夢子のホテル大好きシリーズ

モロッコホテル事情 

モロッコでは8泊した。泊まったホテルの数は6つ。ガイドブックを見ると、50ディラハム

日本円で500〜600円位からの安宿もたくさんあるようだが、今回のツアーは、ほとんどが

4〜5ツ星の高級ホテルだった。しかも、4ホテルはアメリカ系のホテルチェーン。いわゆるモ

ロッコらしいホテルではないことをお断りして、6つのホテルの紹介。(タイトルの写真はカサ

ブランカのハイアットホテルですが泊まっていません)

□CROWN PLAZA CASABLANCA クラウンプラザカサブランカ(カサ

ブランカ)

ROND POINT HASSANU CASABLANCA

п@212(02)2294949  Fax 212(02)2293029

 成田からミラノまで12時間マルペンサ空港で2時間半ほど過ごしてカサブランカまで3時

間弱。空港から車で40分走って、ようやくホテルに到着。もう夜中の12時前だが、日本時

間では朝の9時なのだ。飛行機で全く眠れない私はもうふらふら。一刻も早くお風呂に入って寝

たいぞ〜。なのに、割り当てられた1003号室のカード型キーの調子が悪く部屋に入れない。

1階まで降りてフロントに頼みに行き、修理の小父さんが来るのを待つ。小父さん到着。修理が

完了して20DHもチップをはずみ、部屋に入ったのは、1時間後だった。私がたまたま泊まる

部屋って、どうしてこうトラブルばかりなのでしょう。この先が思いやられるが、何しろ眠いよ

〜ってことで、午前2時就寝。

このホテルの名前は「クラウンプラザカサブランカ」だが、アメリカ系のホリディ・インのチ

ェーンホテルだということがわかる。ベッドはダブルで硬さもほどほど。テレビ有り、冷蔵庫に

も飲み物がしっかり入っている。トイレはビデ付き。アメニティは、バスジェル、石鹸、シャワ

ーキャップ。ドライヤー無し。結局このホテルだけが備えていたバスローブと、洗面台に飾って

あった菊とカーネーションが深夜の疲れに心地良かった。こじんまりした良いホテル。モロッコ

に来て初めての食事となった朝食は特段の特徴は無いが美味しい。滞在時間9時間、そのうち5

時間は寝ていたので、コメントはこんなものか。

部屋から見たカサブランカ

□ SHERATON FEZ HOTEL シェラトンフェズホテル(フェズ)

