パクパク日記2年10月4週
標高940メートルの軽井沢は紅葉真っ盛りだった
10月21日(月)雨 夕刻あがる
昼 新橋駅前ビル「本陣房」 山菜そば(田舎そば) 1050円
そばは白く細い「せいろ」と黒く太い「田舎」がある。元は田舎モンだから田舎にした。ドッ
サリかけられた削り節が熱いそばの上で暫らくフニャフニャと踊っていた。今日のそば汁は関
西人が食べたら目を剥くほどしょっぱい。そば湯を貰って倍に薄めたらちょうど良くなった。
夜−1 四谷3丁目・杉大門通り「おちあい」 お任せコース(茄子の味噌煮、刺身盛り合わ
せ、真鱈の白子ポン酢、キノコ汁、手羽先、茄子炒め、イカの塩辛、芋鍋、雑炊、イ
ナゴの佃煮、ビール、冷酒
入社10年でようやく希望の仕事に就いた○村君と若い△村君と「おちあい」に行く。今年初
の白子を用意してくれていた。虎ふぐで無くても白子はうまいなぁ。きのこ汁も懐かしい。懐
かしいと言えば信州名物のイナゴの佃煮が出た。子供の頃は気持ち悪くてどうしても食べられ
なかったが、今日は1匹だけ食べた。「おちあい」のご主人は山形のご出身だが、田舎の家に帰
ったような気分になる。雰囲気もお料理も。旅の話、ホテルの話で大いにで盛り上る。
夜―2 四谷3丁目・杉大門通り「よつやこくている」 ジントニック
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10月22日(火) 晴れ
昼 新橋・第一ホテル東京「武蔵亭」 そば御前(茶そば、刺身、天麩羅、小松菜の煮浸し、
漬
漬け物、赤だし、ご飯)、コーヒー
不肖私メが紹介の労を取ることになっていたのに、お店に着いたら既におニ人はお話をしてい
た。アッチャー!ゴチになりました。そばは茶そばだったけど普通のおそばの方がいいのにな。
夜−1 白金「龍虎鳳 ロンフゥフォン」 シェフの10品お任せコース(菱の実、香醋猪耳・
豚の耳とクレソンの黒酢和え、芝麻冬茹・椎茸の黒胡麻風味、大根の漬物、鮮椒炒魷
魚・ヤリイカの生胡椒炒め、酥炸芋茸・3種類の芋(京芋、薩摩芋、紫芋)の揚げ物
梅ソース、豉油星茄子鮮魚・長崎鯵と茄子・百合根の中国醤油炒め、婆菜豆腐干・ほ
うれん草と干し豆腐のスープ仕立て、宮保鮮魚・揚げカマスのピリ辛ソース、豚のハ
ツとシークアーサー炒め、蒜頭空心菜・空心菜のニンニク炒め、家常撈麺・牛蒡入り
ソバの醤油炒め、杏仁豆腐、ドライシェリー、温かい紹興酒、ジャスミンティー
この看板が目印 菱の実
豚の耳とクレソンの黒酢和え
椎茸の黒胡麻風味
ヤリイカの生胡椒炒め 3種類の芋(京芋、薩摩芋、紫芋)の揚げ物
大根の漬物
長崎鯵と茄子・百合根の中国醤油炒め ほうれん草と干し豆腐のスープ仕立て
揚げカマスのピリ辛ソース
豚のハツとシークアーサー炒め 空心菜のニンニク炒め
家常撈麺・牛蒡入りソバの醤油炒め
杏仁豆腐 滑らかで美味! ジャスミンティー
普段は滅多に行くことの無い白金に9日前来たばかりなのに、今晩もね。「ロンフゥフォン」の
料理は中国のどこの地方という限定をしない。厨房1人、ホール1人のたったお2人でやって
いる小さな店だが、珍しい料理が次々に出されてマコトに楽しい。手間のかかった酥炸芋茸、
簡単に作れそうなのに良い味の大根の漬物、濃厚で辛いソースの宮保鮮魚、お腹一杯なのにつ
い食べてしまった家常撈麺が印象深い。嬉しい再会をされた人達を見ていると私も幸せになる。
夜―2 白金「きえん」 ジントニック、黒胡麻アイスクリーム(一口だけ)
モスコミュールスタイルで
大正時代の一軒家の「きえんきら」に続いて開店した昭和初期の一軒家の「きえん」。1階はス
タンディングバー。急な階段を上がるとラウンジがある。東京って所は面白い店があるもんだ。
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10月23日(水) 曇ったり晴れたり
朝 代々木「ドトール」 アイスココアS 240円
昼 代々木「VOO DOO」 ミートコロッケランチ、サラダ、コーヒー付き 950円
暫らくこの店のランチから遠ざかっていた。食べなくても昼ドキに通りかかると日替わりラン
チのメニューはチェック。今日は待ちに待ったコロッケだった。ヨシ食べよう。うまい!
