夢子のホテル大好きシリーズ

                                        俵屋

一度は泊まってみたい京都の俵屋へ

 京都の純和風には御三家があるらしい。「俵屋」、「炭屋」、「柊屋」の3軒だと言う。料金ももちろん高

いが、それよりも格式の高さが、フツー人には心理的な敷居の高さとなって予約を躊躇わせる。石州

(島根県)の呉服問屋「俵屋」の京都支店の支配人として赴任した岡崎和助のもてなし上手が買われて

後に石州藩士の定宿にもなったというのが「俵屋」の始まり。幕末には、安政の大獄の立役者・長野主

膳の定宿になり、公卿さんも頻りに出入りしていたようだ。明治時代となって東京に遷都が行われると、

鷹司、近衛、三条、九条などの京都出身の華族達は里帰りの度に「俵屋」を宿にしたと言う。その上、

長州の毛利氏、水戸徳川公などのお殿様、そして岩倉具視、伊藤博文、木戸孝充、大久保利通などの

明治の元勲達が「俵屋」の顧客名簿にずらーーっと名を連ねているのだ。益々泊まりにくい。近年でも

レナード・バーンシュタイン、ヒッチコック、アイザックスターン、マーロン・ブランド、某国の国王、アメリカ

の大統領、日本の有名俳優・・・・・・この宿に泊まった著名人の名前も枚挙にいとまがない程。京都で

最古の宿、300年の由緒ある「俵屋」は、それほど畏れ多い宿なのだ。何年もどうしようかと迷った末、

この秋エイヤ!と勇気を出して電話を掛けた。「はいはい、お一人様でもお泊り頂いてよろししゅうござ

いますが、ただ、料金の方がお高くなりますがよろしゅうございましょうか?」と優しい返事。よし!これ

で長年の憧れの俵屋に泊まれるぞ。

近くにある本能寺                俵屋の入り口             道を隔てた柊屋

 「俵屋」は、地下鉄「御池・からすまおいけ駅と京都市役所駅の中程にある。住所で言えば中京区麩

屋町御池下ル。近くには、あの本能寺があり、通りを隔てた隣には御三家の1つ「柊屋」が建っている。

因みに「炭屋」も歩いて数分だ。緊張しながら、床に打ち水された「俵屋」に入る。本日の宿泊者の名簿

らしい紙を手にし、涼しげな作務衣を着た下足番の男衆(宿ではこう呼ぶらしい)の方がいらして、名前

を告げると「ようよういらっしゃいました。さぁさぁどうぞ」と迎え入れくれた。次はもう少し若い男衆が荷

物を受け取り、2階に案内してくれる。今日の私が泊まるのは「霞」の間である。

 絹の布が貼られた扉を開けると、正面に獅子の親子だろうか、ちょっとデフォルメした像が出迎えてく

れる。右に折れると、全面ガラス張りの窓の外に青竹が美しく見える。踏み込みの部屋は書斎のように

使うのだろうか。部屋全体はL字型で、書斎コーナーの右側に和室がある。8畳のしっとりした数寄屋

造りの部屋だ。鮮やかな朱漆塗りの座卓と心地よさそうな座椅子2つが向き合う。現在の11代目のご

主人佐藤年さんが3年の研究の末、作り上げた通称「ベンツ座椅子」。微妙なカーブのある大きめの座

椅子で、愛車のベンツの乗り心地から思いつかれたそうな。名称はわからないが部屋の隅に高さ15セ

ンチ程高くなっていて、そこだけがシンプルな床の間を感じさせる。その上にピンクのコスモスが何気な

く投げ入れたように飾られている。掛け軸は「燈火町滅孤窓前」とあって墨跡美しい。調べてみたら、墨

跡研究の第一人者で書画も巧みで「俵屋」の顧客でもあった田山方南(1980年没)の作品だった。

「俵屋」では、毎月館内メインと全客室の美術品を入れ替えるのだそうで、田山方南の掛け軸も9月の

霞の間を飾るという訳だ。そう言えば、先程ロクに見もしないで通り過ぎた正面玄関にあった屏風は、

梅原龍三郎の「月」という作品であることが部屋にあった資料でわかり、不明を恥じる。私が好きな台湾

の「故宮博物館」でさえ、展示の入れ替えは3ヶ月に1度なのに、毎月とは「俵屋」は、どれほどの美術

品を持っているのだろうか。その管理や選別も大変な作業であろう。千利休が完成したと言われる数寄

屋建築は、茶室に代表されるように外面の美しさを否定し、極限まで装飾性を排す特徴だが、テレビも

見事に隠れていた。コンセントも畳の縁などに巧みに隠されているのだが、携帯電話充電用のプラグ

が大きくて、部屋のどのコンセントにも差し込めなかったのは残念だった。

  

