パクパク日記5年10月1週
アンカラ、カッパドキア、コンヤ、アンタルヤ、パムッカレ・・・トルコに来トルコ
カッパドキア
パムッカレ
10月 3日(月) 曇り
朝 家食 黄金パスタの鮭のクリームフィットチーネ、切り昆布と牛蒡天の煮付け、「浅野屋」の軽井沢
レザン、岡山のU十世紀梨
7時に起きたのに体操しているうちにまたもや寝てしまい、再び目が覚めたら8時。ヤバ。先週NHK
連ドラ「ファイト!」が終わり、今日から新しいドラマが始まった。舞台は大分の湯布院なのね。あそこ
も今年の大合併で湯布院市になった。市町村は約千減ったらしい。昨日の残りモノでカンタンな朝食。
午前中のお茶 四谷三丁目 「オレンジ」 コーヒー 440円
荷物を作り直し、風呂に入って治療院に行く。何度インタホンを押しても反応無し。どうも今日は予約し
ていなかったらしい・・・・・。そのまま帰るのも悔しいから、本屋で13冊本を買い、喫茶店で30分お茶。
昼 四谷3丁目 「欧風カレー オーベルジーヌ」 野菜カレー(サラダ、ポテト付き 辛口) 1260円、
コ
キョーレツな甘さに辛さが
姪のカオルが来た。私の留守中マンションを使うというので、使い方を説明するため来て貰った。私は
自分の家なのに電化製品が全部新品だったので慣れるのに数ヶ月かかった。彼女は延々と続く説明
を聞いても、時折メモするだけで軽く聞いている。これで彼女は覚えちゃうのよね、きっと。背も私よりず
っと高いが、頭の良さは数倍。部屋は貸してあげるから、しっかり掃除してピカピカにしておくのだよ!
夜 四谷4丁目 「金吹」 お任せコース(焼き銀杏、スモークサーモンのオニオンドレッシング、茹で
卵
今晩は旅前夜だから生ゴミを出さないためにも外食、早起きするための無酒日のつもりであった。しか
し何故か「金吹」の地下に続く階段を下りていたのだった。主人の匠ちゃんとバカ話をしていたら、そこ
にK岸君が妙齢の女性を連れて登場。「おぉ!久しぶりね」ということで一緒に飲むことになる。長野市
で結婚披露宴に出席した後とかで、トイレでポロシャツに着替えてから「乾杯!」。楽しい会話は続くが
調子コイテ飲み過ぎると、明日の朝後悔することになるぞよ。自制心のある私は、途中で切り上げた。
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10月 4日(火) 朝小雨(東京)
第1食 新宿 「ネギシ」 モーニングサービス(サラダ、茹で卵、トースト、コーヒー) 540円
5時半起床。入浴、旅の最後の準備などチャチャッとやって8時シュッパーツ!出発日はなぜか雨の日
が多いなぁ。新宿駅西口の喫茶店で朝食。ここのトーストはデカクて食べ甲斐あり。よく焼いて貰った。
第2食 成田空港 チャイニーズ・カフェ「momo」 もやしラーメン 940円
もやしシャキシャキで旨い!
