パクパク日記3年6月1週
今週、鮎を6匹食べた。ということは、そろそろ梅雨が来るんだね。
6月 2日(月) 晴れ
昼 銀座「Poro Giorno」 PranzoD(前菜の盛り合わせ、帆立貝とトレヴィスのスパゲッティ ガーリ
ック風味、鯛のピカタ セージバターソース、パン、ドルチェ、カプチーノ)
2500円
元部下のH君とK君が訪ねて来た。H君は社長、K君は副部長だそうだ。今や色んな会社で活躍す
る、昔一緒に働いたメンバーの噂話をして一緒に食事をした。銀座の街を一望に出来るレストランで。
夜−1 新橋「雪の華」 付き出し(カツオ、煮こごり)、空豆、ぎばさ(海草)、ガッコ(ナタ漬け、イブリガッ
コ)、鮎の塩焼き、秋田比内鶏の塩焼き、山菜の天麩羅盛り合わせ(シドケ、ふきのとう、ウド、こご
み、タラの芽)、稲庭うどん
HM子さんと「雪の華」に行く。正統な日本料理に加えて、女将さんの出身地秋田の食材も豊富な店で
以前はよく来ていた。時折電話しても一杯で諦めることが多かったが、7時過ぎに電話したら「今日はヒ
マなのよ。どうぞ」ということで、久々。クロモは季節外れで無かったが、やっぱり海草のぎばさは、もの
スゴイ粘り。カラダに良さそうだ。秋田は漬け物をガッコというが、ナタ漬けもイブリガッコも大好き。鮎の
塩焼きは季節を感じ、山菜天麩羅盛り合わせは北国の遅い春からの贈り物。稲庭うどんも旨いなぁ。
夜―2 新橋「アナトリウム」 ジントニック
今の「アナハイム」で以前営業していた「アナトリウム」が3階に新装開店した。狭いがキレイになった。
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6月 3日(火) 晴れ 暑いぞ
昼 中目黒・東山「たいぐう司」 Aランチ(麻婆豆腐、小鉢、スープ、漬け物、ご飯) 900円
午前中、中目黒のビルで会議があった。終わって外に出ると猛烈な暑さ。日本そばでもツルッと手繰ろ
う思い、街を歩いたが、何となく中華屋に入ってしまった。坦々麺もあったが、汗ビッショリなのでそれは
ヤメにして麻婆豆腐定食。小鉢は、稲荷寿司の酢飯の代わりに茹でてつぶしたじゃが芋を詰めるという
妙チクリンな料理だった。麻婆豆腐は結構辛いのだが、あまり旨くない。そうか、味が薄過ぎるのだ。
夜―1 大塚「なべ家」 コース(空豆、江戸前玉子焼、ウルメイワシ、梅しぐれ、カツオ、吸い物:羊羹麩
と丸豆腐・ジュンサイ、コチの刺身、若鮎の焼物、神田「まつや」の蕎麦、野菜炊き合わせ、鮎茶、
漬け物、玲ロウ豆腐黒蜜がけ、佐藤錦、黄金柑)、ビール、冷酒(黄鮒)
一昨年の11月8日以来の大塚「なべ家」。やっぱり「な」の字がパソコンではでないのですよ。江戸料
理の研究家でもある福田さんがご主人で、鍋や江戸料理が季節に合わせて供される。10月−3月の
蓬莱鍋コースとふぐのコースが終わると、ねぎま鍋コース、木曾川の川鱒コースという具合にメイン料
理が変わっていく。そして今の季節は、郡上八幡の鮎塩。ま、メインの前にも美味しい料理が色々出
るので、その紹介から。付き出しに出る江戸前玉子焼は、酒出汁が利き薄っすらと焦げて何とも旨い。
梅しぐれは、梅干し、鰹節、海苔を合わせてあっても、何よも良い味だ。玉子焼も梅しぐれも通販あり。
