夢子のホテル大好きシリーズ

名古屋マリオットアソシアホテル

名誉は回復されるのか

 名古屋駅周辺の大工事が始まったのはいつ頃だっただろう。名古屋出張のその夜も栄あたりで

さんざん飲んで、タクシーで駅前に来たところだった。「何でも50階くらいのビルが2つ建っ

てホテルも出来るらしいですよ。出来るのはずっと先の話ですけどね」と一緒に飲んでいた男性

が、暗い工事現場を指差して教えてくれた。名古屋駅に50階のビルが2つも出来る? 酔った

頭では理解できないことだった。でも、数年経って2000年にちゃ〜んと出来たのである。し

かも立派に。高島屋も名古屋マリオットアソシアホテルもそのビルに入った。

 このホテルとの最初の出会いは最悪だった。新しモノ好き・ホテル好きの夢子としてはオープ

ンしたらトーゼン泊ってみたい。5月のホテル開業から数ヶ月経った頃、名古屋で行われる会議

に合わせて予約をしていた。予約は1ヶ月も前にね。当日チェックインにフロントに行くと「え

〜、夢子さまではご予約は頂いておりませんが・・・」と言うではないか! なぬ?1ヶ月も前

に予約したのに入っていない?ワナワナと怒りに震える(なんてことは無いけどさ)私に追い討

ちをかけるように「失礼ですが、そのご予約を入れて頂いた時に、お受けした私どものスタッフ

の名前は覚えていらっしゃいますか?」。覚えてねーよ、そんなの!さらに「もしよろしかった

ら、ご希望と同じタイプのお部屋は今からでもご用意できますが・・・」。という訳で予約から

の1ヶ月間は全くムダだったことになり、当日そこでダブルルームを予約し、枕はそば殻に替え

てとかいろいろな要望をフロントで言う羽目になってしまった。その夜は飲んだくれて深夜ホテ

ルに帰り、朝も食事もしないで早くチェックアウトしたので、名古屋マリオットアソシアホテル

については何の印象もない。予約を忘れられたホテルということ以外は。

 夢子は性格が優しい。だから今回名古屋マリオットアソシアホテルに名誉挽回の機会を与えよ

うという理由で宿泊することにしたのだ。どうだ、優しいだろう?へへへ。新幹線を降りて、コ

ンコースを桜通口に歩き右に曲がると1〜2分でホテル入り口に辿り着く。駅の真上にあるから。

駅のコンコースから来ると1階のロビーに、タクシーで来ると2階のロビーに着く。ここから低

層階用のエレベーターに乗って15階のホテルロビーへ。つまりこのホテルは3つもロビーを持

っていることになる。15階のフロントで名前を告げると、今度はしっかり予約は入っていた。

第一関門無事通過。部屋は42階。52階までの高層エレベーターに乗り換えて部屋に行く。低

層と高層のエレベーターを乗り継ぐのが面倒なのだが、低層3基、高層8基あってストレスを減

じている。しかしエレベーターの内部扉面は全面鏡。1人の時などは髪を撫でつけたり、自分の

姿を見て「あぁ美しい」と思っていればいいのだが、大勢乗っている時は目のやり場がなく落ち

着かない。このホテルは20階〜34階までと38階〜47階まで、そして35・37・48・

49階のコンシェルジェフロアの料金がそれぞれ違う。並べた順に高くなっていく。

           15階スカイストリート   15階ホテルロビー

スタンダードダブルの部屋はそれほど大きくはない。しかし42階だけあって、窓からの眺望

はステキだ。真下に名古屋駅前のロータリー、正面に名古屋城と周囲の緑が美しく見える。夜景

もいいだろうなぁ。オットマンつきのチェアと書き物デスクの椅子があるが、2人ならやっぱり

どちらかがベッドに腰掛けるのだろうか。でも1人だから十分。部屋全体がベージュで統一され、

黄色とブルーのベッドカバーが部屋の色彩のポイントになっている。ダブルベッドの大きさは標

準で、硬さもあって寝心地が良い。毛布2枚のベッドメーキングの要望は出来ていたが、そば殻

枕は忘れられていた。フットライトとルームライトのコントロールは、目覚まし付き時計につい

ていて、ベッド際のスポットライトの形がユニークで面白い。ベッドの隣の棚は3段の引き出し

がついているが、その1段にはセイフィティボックスが占めているから、クローゼットの狭さも

あって収納場所は少ない。

        