空港、中でも成田空港のレストランで美味しいものに出会ったことがない。オマケに高い。これから約2
週間日本を離れるに当り、食べたいものはタンメン。しかしタンメンは無い。もやしラーメンで手を打つこ
とにして入った店が旨かった。もやしシャキシャキでスープの味もなかなか。これからこの店にしよっと。
第3食 トルコ航空国際線ビジネスクラス機内食 シャンパン、お好み寿司(穴子・卵巻)、ロブスタ
ー・
と
イン2杯
13時25分発のトルコ航空イスタンブール行きに乗り込む。3−Aの窓側の席だったが、どうした具合か
席は勝手にリクライニング気味で、座るとそっくり返る。座りにくい椅子だわい。さてさてトルコ航空のビ
ジネスの食事はどんなかな?メインは、魚、肉(もちろん豚は無いよ)、ショートパスタの中から選ぶ。パ
スタにした。どれも美味しいとは決して言えない。読書して寝ないつもりなので、お酒も抑え気味です。
第4食 トルコ航空国際線ビジネスクラス機内食 オレンジジュース、冷たい前菜:魚のマリネ、寿司、
シーフードマリネの串刺し(鰈・鮭・小海老)、リングイネパスタとラタトイユ、ヨーグルトとキャラメル
っケーキ、コーヒー
直行便でもフライト時間は12時間半。本日4回目の食事だから半分。美味しければ食べちゃうかもね。
第5食 トルコ航空国内線機内食 スナック、チョコレートケーキ、水
現地時間午後8時ようやくイスタンブールに着くが、ここから国内線に乗り換えて首都アンカラまで行く。
短いフライト時間でも機内食。さすがに食べる気もせず、スナックプレートの小さいチョコレートケーキを
齧っただけだが、周囲はバリバリとサラダを食べている。もう11時近いというのにね。後で聞いたら、こ
のサラダが旨いと評判なのだそうだ。アンカラのヒルトンホテルに着いたのは午前0時半でしたーー。
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10月 5日(水) 快晴(アンカラ〜カッパドキア)
朝 トルコ・アンカラ アンカラヒルトン「GREENHOUSE」 朝食ヴュッフェ オレンジジュース、ト
マトス
ヒー
昨夜遅く寝たのに、朝5時半張り切って起きる。お風呂に入っていざ朝食へ。このホテルは1泊だけな
ので食事するのもこの朝だけ。しっかり食べようっと。一番乗りで「GREENHOUSE」に行き、並べられ
た料理をジロジロと偵察。なかなか良いじゃないの。温かいトマトスープには、スパイスが隠し味となっ
てとても美味しい。お替り!青唐辛子の肉詰め旨いなぁ。ポテトほくほく。トルコの食事期待が持てる。
昼 アンカラ 「MUM」 オリーブと赤キャベツのサラダ、パチャガ(狩人)ブレキ(トルコ風パイ)、チキン
のソテー ポテトと温野菜添え、パン、フルーツ盛り合わせ、チェリージュース 5YTL
青銅製牛の円盤状作品 護衛兵士とアタチュルクが眠る独立戦争博物館
なに?今日からラマダンが始まった?イスラムならラマダンという断食を約1ヵ月続けるのである。貧し
き人、飢えの苦しみを共有するため、夜明け前に食事をしたら、日没まで食べること、水やお茶を飲む
こと、煙草を吸うこと、厳しいところでは唾でさえ飲み込んではならないというラマダン。私が到着した翌
日からラマダンということは、トルコ滞在中断食せよということだろーか。違うよね。アナトリア文明博物
館の見学。ここは旧石器時代から新石器、銅石器、初期青胴時代、ヒッタイト時代、フリギア時代、ウラ
ルトゥ時代、ギリシャ・ローマ・ビザンチン時代の展示物がある。史学科出身のクセに古代と西洋史は
興味が無かったのだが、こうして見ると面白いなぁ。ゲゲ!230万年前のもの?その後は、トルコの建
国の父・アタチュルクが眠る独立戦争博物館行く。初代大統領ケマル・アタチュルクのお顔はトルコの
すべての紙幣に印刷されているが、とてもハンサムでいらっしゃる。アタチュルクの大改革の1つに「政