吸い物に白くて丸いものが入っていたが、それは豆腐なのだ。小さくした豆腐をザルで転がすと丸くな
るというのだが、それは名人がやるからだよね。コチの刺身(すみません!撮影忘れました)の後は、
本日の主役若鮎の塩焼き。はらわたが未だ大きくなっていない若鮎(「ヌキ」というそうだ)なので、蓼酢
をつけずに頭からパクリと食べても苦味は無い。ほんのり川苔の香りがして、何とも贅沢。あぁ!オイチ
イ!!それが最後には鮎茶として出て来る。寒天の中に豆腐が入っている江戸時代のデザート、玲
ロウ豆腐黒蜜がけで締め括ったが、心の底から満足出来るコースだった。今日はAさんにご馳
走になってしまったが、太ッ腹できっぷのいい女将さんも交えて、賑やかで美味しい夜だった。
夜―2 大塚・バー「S・A・M」 ジントニック
「なべ家」の隣に「S・A・M」というバーが出来たそうだ。お嬢さんのご主人がやっておられる店で、Aさ
んと女将さんと隣の店に移動。Aさんは、以前お店を経営されていたが、お酒は全く飲まれない。私ら
だけが、酒をガンガン飲んでどんどん酔っ払って行く。ずっと素面のAさん、ゴメンナサイ&ご馳走様。
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6月 4日(水) 曇り 午後から雨
昼 代々木「BOO DOO」 Aランチ(ピーマンの肉詰め、サラダ、ご飯、コーヒー) 950円
ピーマンとかニンジンが嫌いな子供が多かった。今もそうだろうか。ピーマンの肉詰めも、お惣菜の定
番になってから久しいが、子供はピーマンを剥いて食べているのだろうか。それじゃ、意味ないよね。
夜 新橋「上海家庭料理 謝謝」 大豆モヤシと油揚げのピリ辛和え、手羽先の旨煮、特製たんめん、
杏仁豆腐
会社を出た時は既に9時半を回っていた。最近私は忙しいのだよ。さて、どこで食事をするか、暫し考
えたがプランがワカナイ。酒を飲まないで夜遅くに食事をする場所を探すのが、こんなに大変とは思わ
なかった。下戸の皆さん、どこで食べているの?そうだ!謝謝だ、あそこで酒を飲まずに食事をすれば
いい、と思いついた時は嬉しかった。すぐ明日の夜も来ることを思い出したが。メニューにタンメンなん
て無い。でも作ってくれるという。大豆モヤシと油揚げは半分でいいよ、手羽先の旨煮はそうね、2本か
な、なんて勝手なことを言って今晩の夕食が出揃う。周囲は酒を飲んでいるが、私は素面だぞ。無酒日
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6月 5日(木) 快晴 今年一番の暑さ!
昼 新橋「恭恭」昼の部(旧・銀座「ぽえむ」) インド式スープカレー ミックスカレー 開店記念特価
500円
Mさんからメールで連絡があった。「銀座の「ぽえむ」が新橋・烏森口に店を出しましたよ」と。暫く行っ
ていなかった「ぽえむ」。帰宅すると、夢子倶楽部の方にもTさんという読者の方からメールが入ってい
た。「以前から気になっていた「ぽえむ」に行ったら、6月から新橋に移転した、という張り紙があった。
移転先の店に行きました。「恭恭」という店名で・・・・」。ご親切にもチラシの写真や地図までメールに入
れて下さった。早速行く。「恭恭」は居酒屋だった。居酒屋「恭恭」の昼の時間を借りて「ぽえむ」のご夫