朝の名古屋 夜の名古屋

バスルームは、広くはないが3面鏡型の鏡と濃い茶のウッドパネルが印象的。バスタブは大き

く、固定兼ハンドシャワー、洗濯ロープがついている。アメニティグッズは洗面台の下にキャス

ターつきの2段篭に収納されている。使う時はコロコロと引き出して、一段目の籠ごと台の上に

乗せて使っても良い。ドライヤー、COTTONSWAPCOTTONPUFF、シャンプー、コンディ

ショナー、バスジェル、レーザー、アフターシェービングクリーム、シャワーキャップ、櫛、ブ

ラシ各1、歯ブラシ2はマリオットホテルのベージュ柄の袋に入っているが、中の物が見えない

上、グッズの中身が全部英語で書いてあるので、英語に弱い人には不親切かもしれない。次々と

袋を開けて、最後にやっと欲しいものが見つかるとかね。コップ2、ティッシュ1箱、灰皿、固

形フェイシャルソープ、バスソープ、バスタオル3、ハンドタオル3、フェイスタオル3。シン

グルユースなのにタオルが3枚ずつあるのは嬉しい。厚さは普通だけど。バスローブ、体重計は

無い。トイレはシャワートイレ、電話があり、BGMのつまみもあって、テレビの音などをお風

呂に入っていても聞くことが出来る。

        

冷蔵庫の品揃えは普通。ビールが500円、ソフトドリンクは300円、ミネラルウォーター

200円。感心したのは、お茶やミニバーのセット。テレビの下にある冷蔵庫のヨコに3段の引

き出しがあって、上段はお盆の上に茶碗と茶托が2組と受け皿がある。中段はコーヒーカップ2

個、スプーン2、コーヒー、紅茶、砂糖、ミルクが2つずつ。下段にはグラスの大小のグラスが

2組ずつとアイスペール、マドラーと紙ナプキン。うん、ポットにお湯も湧いているし、カンペ

キに近いぞ。氷が入っていて、ハーブティまであればね。テレビとの境には、作業をする薄い引

き出し板もあって、細かい心遣いが嬉しいね。やるじゃん、名古屋マリオットアソシアホテル。

       

