パクパク日記3年3月1週

    紅梅、白梅、沈丁花 花の香りに囲まれて そろそろ辛夷も咲く頃か

     

3月3日(月) 晴れ 一時激しい雨

昼 銀座「堂島」 すき焼き定食(すき焼き、生卵、煮物、漬物、ご飯、味噌汁、野菜と果物

     のシャーベット) 1575

   

大昔部下だったOJさん。今や広告会社の役員さんだ。相変わらず痩せコケて去年は大病もし

たというので、すき焼きで力つけて貰わなくっちゃね。私にそんな必要は無いのだが、ご相伴。

夜 早稲田・リーガロイヤルホテル東京「セラーバー」 ハーブ豚のソーセージ、シェフサラ

     ダ(ハーフサイズ)、パン、ギネスビール、デュベル、ジントニック、アクアビット

   

   

夕刻から激しい雨。一番雨足の激しい時に外にいてびしょ濡れになった。濡れたついでにプー

ル行くか。1200メートルの運動。やっぱり運動後はバーでしょ。アクアビットという酒を知っ

たのは、若い頃読んだスェーデン作家の作品。マイ・シューバル&ベール・ヴァールー夫妻が

書き続けた「刑事マルティンベックシリーズ」だった。87分署シリーズのスェーデン語訳者夫

妻だ。10巻出たところで奥さんが亡くなったのでシリーズは終了となったが、疲労困憊の1

日を終えた主人公は、キンキンに冷えたアクアビットをグビッと飲むのだ。どんな味なんだろ

う、とずっと憧れていた。初めて飲んだのは銀座の「トニーズバー」。トニーさんも亡くなった。

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3月4日(火) 晴れ 寒の戻り

昼 銀座「ぽえむ」 野菜とチキンのスープカレー(サラダ、コーヒー付き)900

   

ここのご主人は吉葉さんとおっしゃる。かつての横綱「吉葉山」とは何の関係も無いそうだ。

その吉葉さん、検索ウェッブで夢子倶楽部を見つけた由。写真を見てすぐわかったのだとか。

夜―1 高円寺「幸ふく」 もずく、若竹煮、大根とイカの辛煮、糸よりとシマアジの刺身、

     スルメイカの肝焼、焼タコ、糸よりのおろし煮、目鯛のチリ鍋、雑炊、塩らっきょ、ビー

     ル、冷酒(ええにょぼ)

   

   

   

   

   

美味しいものを食べた時つい足をバタバタしてしまうことがある。今日はバタバタの夜。シマ

アジの刺身:バタバタ、スルメイカの肝焼:バタバタバタ、糸よりのおろし煮:バタバタバタ、

目鯛のチリ鍋と雑炊:バタバタバタバタ。他の料理もバタであった。「幸ふく」は、京都の新井

崎(にいざき)漁港の漁師さんから直接魚を仕入れている。だから海が荒れて不漁の日は、予

約していても「魚無いからキャンセルして」と店の方から辞退する。関西出身のご主人アキち

ゃんが煮物をし、魚も捌き、キビキビと動く。高円寺駅北口から5分。ご近所さん行ってみて。

夜―2 高円寺「POST」ジントニック

   

高円寺はディープな街だ。未だ居眠りしていない地元のK介に案内して貰って、高円寺のバー

へ。「POST」の姉妹店は全部Pがつくんだなぁ、と思ったら、あら?Tの店名もあるのね。

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3月5日(水) 晴れ 風が冷たい

昼 新橋「上海家庭料理 謝謝」 野菜煮込みラーメン(辛口) 750円、杏仁豆腐

   

夢子が最近来ないと店長が怒っているという伝言を聞き、久々の「謝謝」。開店から約1年。最

初はお客が来なくて「撤退」なんて話もあったようだが、最近は順調とか。良かったねぇ。

夜 早稲田「亀吉寿司」 刺身(スミイカ、ウニ、海老の踊り、カツオのタタキ、鯛)、ハダガ

     リ巻、穴子、鯛のすまし汁、お新香、ビール、冷酒

   

   

   

打ち合わせが夜9時半まで続き、空腹で目が回りそう。無酒日の予定も撤回し亀吉寿司。食べ

終わったら12時だった。カツオは今年初めて。脂の乗り過ぎは苦手だが、浅い脂でうまい。

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3月6日(木) 啓蟄なのに雪の予想 でも降ったのは雨

昼 銀座「いちこし」 ランチセット(サラダ、冷奴、野菜のポタージュスープ、ベーコンと

    トマトのスパゲティ、プリン、コーヒー)1050

   

ここのサラダバーはどんどん進化している。野菜、スープ、デザートに加え、冷奴もあったよ。

おやつ 会社の自室で ココアピーナッツ、コーヒー

夜 銀座「寓」 付きだし3点、出汁巻卵、レバーペースト、手造り豆腐、鶏のつくね焼、新

    じゃがのローズマリー風味、鴨と茄子の治部煮、マッシュルームとクレソンのサラダ、い

    ろいろ野菜のグリル、穴子の天麩羅、鰆の押し鮨、サッポロ黒ラベル、ヒューガルデンホ

    ワイト、ジントニック

   

