パクパク日記 3年7月 5週
お日様をほとんど見なかった7月が終わり、ようやく夏。
国宝・白水阿弥陀堂の古代蓮
7月28日(月) 久々に朝から晴れましたー
昼 四谷3丁目「タイ料理 メーヤウ村」 ケーンパー(田舎風辛口ポークカレー)とミニ・クィティアオナ
ーム(汁ビーフン)のセット 1000円、ココナッツデザート 200円
信濃町と早稲田に「メーヤウ」というカレー屋がある。辛くて大好きだ。四谷3丁目にも「メーヤウ村」と
いうタイ料理屋があることは知っていた。タイ北部のメーヤウ村を冠した店がどうしてこんなにあるのだ
ろう、と常々不思議に思っていた。聞いてみれば、信濃町とこの店の経営者は同じ方で早稲田は信濃
町から暖簾分けされた店と知る。ついでに言うと、喰いしん坊Tが週に2回通う駒沢大学の「ピッキー
ヌ」は早稲田の「メーヤウ」元店長の店だす。「メーヤウ村」は、本格的なタイ料理のメニューがズラリと
並ぶ魅力的な店。あれも食べたい、これも喰いたいと大いに悩む。で、カレーと汁ビーフンのセットにす
る。ケーンバーは辛口だが「もっと辛く」とお願いしたら、思いっきり辛い。いいぞ、汗が流れるほどの辛
さ。汁ビーフンは太い麺で、ベトナムのフォーととても似た旨さだ。今度来た時は何を頼もうっかなぁ。
午後のお茶 新橋「ドトール」 ブレンドコーヒー 180円
今日は忙しい。朝の三番町から四谷3丁目、そして新橋と走り回っている。久々に出た太陽が眩しい。
夜―1 赤坂「某」 お任せコース(出汁炊き無花果、丹波の鮎鮨、じゅんさいの白味噌仕立て、琵琶湖
の稚鮎とさいまき海老、アワビの酒蒸し、焼茄子と生ウニ、松茸と鱧の小鍋、赤尾鯛のお造り、丹
波和知川の鮎の塩焼き、鱧の蒸しご飯、湯葉と小芋の炊き合わせ、水茄子、半田ソーメン、葛焼、
ビール、冷酒(〆張鶴)
上品な出汁炊き無花果
丹波の鮎鮨
じゅんさいの白味噌仕立ては100杯飲みたい!
素材が活きる稚鮎とさいまき海老
巨大なアワビの酒蒸して
焼茄子と生ウニがムッチャウマイ!
贅沢の極みの松茸と鱧の小鍋 炭火でことことを煮るのだ!
赤尾鯛のお造り
鮎の塩焼き
豊かな味の鱧の蒸しご飯
湯葉と小芋の炊き合わせ 小芋には粗目をつけて
すみません、いつも「某」で。いやいや、今夜も「某」は旨かった。ホントに旨かった。兵庫産というじゅん
さいはプックリ大きく、白味噌の中で弾ける。あぁ、旨い。焼茄子の上に田楽味噌を載せ、てっぺんに生
ウニあしらった和製ミルフィーユ状のものは一口でパクリ。思わず3秒目を瞑っちゃうよ。炭火の上の美
しい土鍋で松茸と鱧を自分で炊いて食べる。松茸シャキシャキ。素晴らしい食材とそれを最高に食べさ
せる技を見る。それにしても鮎、アワビ、ウニ、松茸、鱧と贅沢な食材をふんだんに食べてしまったよ。
夜―2 赤坂 「タートヴァン」 ジントニック、マルガリータ
バーで何杯か引っ掛けて、赤坂の街に出る。あら?あちらから来るのは、先週会ったばかりの望っちゃ
ん?余りの偶然に夜中に赤坂で大笑いした。韓国パブに一緒に行かないかって? 行きませんよ!!