AV. DES F. A.R.,BP−2489,30000 FEZ

п@212(05)5930909   Fax 212(05)5620486

フェズ空港から10キロ、車で15分の新市街地区にホテルはある。部屋数は271室。6つ

のレストラン、コーヒーショップ、ピアノバー、屋外にバーベキューレストラン、屋外プール

等施設も充実。ルームサービスは24時間。ツインベッドルームで、部屋の真ん中にあるドア

を開けると、隣の部屋の人と目が合ってしまった。コネクティングルームの鍵がちゃんと掛か

っていなかったらしいのだ。冷蔵庫はあるが、中身は空っぽ。使用するには、ルームサービス

で頼むしかない。日本のプリンスホテル方式は売店で客が飲み物を買って来るが、発想は一緒

ね。ビデ付き。ヘアドライヤーは据え付け型。アメニティは、バスジェル、シャンプー&コン

ディショナー、小さな石鹸、シャワーキャップのみ。

プールと中庭を挟んでコの字型に客室はレイアウトされているが、私の部屋350号室は中庭

に面していなくて助かった。中庭には、バーベキューレストランがあって、夜中まで生バンドが

賑やかにドンチャカドンチャカ演奏して、早寝の人は眠れなかったらしい。その上、お祈りのテ

ントも常設されていて、夜明け前から祈りの時刻を告げるアザーンの声で飛び起きたというから

お気の毒。ついでに言えば、このホテルの遮音性は極めて悪い。夜中に酔って騒ぐドイツ人らし

いグループの声がうるさかったぞ。プールの水は冷たく、誰も泳いではいない。モロッコでは、

水は必ず買って飲む。プールで泳いで飲んでしまった水で、お腹をコワスということはあるのだ

ろうかとふと考える。プール一杯にミネラルウオーターを入れる訳にはいかないよね。夜空を見

上げると、星が漆黒の空にくっきりと美しかった。月は三日月だった。

夕食2回、朝食1回(何と持病が出そうになって1回抜いたのだ)レストランで食べたが、料

理のレベルは高くない。品数も味も。但し、従業員の方々に愛嬌があって、みんな陽気。ドジな

ウェイターのヨセフ君をデジカメで撮影したら、送ってくれと言う。ハナからパソコンやE

ールなどと縁が無いのではと思い込んでいたら、彼がメモ紙にキレイな字でサラサラとアドレス

を書き出した。おっ! ヤフーに入っているのだ。大学生のバイトなのかもしれない。帰国後、

ちゃんと送りましたよ。

       ホテル内のポスト              祈りのテント ドジなヨセフ君

       KENZI BELERE ケンズィベレーレ(エルフード)

RUE MOULAY ALI CHERIF ERFOUD

п@212(05)55788190  Fax 212(05)5578192

 「南の方のホテルは期待しないで下さい。交通不便ですし、水が少ない土地なので快適性とい

う点では我慢が必要です。お湯が突然水になるとか水が出ないとか、まぁいろいろと・・・・・・」。

こんな風に聞いていたので、それなりの覚悟をした。夕刻暗くなってからホテルに着いてびっく

り。ジャ〜ンと銅鑼が鳴りそうな(何故モロッコで銅鑼かはわかぬが)ド派手な作りのホテルだっ

たのだ、外観はね・・・。

ケンズィ ベレーレの入り口

上の写真を撮っていると、ホテルの老いたドアボーイが離れた所から私に向かって「どこから

来たんじゃ? 日本人? 東京? おぉおぉ、そうか。で、お前はモロッコ好きか? えっ? 大

好き? お前は世界で一番美しい。結婚しよう!」と、叫んだのでありました。何だかこのホテ

ルいいなぁ、とその時は思った。

エルフードは、南東の街で砂漠に行くコースの1つの拠点である。フランス軍のサハラ砂漠対

策基地でもあって、豪華なホテルがいくつかある。ケンズィベレーレは、周囲の建物と同じ日干

しレンガを積み上げて壁を塗ったテラコッタ色の派手な本館を持つ。中庭にはプールと野外レス

トラン。その真ん中では、愛想の良いお兄ちゃんがエレクトーンを演奏している。目が合うと演

奏しながらウィンクをする。そして、暗がりの向こうには、客室のコテージが点々と建っている。

コテージ。日本流に言えば「私どもの客室はすべて離れになってございます」ってこと。いいじ

ゃ〜ん。ステキ!ツァーの仲間は「こんな良いホテルなのに1泊なんてもったいない」と叫んで

いる。脅かした添乗員のSさんは大袈裟だという結論も出ている。ざっとホテルを本館側から

見渡して、先に夕食を済ませて、各自のコテージに散ってからその答えはわかったのだ。Sさん

は大袈裟な人では無かった。

 コテージまでの道が暗く入り組んでいることから初めはホテル側が案内をしてくれることに

なっていた。それが「人手が足りない」という理由で案内は無くなり、独力で部屋を探すことに。

しかし案内の札がわかりずらく真っ暗な中で散々迷ってしまった。しかもホテルに到着してから

既に2時間近く経っているのに、荷物が部屋に届いていない。暗がりでケージに山のようにスー

ツケースを積んでうろうろしているボーイを掴まえて、ようやく荷物と一緒に部屋に入る。部屋

に入った感じはまぁいい。南のリゾートホテルの感じ。冷蔵庫なんか無くても許そう。でも、こ

んな暑い土地で冷蔵庫無しの理由はわからないが。

 

