パクパク日記4年12月1週
いよいよ師走、今年もあと1ヶ月やなぁ。白子もすくすく育ってんねん。
11月 29日(月) 晴れ
朝 無し
昼 一番町 「ラ・フォーレ」 スパゲッティ・アラビアータ(大盛り)ランチ(スープ、サラダ、デザート、
コー
初冬のランチ新規開拓シリーズ。新規開拓はやっぱり当てずっぽうではハズレが多い。今日はランチ
プリンスのU井君に紹介して貰うこととなる。彼曰く「味はそこそこという位ですが、サラダもスープもデ
ザートも飲み物も付いて1,000円。しかも大盛りがサービスです。この界隈で、これだけ付けばお得で
しょ?」。うん、お得、お得。大お得。しかも午後1時から煙草もOKとか。結構毛だらけである。パスタ
類が数種類とオムライスのメニューだった。大盛りがサービスならそれにしちゃおうっかなぁ。最近節制
(どこが?)してたしさ。スパゲッティは、エンジェル・ヘアまでは行かないが、かなり細い。味も及第点で
あるU井君が頼んだオムライスの大盛りは、大迫力であった。ここもランチレパートリーに加えようぞ。
夜 荒木町 「とらたつま」 お任せコース(白子ポン酢、鴨と豆腐のお吸い物、お造り盛り合わせ:
カン
麩の
もみイカは酒の肴に最適
車力門通り中程の小路の奥まったところにある「とらたつま」。こじんまりしているが、コース料理を主体
とした志の高い店である。「今日のコースは牡蠣ですがよろしいですか?」と聞かれた。「えー?牡蠣?
好きだけどアタルから別のにしてちょ」とお願いする。冬になると、この牡蠣ダメ期間が恨めしい。特段
慌てた風もなく、別の食材の料理が出て来た。生のシシャモは珍しいが、オトコの子とオンナの子が両
方出されて味の違いを食べ比べる。正直言っちゃうと、その差はわからんかった。自家製の鶏の燻製
が旨い!コースには食事はついていない。O社さん(会社ではありません。苗字です)は、元スポーツ
マンだから大喰いで、おにぎりを食べた。私はもみイカで酒を飲み続ける。「とらたつま」の意味です
か?オーナーの3人のお嬢さんの干支だそう。帰り道、「おちあい」で宴会中の方々を覗きに行った。
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11月 30日(火) 晴れ
朝 無し
昼 三番町 「開華亭」 肉野菜定食 750円、半餃子(3ヶ) 300円
初冬のランチ新規開拓シリーズその3。当倶楽部にメールを下さる方々はたくさんいらっしゃるが、その
中のIさんという方が、「三番町に盛りが異常に多い中華屋がある」と教えて下さった。酔っ払ってメール
を読んだので場所も店の名前も覚えていない。それでも、何とか目星をつけて入ってみる。出来た料理
を見て、ここに違いないと確信する。虎スミは、もやしそばと半チャーハン。私は肉野菜炒め定食と半餃
子.