______________________
7月29日(火) 曇り 午前中と夜は雨が降った
昼 新宿伊勢丹「インド料理 ガンガーパレス」 ラーニセット(前菜:若鶏のマイルドタンドール・白身魚
の黄金揚げ 野菜添え、茄子とトマトのカレー、ビーフのスパイシーカレー、ライス) 1500円+税
左が茄子とトマト、右スパイシービーフ
昨日はタイ料理と和食だった。ならば、今日あたりはインドかな。ラーニセットは、4つのカレーから2つ
を選ぶが、辛いカレーはこの2つだった。ご飯の代わりにナンを頼むとお替り自由。惜しいことをした。
午後のおやつ 渋谷・東急本店「タントタント」 ケーキセット(桃のタルト、ブレンドコーヒー)800円+税
このタルトはいけます
夕方渋谷で『北京ヴァイオリン』を見た。ヴァイオリンに優れた才能を持つ息子を一流の演奏家にする
ために北京に出て来た田舎の父子の話だ。この映画はいい。私の好きなクラッシック音楽と猫がスクリ
ーンに溢れる。そして、男手ひとつで息子を育てて来た父親のリウ・チェンがいい。腕の良いコックだっ
たが、息子のヴァイオリニストとしての成功だけを願って、東奔西走する誠実不器用で善意の塊のよう
な男。彼を演じるリウ・ペイチーが実にいい。我がアメフットチームの引退したQBマっちゃんにとても良
く似ていて親しみがわく。彼が息子のための先生を見つけるキッカケが常にトイレの個室で偶然盗み聞
きという設定も笑う。そういえば、最初のチアン先生は、元H社のI澤さんに似ていたなぁ。チュン少年
役のタン・ユン君は目元が涼やか。最後の北京駅の場面では、チャイ・コンを聞きながら、劇場中の観
客が涙ボロボロ。こういう涙はいい!「タントタント」のサービスはちょっと頭をひねるが、タルトは旨い。
夜 代官山・EXE 「サルバトーレ・クォーモ・ブロス」 前菜盛り合わせ:キャビアを乗せた帆立のタルタ
ル トマトスープ・オマール海老とアボガドのサルバトーレ風サラダ・仔羊のカルパッチョ・モッツァ
レラチーズとチェリートマト、ピッツァ(生シラスとガーリックのピッツァ、マルガリータのハーフ&ハ
ーフ)、オマール海老と帆立のイカスミタリアッテッレ、肉と魚介と野菜のイタリアンBBQ(牛肉・チ
キン・ソーセージ・イカ・帆立・白身魚・ズッキーニ・茄子・トマト・舞茸・エリンギ)、ミントティ、生ビー
ル、赤ワイン2本
昔一緒に仕事をしたK君夫妻と代官山で食事。早めに着いて街を一周したが、自分に似合わない所
に来てしまったようで落ち着かない。EXEには、バーと和食とイタリアンがある。広くてオープンキッチ
ン形式だが、ほの暗い照明でお洒落な雰囲気。今日はテラス席だ。前菜、ピッツァ、パスタ、イタリアン
BBQともたくさんの種類をシェアする形にしてくれたので、いろいろ食べることが出来て嬉しい。東京の
夜景をちらりと見ながら、夜の風に当るのも気持ち良いね。K君はヨット青年(もうオジサンか)で、以前
ジェノバの世界大会にも出場した。来月はオランダの大会に出るのだと言う。かおるちゃんは今クラシ
ックバレエの関係の仕事とか。みんな好きなことをやっていて幸せそうだ。ご馳走になってしまい恐縮。
________________________
7月30日(水) 午前中雨後曇り 湿度が高い!
昼 西新宿 「ハイチカフェ 」 ハイチ風スパイス料理のミートボールとサラダ(カボチャ団子つき)、トマ
トピラフ、ハイチコーヒーのセット 1250円+税
みなさん、ハイチってどこにあるか知ってます? ベトナム? ちゃうちゃう、あれはハノイ。ハイチは中
南米のカリブ海に浮かぶエスパニューラ島にあるのですよ。コロンブスが発見したこの島の三分の一
がハノイで、残りはドミニカだと「ハノイの栞」に書いてあった。そんなハノイの料理とコーヒーを売りにし
ている店がここ。都内には十数軒の支店があるそう。この店の一番人気はドライカレーで、昼ドキ一杯
になった客の8割は頼んでいた。今度はそれにしよ。コーヒーにはラム酒がついてくる。カリビアン!!