  

  

  

  

 和室からも、書斎コーナーからも大きなガラス窓を通して、青竹が美しく見える。青竹は、小さな坪庭

から生えていて、何室かの客室から角度を変えて楽しめる恰好だ。坪庭には、井戸のようなものが見

えた。次の間兼書斎兼廊下のような6畳の間がすっかり気に入ってしまった。窓側に細長いカウンター

のような棚があり、その下は掘り炬燵形式に足を出して腰掛けることが出来る。カーテンの機能を務め

るのは細かな簾だ。手縫いの上品な麻絹布で覆われた電話、桜の手彫り盆の上には、錫製品だろうか

キレイなポットに冷たい水が入っている。絹の袋の中には裁縫セット、文具セットの横には何と半月型

の墨箱に硯と墨、毛筆があるではないか。誰かにサラサラと恋文でも書いてみたいが、毛筆は苦手な

のでヤメタ。灯りの下には、「俵屋のデザイン2002」という大特集を掲載した『婦人画報』2003年9月

号、村松友視著『俵屋の不思議』、そして『俵屋の月次つきなみ』が置いてあった。『俵屋の月次』は、一

年間の毎月の行事が克明に、しかも美しく表現されている。例えば、1月は歳の始め、2月冬木立、3月

雛の愁、4月華見の誘い、と言った具合だ。今は9月。9月を見れば重陽。真綿を被せた菊の花を「着

せ綿」と言い、中国古代の趣向だったとか。一夜の露を含ませて顔を拭くと良いとされたそうで、菊の花

にある精気を移したのではないか、とあった。この「着せ綿」をした菊は、1階に飾られているそうだから

後で見に行こう。重陽には、虫の音を聴きながら菊の酒を飲む趣向もあったようだ。季節と言えば、遊

楽のお伴にと月替わりのお弁当も用意されている。1月百合根ごはん、2月初午ちらし、3月鯛ごはん、

4月筍ごはん、5月豆ごはん、6月鮎ごはん、7月鱧ごはん、8月飯まむし、そして9月は湯波ごはんだ

った。夜までに注文すると、翌日の朝10時には受け取れる。3千円だが、宿泊者は5%引きとなる。サ

ービスしてその後のメニューも記そう。10月松茸ごはん、11月栗ごはん、12月すぐきごはん。翌日、仁

和寺の境内で頂いた湯波ごはんは、ちりめんじゃこご飯に生湯波が敷き詰められ、マナ鰹の西京焼、

半熟卵、茄子の田楽、菊菜としめじの酢の物、茗荷、銀杏が入っていて、見て美しく、食べて美味しい

お弁当であった。「俵屋」の故事に因んだ細やかな心遣いに、早くもほとほと感心してしまった。この宿

は、安らいだり、楽しんだりする他に学ぶ場所でもある。四季に厳然と向かい合い、その移ろいを楽し

む技を、イニシエの京都の人々がいかに持っていたか。それを受け継ぎ、凝縮したカタチが今の「俵

屋」にある。

   