結論から言うと、その量はスサマジク、私は完食したものの(餃子は1つ虎スミにあげた)、口をきく
のも億劫になった。虎スミは半チャーハンを半分残し、クォーターチャーハンお持ち帰り。量の多さに目
の無い2人だが、今日は「参りました」。夕方まで「あぁお腹いっぱいでギモヂワリー」を連発していた。
夜―1 築地 「某2」 白子の会特別メニュー(蓮根煮、茄子と野菜味噌炒め、里芋煮、亀の手、ふ
ぐ
酢
「三十六人衆」など @1万2千円
異常な満腹感は、夜になるとスッと無くなって、築地にいそいそと出かける。今シーズン初の「白子の会
ハシリの部」なのである。カイチョーの私が毎回ゲストを1人選んでお連れするキマリなのだが、今回は
ゲスト無し。ハシリの頃の白子は小さいから、人数が多くなると分け前が減る。もったいない、というの
が熟慮した上の答えとなった。果たして、白子はまずまずの大きさのものもあるが、小指の先っちょ程
の小さいものもあってバラツキが大きい。ゲスト無しで良かった。「白子の会」では、ビールに続いて日
本酒の一升瓶を茶わんで飲むのがお約束だが、1本目は地震で被害の大きかった山古志村のお酒か
ら飲むことにした。その後「三十六人衆」など計3本が軽く空いた。ふぐ刺しは、薄く切ったものと厚めに
切ったものが2種類。大将もいろいろ研究しておるな。ふぐの唐揚げはうまかねぇ。さて、今日の主役の
白子焼きの登場。パチパチパチ。長年の研究の結果、素焼きしてポン酢醤油で食べるのが一番旨いと
いう結論を出したわれわれはいつもこの食べ方。はふはふ、あぢあぢ、とろとろ。一瞬の快楽である。
夜―2 四谷3丁目 「カラオケ アゼリア」 ジントニック 2杯 @3千円
大S子、R子と私、女3人は帰る方向が一緒なのでタクシーに乗る。そこへOKホーリーが乗り込んで
来た。この4人になれば真っ直ぐ帰るハズはないわな。というワケで1時間程腹ごなしをしてから散会。
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12月 1日(水) 晴れ
朝 無し
朝から調子悪いです。かなり悪いです。冷や汗油汗流してます。トイレ何度も行ってます。あぁこまた。
昼 赤坂 「うまや」 皿うどん定食(豚の角煮のせ皿うどん、鮭のおにぎり、鶏スープ、漬物) 1,000円
皿うどん上に豚の角煮がのっかている
それでも、2週に1度の予約を取ったので赤坂の整体治療室へ。「夢子さん、あなたね、よくお腹をこわ
すようですが、それは腸がどうのと言う前に、性格なんですよ、わかっていますか?あなたは心配事を
見ないフリしていても全部見えてしまう。つまり、ストレスを溜めるネタを吸い込む自動掃除機みたいな
性格なんですよ。え?そうは思っていない?それが一番イケナイの。結構いい年しているんだから己の
ことはもっと理解しなくっちゃ」。余計、冷や汗、油汗流れます。「うまや」で皿うどん定食を食べたものの、
ちっとも美味しくなくて、更に汗だらだら。お腹の痛みも治まらず往生したのでありました。私、掃除機?
夜 家食 病人きしめん、病人温豆腐、薬味、もずく酢
会社に行ってもお腹の痛みは治まらず。今日どうしてもやるべき会議を終えてから早退する。夜は消化
の良いきしめんと温かいお豆腐。これなら治るよな、と思いながらどうもつまらない夕食だった。無酒日
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12月 2日(木) 晴れ
朝 家食 病人きしめん
昨夜に引き続いて病人きしめんを食べる。お腹の痛みは無くなったが、掃除機かと思うと力が出ない。
昼 九段南 「みさき」 鯖塩定食 800円、納豆 100円
鯖の切り身小さくない?
