかバリ式の
「トラディショナル」。私はトラディショナルの90分(背面と腕か脚 2万1000円)をお願いした。バックミ
ュージックを選び、マッサージオイルを選んで着替えると、「河添バラ園」から届けられたバラ一杯の足
湯に浸かる。この時はブルガリアのバラ祭を見に行ったばかりだったからバラの香りが懐かしかった。
私にとってSPAで気をつけねばならないことは眠らない工夫をすること。どこかで120分コースを頼ん
で5分後には寝てしまったというもったいない経験もあるしね。担当された方は、お喋りの相手としても
楽しい女性だったし、マッサージも力強く、かつ繊細でテクニックが巧みであった。宿泊時にSPAを利
用したい方は早めに予約するのが賢明。
SPAは本館の1階にある(上階は月見台)
SPA入り口 施術室から見える景色 この右側にバスがある
施術台にはさりげなくバラの花が 先ずはバラの湯で足湯
ローズバス(オプション)はここで
界ASOに泊まったら阿蘇・くじゅうを満喫しよう
1泊なら行き帰りに、連泊するなら真ん中の日も含めて阿蘇やくじゅう高原を満喫したい。オススメをサ
ービスで書いてしまおうか。車で10分、くじゅう花公園。広大な敷地に四季折々の花々が咲き乱れ、花
を使用したお土産も充実。熊本空港までの途中には大観望がある。外輪山の北側にあって、くじゅう連
山、阿蘇五岳が一望できる。お天気が良ければスンバラシイ景色をお約束。くじゅう高原を一望できる
のは瀬の本交差点から竹田方面にちょっと行ったところにあるあざみ台。特に夕暮れの景色にはうっと
りさせられる。そのまま竹田方面に進めば、日本一のラムネ温泉長湯に行くことが出来る。カラダ中に
水泡をつけて温泉に浸かっているとデトックス効果があるんだって。そうだ、もっと手前にある赤川温泉
もオススメ。白濁した20度の冷泉と過熱した42度の温泉を交互に入ると新陳代謝が進むらしい。冷泉
に入るには勇気が要るが、滝を眺めながら行者になったつもりでどーぞ。日本でも有数の人気温泉、
黒川温泉も車で15分程で行くことが出来る。宿泊しなくても、入湯手形を買って3軒の外湯巡りをする
のも楽しい。やまなみハイウェイを別府温泉方面に進めば、山頭火が愛した素朴な湯平温泉、そして
由布院もある。そうそう、2006年秋に完成した日本一の長い吊橋も、ここからそう遠くは無い。
花咲き乱れるくじゅう花高原(秋) 大観望からの雄大な眺め 外湯巡りも楽しい黒川温泉
アクセスも心配無し
私は車の運転をしない。というより運転免許を持っていない。運転できる同行者がいない時はどこでも
タクシーを利用する。大好きなくじゅう高原に行くには熊本、福岡、大分空港から行くことになるが、どこ
からも遠いのが玉にキズ。しかし、私のような車無し人間にも、界ASOは配慮してくれる。熊本空港か
らは午後1時半に迎えの無料シャトルバスがあると聞いて予約した。宿のワンボックスカーにでも乗る
のだろうと思ったら、タクシーの運転手さんが私の名前を書いた紙を持って待っていてくれた。予約した
のは私だけだったので、そうゆう場合はタクシーになるようなのだ。運転手さんが「違うお客さんと一緒
にお乗せする場合は大きな車になるんですよ」と教えてくれた。空港から阿蘇の外輪山に沿って進むこ
と70分。これが無料なのだから申し訳ないような。帰りは正午の出発。やっぱり予約したのは私だけで
今度は支配人が空港まで送って下さることになった。恐縮する。幸いと言うのも気が引けるが、部屋に
忘れ物をし、しかも部屋の鍵を返し忘れたので、支配人に送って頂いて本当に助かった。忘れ物はスタ
ッフの方が追いかけて持って来て下さった。道々支配人ともお喋りに花が咲き、楽しい帰り道となった。
梅雨だから雨も多いが、6月の緑は美しい スタッフの寮がある阿蘇内牧温泉
2006年6月誕生した宿
界ASOは2006年6月14日オープンした。経営母体は熊本にある株式会社ヒューマン。半導体の製
造や人材派遣をしている創業20周年の会社。その関連企業である株式会社オーバルは、サービス産
業向けの「トータルアウトソーシング企業」を目指しているのだそうで、その第一弾が界ASOということ
らしい。宿を作るなら本物を作ろうじゃないか、って感じでプロジェクトが結成される。宿のロゴデザイン、
インテリア、小物類、様々なグラッフィック、照明など色んな分野の専門家がそれぞれの担当でアイデ
アを出し合い、完成したのが「和風離れ宿・界ASO」である。
支配人はホテル業界の経験が長いS川氏。オープン直後は宣伝をすることもなく静かに立ち上げて、
集まった30人のスタッフに余裕のある教育期間を設けた。そうして夏を過し、紅葉の美しい秋になって
口コミもあって12室が満室になっても、混乱もなく接客が出来るようになったとS川支配人は笑う。30
人のスタッフの皆さん全員にお会いしたわけではないが、ここの人達はみな清々しい。月見台で煙草を
吸い始めれば「お茶をお持ちしましょうか?」と声をかけてくれる。薬を飲もうとピルケースを広げれば
「氷なしのお水お持ちしましょうか?」。スモーカーの私が、食事の途中で禁煙のダイニングから出よう
とすると、「煙草休憩ですね」と外で煙草を吸う私の横でずっと灰皿を持ってお喋りの相手をしてくれる。
スキの無いビシッとしたサービスではなく、心温まる人間臭いサービスが嬉しいのだ。温かい誠実なス
タッフの皆さんとお別れする時は心からサビシイと思った。このスタッフに会いたいから、また来ようと思
ってしまうのである。
おしまい
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界ASOデータ
界ASO 〒879−4912 大分県玖珠郡九重町湯坪瀬の本628−6
TEL:0967−44−1000 FAX:0967−44−1001
チェックイン:午後2時 チェックアウト:正午
支払い:カード可
料金:(1泊2食 宿泊代、食事代、消費税、入湯税込みの1人料金)
(平日) 1名 2名 3名 4名
Aタイプ(63u 定員2名) 6万3150円 4万7400円
Bタイプ(78u 定員4名) 8万4150円 5万7900円 4万9150円 4万4775円
*
休前日(土曜日、祝日の前日)はそれぞれ5千円増し
*
ハイシーズンはそれぞれ1万円増し
アクセス:熊本空港、福岡空港、大分空港から色んな方法で
無料シャトルバス:熊本空港発 13:30(宿着 14:40)
(要予約)
宿発熊本空港行き 12:00(熊本空港着 13:10)
詳しくは宿のホームページか宿に直接お問い合わせください。
ホームページ:http://www.kairesort.jp/aso/index.html
コンタクト:info@kairesort.jp
* 界ASOの詳しい食事内容は、パクパク日記07年6月3週をご覧ください。
泊まった日:2007年6月 書いた日:2006年6月