   

   

   

夜は雪になるかも、という予想だったが雨だった。面白い顔合わせの飲み会。F氏とN氏とは

高校時代スポーツクラブの先輩後輩で、F氏は私と同じ会社に勤務し、N氏と私はシチリアで

出会った・・・。高校時代の姿を私がインタビュー。「え?そんな風に僕のこと思っていたの?」

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3月7日(金) 朝からドシャブリ 寒い

朝のお茶 高田馬場「ウエンディーズ」 シアトルジンジャーラテ 252

第1食 歌舞伎座・歌舞伎茶屋のタケノコ弁当 600

   

3月の歌舞伎座は「松寿操り三番叟・まつのことぶきあやつりさんばそう」、「源氏物語 浮舟」、

「勧進帳」。操り三番叟は、染五郎がマリオネットの操り人形として踊った。この人は、身体活

動力抜群。昨年の「アテルイ」の舞台を見れば分かる。で肝心の踊りのスジも良いのじゃない

か。あとは、お稽古を積むこと。タケノコ弁当はかなり旨いが量が少ない!3倍にしてくれい!

第2食 歌舞伎座「暫」 ミニサンドイッチ 200円、コーヒー 200

   

昼の部が終わったところで「暫」で暫く休憩。「浮舟」は北条秀司原作・演出でテープの音楽で

地方は無し。新派のようなお芝居だなぁ、と思ったら今日玉三郎が演じた浮舟役を過去、扇千

景(現大臣ですぞ!)、山本富士子、水谷八重子、佐久間良子さん等女優が演じて来た。しかし、

匂宮役は亡き勘三郎が決まって演じ、アタリ役だったらしい。その匂宮をその息子の勘九郎が

初めて演じ、ストイックな美男子薫大将には仁左衛門。やり手婆のような多情な中将を演じた

秀太郎が達者。「勧進帳」は幸四郎の弁慶。この公演の千秋楽には、700回目の弁慶になるとか。

第3食 銀座「バー武蔵」 付きだし(胡椒を振ったナッツ)、コーダのマカロニサラダ、ロー

        ストポテトの焦がし焼、生の薩摩地鶏の親子丼 昆布茶スープ付き、生ビール、ヒューガ

        ルデンホワイト、ジントニック、スーズトニック

    

      親子丼

歌舞伎座夜の部は「傾城反魂香」、「連獅子」、「与話情浮世横櫛・よわなさけうきよのよこぐし」。

「傾城反魂香」は吃音の絵師叉平と女房おとくの話。一昨年12月、猿之助の叉平、勘九郎のお

とくを見たが、今日は叉平が富十郎、おとくが芝翫。その2人が素晴らしい!上手いんですわ

ぁ。最前列のど真ん中の席だったが、一緒になって嬉し泣きしてしまった。「連獅子」は、勘九

郎、勘太郎、七之助の親子3人の舞台。どうだ!中村屋!って感じ。「与話情浮世横櫛」は、ほ

ら、切られ与三郎の話ですよ。仁左衛門の与三郎と玉三郎のお富。まさに、水もしたたるいい

男とふるいつきたくなるいい女なんである。「ご新造さんへ、おかみさんへ、いやさお富、ひさ

しぶりだなぁ・・・」芝居っていい! とにかく楽しい。外に出ると雨はやんでいた。ブラブ

ラ歩いて8丁目の「武蔵」へ。1月中旬に来た時、フードメニューに親子丼という文字を見つ

けたのだが、満腹で食べることが出来なかった。それをどうしても食べたい!と思っていた。

その親子丼、ご飯の上に何と生の薩摩鶏を乗せ、一晩醤油に漬けておいた卵の黄身を掛け回し

て、白髪ネギと海苔を散らすという極めて変わったものであった。マカロニサラダの前のコー

ダというのはどんな食材かと聞いたら、メニューを考案した「甲田さん」の名前なんだって。

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3月8日(土) 晴れ

朝 家食 AYの特製自然酵母フランスパン、ネギニラうどん、ジャコかけサラダ

   

夜―1 早稲田・リーガロイヤルホテル東京「なにわ」 鉄板焼梢コース(鱈の燻製、鯛のラ

      タトイユ掛け ビーツソース、メバルのソティ 牛蒡と京菜添え、和牛ヒレステーキ、ガ

      ーリックチップ、サラダ、野菜焼・椎茸・カボチャ・サツマイモ・ほうれん草、ガーリッ

      クライス、赤だし、漬物、デザート)、ビール、冷酒(都の西北)

   

   

   

姪の薫と桐子と待ち合わせてヘルスクラブに行く。若いだけあって、2人は潜り競争などしな

がら達者に泳ぐ。「なにわ」の鉄板焼に備え、2人は食事を制限して臨んだようだ。その甲斐?