教分離」がある。宗教は強制されるものではないのである。私はラマダンせずにランチを食べる。デザ
ートはトルコ菓子とフルーツのチョイスだったが、味見させて貰った菓子は目玉飛び出る程甘かった。
夜 ネブシェヒル 「デデマン カッパドキア」 夕食ヴュッフェ カッパドキア赤ワイン 10YTL
シルクロードを走って夕刻カッパドキアの中心地ネブシェヒルに到着。バスの後ろに見えた夕暮れがそ
れはそれは美しかった。今回の旅はすべて5ッ星ホテルの予定だが、ホテルデデマンカッパドキアは
「これでも5ッ星」という感じである。ネブシェヒルは田舎だから仕方ないやね。夕食ヴュッフェは大混雑。
押し合いへし合いで料理を取る。カッパドキアの赤ワインは酸味が強い。何食べたかわかりませーん。
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10月 6日(木) 快晴(カッパドキア地方)
朝 ネブシェヒル 「デデマン カッパドキア」 朝食ヴュッフェ
5時半起床。風呂に入って髪を洗う。一番乗りのつもりで6時半にレストランに行くと先客が。チェッ。ヴ
ュッフェには期待しないでいたのだが、部屋の隅っこにおばさんがいる。何か作ってくれるらしい。暫く
待っていると用意してある練った粉の玉を麺棒で伸して薄くし、具をオムレツのように挟んで鍋で焼くら
しい。チーズ2種とポテト、挽肉の具があったので全部入れてもらった。チップが欲しい?1YTLね?約
90円だ。熱々をナイフで切って食べる。うん、うまいわ。これは「ギョズレメ」という名前の料理だってさ。
昼 アバソス 「ハネダン」 野菜のスープ、パン、じゃが芋入りオムレツ、鱒のてんぷら、フルーツミッ
ク
地下都市はこんな狭い通路 ギョレメ野外博物館 洞窟の教会に入っていく
今日は一日かけてカッパドキアを見学する。まずはカイマルクにある地下都市。1960年羊飼いが偶然
発見したという地下都市だが、どうやら地下11階まであるらしいよ。崩壊する危険もあるため、現在は
地下4階までが公開されている。中腰になってようやく人一人が通れる程の狭い通路で結ばれた地下
の巨大な街があるのだ。頭を何度もぶつけて瘤出来た。祈祷所、貯蔵庫、通気孔、井戸、ワイン醸造
所、台所、トイレ・・・柔らかな火山岩を削って掘って造ったのだね。避難場所ではあるが、こういった地
下都市には3千人から1万人が暮らせたというからびっくり。ギョレメ野外博物館。カッパドキア地方に
は4世紀頃からキリスト教徒が住みついたらしいが、ギョレメはその中心。バジル教会、アップル教会、
暗闇教会などを見学。バスで走ってもいたるところ不思議な世界が広がる。ランチは隊商宿風のレスト
ランで。トルコの人が好むというアイラン(塩入り飲むヨーグルト)を飲んでみた。あら、美味しいじゃん。
夜 ユルギュップ 「カラクシュ」 エゾゲリン・チョルパス(花嫁のスープ)、パン、サラダ、シガラ(葉
巻
妖精の煙突だらけのゼルベ・パシャバ 駱駝の谷:そっくりでしょ? ここに人が住んでいたウチヒサール
午後はゼルベ・パシャバ、駱駝の谷、三美人の岩、ウチヒサールなどカッパドキアらしい奇岩だらけの
名所を見て回る。シャッターを何度押しても足りない程初めて見るカッパドキアは刺激的。うーん、面白
いなぁ。上部は硬い玄武岩、下部は軟らかな凝灰岩で出来ているので下部の侵食が激しく、巨大なシ
メジ、エリンギみたいな岩になるのだわね。夜はバスに乗ってユルギュップという街の洞窟レストランへ。
窓から残照に浮ぶ鋭利な三日月と金星がスンバラシイ。ガイドのアブニさんが「三日月と金星はトルコ
の国旗と同じです」と言った。「ラマダンにようこそ」というネオンも見える。肉は硬くて食べられないし、
料理はたいしたことは無かったが、ラクという酒に出会う。干しブドウとアニスの透明な45度の酒だが、
水を加えると、あら不思議乳白色に。「ライオンのミルク」と呼ばれる。クセがあるというが私好きだな。