夜 リーガロイヤルホテル東京「セラーバー」 オイルサーディン800円、取り合わせキノコ
の のカルトッチョ1200円、関西風ネギ焼 1200円、ギネス、デュベル、ジントニック
風邪は抜けないが、今晩こそプールに行こうとカタイ決心で朝家を出る。水着を持って。夕方
の会議が長引いてプール行きの雲行きが怪しくなった。A案:運動有・酒有・遅い食事、B案:
運動無・酒無・早い食事。あれ? ちょっと前同じ2つの案を作ったっけなぁ。で今晩の選択
は、その他の案:運動無・酒有・早い食事。ダメな私・・・。キノコのカルトッチョがうまい。
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10月24日(木) 小雨
昼 新橋・しんちか「美華園」 四川とろみ唐辛子スープ麺(酸辣麺) 1050円
「美華園」のメニューを食べ尽くすつもりでは無いが毎週来ているなぁ。見た目はパッとしな
いが、酸っぱさと辛味のバランスがとても良い。どこにでも運が悪い人はいるもので、注文した
料理が来ない(あるいは極めて遅い)おじさんがプンプン怒って帰って行った。これで目撃し
たのは2回目だ。3回中2回だから確立高い。私が頼んだものは早く出て来るんだけどねぇ。
夜―1 長野「卯の花」 お任せコース(付きだし、雑きのこ、そばの実と松茸・鶏のつくね
鍋、刺身(イカ、帆立、甘海老、湯葉)、湯葉のせ湯豆腐、生麩でんがく、穴子鮨と茶
そば鮨、帆立のグラタン、海老と野菜の湯葉巻、炊き込みご飯と味噌汁、ゼリー、生
ビール、冷酒(若緑)
夜―2 長野ホテル犀北館・バー「SEIJI」 ジントニック(ボンベイサファイア、タン
カレー)、ジンフィズ、ドライマティーニ
今晩の宿泊は長野ホテル犀北館。驚くなかれ1890年の創業の老舗ホテルだ。1軒で解散になっ
たので、バーテンダーの方とお喋りしながら飲む。こじんまりしているが、庭園に面した気持
ちの良いバーだ。東郷青児さんと縁があるらしく店の名前にもなっている。お嬢さんを描いた
肉筆絵も飾ってある。フードメニューが少ないのでバー飯には向かないけど。楽しい夜だった。
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10月25日(金) 見事な秋晴れ 長野県は
朝 長野ホテル犀北館「紀元茶寮」 和朝食
ご飯とお粥の選択というのはよくあるが、ここは雑炊もあるらしい。二日酔い気味だが食べる。
昼 小布施「桜井甘精堂 北斎亭」 一茶御膳(栗おこわ、鮎の甘露煮、厚焼き卵、そばスー
プ、漬物、味噌汁)1050円、栗あんのアイスクリーム 400円
長野電鉄に乗って小布施へ。小布施は栗と北斎で有名な街。「鳳凰図」の天井画で知られる岩松
院、高井鴻山記念館、北斎館を回る。平日というのに小布施は中高年客でごった返している。
90歳の時描いた北斎の絵に見入る60代、70代。昼飯時はどの店も行列。名前を書いてず
っーと待つ。遅いぞ!そばスープがバカにうまかった。アイスクリームはどうってこと無い。
夜―1 軽井沢万平ホテル「熊魚庵 たん熊北店」 高尾コース:前菜盛り合わせ(胡麻和え、
蕪鮨、栗の渋煮、こんにゃく、生麩、はじかみ)、高原野菜サラダ、京都の豆腐(水菜とシ
メジ入り)、野菜焼(満願寺唐辛子、まこも茸、下仁田葱、白シメジ、刺身湯葉、栗)大根
おろしとマスタードソース、神戸牛ヒレステーキ 中伊豆の山葵、ガーリックチップ、ガ
ーリックライス、赤だし、漬物、デザート、生ビール、冷酒(熊魚庵 4合)
軽井沢万平ホテルの夕食は悩む。4つあるレストラン、どこで何を食べるか。え? フレンチ
も中華も禁煙? じゃ喫煙できる鉄板焼。鉄板焼は昨年8月別館「檜館」にオープンした「熊
魚庵 たん熊北店」で。神戸牛はヒレなら150グラム、ロースだと180グラム。小食なのでヒ
レにした。50グラムは普通に鉄板で焼き、残り100グラムは炭火で焼く。あぁ美味い!