書斎コーナーの左手に洗面室や風呂がある。この宿には大風呂はなく、客室の風呂を利用する。こ

れも今の季節の暖簾なのだろう、麻地に薄の柄である。茶系と白の落ち着いた洗面台で、小さめの丸

いシンク。「京都俵屋旅館」のラベルが貼られた有名な石鹸、英文字のロゴの入ったタオル類はバスタ

オル4枚、フェイスタオル4枚、ハンドタオルは5枚とふんだんに用意されている。その他シャンプー、

コンディショナー、シャワーキャップ、歯ブラシ、男性用の髭剃りセットなど過不足ない。ドライヤーは扉

で目隠しされ、冷蔵庫は何と洗面台の下あった。数寄屋風に合わないものは、徹底的に隠すという姿

勢が貫かれている。冷蔵庫の中は、ミネラルウォーター、ビールの小瓶、ウーロン茶、トマトジュース、

レモンビタミンの缶が入っているが、無料であった。体重計には板片が貼られ、これも無機質感を嫌っ

ているのだろう。この部屋をシゲシゲと見て、感心しきりだったが、1つ意外に思ったのはクローゼット。

布をカーテン代わりにしたクローゼットで、オリジナルデザインのハンガーが何本か。この布が途中で

垂れていて、ちょっとみっともない。普通の宿なら何とも思わないのだろうが、何せここまで唸りっぱなし

であったからね。クローゼットの床には金庫、その下には汗取り用の浴衣があった。1泊なら良いが、長

期滞在するには、荷物の収納場所が少ないのではと気になった。ま、私がそうゆうことで困ることは無

いだろうが。トイレはシャワートイレである。

さて、お風呂だ。床と正面の壁は、大小合わせた木で敷き詰められ、几帳面な美しさがある。湯船は

高野槙という木材を使った湯船だそうで、冷めにくい特徴があると言う。湯は地下水を汲み上げていて

何度入っても湯当りしないそうだ。湯船には、既にたっぷりのお湯が張られている。温度計があるので

計ってみたら42度。何時入れたお湯だろう、確かに冷めにくいんだね。湯桶はとても薄く、たっぷりのお

湯を被るのに、まことに使いやすい。薄くて細い浴用タオルも然りで、日本のホテルで悩みのタネの浴

用タオルはすべて「俵屋」仕様にすれば良いと思うほどである。オリジナルの天然香料を使った石鹸も

仄かな香り。シャワーのお湯がなかなか出ない。洗面台にも「お湯を使う場合は、全開して5分程流し

てください」と注意書きがあったな。何分流しても水のままなので、諦めた。湯船にザザーッとお湯をこ

ぼしながら、湯に浸かる。柔らかいお湯だ。窓を開けてみると、9月の爽やかな風が入って来て、夢心

地となった。普段カラスの行水なのに、珍しく鼻歌を口ずさんで長湯してしまった。あぁ、「俵屋」の風呂

は気持ち良い。

美術品とセンスに溢れた館内

 部屋の紹介を先にしてしまったが、時間を到着時に戻そう。男衆に案内され、部屋の説明を受けた。

その後、女性スタッフが夕刊とお茶を持っていらした。部屋の係りは後ほどご挨拶に見えると言う。「俵

屋」では1室1名のお部屋係りがいて、今日の霞の間担当は、ちょっと年配の女性だった。煎茶と朱塗

りの小盆に、竹の葉を敷いた青竹の器で蕨餅が供される。この蕨餅は、最高の蕨粉を使って厨房で手

作りしている。今まで、小石川「一幸庵」の蕨餅が一番美味しいと思って来たが、この蕨餅は絶品であ

る。お替りと言いたいが、テイクアウトは出来ないらしい。さて、お茶も頂いたことだし、「俵屋」の内部探

索に出かけよう。霞の間は、母屋の2階にあるが、左手には3階建ての新館があり、全部で18室。竹泉

、松籟しょうらい、晩翠ばんすい、翠みどり、東雲しののめ、茜あかね、楓かえでなどの風雅な部屋

の名前が連なる。部屋の広さも造作もどれ1つとして同じものはなく、すべて趣きが違う部屋というので

、全室制覇は夢のまた夢と思いながら憧れる。外国人客を意識した国際観光ホテル法では「いす及び

テーブルの備え付けのある広縁その他の施設があること」という条項があるそうで、この数寄屋造りを

主体とした部屋を如何に美しく条項を叶えるかが、主人の佐藤さんが背負った課題だったと言う。霞の

間書斎コーナーのカウンター下が掘り炬燵形式に座れるようになっていたのは、その工夫の一環だっ

たのだ。なるほどなぁ。災い転じて福と成すとはこのことで、国際観光ホテル法が「俵屋」ならではの心