かつてはせっせと通った「みさき」。久々に行ってみた。以前は魚の切り身の大きさが嬉しかったが、今
日の鯖をみるとフツーじゃん。店の中はおじさんとお兄さんばかりで女性はやっぱり虎スミと私の2人。
昼のお茶 九段南 「詩」 コーヒー 450円
夜 四谷3丁目 「とき和」 お通し:穴きゅう、串焼き:つくね・牛スジ焼きポン酢おろし、イカごろ焼
き、
冷酒
池袋サンシャイン劇場にキャラメルボックスのお芝居『スキップ』を観に行く。この劇団のことは以前か
ら知っていた。かつての私の部下の女性が、この劇団の熱狂的ファンで、ついには会社を辞めて劇団
に転職してしまった。ツマラナカッタラ直ぐ出ようと思ったが、2時間ぶっ続けの舞台で、つい面白くて引
き込まれた。9時40分の終演後、AY子と荒木町へ。モミアゲで有名な調理長の店で遅い夕食に付く。
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12月 3日(金) 晴れ
朝 家食 「丸美屋」のスープ米麺海鮮味
昼 九段南 「さくらさくら」 一の膳 1470円
午後1時から女性10人で「さくらさくら」で昼食会。食べ物の写真ばかり撮って人間には興味が無いと
思われているだろうから珍しく集合写真などを。でも、私はほとんどわからないのであるぞよ。ひっひ。
夜―1 早稲田 「松下」 おまかせ料理(ニンジンの温かいスープ、前菜盛り合わせ:稚鮎・栗・サザ
エ
スッポンのすっきりスープ、自家製カラスミ、天然とらふぐの刺し身 白子ポン酢醤油、佐渡の天然
ぶり焼き斯波漬けのせ、紫アスパラとオレンジカリフラワー、大間の漬けまぐろ、ぶり大根、小柴の
鯖のスモーク仕立て、天然とらふぐの唐揚げと 胡麻豆腐 、鴨の治部煮鍋、オムライス オックス
テールソース掛け、稲庭うどん 鴨出汁、漬物、イチャンレモンのゼリー、30年もののシェリー酒、
ビール:「独歩」岡山、冷酒 「刈穂」、「三千盛」
月に一度は「松下」と決めているのだが、ちょっと間が空いてしまった。10月の我が家のブランチパー
ティで料理の腕を振るって頂いたアッコちゃんのお礼の会。彼は何と言っても口が肥えているから、ど
んな評価をするのだろうか。桜海老の唐揚げがふっくらと旨い。ヒゲや殻を全く感じない。松葉蟹は、兵
庫県柴山港の「栄正丸」が獲ったものだって。甘いなぁ。オックステールなんて正統の和食屋さんでは
あまり見かけない食材だが、10時間かけて煮込まれてとろとろ。その上に白ネギのソースと餡がかか
っている。三陸のアワビも柔らかだ。「何のスープか飲んでみて当てて」とご主人から言われた謎のお
碗。知っている味だが、何だか思い当たらない。うーーーん。スッポン?そうかぁ。贅沢な和風コンソメ
であるな。佐渡の天然ぶりには、細かく切った斯波漬けがびっしりとのせである。ぶりの脂を斯波漬け
の塩辛さで程良く消してよいバランスだ。今日の自慢料理は、土鍋でグツグツ煮立って登場。鴨の治部
煮である。鴨の柔らかいこと!出汁は小麦粉でトロミを出している。食事まで一気呵成。あぁ満腹だよ。
夜―2 荒木町 「ワインライト」 松の実のバター炒め、ジントニック 2杯
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12月 4日(土) 午後から雨
朝 家食 「松下」の鯛メシおにぎり
昼 伊丹空港 「551蓬莱」 タンツー麺 420円、豚まんと小籠包のセット 550円
アヂヂに熱いでー
12月1日オープンしたばかりの羽田第二ターミナルビルから伊丹へ。新しい空港で何も食べずに伊丹
で何食べんねん。空港に旨いものなし、と決めてかかってんやなかったん?でもな、蓬莱の店が出来
てんねん。豚まんも売ってもおるし、そこで食べられるんよ。タンツー麺はほんのちょっぴりや。豆やで。
夜―1 大阪・北新地 「万葉鮨」 お任せ(平目と中トロ刺し身、アワビ、蒸し渡り蟹、炙った平貝の
海
茶
大阪に着いた頃から雨が降り出してな、夜になったらざんざん降りや。春の引越しを2泊3日で手伝い