ルームサービスは24時間。ルームサービスのメニューを見ていて、面白いことに気がついた。

「昔ながらの醤油ラーメン」は普通としても「お酒にピッタリ枝豆」、「チーズたっぷりミックス

ピザ」、「自慢のマリオットバーガー」、「トッピングいっぱいコンビネーションサラダ」、「大きな

海老フライタルタルソース」「具だくさんの天麩羅丼」とか、夢子の料理ネーミングとよく似て

いる。機会があれば、命名者にお会いしてみたいな。ルームサービスで朝食を頼むとアメリカン

2300円、コンチネンタルが1700円、和朝食は無いようだ。

マリオットとアソシアがドッキングして

 名古屋の中心街のホテルに泊るようになるまでの大昔は、名古屋出張と言えば駅の隣にある名

古屋ターミナルホテルに泊ることが多かった。支社はその当時駅のすぐ近くだったし、新幹線で

東京と名古屋を往復するには至極便利なのだ。過不足なく機能的でリーズナブルなホテルだった。

朝粥定食を初めて食べたのもこのホテルのレストランだった。ある時英語に堪能な人が「ターミ

ナル」という言葉が日本では間違って使われていると言い出した。駅のターミナルは我慢できる

として「ターミナルホテル」では生涯最後の時を過ごすホスピスと同じ意味だって。そのことが

新聞に載ってから、間もなくJR系の「ターミナルホテル」は別の名前に変更していった。既に

泊ることが無かったので、名古屋ターミナルホテルがいつホテル名を変更したのか或いは変更し

なかったのかは知らない。2000年の6月に大リニューアルを施したそうで、今は「ホテルア

ソシア名古屋ターミナル」と名前が変わっていた。ということは、JR東海傘下のホテルはアソ

シアということね。パンフレットを見ると、名古屋の他に「ホテルアソシア静岡ターミナル」、

「ホテルアソシア高山リゾート」、「ホテルアソシア豊橋」、そしてここ名古屋マリオットアソシ

アホテルがあるようだ。高山のホテルには前から目をつけていた。近いうちに泊りたいと思って

いる。マリオットは、世界的なホテルチェーン。アメフットファンには「夢」と言われる「スー

パーボウル」をニューオーリンズに1人で見に行った時泊ったのがマリオットだった。名古屋駅

の上という絶好の地を持つアソシアと1927年以来世界中でホテルを経営して来た豊富なノ

ウハウを持つマリオットの双方のアセットを合体して、このホテルを作ったということらしい。

 2つのタワーは、途中の階まではジェイアール名古屋高島屋や飲食店フロア、ホテルの各種施

設になっていて、19階からは「それぞれの道を行こうね」と別れたように別々に建っている。

ホテルでない方のタワーはオフィスビルになっている。ホテルは、15階にフロントレセプショ

ン、レストラン&バー、ショップがあり、16階は宴会場、17階は婚礼施設と宴会場、18階・

51階・52階はレストラン、18階にはフィットネスクラブとエステティックサロンがある。

客室数は780室。これだけの施設が出来たのだから、名古屋の人の流れは変わった筈だ。昨年

来た時、昼食を取ろうと高島屋とホテルの間にある飲食街のフロアに行った。店の数も多かった

が、平日の午前中だというのに、客がこぼれそうな程押しかけていた。もう名古屋の新名所とい

う感じで、どの店も行列が出来ていて忙しいビジネスマン達がランチを素早く取るなどというこ

とは無理。地元経済がこのビルに客を奪われてはマズイだろうなぁと心配したが、昨年の統計で

は「名駅」という名古屋駅前附近一帯は大いに潤ったとあってホッとした。

大いに迷う食事の選択

 このビルにはたくさんの飲食店が入っているが、ホテルの直営レストランは9つだけ。「だけ」

と言ったが9つもあるのだ。先ずは一番の目玉、フランス料理「ミクニナゴヤ」。3月に行った

あの四ツ谷のオテルドミクニだ。52階にある。51階にはスカイラウンジ「ジーニス」、18

階には3つあって、中国料理「梨杏」、日本料理「華雲」、鉄板焼「那古亭」、ロビーフロアの1

5階にはカルフォルニアグリル「ラホーヤ」、メインバー「エストマーレ」、コーヒーショップ「パ

ーゴラ」、ロビーラウンジ「シーナリー」。遊びに来て2泊もすれば、どの店にも行くことが出来

るだろうが、仕事で滞在したので食事の機会は2回だけだった。コンシェルジェのおじ様が上品

な紳士だったので、先ずは「ミクニナゴヤ」を頼んで貰ったが満席。ひところの混雑は緩和され

て来たという話だったが、予約なしはキケンだ。それではと鉄板焼「那古亭」を予約して貰う。

鉄板焼「那古亭」のコースは

狂牛病騒ぎ以来あちこちの鉄板焼が空いている中、その夜「那古亭」は大盛況で予約したこと

が正しかった。外国人客もたくさん押し寄せて10人までは数えられた。ここでは松坂牛を使っ

ているが、9月からやっていて好評という「特選飛騨牛コース」を選んだ。1万3千円もするけ

どいいや。大きなグラスで生ビールをグビグビ飲みながら先付けの無花果の味噌だれを食べる。

味噌だれと言えば、ゆうべ市内の「宮鍵」という店で味噌すきを食べたが、味噌のうまさに感動

した。地鶏のスモークに温めたマスタードソーズをかけて。うまい!牛タンと松茸、野菜をコン

ソメで煮たポトフが小さな胴鍋で供される。6時間煮たという牛タンは口の中に入れただけでハ

ラリと崩れ、松茸は香り高くうまい!