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10月 7日(金) 快晴
朝 ネブシェヒル 「デデマン カッパドキア」 朝食ヴュッフェ
甘―いスイカでちゅ
5時起床。起きて間もなく、窓の外から祈りを告げるアザーンの声が聞こえて来た。イスラムの国にい
るのだなぁ、と実感。今朝もあのおばちゃんに1YTLのチップを払ってギョズレメを焼いて貰う。トルコは
フルーツが豊富で、中でもスイカとメロンがとても甘い。ヨーグルトも美味しく、干したフルーツを入れて。
昼 アクサライ 「アーチ」 マッシュルームのスープ、パン、サラダ、ベイエンディ(お気に入り)のケバ
ブ
池ちゃんそっくりのおばさんが繭を紡ぐ 数ヶ月かけて織る
午前中トルコ絨毯の工房を見学。繭から絹糸を取って紡ぎ、数ヶ月かけて織り上げる様子を間近に見
ることが出来てとても面白かった。問題はそこから。工房見学は客に絨毯を買わせるためのデモストレ
ーションみたいなものでしてね。モロッコやイタリアに行った時もそうだったが、海外の商人は見事な日
本語を喋る。「一期一会」「目の保養に」というのは頻度語。私も買っちまいましたよ。ランチはアクサラ
イで。このレストランの従業員は全員断食を実行しているとか。食べ物関係者はタイヘンだよね。「お気
に入りのケバブ」の下に敷いてあるのは、マッシュポテトではない。茄子なのです。これが上品で旨い。
夜 コンヤ 「リクソスコンヤ」 ディナーヴュッフェ ビール11YTL、ラク12YTL
アクサライからシルクロードをひた走る。途中、隊商宿のスルターンサライに寄る。サライはトルコ語で
「宮殿」でもあるが「宿」の意味もある。昔駱駝や馬に乗ってシルクロードを行ったり来たりしたのだね。
この辺りは蜃気楼が見えるというので目を凝らす。左側に蜃気楼が見えた。小さい。撮影は失敗した。
今夜はコンヤで。アハハ。コンヤはセルジュク朝の首都だったが、今トルコで最も保守的で宗教的な町
なのだそうだ。去年までヒルトンホテルだったが、今は「リクソスコンヤ」となったタワーホテルに投宿。
夕食のヴュッフェはまたも押し合いへし合いの大混雑なのだ。ヨーロッパ料理、トルコ料理と数はとても
多いが、その中でもデザートコーナーの充実が凄い。日本の女性にデザートヴュッフェが人気だが、こ
こも負けないよ。昨夜美味しいと思ったラクを飲む。それにしてもここは飲み物エラク高いじゃないか!
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10月 8日(土) 快晴
朝 コンヤ 「リクソスコンヤ」 朝食ヴュッフェ
5時半起床。レストランが開く5分前に行くと既に行列が出来ていた。トルコに来て毎日毎日晴天が続
いている。こんなことはめったに無いそうだ。仕事を辞めてから海外に行くと晴れが多い。4月16日オ
ランダで降られて以来、一度も旅行用の傘を開いたことは無い。「晴れ女」に変身したのかもしれない。
昼 アスペンドス 「シアター」 羊飼いのサラダ、パン、揚げ物3種、シシケバブ(ビーフ)、りんご、
アイ
8時半出発。今日の午前中はトロス山脈を越えて地中海地方に向かう。トロス山脈は、2、3000メート
ル級の山々が続き、晴天の青空に雄雄しく見えた。トロスのギリシャ語タオルスは牛の意味。トイレ休
憩で下りた山中は寒気が爽やかだったが、一気に山を下りて地中海地方に来ると暑くてタマラない。こ
こは亜熱帯なのだ。4日に到着したイスタンブールは25度だったが、飛行機で1時間飛んだアンカラは
14度だった。トルコの気温、気候は場所によって全然違うのである。トルコのパンは種類豊富で旨い。
夜 アンタルヤ タリアホテル「ガーデンレストラン」 ディナーヴュッフェ ビールとラクで23YTL
今も現役のアスペンドスの円形劇場 ペルゲのローマ時代の遺跡 ホテルの前は地中海!!