夜 早稲田 「中国料理 花月」 春巻 500円、坦々麺 700円
月曜日はタイ料理と京料理、昨日はインドとイタリア、今日はハノイ。ん?中国が無いね、ということで
近所の「花月」。今週は世界一周かぁ?夕方プールで走っていたら足がツッタ。情けなかぁ。 無酒日
_______________________
7月31日(木) 晴れ(福島浜通りは)
昼 常盤線の車中で 釜めし弁当 880円、お茶 120円
「スーパーひたち」で福島県に向かう。昨夜の夕食から、もう17時間半も食べていない。ミニ断食状態
だ。車内で駅弁を買ってすぐ食べる。箱には堂々と「釜めし弁当」とあるが、この形状で果たして」釜め
し」と名乗って良いのだろうか。せめて「風」をつけて「釜めし風弁当」とでもしないとマズイんじゃない?
午後のお茶 いわき市「アクアマリン福島」 海老せんべい、アイスコーヒー
水族館好きである。いわき市小名浜に2000年に完成した「アクアマリン福島」に行く。いわき沖は、黒
潮と親潮が出会う「潮目」の海。だから「潮目の海」をテーマにしている。安部館長からお話を伺った後
館内をご案内頂いた。イヤー面白い!10度水温が違う黒潮と親潮が隣り合った巨大な水槽。熱帯ア
ジアの水辺とタイトルがついた展示は森かと思う程熱帯植物が溢れている。北の海の怪獣コーナーで
は、トドが叫び声をあげ、ゴマフアザラシ、タイヘイヨウセイウチ、アラスカラッコが愛嬌を振りまく。食べ
る秋刀魚は大衆魚だが、神経質な魚のため水族館での飼育は極めて難しいのだそうだ。そこで同館で
は、開館の3年半前から研究を続け、秋刀魚を卵から孵化させ飼育に成功したと言う。最近、そうやっ
て育った秋刀魚がようやく展示できるようになり、薄暗い大きな水槽でグルグルと周りながら泳いでい
た。家族連れに最適。是非どうぞ!それにしても水族館ってやたらとお腹が空く。つい「うまそう・・・」。
午後のおやつ 「いわき・ら・ら・みゅう」 白桃のソフトクリーム 250円
「アクアマリン福島」の対岸には巨大な物産館が。夕食が迫っているが、我慢出来ずに白桃のソフトを。
夜 いわき市 「天地閣」 豪華絢爛の夕食コース(檸檬酒、先附け:豆乳寄せ、珍肴:平爪蟹ウニ和え・
鮪酒盗・赤海蛸塩辛・じゅんさい盛り、前菜:かすご鯛棒鮨・鮎せんべい・出汁巻卵・サザエ磯煮・
真鯛煮凝り、お造り:ヒラメの縁側・ヒラメウニ巻・真子カレイの薄作り・スズキの洗い、青魚のお造
り:カツオ・初秋刀魚、焼肴:ウニの貝焼・カマス若狭焼・加茂茄子田楽・京万願寺甘唐辛子・蒸し
焼松茸、アワビのステーキ肝ソース、ハモの揚げ浸しと冬瓜・海老の炊き合わせ、鮎並真薯と谷
中生姜揚げ、ウニの炊き込みご飯、真鯛白子真薯の清まし汁、香の物、マンゴーと巨峰、ビール、
冷酒(原酒叉兵衛)、赤ワイン
急な崖にへばり付くように建つ「天地閣」。それだけに小名浜の海を一望でき、夕陽が美しく見える宿だ
と言う。部屋や風呂はどうということは無いが、食事の豪華さはどうだ!気のきいた肴の数々の後は、
カツオと初秋刀魚がドッカーンと出て来る。ウニの貝焼は、食べても食べても減らない程ウニがギッシ
リ。ついでに活アワビのステーキが出て来ちゃったぞ。そして最後はウニを炊き込んだウニご飯。コー
ス全部の余りの量に私は残してしまったが、痩せたヒナちゃんはペロリと平らげた。凄い。負けました。
_______________________
8月 1日(金) 曇り 一時雨(福島浜通リ)
朝 いわき市 「天地閣」の和朝食(鮭、サツマ揚げ、蒲鉾、筋子と大根おろし、高野豆腐と野菜の炊き
合わせ、もずく酢、蛸、冷奴、焼海苔、漬け物、鯛のお頭入り味噌汁、ご飯)
ビールに赤ワイン、原酒「叉兵衛」をグビグビ飲んだので、7時過ぎに起きた時はちょっと二日酔い気