に来てくれはった恭子ちゃんと新地の鮨屋で待ち合わせしてな、久々に楽しい夜になってん。もう、この
「万葉鮨」には20年も来てるやろか。大阪で鮨食べるなら、いつもここに来るんよ。ま、他に知らん、と
いうこともあるわな。食べやすいようにて、キレイに剥いてくれはった渡り蟹、最高やん。今まで渡り蟹
食べて美味しいと思ったことなかったわ。タラの白子のこと、関西は「クモコ」言うんやてな。栃木と一緒
や。この揚げ出しもうまかったでー。自家製卵焼き。今どきな、白身魚や海老を擂って丁寧に卵焼き作
っておる鮨屋なんてめったに無いで。でもな、手間ヒマかけるから、ほわっとカステラのようになるんや
な。恭子の家族のお土産に、穴子とバッテラの某鮨作って貰ったんよ。明日の朝しっかり食べてなー。
夜―2 大阪・中之島・リーガロイヤルホテル 「「セラーバー」 ジントニック
鮨屋では、お父はんの独演会やったから、ホテルのバーで恭子とおしゃべりしましてん。雨激しいなぁ。
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12月 5日(日) 晴れ 強風
朝 大阪・中之島・リーガロイヤルホテル 「なだ万」 和朝食セット
1週間天気予報によると、今日の日曜日は雨の予想だった。だから雨具をドッサリ持って来た。ところ
が起きてみると青空。ええ?晴れたぁ?嬉しい。今日は午後1時からアメフットの準決勝。晴れなく手宵
から雨だけは止んで、とお願いした甲斐あったわ。朝刊を見て、社会人のもう1つの準決勝の結果に驚
き、関西学生のプレイオフの結果に溜め息。何だか、天気と同じようにパッと晴れたような気分。「なだ
万」の和朝食。あっちこっちのホテルに入っているが、悪くはないものの、感動に至らない朝食である。
昼―1 大阪・長居球技場 ロース勝つサンド ひと口、お茶
恭子一家がホテルまで迎えに来てくれる。今回は自分で勝つものを調達できなかったので、恭子に勝
つサンドをお願いした。朝ご飯を遅く食べたのでお腹が空かない。試合前ほんのひと口食べて備えた。
昼―2 大阪・中之島・リーガロイヤルホテル 「コルベイユ」 アサリのチャウダー 1040円、フロ
ーズ
少ないスープ、多いデザート
試合は負けた。7−10。3点を追う我がチーム、最後の最後にチョー幸運が何度も起り、「奇跡の逆
転」の新聞記事の見出しが頭に浮かんだ。「ホントに行けるかもしれない」と思った。しかし、3点差のま
ま試合が終わってしまった。がっくり。選手やコーチ、スタッフは、私の何百倍も悔しいのだろうから、浮
びそうになる涙は引っ込めなくては。必死で応援してくれた恭子一家と、ホテルでおやつのような軽食。
夜があるから、私はちょっとにしよう。スープは量が足らず、デザートは山のようにあって半分食べる。
夜 大阪・中之島・リーガロイヤルホテル 「「セラーバー」 タラバ蟹とグレープフルーツのサラダ
1980円、オニオングラタンスープ 1732円、ライスコロッケ トマト風味 924円、蟹とアボガド、ロ
ミロミサーモンのディップ ガーリックトースト添え 1386円、ギネスドラフトビール、タンカレージン
トニック 1050円×2杯
お腹が空いたような空かないような、食欲があるような無いような、ヤケ酒飲みたいような飲みたくない
ような・・・・・。こんな時は、バー飯だね。でも、ビールとジントニック2杯で止めた。チームのみんなは、
後片付けをして、今から東京に向かう頃だ。疲れて、悲しくて、落胆しているだろうな。また、来年だね。
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【今週の振り返り】
一人の個人に、祖父と祖母は4人いる。父方の祖父母と母方の祖父母。私は母方の祖母しか顔を知ら
ない。父方の祖父母は、両親が結婚して間もなく、たった1ヶ月の間に相次いで他界してしまったそうだ。
母方の祖父も、私が2、3歳の頃胃癌で亡くなった。それでもうっすらと葬式の様子は記憶にある。