アスペンドスでは2世紀に造られた円形劇場を、ペルゲではローマ時代の遺跡を見学してアンタルヤ
へ。トルコ人憧れのハネムーン地はハワイなのだそうだが、予算的にも厳しいので国内のここアンタル
ヤが人気とか。昔の熱海とか宮崎って感じ?真っ青な地中海に面した美しいリゾートの街である。風呂
上りにバルコニーに出ると、山に夕陽が沈んだ。リゾート気分になるねぇ。ヨーロッパの人々はアンタル
ヤで1、2週間滞在して夏のバカンスを楽しむ人が多いのだそうだ。夕食のヴュッフェはまたもや大混
雑。長い行列に並んで料理を取らねばならない。ここのデザートも夥しい数。甘くなさそうなものだけ。
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10月 9日(日) 快晴
アンタルヤ タリアホテル「ガーデンレストラン」 朝食ヴュッフェ
寝坊して6時起床。いつもなら遅くとも11時にはコロリと寝てしまうのに、昨夜トルコVSドイツのサッカ
ーの親善試合を見ていたら目が冴えて眠れなくなった。試合はトルコが2−1で勝ったが、眠ったのは2
時過ぎか。それでも7時オープンのレストランに行くと1番だった。パンケーキを焼いて貰った。朝陽が
眩しいテラス席で食事をしている人が多い。食後プライベートビーチまで下りて行く。早くも泳いでいる。
昼 ディナル「アパメイア」 ヴュッフェ、蜂蜜入りヨーグルト
昨日せっかく下りて来たトロス山脈をまた登ってパムッカレを目指す。今日の昼食は、旅行期間を通じ
て最も家庭的な料理なのだそうだ。デザートが面白かった。濃厚なヨーグルトに蜂蜜をかけ、その上に
芥子の実をふりかけたものだが、ヨーグルトと蜂蜜が濃厚なので、皿を引っくり返しても暫く落ちないの
だ。それを店の人がパフォーマンスで何度もやってくれ、やんやの拍手。美味しさも飛び切りであった。
夜 パムッカレ 「コロッセア」 ディナーヴュッフェ ビール 5、5YTL
石灰棚の山を下から見ると 1億4千万年かけて出来た石灰棚 足湯はこんなです
紀元前2世紀に建設されたペルガモン王国の都だったヒエラポリスの遺跡を見てからパムッカレの石
灰棚へ。パムッカレは「綿の城」の意味です。1億4千万年前から石灰を多量に含んだ温泉水が流れ落
ちて出来た石灰棚は圧巻そのもの。環境保護のため観光客が入れる場所は限定されているが、裸足
になってお湯に入る。足湯ね。近くの有料プールでは、探検風呂のようなプールで楽しむ人々がいた。
日本人の女性に声をかけられ、ツァーの1人が集合時間1時間過ぎても戻らないと必死に探していた。
どうしてしまったのだろう。今夜の宿は「コロッセア」。15年程前ではぶっちぎりの高級ホテルだったの
だそうだが、やっぱり田舎の5ッ星ホテルだ。但し、温泉プールはとても気持ちが良かった。今夜も夕食
はヴュッフェ。もうヴュッフェはアギアギだっぺ。部屋は別棟形式だが、プールに一番近い棟だった。プ
ールサイドで演奏されるバンドの大音響がうるさく眠れんぞ!と怒りながらスヤスヤ寝てしまったのだ。
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【今週の振り返り】
いつの頃からか、トルコという国にぼんやりと惹かれていた。かと言ってトルコの何を知っていたという
程でもない。アジアとヨーロッパに跨る国、飛んでイスタンブール、ビザンチン帝国、水パイプ、イェニチ
ェリ軍楽隊のマーチ、トルコ風呂のハマム、シシケバブ、アタチュルク、威力を振るったオスマントルコ
帝国、トルコ行進曲・・・・・・。こうして書き出してみると、雑多できれぎれの印象しか持っていなかったこ