婦が、昼限定のスープカレーを出す、というのが6月からのスタイルらしい。つまり、昼だけヒサシを借
りているということか。野菜とチキンは、ミックスカレーと名前を変え、6月1週だけ500円の特価サービ
ス.以降は980円になるらしい。味は変わらず美味しかったが、ご夫婦が遠慮しているようで何かね。
夜―1 新橋「上海家庭料理・謝謝」 お任せコース(干豆腐絲、キュウリのニンニク和え、蒸し鶏の花
椒と練り胡麻ソースかけ、ガツとネギの和え物、ウナギの宮保炒め、香鶏、イカと酸菜の胡椒炒め、
金目鯛の香り蒸し、青菜炒め、激辛麻婆豆腐、銀絲巻、杏仁豆腐、ビール、紹興酒
「非麻」が続いていたが、久々の「麻の会」は「趙楊」で行う予定であった。しかし、グルマンTさんが行
ったことが無いとおっしゃるので「謝謝」での開催となる。昨夜食事がてら、料理については綿密?な打
ち合わせ(実際は、辛くね、麻もねと言っただけだけど)をしたので期待する。よく出る干豆腐絲はかな
り辛くしてある。うん、いいね。白油鶏には、練り胡麻ソースの上に花椒がドスンと。イカと酸菜の胡椒
炒めは胡椒がウンと利いて旨い。圧巻は金目鯛の香り蒸し。こんな立派な魚を料理するのですねぇ。
辛くも痺れることも無いが、生姜や香草がたっぷりかかって上品な旨さ。全員妊婦では無いから週2回
以上食べても水銀は大丈夫ね、などと言いながら骨になるまでしゃぶり尽くす。最後の激辛麻婆豆腐
はグルマンTさんと食いしん坊Tが初体験。銀絲巻の中をくり抜いたところにたっぷり激辛麻婆豆腐を
入れて食べる。思わず「か、か、か、辛いーー!!」。慣れている私とK介は「こんなもんよ」と言いなら
がやっぱり辛いわ。ビール4本、紹興酒2本飲み、このご馳走を食べて@4750円。謝謝の店である。
夜―2 新橋「バー・アナトリウム」 マルガリータ
満腹過ぎて、量の多い酒は飲む気にならん。で、マルガリータ。それでも溜め息が出る。早々に帰る。
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6月 6日(金) 晴れ
朝 白山「プラス」 モーニングサービスB(野菜サラダ、茹で卵、トースト、ジャム、コーヒー) 450円
朝トイレで異変を感じる。シナリオに寄れば「昨夜の激辛料理でお腹コワシタんだぁ」と笑うところだ。そ
れがちゃいまんねん。昔何度か罹ったことのある膀胱炎になってしまったのだ。これ苦しいのよ。痛い
し、いつまでも残尿感はあるし。こうなったら水をガブガブ飲み続け、感染を抑える抗生物質を飲む。刺
激のある食事を避け、酒は飲まない、というのが治療法だ。長く生きていると、こんなことがスラスラ出
て来て嬉しいのか情けないのか。予定を変更して朝病院に行った。朝食を済ませてから、家に帰る。
昼 江戸川橋「新雅」 ニラそば 650円 焼き餃子 450円
膀胱炎がひどかったら、今日の予定はすべて取りやめようかとも思ったが、それ程心配することもない
ようだ。1週間前にも行った「新雅」に行く。江戸川橋と石切橋の間、住宅街に入った華水橋の角にあ
る。先週、隣の人が食べていたニラそばを食べたかったのだ。ニラ、モヤシ、玉葱、ニンジン、豚肉のた
っぷりの具と、砂糖と醤油の甘から味。タンメンもいいが、このニラそばはクセになりそうだ。旨い!!