母方の祖母は、名前をハナと言った。因みに父方の祖母はキク。明治の頃は、女性の名前はカタカタ
でつけることが多かったようである。これは学校教育が未だ徹底されていない時代、特に地方ではなる
べく字数の少ない名前にしよう、という意志が働いていたのではないだろうか。クマとかトラとか、つけら
れた本人にしたら泣きたくなるような名前の女性も多かったようだ。さて。このハナおばあちゃん。私が
もの心付いた頃には、腰が曲がっていた。数字の「7」位に曲がっていた。夏休みに家族で母の実家に
遊びに行くと、走り出て来て、大きく曲がった腰を伸ばしながら「よう来た、よう来た。大きくなったのう。
おこここ、おこここ!!」と目を細める。最後の「おここ」あるいは「おこここ」。新潟の地方で使う感嘆詞
らしい。子供の私達兄弟は、おばあちゃんの「おここ」がお気に入りで、「おここのおばあちゃん」と呼ん
でいた。もちろん陰でだが。おばあちゃんは、昭和38年だったか、脳溢血で亡くなった。
先日、仏壇にお線香を上げながら、ふとおここのおばあちゃんが今の時代に生き返ったら、どんな反応
を示すだろうかと思った。亡くなってからの40年をスキップして帰って来たとしたら・・・・。
そんなことを考えた折、池袋のサンシャイン劇場でキャラメルボックスの芝居『スキップ』を観た。北村薫
氏の同名の原作を舞台化したもの。ざっとストーリーを言えば、高2の17歳の少女、真理子が、雨で中
止になった体育祭の日、自宅でモーツアルトの『フィガロの結婚』のレコードを聞いているうちにうたた
寝をし、起きてみたら42歳の未来の自分になっていた、というものだった。いつのまにか自分は結婚し、
17歳の娘もいる。両親は既に亡くなっていた・・・昼寝から起きたら25年の歳月が過ぎていた、というわ
けだ。17歳という青春の入り口にいたのに、その楽しさもホロ苦さも味わわず、恋もして、それが成就
したのかの実感もなく、人の母となり、最愛の両親の死も知らず、いきなり生活に疲れた中年に一足飛
びでなってしまう。それでも、彼女は必死に25年後の今の自分と対峙する。街を歩けば、若い男女が
手を繋いでいちゃいちゃしている姿にショックを覚え、電車の中で大人が漫画を読んでいると怒り、「ア
ダルトビデオって何ですか?」と娘に聞き、「マツモトキヨシってどなた?」と言って笑われる。
「おここのおばあちゃん」こと私の祖母は、明治半ばの生まれだろう。亡くなった年を考えると、テレビや
冷蔵庫、洗濯機などの電化製品や車の普及までは知っていたはずだ。だから、携帯電話やメール、大
型の薄型テレビなどにも、盛んに「おこここ」を連発するに違いは無いが、「技術の進歩はモノスゴイこと
だてぇ」で納得してしまうかもしれない。それより、祖母が驚くのは、人間の変わり方なのではないか。
茶髪、金髪に染められた若い男が、ピアスやネックレスをしている姿に目を丸くするだろう。父方のキク
おばあちゃんは、赤毛だったそうだ。当時の美しい髪は「カラスの濡れ羽色」、漆黒だった。キクおばあ
ちゃんは、自分の髪の色をひどく恥じていたと叔母から聞いたことがある。電車の中で、若い女がいろ
んな器具を使って化粧している姿に恐れおののくかもしれない。ズボンの上にスカートを履いている女
性を見て、怪訝な表情を浮かべる。40代、50代の主婦が、「ヨン様」「ビョン様」と家族をほったらかし
て韓国ツァーに行く姿を見て、腰を抜かすかもしれない。今の夫婦がポンポンと離婚している実態を知
ったら失神してしまうかもしれない・・・・・・・・・・・・・。こう考えてみると、息子2人を戦死させ、一生働き
詰めだった祖母の時代から、何十年経った今の時代に誇れるものが無いような気がしてくる。「イヤな
ものを見てしまったてぇ」とあっちの世界に帰っていくのだろうか。
イヤ待てよ。おここのおばあちゃんが一番びっくりするのは、もしかしたら孫の私を見た時かも知れんぞ。
「おここここ!!夢子、なんでそんなに大きくなったぁ・・・・!!!」
ワタクシ、カラスの濡れ羽色だすニャア