とになるが、よしトルコに行こう!と強く思ったのは1枚の大きなポスターがキッカケだった。巨大なキノ
コのような岩が一面に映る写真。今まで見たこともない奇妙な異空間だった。こんなところがこの地球
にあるの?これはいったい何?その時の驚きを今でもはっきりと覚えている。トルコ政観が作成したカ
ッパドキアの写真であった。
多忙な仕事の中で、年末年始や夏休みを利用して数回トルコ行きを考えた。そろそろと思うとやれ事件
だ、大地震だと諦めざるを得なかった。何度も買ったガイドブックはその度に古くなり捨てた。今回手元
にあったガイドブックも情報が古くて買い直した。ガイドブック屋さんを随分儲けさせてしまったな。そし
て、ようやく念願が叶ってのトルコ行きである。
トルコの面積は日本の約2倍。北西はギリシャとブルガリアに接し、北は広大な黒海だ。北東にロシア、
グルジア、東にアルメニア、イラン、南はイラク、シリアに接し、地中海とエーゲ海に囲まれた国だ。横に
広い長方形の形をしていて、7つの地方(西からイスタンブールとその近郊のマルマラ海地方、エーゲ
海地方、黒海地方、中央アナトリア地方、地中海地方、東アナトリア地方、南東アナトリア地方)と81の
県に分れる。今回私達は、首都アンカラやカッパドキア、コンヤがある中央アナトリア地方、アスペンド
ス、ペルゲ、アンタルヤのある地中海地方、パムッカレ、イズミール、ベルガマのあるエーゲ海地方、そ
してトロイ、チャナッカレ、イスタンブールのあるマルマラ海地方を回る。東アナトリアは、夏の間しか観
光には向かない寒い地域で、トルコで最も高い山5155メートルのアララット山が聳える。2年前映画
『アララトの聖母』を観た。19世紀終わりにオスマントルコがキリスト教徒のアルメニア人を迫害し、第
一次世界大戦でドイツと秘密協定を結んでから残虐さを増して1915年には百数十万人のアルメニア
人を大虐殺したという悲惨な歴史をモチーフにしていた。トルコではこの映画の上映が抗議に寄って中
断したとのことだ。そのアララット山は、旧約聖書の「ノアの箱舟」の舞台となったところでもある。
今トルコはEUに加盟しようとしている。第一次世界大戦でドイツと組んで破れ、イタリア、ギリシャ、フ
ランス、イギリス、ロシアなど戦勝国に国土を切り刻まれたものの、ケマル・アタチュルクの大活躍によ
って国土奪回、ここにトルコ共和国が誕生した。初代大統領になったアタチュルクは、数々の改革を断
行する。先ずは政教分離。それでも殆どの国民のイスラムではあるが、国の政策から宗教を切り離し
た。アラビア文字を廃してラテン文字によるトルコ語を制定、太陽暦を採用、教育における男女共学の
実行、婦人参政権の実現など古いオスマントルコ時代を捨てて、世界に通用する「新しいトルコ」の国
づくりを実践した。NATOにも早々と加盟し、韓国への出兵要請にも応えている。万年インフレが続く経
済を今年デノミを敢行して、新紙幣が発行された。水を買うのに1000000トルコリラ(約90円)必要だ
ったが、0を6つ割愛して1YTLとなった。これもEU加盟への条件をクリアするためなのだろう。数ヶ月
前に行われたEU加盟国でのEU憲法制定についての国民投票で否決した国が多かったことが世界
の話題となった。トルコはアジアとヨーロッパに跨る国とは言え、ヨーロッパに位置するのは国土の3%
に過ぎない。また政教分離は徹底されてはいても国民のほとんどはイスラム。反対票を投じた人々の
真意ははかりかねるが、加盟を希望しているトルコの存在も無縁ではなさそうだ。
自然も人々の顔も料理も多様なトルコ。来週1週間もトルコの様々な断片を探索する。乞うご期待。
トルコは猫天国でもあるのだニャア