お風呂に入っていたら電話が鳴っている。見回すが風呂場には電話はない。まぁいいや、放っ

ておこう。風呂から出ようとバスマットを探すが、無い。下ろしかけた片足が下り場を失ってさ

まよう。バスタオルを替わりにしようと思ったら、ツインルームなのにバスタオルも一枚しかな

いのだ。もちろんシャンプーだの、シャワーキャップなどある筈もなく、ドライヤーなんて論外。

使用したバスタオルをフックに掛けようと思ったがそれも無い。歯を磨いて、ナイトキャップに

ウィスキーを飲もうとコップを探すが、結局は歯磨きで使ったコップ1つしか無いのだった。ク

ローゼットを開けると、ベニヤ板がツギハギだらけだった。別に豪華なホテルじゃないといけな

いと言っているのではない。安ホテルだってたくさん泊まっているし、このホテルに着く前も不

便さは覚悟していた。

しかし、目の前に現われた叶姉妹のようなゴージャスな感じのホテルの外観にすっかりそんなこ

とは忘れてしまい、意外な展開に浮かれていた。しかし、不思議だ。ここまでハードに金をかけ

てホテルの本館を作り、コテージタイプにまでしたのに、客の居住性を最低のレベルにしてしま

うのだから。このホテルのことを調べてみようと資料になるものを探したが、部屋には印刷物の

類は一切無かった。翌日フロントでパンフレット等の資料を求めたが「何〜にも作っていない」

とニベもない答えだった。どうもこの辺は夏の酷暑の時期は観光客が激減するので、季節営業を

しているのではないかと推測する人もいた。ために冷蔵庫も置かない、従業員も季節労働者でサ

ービスに熟練していないのではないかと。正解はわからないが、不思議なことが多いホテルでは

あった。他の客室にはバスマットはあったが、マットに下に巨大なごきぶりが昼寝していたらし

い。無くても良かったか。

       HOTEL BELERE OUARZAZATEホテルベレーレワルザザード(ワルザザード)

22、AVE. PRINCE MOULAY RACHID, OUARZAATE

рQ12(04)4882803 Fax212(04)4883145

 この日昼食を摂ったトドラ渓谷のレストランは禁酒だった。イスラムの神の教えに忠実な土地

のようである。禁酒の替わりに、交通が至極不便な地にも関わらず、料理はとても美味しかった。

ゆうべのこともあり、今晩のホテルに決して期待すまいと思いながらチェックイン。ホテルにつ

いている名前BELEREベレーレからすると、ゆうべのホテルと同じチェーンホテルのようだ。

やっぱり、エントランス・ロビーはガ〜ンという感じは一緒。しかも近くに映画「クレオパトラ」

のロケ現場があるというので、古代エジプトの置物やクレオパトラ風の椅子まで置いてあった。

BELEREホテルの経営者はどんな人物知らないけど、超現実主義者なのだろうな。

 214号室の部屋に入ると、おやおや、2つの照明が点きません。だからとても暗い。食事の

後、旅の記録を書こうにも部屋の中が余りに暗く、一計を案じて一番明るいバスルームに椅子を

運んで書くことになったほど。窓はホテルの前の幹線道路に面しているのだが、カーテンの幅が

足りなくて街灯の明かりが部屋に入ってくる。しかも、厚手のカーテンのみでレースのそれは付

いていない。一番困ったのは、トイレの調子が悪くて水が止まらない→水が溜まらない→水が流

れないというとんでもない状態。一晩中トイレの水が「ジョボジョボ」と流れていて、水が貴重

な土地だというのに「これでいいのか!」と私はずっと怒っていた。実は翌朝、快調な腸が働い

た結果の賜物は流れなくてね。「いいや!」とそのままチェックアウトしてしまったのでござい

ます。

 ベレーレホテルはそう決めているらしく、冷蔵庫はない。テレビはあるが、ボリュームボタン

が無く、リモコンも無い。アメニティは、バスマットとタオルは一通りあるが、他は小さな石鹸

2つとコップ2つ。バスタブのお湯は出るが、水のコックが固くて動かない。よって熱湯だけが

タブに溜まる。熱くて入れないのである。仕方なく、コップ2つで洗面台の蛇口から水を補給し

て湯加減をするしかなかった。コップに300CC入るとして60杯、つまり18リットルの水

を入れてようやく入れるようになった。やれやれとバスタブに身を沈めて、ふと髪はどう洗うの

だ、という問題に直面した。シャワーは壁面高い所の固定型で、もちろん熱湯しか出ない。溜め

るならコップ水作戦があるが、シャワーではなぁ。う〜ん。そして私が出した結論は「潜水型洗

髪スタイル」であった。近頃はプールに通っているので、水中に潜ることに抵抗はない。息を止

めて頭をバスタブの湯に沈めて髪を濡らす。シャンプーでグチャグチャやった後、再び頭を湯に

沈め作業を繰り返して濯ぐ、これでメデタク洗髪完了。

 翌日、他の部屋の様子を聞くと、私が味わったようなトラブルは個々にあったようで、しかし、

全く何でも無い人もいる。つくづく「好事魔多し」の自分だと思う。

   