あってコースが終わる前にステーキを追加。よう食べますわ。でも、ご馳走する立場には、美

味しくたくさん食べてくれた方が嬉しい。薫はパリ留学帰りだが、日本の食事が旨いんだって。

夜―2 早稲田・リーガロイヤルホテル東京「セラーバー」 枝付き干し葡萄、オレンジピー

     ルチョコレート、ジントニック

私の姪なのに、彼女達はほとんど酒を飲めない。アルコールの分解酵素を持っていないらしい。

ノンアルコールのカクテルとミモザをチビチビ飲む2人。ここ数ヶ月ヘルスクラブに通う回数

がグンと減ってマズイと思っていたが、今週は2回行った。常に、かくありたし・・・・。

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3月9日(土) 晴れ 今日も風が強い

朝 家食 リーガロイヤルホテル東京「メリッツァ」のクロワッサンと衝撃のメロンパン、「フ

  ォション」のレバーペースト、ソーセージ、炒めキャベツ、ワカメスープ

 

おやつ 大府市「桂新堂」甘海老せんべい、「虎屋」羊羹おもかげ、千草28とメグスリの木茶

食いしん坊Tは名古屋にも縁がある。その彼が「名古屋名物だとみんなが食べている海老せん

べいは、海老の含有率は数%、しかるに桂新堂のはほぼ100%だ!」とプレゼントしてくれた。

フタを開けてみて「やや、こ、こ、これは海老じゃー」と驚いた。海老がプレス機でペチャン

コになったような海老せんべい。栞を見ると、甘海老、車海老、ぼたん海老、芝海老、最後に

は伊勢海老のせんべいもあるんですってよ!形がそのまま過ぎるが、味は海老そのものである。

夜 家食 特製胡麻だれ中トロ丼、絹さやと椎茸の炒めもの、菜の花のお浸し、味噌汁

   

天気が良いので、2日続きの梅見の散歩。美容院から出ても未だ日がある。「日脚伸ぶ」とは春

の季語に見えて冬の季語である。まさに今日の日のようなことを「日脚伸ぶ」と言うのだろう。

つい散歩のハシゴをしてしまった。長い友人に結婚話。友人の幸せのためには、それもいいか

と思いつつ、ここで失敗したら、と心配も先に立つ。人の心配をしている場合か?  無酒日

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【今週の振り返り】

1月中旬から新しい連句が始まった。数人で作り上げる連句は、江戸時代は俳諧と言われ、ある

場所に集まって、その場で36句、50句、100句などを作っていた時代もあったようだ。農閑

期に庄屋さんの家に集まって、日長句をヒネルといった具合に。だんだん世の中は忙しくなっ

てそんな悠長なことは出来ないから、葉書で投句する文音(ぶんいん)時代を経て、今ではフ

ァックスかメールでやり取りをする。私達の会もそうだ。36句で歌仙を巻く場合が多いが、そ

36句がなかなか進まない。半年、1年なんぞ短い方で、1年半、2年なんてのもザラにある。

夢子が初めて捌き(さばき)をやった会は、途中で連衆(れんじゅ)の1人が逃亡し、2年間

の捜索も虚しく脱退。その穴を新しい方が埋めてくれたお陰で再開したが、巻くまでに5年以

上もかかってしまったのである。これは「異常」な年数だが、仕事や家庭の忙しさで句を作る

余裕が無かったり、何度出しても却下されてドツボに入ったりで、スムーズには進まないので

ある。しかるに、始まったばかりの「雪吊りや」の巻は、凄いスピードで進んでいる。1ヶ月半

で既に12句!1週間で4句進むこともあって、連衆は余りの速さに目を剥いている。「治定」

という言葉でようやく自句が採用されて、ホッとする間もなく、次が来てしまう。言葉遣いの

難しさ、奥の深さに感じ入ると同時に、非力を思うこの頃である。

言葉、と言えばずっと気になっている歌詞がある。履かせるオムツ「ムーニーマン」のコマー

シャルの歌詞である。「♪ ムーニーマンのプーさん、ムーニーマンのプーさん、世界で一番好

きなんだー」とムーニーマンのキャラクターになっている熊のプーさんを精一杯持ち上げる。

世界で一番好き、と言われてプーさんも嬉しさの絶頂である。なのに、歌はこう続く。「♪ だ

けど、やっぱりママが好き」。世界一好きだ、と言ったその舌も乾かぬうちに「だけど、やっぱ

り」という言葉だけで、もっと好きな人がいると裏切られるプーさん。プーさんの気持ちにも

なってみろ。ま、あどけない赤ちゃんが「ママが1番好き」ならシャーナイな、と笑って済ま

せても良いのだが、これを成人男女にアテハメルと血見るぞ、って感じだわな。「次郎さん、世

界で一番好きです。だけどやっぱり拓哉が好き」。これはマズイ。こうゆう世界には近づかない

ようにしよっと。

         ボクとプーさんって似てるかニャア

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