地よい美しい空間が出来たという背景は面白い。ついでに言えば、ご主人の佐藤年さんは、1932年生

まれ、学習院大学卒、カメラマンのアーネスト・サトウ氏と結婚され、昭和41年にご実家の「俵屋」の仕

事に付かれて11代の主人になられた。俵屋の建物は平成11年、国の有形文化財に登録されたそう

だ。

和紙で包んだ消化器を横目に階段をトントンと降りる。ここではスリッパなど必要ない。左手は正面

玄関で、部屋で学んだ梅原龍三郎の「月」の屏風を拝見する。右手には、「俵屋」を象徴するような坪庭

があり、もちろん空を仰ぐことが出来る。坪庭は、月次(つきなみ)の飾り付けをする場所らしく、大きな

石の花器の中には、たくさんの花や薄と一緒に重陽の「着せ綿」をした菊もある。何とも風情がある。

「俵屋」の年間行事は正月の寿ぎの節会御膳から始まり、7日の七草粥、15日の小正月と小豆粥、2月

3日の節分、3月3日上巳ひな祭では江戸、明治、昭和の三代雛を飾り、4月は華見と続くが、最後の

12月12日の行事は餅花だと言う。泊まり客がそれぞれ餅花を作り、この坪庭に飾る風景は見事としか

言いようが無いと部屋係りの方に教えて頂いた。「是非、今年の餅花の日にお出でください」とも。坪庭

を取り囲むように廊下があり、奥の部屋に行ってみると、図書室の「高麗洞」があった。手前のロビーに

は、重陽の飾り付けとして、時代ものの虫籠があり、籠の外で秋の虫が遊んでいる。テーブルの上には

裏に薄の模様のある杯と酒、そして1本の煙草と灰皿。何とも粋な趣向ではないか。火燈口をくぐって

奥の部屋に行くと、そこが「高麗洞」だった。白い部屋だが、韓国で漉いた韓紙の効果か、柔らかな包

み込むような印象だ。ぎっしり収められた蔵書に囲まれ、読書に親しむには絶好の図書室。

料理も器も美しい夕食

さて、楽しみの夕食だ。食前酒は「俵屋」の白ワイン、先ほどロビーにあった裏に薄模様のある平ら

    な杯で頂く。先付けは、海老と蓮煎餅と翡翠銀杏。1品、1品が部屋係りの方が運んで下さる。おぼろ

   蒸し(白身魚、鰻、鶉の卵、しめじ、隠元豆)、平目へぎ造り、萩真蒸 松茸・芽葱・柚子、かます柚庵焼

   き 栗茶巾、湯波鮨 茗荷鮨、はもとお芋さんを葛で炊いたん、粟麩と舞茸の白酢和えと続く。冷酒に

   も「俵屋」のブランドがあり、ついつい美味しくて4合飲んでしまった。味はもちろん、季節に合わせたそ

   れぞれの器が素晴らしく、拍手してしまう。赤だし、香の物でご飯を頂くが、このご飯も香ばしくてお替り

   をした。無花果のデザートまで、美味しく、美しく、楽しい食事であった。黒川料理長、ごちそうさまでご

   ざいました。

  

  海老と蓮煎餅 翡翠銀杏で始まる       ワインを飲んだ小皿の裏には秋があった     おぼろ蒸しは薄いーとろみ

  

  平目へぎ造りはプリプリ 縁側も旨いよ      松茸・芽葱・柚子を載せた萩真蒸       朱塗りのお椀の裏にも秋が

  

絶品のかます柚庵焼き 栗茶巾もほくほく      冷酒は「俵屋」          凌ぎの湯波鮨 茗荷鮨、

  

はもとお芋さんを葛で炊いたん        粟麩と舞茸の白酢和え                デザートは無花果

 夕食が終わってからマッサージをお願いすることにした。書斎コーナーでぼんやりしているうちに、部

屋係りの方がたちまちのうちに、食事処を静かな寝室に変身させてくれた。ここの寝具は定評がある。

厚手のマットレスの上に敷いた真綿の敷布団、柔らかいのと硬いのが揃った羽毛枕、そして麻のシー

ツとカバー、羽毛の夏掛け布団。これも主人の佐藤さんが、長年の研究の末に完成した寝具だそうで、

お値段はびっくりする程高価なものだとか。京都に惚れ込んで住まいまで移されたある女性は、母親の

親孝行にどうしてもこの布団が欲しいとお願いし、同じものを手に入れたという話を聞いたことがある。

ナイティには、淡い色調のコットン&ガーゼで、柔らかく着心地が良い。L字型の部屋の庭側には、障

子は閉められ、就寝前の干菓子とお茶が用意された。マッサージは、午後2時から11時までで、40分

4500円であった。

  