暗い室内               ダメなトイレ バスルームはこんな書斎となった

 そうそう、ホテルですることの大事な作業は、デジカメのバッテリーの充電。Cプラグを前の

ホテルのコンセントに挿したまま忘れて来るという失態を犯したのだが、自分のドジさ加減を身

にしみてわかっている私は、予備にCプラグつきのコンデンサーも持っ

て来た。保険を何重にもかけるというのか、自分を信用していないというかね。で、コンデンサ

ー氏に登場して頂き、ジジジと充電していたら、突然「バシ〜ッ!!!」という大音響。ちゃん

と閉まらないカーテンの隙間から私達のバスを眺めていた私は、その音に飛び上がってしまった。

何とショートしてしまったらしく、充電中の点灯は消えてしまっている。あぁ、どうしよう・・・・。

未だ旅は3日も残っているというのに、これから先充電できないとかなり困るぞ。そうだ、私はそ

んな事態に備えて、フイルムカメラも持って来たのだった。どこまで自分を信用していないのだろ

う。明日朝、ツァーのどなたかに余分なプラグがあるか聞いてみるが、ダメならデジカメは諦めよ

うなどと、悲壮な決意をしたのだった。しかし、このホテルにも良いところはあって、食事は野菜

料理が豊富でとてもうまかった、ということをとってつけたように加えよう。

□ SHERATON MARRAKECH HOTEL シェラトンマラケシュホテル(マラケシュ)

AVE. DE LA MENARAMARRAKECH

п@212(04)4448998   Fax 212(04)4437843

 ここマラケシュには、アフリカ大陸ナンバー1を誇る「ホテル・ラ・マニーニア」がある。あ

のチャーチルも愛したというホテルは、元王家のものだった5ヘクタールの庭園を誇り、外塀を

見ただけで意味無く溜息が出る。「ホテル・ラ・マニーニア」に比べるべくも無いだろうが、シェ

ラトンマラケシュホテルもなかなか良いホテルだった。部屋数287室、レストランが5つある。

ホテルに入るとすぐ目につくのが、マラケシュの街を描いたたくさんの絵画。額縁付きで販売もし

ている。ロビーの奥に進むと多分違う画家と思うマラケシュの風景画の大作があちこちの壁を飾っ

ている。マラケシュはバラが名産らしく、盛り花の飾りつけも見事である。モロッコの高級ホテル

ではお約束のような中庭と屋外プールだが、このホテルのプールでは大勢の人が泳いでいた。プー

ルを囲んでバラ園もある。ここではどんなトラブルが待っているのか、と半ば捨て鉢な思いもあっ

たのが、実は306号室は至極順調だった。こんなことは初めてだ。

 マラケシュの街の色はピンクと聞いたが、部屋の壁もピンク。ここも冷蔵庫に飲み物を入れる

には、ルームサービスで頼まねばならない。ついでにセイフティ・ボックスが初めて付いていた

のだが、これもフロントに頼んでカードを発行して貰う。私は使用しなかったが、1日25DH

の使用料がかかる。バスマットはあるし、タオルは2枚づつちゃんとある。しかもフェイスタオ

ルには、バラの香りが染み込ませてあって「やるじゃん」と感心。洗面台には真っ赤なバラが飾

ってある。バスジェル、シャンプー&コンディショナー、石鹸に加えて、裁縫セットがあった。

据え付け型のドライヤーは風が弱くて「強」にしても微風。タジン型の素焼きの器が2つあり、

1つにはバラの花びらが、他には塩が入っていた。更に嬉しいことに、ゆうべワルザザードのホ

テルでショートしたのは、ホテルのコンセントの方らしく、私のコンデンサーは無事復活した。

昼間フィルムカメラで撮って不自由な思いをしたが、これで思い切りデジカメが撮れるぞ。

このホテルでは、都合4回食事をした。4月2日などは1日3食を同じレストランで食べたの

だ。料理の数も豊富で味も良かったが、これだけ続くと飽きる。ハード面も良く、珍しく故障や

不具合が殆ど無く高得点を出したいが、残念なことにホテルマンの態度がどうもねぇ。早朝レス

トランに入ってウェイターと目が合っても挨拶をしない。部屋の清掃をするメイドも廊下ですれ

違っても挨拶をしない。フロントで両替をする時も、彼は無言である。他のホテルでは皆笑顔で

挨拶してくれたのになぁ。ホスピタリティの面で減点。ほんとに帯に短し襷に何とかだなぁ。

□ SHERATON CASABLANCA HOTELTOWERS シェラトンカサブランカホテル&

タワーズ(カサブランカ)