     

     無花果   スモーク地鶏マスタードソース 牛タンと松茸・野菜のポトフ

 姫鱒と山芋の朴葉味噌焼き。朴葉の上に味噌を敷き姫鱒を焼いて乗せる。そこに味噌の辛さ

を緩和するように山芋をおろして温めたものを乗せる。味噌と山芋をよく混ぜて食べる。あぁう

まい! よく冷された白ワインをグビッと飲むと、口の中の味噌の濃厚な味が洗われるようで、

これまたうまい! 次は野菜だ。秋茄子と姫竹の子、えび芋はわかるが、見たことのない緑の豆

がある。聞けば飛騨地方の野菜でアキシマささげというのだそうだ。生の時は青い色をしている

が熱を通すと緑色に変わるらしい。コモ豆腐という、これまた飛騨高山地方独特の豆腐。簾で硬

く巻くのだそうで、筒状の表面には簾の跡がついていて固めの豆腐だ。これをぽん酢、トマトと

玉葱たれ、ニンニク味噌の3種類のタレにつけて食べる。うまい!ここで赤ワインに代えてと。

いよいよ真打ち飛騨牛。ヒレを頼み焼き加減はミディアムレアでね。半分を焼いて、カリカリに

んにくチップと塩と一緒に。うまい!うまい! 和風ドレッシングをかけたサラダも冷たくてう

まい! 残り半分の肉には、やはり飛騨高山のビジョー餅が添えらた。うまい! 先程からずっ

と焼いていた牛脂を細かく切ってもやし・ちんげん菜と共に炒めたものもうまいね。最後はえご

ま・紫蘇・柴漬けの炒めご飯、赤だし、香の物。えごまも飛騨のもので、プチプチと歯の先に当

って、これまたうまい! 飛騨牛のコースにするからには、当地の珍しく美味しい食材をふんだ

んに使って料理を作ろうとした料理人の気合がいい。それに何よりも美味しいし。また食べたい

と素直に思う程満足したコースだったが、2ヶ月の期間限定なので10月末で終わってしまうの

だと。それにしてもうまかったなぁ。

     

       姫鱒と山芋の朴葉味噌焼き

      

      飛騨牛ヒレステーキ     手前の白いものがビジョー餅 えごまの炒めご飯

メインバー「エストマーレ」

 1泊目の深夜、既に2軒でしこたま飲んでホテルに戻って来た。エレベーターが自分の部屋ま

で直通だったら、恐らくそのまま部屋に帰ったかもしれない。しかしここでは前述したように、

15階で高層エレベーターに乗り継がねばならないのだ。低層エレベーターから次の高層のそれ

に乗り換える時、ふと目に入ってしまった。そこにメインバーの扉があったのだ。吸い込まれる

ように入ってカウンターに座る。もう看板時間も近いので店内は比較的空いている。まぁ詳しい

ことは省くとして、その夜のエストマーレの印象は良くなかった。こちらが酔っていたからかも

しれない。でも私は優しいのだ。エストマーレにも名誉挽回の機会を作ることにして、もう1度

行くことにした。優しいでしょう? 9時前というのに2晩目のエストマーレは大混雑。入り口

で予約が無いと大勢は難しいなんて言われている。ようやくカウンターに空席を見つけて座る。

60席あるというが、大きいグループからカップル、仕事の延長のようなビジネスマン達が酒を

飲み、料理をぱくついている。ここのフードメニューを見る。かなりの数があるが、ベジタブル

スティック1500円、ガーリックトースト1000円、ステーキサンド2500円、ヒレステ

ーキサンド3000円といった具合で飲み物に比較するとちょっと高い感じ。タンカレー・ジン

トニック、ボンベイサファイア・ドライマティーニ、ロングアイランド・アイスティを飲んで2

500円位だから飲み物は安いのにね。カクテルの作り方がアッサリとし過ぎの感じもする。忙

しいバーだからこうなるのかしら。大ファンになるということも無かったが、まぁ気持ち良く酔

って帰った。

     