午後のおやつ 銀座松屋「清月堂」 抹茶ババロアセット(抹茶ババロア、コーヒー) 780円
勤務先の大先輩が、銀座1丁目で絵画のグループ展に出品しているので観に行く。一時植木修行も、
なんて勉強されていたようだが、ここ数年は絵筆に全力をかけておられるようだ。旅先のガーナでの印
象を大きな絵にされた。ゴーギャンを思わせる力強い絵で正直びっくり。松屋の地下2階でお茶する。
夜のおやつ 歌舞伎座「欅」 リンゴのタルトとコーヒー 900円
6月の歌舞伎座夜の部は、四世鶴屋南北作「御存鈴ヶ森」、河竹黙阿弥作「通し狂言 曽我綉侠御所
染」(そがもようたてしのごしょぞめ)。「御存鈴ヶ森」は、白井権八(染五郎)と幡随院長兵衛(幸四郎)
の鈴ヶ森での出会いだが、「お若えの、待たっせえやし」とか「雉も鳴かざぁ討たれめえに」なんて有名
な台詞がある。だが、眠かった。「通し狂言 曽我綉侠御所染」は通し狂言としているが、全部をやった
ら丸一日かかる長い芝居。ということで、今日は「時鳥殺し」と「御所の五郎蔵」の序幕、二幕、大詰で
ある。仁左衛門が須崎角弥後に御所五郎蔵と御室百合の方を、玉三郎がおすて後に愛妾時鳥と妻皐
月のちに傾城皐月を演じた。仁左衛門は少し前に病気で休演し、心配していたが、今月は奮闘してい
る。ふるいつきたくなる好い男の須崎角弥や御所五郎蔵役と対照的に、百合の方は、正室である自分
の娘が、愛妾の時鳥(ほととぎす)の方に殿様の愛情を奪われ影が薄くなったことを逆恨みし、鬼腰元
と一緒に時鳥の方をなぶり殺すという壮絶な鬼婆の役。ハカナク美しい玉三郎の時鳥が殺される姿の
美を延々と演じれば、仁左衛門は人間も憎悪極まるとここまで怖い顔になるんだぞと百合の方を熱演
して、いやがおうでも芝居小屋は盛り上がる。この2人は息がぴったり。玉三郎はこの夜2回死んだ。
夜 家食 「ローマイヤー」のサンドイッチ、青さのスープ、クエン酸
幸い膀胱炎の経過は順調である。が、大事を取って予定の銀座バー飯は止め、まっすぐ帰宅。丁度1
年前の6月6日の夜は、W杯で一番危険な試合と言われたイングランドVSアルゼンチン戦が札幌で
行われた。ベッカムがPKを決め1−0でイングランドが勝った。ススキノは大騒ぎだったなぁ。無酒日
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6月 7日(土) 晴れたり曇ったり 夜半から大雨
朝 家食 モヤシとエノキ茸炒め、「ローマイヤー」のパストラミビーフとポテトのサンドイッチ、「クノー
ル」の春雨スープ、ナタデココパイナップル
ゆうべと同じ「ローマイヤー」のサンドイッチ。普通のサンドイッチは当日中に食べなければならないが、
種類によっては「翌日朝10時まで」のものもある。腹ごしらえした所で、大物の洗濯大会でもやろうか。
おやつ 岐阜「みわ屋」 かすていら、「僕のお茶」深煎り煎茶
散歩に行く。椿山荘の庭園では紫陽花の花が満開。今日挙式した新郎新婦が記念撮影をしていた。ジ
ューンブライトか。アメリカで「ジューンブライト」の人気が高かった訳を私なりに解釈すると、アメリカの
大学の卒業は6月。在学中に一生の伴侶を決めて、卒業と同時、つまり6月に結婚するのが、一昔前
のアメリカ女性の理想の結婚のカタチだったのではないか。ご存知の方、そうっすか?これが正しいの
かわからないが、今やアメリカでもこんなことは無いだろうと思う。だが、日本では意味もなく「ジューン
ブライトってステキ」みたいな憧れを持っている女性がいるようなのよね。そのままプールに行き運動。
夜 家食 口福コロッケ、野菜サラダ、切り昆布の煮付け、葱納豆、大根と豆腐の味噌汁、ご飯
膀胱炎に刺激のある食べ物はイカン。激辛カレーも、激辛麻婆豆腐も、激辛坦々緬もダメらよー。とい
う訳で、おとなしいメニューを考える。でも1つ位大好物もね、ということで口福コロッケ。自宅では揚げ
物をほとんどしない私だが、口福コロッケを食べるためならやります。膀胱炎はかなり治った。無酒日