  

      一夜明けて、朝だ。昨日指定した新聞の朝刊と共に、フレッシュオレンジジュースと小梅、お茶が届

けられた。7時半のことで、部屋係りの方がもう出勤しておられる。住み込みかと思ったら、通われてお

られる由。この方は館内の案内を忘れたり、お茶をこぼしたりでそそっかしいことと、質問すると、その

都度聞きに行かれるので時間がかかるという難点はあったが、人柄の良い方であった。寝室は食事処

にまた変身して朝食の膳が並べられる。立派な湯豆腐桶には炭が入っていて、豆腐とつけ汁を温めて

いる。薬味は細葱、大根おろし、海苔に鰹節。昨夜焼魚の希望を聞かれ、真鯵のヒラキを注文するとハ

タハタと共に皿に乗っている。他にぜんまいと油揚げの炊いたん、青菜の煮浸し、ちりめんじゃこ、昆布

煮、漬物、アサリの味噌汁で、つい美味しくて朝からご飯を3膳も頂いてしまった。連泊客用や外国人

客も多いので洋朝食の用意もあるようだ。

  

  

 6時に目が覚めたので必要は無かったのだが、モーニングコールのサービスがある。ランドリーサー

ビスもある。ベビーシッターサービスもある。カードもOKだ。電話のモジュラーもある。数奇屋造りの純

和風旅館の姿をしていていも、ホテル的現代サービス機能はちゃんと整えている。夜の10時には、防

犯のために玄関は閉まるが、ベルを押せば何時でも開けてくれる。夕食を済ませてから、バーに繰り出

しても、これで大丈夫なのだよ。帰り際に、1階のギャラリー「遊形」で「俵屋」オリジナルグッズを求めた。

ベストセラーの天然香料石鹸、ハンガー、傘、紙衣茶缶、リネンを使用したバッグ類、その他小物類が

魅力的に購買を誘う。屑箱1つとっても、主人の発想から研究尽くされ、作られているから大いに迷う。

お香を紙で包んでデザインした慶長グリーティングカードを何通か買うことにした。名残り惜しいが帰る

ことにしよう。玄関の上がりかまちには、私の愛用のウォーキングシューズがウヤウヤシク置かれてい

るではないか。しかも靴紐が解かれて、左右にキチンと伸ばされている。ちょっと恥ずかしい。靴も履い

た。リュックの荷物も受け取った。入り口に何歩か歩くうちに、玄関付近にいらしたスタッフの方全員が

私の見送りをしてくれる。7人もいらしただろうか。恐縮しながらお礼の挨拶をして、通りに出る。大きな

通リまで約30メートル。背中で感じるのだ。やっと角に辿り着き、曲がるついでに後ろを振り返ると、や

っぱり全員の方が、先ほどと同じところに立っていらいして会釈をされた。私も深々と会釈をした。

                                                          おしまい

データ: 俵屋

      〒604−8094 京都市中京区麩屋町通り姉小路上ル

(但し、俵屋のパンフレットには麩屋町御池下ルとあり、どちらが正しいのか不明)

      電話:075-211-5566  FAX::075-211-2204

      チェックイン:午後2時  アウト:午前11時

      部屋数:18室 定員50名    駐車場:5台 (無料)

      行き方:京都駅からタクシーで約15分

           地下鉄烏丸線御池駅から徒歩15分  東西線京都市役所駅から徒歩7分

      料金:平日、休前日とも通年(但し特別日除く) 

2名利用で1人4万6千円(特別日は6万5千円)

3名以上利用で1人4万4千円(特別日は6万3千円)

これに15%のサービス料と消費税がつく

私の場合は、1人で宿泊したので5万5千円+8250円+3163円=6万6413円

      素泊まり、食事のみをOKのようですので、宿にお問い合わせください。

      泊まった日:平成15年9月    書いた日:平成15年10月

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