夜―2 軽井沢万平ホテル「バー」 ジントニック、ジンフィス
メインロビーの隣にあるのにひっそり佇むバー。若い方とベテランと楽しくお喋りしていたら、
夜の更けるのを忘れた。良いバーだ。寒いらしいけど今度冬にも来てみようか。飲み過ぎです。
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10月26日(土)軽井沢は濃霧 東京は雨のち曇り(だったらしい)
朝 軽井沢万平ホテル「メインダイニング」 サラダ朝食(グレープフルーツジュース、ヨー
グルトと蜂蜜、高原野菜サラダ、全粒パンのトースト、コーヒー) 2000円
朝食は和食と決めているが、1894年創業というこのホテルの雰囲気を一番味わうなら「メイン
ダイニング」で食事しなくっちゃね。アメリカンは二日酔いにはキツイがサラダ朝食なんての
があって嬉しい。ホテル特製の信州りんご、ブルーベリー、グーズベリーのジャムがあったが、
グーズベリーが特にうまい。サラダも手がかかっていて感心。昔はここで晩餐会をやったのね。
昼 旧軽井沢銀座「そば処 にし村」 天麩羅せいろ 1400円
軽井沢のランチはフレンチかイタリアンかしら、と思いながら、そば屋に入ってしまった。そ
ばにコシが無い。そばをたぐると水切りが悪いのか水がポタポタと落ちる。だから薄めのそば
汁が余計薄くなる。天麩羅の南瓜が硬かった。天つゆとそば汁は別々にして欲しいなぁ。と文
句ばかり並べたが、そばも天麩羅の量も大盛り。そこは買える。11時から15時の4時間営業。
午後のおやつ 旧軽井沢「珈琲歌劇」 珈琲(プレミアムブレンド ポット入り)800円、ガ
トーショコラ 500円
チューダー王朝時代を偲ぶ西洋茶屋という「珈琲歌劇」。シェイクスピアの生家をイメージした
建物なのだと。珈琲は800円と高いがポットに入っているから2杯半の量はある。雰囲気良い。
夜 家食 「おぎのや」峠の釜飯 900円、「ブランジェ浅野屋」のスモークサーモンと大根の
サラダ・メンチカツ、「軽井沢芳光」の大根の朝一漬け、とろろ昆布と梅干し汁
峠の釜飯で有名な「おぎのや」は創業明治18年。この週末は明治生まれのホテルばかりだっ
たが、駅弁もまた然り。日本最古の駅弁屋である。信越本線の「横川」駅名物だったが、長野
新幹線が出来てからは軽井沢駅で売っている。子供の頃も食べた駅弁だが、栗と杏、鶉の卵を
いつ食べるかが嬉しい悩み。鶏と牛蒡が味の決め手。大根の朝一漬けが薄味でいい。 無酒日
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10月27日(日) 晴れ
朝 家食 朝食プレート(「ブランジェ浅野屋」の高原野菜のポテトサラダ・プリプリ海老カツ、
全粒パンのトースト、杏ジャム、りんご)
おやつ 「小布施堂」の楽雁、「たちばな」のかりんとう、千草28とメグスリの木ミックス茶
午後中かかって古新聞の片付け。昔は4紙も取っていたからもっと大変だった。台車で5回運
ぶ。ようやくドアが全部開くようになり、廊下も蟹歩きしないで済む。クタクタだ。普通は落
雁なのに「小布施堂」は楽雁と書く。ちょっと硬いがうまい。麦焦がしも子供の頃好きだった。
夜 家食 ほうれん草の巣ごもり、玉葱と蟹缶のサラダ、全粒パンのトースト、りんご
買い物に行かなかったのであり合わせのもので夕食。今日は27日だが、今月の「無酒日」は14
回目だ。エヘン! 半分以上の日は飲んでいないんだぜ。今年も2ヶ月ちょっとになり、毎年続け
ている「年間4割の無酒日」を達成するためには10月に稼がないといけないというのがその理由
なのだが。標準達成ペースに「−2日」だったがこれでチャラになった。但しプールはゼロ。無酒日
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【今週の振り返り】
軽井沢の駅に降り立つと空気が凛と澄み切っていた。長野新幹線で行くと軽井沢の方が長野よ
り東京寄りなのに、寒さは軽井沢の方が厳しい。標高940メートルと聞けば「さもありなん」
と納得する。見事な秋晴れの日、白糸の滝まで車を飛ばしたが、カラマツ林の旧三笠ホテルを
過ぎた頃から紅葉は一段と美しくなった。青空をバックに色づいた木々を撮影している私に、
タクシーの運転手さんが「軽井沢は紅葉が終わると誰もいなくなります」とポツンと言った。
週半ばに東北の宿に何軒か電話をしたが、11月中旬で今年の営業は終わりと言われた。上高
地帝国ホテルも11月3日で営業は終わるんだった。寒さの厳しい地方は、1年の約半分を休
まねばならない。私も雪国で生まれた。平屋の家だったが、玄関前に雪の階段があって、その
上の道を人が歩くのを見上げていた。2階建ての家は2階にも出入り口があった。雪に閉ざさ
れた家の室内は電灯をつけなければ真っ暗。漆黒の暗闇だ。そんな生活を何ヶ月もする地方の
人々にとって春の待ち遠しさは一入(ひとしお)であった。やがて信州に移り、雪はさほど降
らなかったが寒さは厳しかった。冬はこういうものと思い込み、寒ければ寒いでスキーやスケ
ートに興じて冬を楽しんだ。そんな生活をして来た少女が、東京の冬を初めて経験して驚いた。
東京の冬はこんなに温かくて晴天続きだったのだ! 凍った道路で転んだ痛さや、雪下ろしを
した夜の肩の痛さ、ヒビ割れやシモヤケの手の痛さはムダな痛みだったんだー!グヤジー!!
2週間前に行った青森の酸ヶ湯に雪が降ったとテレビのニュースが伝えた。
そろそろ寒くなりますニャ、ねぇあなた