「花雲」も次は考えてみよう

朝食を食べるにはルームサービスか、15階コーヒーショップ「パーゴラ」、18階の日本料

理「華雲」の中で選ぶ。迷わず「華雲」へ。やや、こんなに大きなレストランだったか。入り口

の門をくぐると、広い通路を真ん中に左右には寿司、天麩羅、板前割烹がそれぞれ独立した戸建

てのような格好で仕切られている。中を覗き込むとカウンター席がずらりと並んで魅力的。今度

はここも利用しよう。どんどんずんずん歩いて奥のテーブル席へ。それほど広いのだ。和定食も

朝粥定食も2000円だ。朝日が眩しい程の日当たりの良さ。やがて目の前に置かれた和定食は、

幾つもに仕切った皿に料理が飾られている。それ以外に小鉢も2つ。味噌汁には鯛が入っていて、

朝から豪勢じゃないか。ご飯がうまい。「お替りをどうぞ」と最初に言われたので、お替りをす

る。ホール担当の方々は男女ともに丁寧で気持ちの良い応対だった。朝食が安いわりにコーヒー

は500円と高めだが、気分がいいので注文する。コーヒーを入れた可愛いコーヒーセットは瀬

戸の赤津焼ということだった。

     

タワーズフィットネスクラブ

 ビジネスビルサイドに張り出した感じの18階に大きなフィットネスクラブがある。15階の

奥まったブライダルサロンの前に、まるでこっそりと隠したような場所にある専用エレベーター

で行く。会員制だが、宿泊客は3千円で利用出来る。プールは朝7時から夜9時までやっている

から、仕事の前や終わった後にも利用出来てビジネスマンにも都合が良い。ロッカールームに行

ってびっくり。広い。ざっと数えただけでも約100個のロッカーがある。男女別々だから、こ

れから利用する人、着替えて帰る人が一堂にロッカールームに入ったとしたら、200人がフィ

ットネスクラブにいることになるね。所々にバスローブやバスタオル、フェイスタオルが積み上

げられている。バスローブを着ていざプールへ。リーガロイヤルホテル早稲田のプール程ではな

いが、かなり広々として正面が高層の窓に面していて明るい。20メートルの長さのプールは、

1番手前がウォーキング専用、次がスイミング用、その先はロープで区切らずにおよそ2コース

分の広さがある。水深は1.15メートル。プールの先の窓側には、丸いジャグジープールとテル

マリウムという温浴ベッドが盛大に泡を吹き出しながら利用者を待っている。一度に4人がゆっ

たりと使える。プールの右側の窓際には仕切った部屋がウォームルームになっていて、気温40

度の室内にいくつかの木製の寝椅子チェアが並んでいる。プールの右側にはソファセットが配置

されてインテリアとして効果的。室温は33度、水温は30度。歩くには良い水深だが、大きさ

がかなりあるせいか泳いでも波を被り過ぎることはない。スタッフが詰める事務室のような小部

屋もあるのだが、男女の監視員風のスタッフが、足を30センチ程開き、手を後ろ手にしてジッ

と見つめているので、何だか恥ずかしい。彼らにしてみれば、業務遂行のために最善の姿勢を取

っているのだろうが、下手くそなスイマーには「見ないでよ〜」という気持ちもあるじゃないで

すか。ウォームルームの窓際に座ると名古屋の駅前が眼下に広がり、こんな所に水着姿でいるこ

とが不思議に思えてしまう。バスルームにはサウナが併設されていて、風呂も広い。洗い場は7

つ。ドレッシングルームに備え付けた備品は洗顔フォーム、ミルクローション、スキンローショ

ン、パフ、綿棒、液体ソープ、歯ブラシ、シャワーキャップ、ブラシ、ドライヤーでそう多くは

ないが不足もない。リラクゼーションルームは、18階の窓際を有効に利用して優雅な雰囲気。

新聞や雑誌もおかれていて、時間のある人なら寝心地の良い椅子に横たわり、テレビを見たり、

音楽を聴きながら名古屋の街を見下ろしたりとゆったりとした時間を過ごすことが出来る。水と

ウーロン茶は無料。冷蔵庫の飲み物は有料だが、ビール300円。ソフトドリンクは150円と

いう安さだ。

     