100 AVE DES FORCEC ARMEES ROYALS, CASABLANCA 20000

п@212(02)2439494   Fax 212(02)2439401

 ここで3つ目のシェラトンホテル。モロッコには4つのシェラトンがあるそうだから、そのう

ち3つに泊まることになる。今までのフェズとマラケシュは、その街の新街地区の3〜4階建て

だったが、ここ経済の中心地のカサブランカは、街のド真ん中の高層ホテルであった。客室数3

06室、レストラン4(SAKURAという鉄板焼レストランも)、ラウンジ2、24時間ルーム

サービス。ここは冷蔵庫にたくさん飲み物が入っていて、ミニバーもあるのです。この冷蔵庫に

入っていた「カサブランカ・ビール」を飲んだが、濃厚で実に味わい深いうまいビールだった。

私の部屋は624号室だったが、翌日聞いてみると、4階、5階フロアーの部屋の冷蔵庫は空っ

ぽだったそうで、その理由がわからない。ケーブルテレビ、セーフティ・ボックス、ヴォイスメ

ールが完備され、いかにもビジネス客対応型ホテルとなっていた。バスルームのアメニティは標

準的なものに加えて、靴磨きセット、ティッシュのボックス、そしてヘルスメーターがあった。

毎日の食欲と食べた量に、帰国後の体重測定が恐ろしかったが、何とモロッコでそれが測れてし

まうのだ。「えいや!」と乗って、恐る恐る秤を見ると、えっ? 12キロ? そんな筈はない。

下りて見たら、やっぱり12キロ。な〜んだ、壊れているじゃん。部屋の中は、全体が緑で統一

されている。少し冷たいが機能的な感じ。ベッドはセミダブル。

 モロッコ最後の晩餐は、このホテルのレストラン。ツァーの皆さん、最後にバシィッとお洒落

して席に着く。料理はイタリアンあり、英国風ありでヨーロピアンというのか。それはそれで美

味しかったのだが、ここまで食べて来た健康的で土臭いモロッコ料理が早くも懐かしくなる。し

かし、いつものテーブルワインではなく、レストランで一番高い赤ワインを頼んだのだが、やっ

ぱりメクネス産のこれが味わい深くてとても良いワインだった。

 最後の夜ということで、2組のご夫婦に誘われて、ホテルのバーに行く。いつもならホテルに

1人で泊まっても、必ずバーに行くのだが、モロッコでは一度も行っていない。フェズのホテル

でバーに入った時の「物言わぬ圧力」を感じてから行かなかったのだ。昼間のカフェにさえ、女

性は行かない。男ばかりの世界だ。増してや外国人とはいえ、女性が1人でバーに来るなんて、

という空気を感じた。でも、その日は5人だからヘイチャラだもんねぇ。午後11時になった途

端、バーの照明は半分位に落ちた。何かショーでもやるのだろうかと見回すと、各テーブルに冊

子を配っているではないか。まさか、と思ったら、そのまさかで「KARAOKE」の選曲リスト

だったのだ。11時半まで歌う人はいずほっとした。12時半過ぎに行った人が目撃した様子は、

みんなでマイクを奪い合っていたそうだ。ビッグエコーさんのお陰で「やがて世界は歌いだし」

たのだなぁ。余談だが、翌日部屋でキーカードが見つからず、さんざん探し回った。ひょっとし

てと思い、ドアを開けてみると、しっかりと外側にカードが差し込まれて1晩を過ごしていた。

『地球の歩き方』によると、このホテルは、モロッコ隋一のサービスを誇っているのだそうで、

それならもう1泊くらいしたかった。

そうそう、モロッコで6つのホテルに泊まったが、全ホテルを通じて感心したことは、朝のウ

ェイクアップコールが指定時間に正確だったこと。機械、人手両方あったが、5分と狂いがなく

驚いた。「モロッコ時間」の話も聞いていたので、こうシッカリされてはモロッコのイメージが

混乱するのよね。安ホテルに泊まるには、ダニや蚤対策が必要なんてガイドブックにあったが、

とにかく快適なホテルライフでありました。

                                    おしまい

泊まった日:2001年3月〜4月

本編は夢子の地球大好きシリーズの「モロッコ陽炎ゆらゆら」パート1・2と合わせてお読み

下さい。

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