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6月 8日(日) 晴れ
朝 家食 ブロッコリーとトマトのサラダ、黒酢のもずく、切り昆布の煮付け、シジミの佃煮のお茶漬け、
大根と豆腐の味噌汁
大相撲の懸賞の本数は、昔に比べてかなり減った。しかし、永谷園は意気軒昂だ。鮭とか梅などのお
茶漬けシリーズの懸賞が土俵に紹介されると国技館の中は「ウワーッ」と盛り上がる。懸賞をあれだけ
掛けられるのだから永谷園のお茶漬け海苔は売れているのだろう。ということは、それだけ日本人はお
茶漬けが好きということ?私は滅多に食べないが今朝突然食べたくなり、シジミの佃煮でさらさらっと。
午前のおやつ 岐阜「みわ屋」 かすていら、「亀屋万年堂」の羊羹、「僕のお茶」深煎り煎茶
今朝6時に起きてしまい、朝ごはんも早かったから、10時には早くもお腹が空く。10時のお茶である。
午後のおやつ 早稲田「モスバーガー」 木いちごのバニラシェーク 250円、コーヒー 150円
今週の表紙の写真は、昨日撮影した紫陽花に一旦してみたのだが、ちょっと寂しい。天気が良いので
もう一度撮影散歩に出かける。新江戸川公園には、白い紫陽花や花菖蒲、アヤメがたくさん咲いてい
た。やっぱり諦めないことが肝要やね。マクドナルドのマックシェ−クは太いストローでチュ−チュ−吸う
スタイルだが、頬が疲れる。モスのシェ−クはスプーンで掬って食べる。柔らかいからこれも食べ難い。
夜 家食 時鮭焼、豆腐の中華とろとろリゾット、ふんだん野菜のサラダ、切り昆布の煮付け、スナップ
エンドウの酢の物、モヤシと豆腐の味噌汁
今週は4日も無酒日だった。これからイヤガオウでも飲まねばならないので、結構なことである。ジーコ
ジャパンはアルゼンチンと戦っている。現在1−2で負けている。明日は我がチームの決勝だ。無酒日
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【今週の振り返り】
渋谷駅前にあるビルが老朽化のため、取り壊されるそうだ。あのビルには映画館が4つあった。私が信
州から引っ越して来て、渋谷で初めて映画を見たのは、その1つの「渋谷パンティオン」だった。映画は
ポール・ニューマン主演の「栄光への脱出」だったか。何しろそれまで過していた長野県というのは、脇
目をふらず勉強だけしてなさい!の「教育県」で、小学生ばかりか中学生でも映画鑑賞禁止。年に5、6
度「学校が許した映画」というものだけ観に行くことが許された。それも、一般興行前の早朝の映画館
前に10円玉握り締めて並ぶのだ。文部省推薦作品とか偉人と言われる人の生涯を描いた作品とか、
そんな面白くない映画を時々見ただけのサビシー子供時代だった。
東京の学校に転校して1週間経った時「映画観に行かない?」と誘われた。学校が許した映画でもなく
保護者同伴でもない中学生同士で行こうと言うのだ。びっくりした。もちろん行きましたよ。禁断の果実
を堂々と食べて良いと言われ、食べないヤツがいるか。しかも渋谷のパンティオンではロードショーとい
う生まれて初めて経験するものだったのだ。地方都市で、ぐるぐるどこかを回って来た映画を3本づつ
上映するスタイルしか知らないポッと出の少女は「ロードショー=封切り」という概念が理解出来なかっ
た。そして、たった1本観るだけなのに、学割で130円も払わせられたことに、タマゲル!!映画の内
容はほとんど覚えていないが、ポール・ニューマンの青い瞳と主題歌が印象的だった。パンティオンを
出てから「ジャーマン・ドッグ」と「西村フルーツパーラー」に行った。世田谷砧町からバスに乗って渋谷
に映画を観に来ただけでも、転校中学生には十二分に刺激的だったが、その上子供だけで飲食店に
行く自由を持つ、東京という街に住み始めた人生に感謝した。以来、新宿ミラノ座や松竹ピカデリーな
どにせっせと通う映画少女になった。その出発点となった「渋谷パンティオン」ありがとう。
ビデオやDVDもいいけど、やっぱり映画館は迫力あるニャア