      ロッカールーム ウォームルームから見たプール ドレッシングルーム  リラクゼーションルーム

 すっかりこのタワーフィットネスクラブが気に入ってしまい、帰りの精算時に、つい入会金な

どを聞いてしまった。ここは名古屋じゃないの、東京から通うのですか? 夢子さん! パンフ

レットを貰って見てみると、個人会員は入会金70万、会員資格保証金80万円で合計150万

円、年会費18万円、女性会員の場合は、それぞれ60万、70万で合計130万円だ。私が入

会しているクラブに比べるとかなりお安い。しかし毎回施設利用料が1回1000円かかる。他

に特典などの条件もいろいろあるのだが、やっぱり東京に住んでいて名古屋の会員になるのは無

理かなぁと正気を取り戻した頃、係のお姉さんが、やんわりと「今でも会員希望の方が約50人

お待ちなんですよ〜」と言った言葉で完全に目が覚めた。名古屋の人に割り込んじゃいけないね。

美味い名古屋に来るならここ

 初めて名古屋に来たのは、小学校6年の春だ。当時は長野県大町小学校に通っていたが、6年

の修学旅行が名古屋だった。大糸線と中央西線を乗り継いで名古屋に来た。上ったテレビ塔は、

12歳の少女にとって初めての高さだった。百メートル道路の広さに驚いた。金のシャチホコは

工事中で見ることが出来なかった。初めての太平洋で潮干狩りをした。次は、大学時代の地方公

演だったか。岐阜でも公演したが、岐阜と名古屋の余りの近さに驚いたことを覚えている。就職

してからは、もっぱら仕事で名古屋と東京を往復した。名古屋の街に来た通算回数は一体何回く

らいだろう。40回?50回? 名古屋出身の作家清水義範氏は、お気に入りの作家の1人で、

氏の作品を全部読んでいたが、多作の彼についていくのは大変だ。『そばときしめん』で大ファ

ンになり、徳川幕府ではなく豊臣幕府300年の栄枯盛衰を描いた『金鯱の夢』を涙を流して笑

って読んだ。この名古屋を「食の孤島」と言ったのは誰だろう。「きしめんとういろう」しかな

いと。私はきしめんが好きだ。味噌煮こみうどんも好きだ。櫃まぶしも好きだ。カレーうどんも

大好き。八丁味噌も好き。名古屋コーチンはうまい。岡崎赤鶏もうまかった。「ゆかり」という

海老せんべいも好き。手羽先は安くてうまい。二人静は上品だし。守口漬けも好きよ。

昼も夜も食べたいものだらけの名古屋。今度はプライベートの旅で名古屋に来ようかしら。そ

の時は又名古屋マリオットアソシアホテルに泊ろう。今回は優待などもあったからスタンダード

ダブルシングルユースで1泊1万2500円だったが、全体にリーズナブルな料金である。更に

パッケージプランも多様な利用に合わせて用意があり、レディスプランにはフィットネスクラブ

利用プランやエスティックメニューもある。次回の利用に備えてじっくり研究しようか。名古屋

マリオットアソシアホテルは見事に名誉回復し、夢子はお気に入りのホテルが1つ増えた今回の

滞在だった。

                                     おしまい

泊った日/2001年10月

名古屋マリオットアソシアホテル:〒450-6002 名古屋市中村区名駅1-1-4

電話:052-584-1113  FAX:052-584-1112

 

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