味。それでもお腹は空いていて、しっかり朝ご飯。豪華では無いが、良いオカズが並び、ご飯をお替り。
昼 いわき市 「とよむら」 自然薯豆腐、ネギ蛸、ソースカツ丼(5分の1)、カレー蕎麦、盛り蕎麦
宿を8時に出て、国宝である願成寺・白水阿弥陀堂に向かう。同寺の浄土庭園の池に古代ハス(大賀
ハス)が咲き誇っていると言う。ハスは咲く時、ポンと音がするのかしないのか。それを試したくて開園
時間の8時半には到着したが、既にハスは咲いていた。因みに音はしないそうだ。淡い紅色のハスの
花が美しかった。お腹を空かせるために、映画『喜びも悲しみも幾年月』の舞台となった塩屋崎灯台や
JRAの馬の温泉などを見学してから湯本駅に近い「とよむら」へ。今回の旅は10人連れだったが、共
通点は、食べ物に目が無いこと。膨大なメニューを見ながら、絞りきれない。で、ツマミの部と食事の部
を分けることに。写真上段はツマミの部。ソースカツ丼もツマミ。そして食事の部。迷いに迷って、カレー
蕎麦と盛り蕎麦を2つ頼んだ。量が多く、かつ蕎麦が茹で過ぎで半分残した。私はホントに愚かだよ。
夜 家食 「ドトール」チキンカツサンド 270円、「みつはし」の豆カンと蜜豆 各350円、紫蘇ジュース
昨日からの3食の贅沢とカロリー過多を振り返って、帰りの列車の中で今晩は粗食にしようと決めた。
すっかりキレイになった上野駅で調達して来たチョー変な組み合わせの夕食となる。 もちろん無酒日
________________________
8月 2日(土) 晴れ ようやく関東地方は梅雨明け アヂヂ
昼 早稲田 「まほうつかいのめしつかい」 浅利と納豆とシメジのスープスパゲッティ(ラージ) 950
円+100円、アイスコーヒー 300円
ようやく関東地方では梅雨が明けたらしい。各テレビ局も「どうやら明けた・・・」とか「…明けたのではな
いか」とキッパリとは言わない。確かに今年2回目の30度は越えたがスッキリとしないまま、ただ暑い。
昼スパゲティを食べたくなった。レギュラーなら120グラムだが、ラージだと160グラムとメニューにあっ
たのでラージを頼む。食後ヘルスクラブで計測したら4日前より1、4キロ増えていた。ウーム、である。
夜 小石川KC邸ホームパーティ 枝豆、魚介類のマリネ、中華惣菜、ペンネと生ハムとのマリネ、豆
腐コロッケ、ポテトサラダ、筋子と大根おろし、高知南国市取り寄せカツオのタタキ、毛蟹、I美特
製ウナギのおこわ、「一幸庵」の水羊羹と饅頭、I美特製タピオカプリン、南国フルーツ(マンゴステ
ィン、ドラゴンフルーツ、スターフルーツ)、ビール、冷酒(奥の松)
夕方からKC邸へ。一応私の卒業祝いパーティという名目でもあるが、昨年一家で香港に移住したKC
が、残しておいた小石川の家を片づけることになったので「小石川お別れパーティ」でもあった。集まっ
たのは女性5人。昨年まで全員同じ会社にいた。全員管理職。それが1年経った今4人は退社、2人
転職、2人出産、1人海外移住というめまぐるしい変化があった。デパ地下、取り寄せ、手作り、頂きも
の持参と料理や食材の経路はいろいろだが、賑やかな食卓となる。私もO家から頂いた南国のフルー
ツを持って行く。子供が合計4人、2人のご主人、後輩も加わって、一層賑やかに。母親歴の長いKC
は当然としても、新米のRM、IMも母親の顔になっていたのが新鮮だった。人の子供の成長は速い。
____________________
8月 3日 (日) 晴れ 今日も暑い
朝 家食 「ローソン」のちょっと一口冷し中華、I美特製タピオカプリン、「メリッサ」のシューガ−ラスク、
梅酢ジュース
昨日のパーティのお土産に、I美特製のタピオカプリンを貰って来た。オリジナルは、中華デザートだそ
うだが、名前通りタピオカやツブ餡がたっぷり入っていて不思議な旨さだ。シュガーラスクも旨いねぇ。
昼 ナシ!
夜 西早稲田「欧風料理キッチン ATTON」 イワシの香草焼 750円、ライスコロッケ 850円、美味
しんぼ風スパゲティ(アンチョビ、オリーブ、ケッパー、バジリコ風味) 900円、アイスティ 400円
今日は肉体労働日のハズだったが、こう暑くてはヤル気が無くなっちゃうよ。洗濯だけは盛大にやっ
た。夕食は、カレーを食べるつもりで家を出たのだが、信号待ちしているうちに気が変わり、韓国料理
屋へ。そこで焼肉の匂いを嗅いだら、また気が変わってイタ飯屋のドアを開けていた。ワインが安いの
で飲みたかったが、無酒日予定なのでガマン。7月は宴会続きだったが、途中でモモに叱られたのが
効いて、標準ペースに1日オーバーしただけで済んだ。自分1人の時は、こうした地道な努力が必要な
んですわ。酒の代わりにグワングワン食べてやろうと思った訳でも無いが、ちと頼み過ぎた。料理は1
皿にしてサラダに代えるべきだった。反省。愛想の無い店だが、料理の味はまずまずの味だ。無酒日
___________________
【今週の振り返り】
上野駅が今年創業120年を迎えたそうだ。上野駅の大改装が行われたという話は聞いていたが、いわ
き市に向かう折、新しくなった上野駅に行った。上野駅といえば、関東信越地方から来た人が上京する
時の最初の玄関口だった。その昔「集団就職」が盛んな時代があった。地方から中学卒業仕立ての少
年少女が不安と期待を胸に上野駅を降り立った。働き始めたものの、寂しくて、苦しくて休みの日には
何度も上野駅に来ては「帰ろうか、もう少し頑張ろうか」と思い悩んだ駅でもある。先日駅構内に、井沢
八郎さんが歌って大ヒットした『あぁ、上野駅』の歌碑が出来たとニュースが伝えていた。先輩のY富さ
んは、中学生時代、血統付きの伝書鳩が欲しくて、八百屋の売上げをくすねて家出。夜行列車で上野
に向かい、早朝改札口を出たところで婦人警官に質問される。「僕はどこから来たの?」「アギダ」「お父
さん、お母さんは知っているの?」「うんにゃ」と答えたところで保護されたそうだ。後輩のS正君は、高
校卒業して就職のために福島から1人で上京した。駅構内の食堂でホットドッグを注文した。テーブル
にあるタバスコをエラク水っぽいケチャップとカン違いし、1本全部かけてしまったそうだ。「なかなか赤く
なんねえなぁ」とか呟きながら。そして、ウェイトレス全員が挙動不信の若者として見守る中、彼は一口
食べて飛び上がったことは言うまでも無い。私が東京に引っ越した時は、長野県から中央線で新宿に
着いたから、そういった記憶は無いが、もっぱらスキー場に行くために上野駅を利用した。巨大で、垢
抜けなくて、庶民的で、寂しさが染み付いたようにちょっと薄暗くて、でも親しみのある上野駅。その上
野がとても明るくキレイになった。しかしキレイになっても、飽くまでも上野らしく垢抜けないままに。そこ
がいいね。上野駅周辺には魅力的な場所が多い。帰りのタクシーで遠回りしながら、少し涼しくなった
頃、じっくりと歩いてみようと思った。
温泉治療中のダイイチサクラちゃん。デビューしたらガンバルのだよ!