パクパク日記7年7月4週
爽やかな軽井沢で、飲んで食べてまたもや太って来ましたー!
7月 23日(月) 東京も軽井沢も曇り
朝 家食 稲荷寿司、紅生姜、野菜スープ、アロエヨーグルトとパイナップル
6時起床。今日は月曜日、また新しい1週間が始まる。さぁ仕事だ、というたくさんの働く人々の中で、さ
ぁ遊びだ!って言っている私は幸せものよ!カッカッカッカと黄門様笑い。シャワーを浴びてカンタン朝
食。生憎の曇り空だがおとぼけMMのベンツが迎えに来てくれるから無問題。10時車に乗り込んだ。
昼 軽井沢 手打ち蕎麦 「Zen」 健菜膳(季節野菜の浅着け、前菜3種、天麩羅3種、盛り蕎麦)
1800円+蕎麦大盛り 300円、バニラアイスクリーム マンゴソース 500円
月曜日の午前中、下りの高速道路は空いているのね。飯田橋から高速に乗って軽井沢を目指したが、
昼過ぎには到着した。フレンチか蕎麦かと悩んだ末、夕食とのバランス上蕎麦が良かろうと「東間」の
カジュアル店「Zen」へ。この店は朝9時から蕎麦粥定食セットのメニューを出している働き者のお店だ。
午後のお茶 軽井沢 「珈琲歌劇」 スペシャルブレンドコーヒー 840円
今日から1泊2日はおとぼけMM夫妻と3人で3日前オープンしたばかりのホテルに泊まることになっ
ている。昼食後はミツコさんの提案で塩沢湖に行く。何度も軽井沢に来ているのに、私も来たことが無
かった。入場料800円を払って園内に入ると広大な敷地に池、美術館、レストラン、バラ園などがある。
「ボート乗りましょうよ!」とハシャグMM。ボートなんて何十年乗ってないんだ?はぁ、なかなか気持ち
いいねぇ、3人で意味なくヘラヘラ笑ってボートを楽しむ。もう終りかけのバラ園を見る。旧軽銀座入り
口近くのお気に入りの「珈琲歌劇」。ここの珈琲840円と高いが香りも味もしっかりしていて実に旨い!
夜―1 軽井沢・軽井沢万平ホテル・熊魚庵「たん熊北店」 鉄板焼高雄コース(前菜盛り合わせ:
鴨ロ
産牛
生ビール 1039円、冷酒 「熊魚庵」 4合 4389円
ホテルにチェックイン。一昨日オープンしたばかりのホテルだからピッカピカである。3人で「新築の家の
匂いがする」とジロジロ観察。温泉を楽しんだ後万平ホテルまでぶらぶら。12,3分で行けると思ったら
21分もかかり到着の頃汗ビッショリ。来る道々、MMが「伊勢海老ついたコースにしましょうよ。鮑がつ
いているとなおいいなぁ」とせがむがすべて却下。肉だけの高雄コースで満腹になることを私は知って
いるからね。夫妻は赤ワインのボトルを開け、私は冷酒の4合瓶だ。ほらね、このコースで十分でしょ?
夜―2 軽井沢・軽井沢万平ホテル・「バー」 ジントニック 2杯
離れのレストランから本館に移ってバーへ。カウンターは一杯だったのでテーブル席に座る。小澤さん
がヤァヤァと挨拶に見える。やっぱり万平ホテルはいいなぁ。3人とも酔っ払ってタクシーを呼んで貰っ
たのだが、何と小澤さんが自家用車で送ってくれた。ありがとうねー!部屋で転んで痣を作っちゃった。
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7月 24日(火) 快晴!
朝 軽井沢・旧軽井沢ハーヴェストホテルアネックス 「YURARI」 朝食ヴュッフェ 1500円
素晴らしいお天気だ。青空見るの久々。2人がぐっすり眠っているうちに、ロビーで新聞を読み、散歩し
て帰って来ても未だお休み。昨夜帰って来てからMMと赤ワインを1本開けてしまったから、少々頭が
痛い。食事は同じ敷地内にある旧軽井沢ハーヴェストホテルで摂ることが多いが朝食はアネックス内
「YURARI」で8時からサービスがある。ヴュッフェとしては品数少ないがこれで十分。朝も満腹だよ。
昼 軽井沢 「榮林」 酸辣湯麺 1575円
お天気が良いので、車で見晴台に行く。頂上付近まで最後は坂を上らねばならないが、群馬側の妙義
山などの山々、長野側には浅間山や遠くは北アルプスまで一望できてまことに気分が良い。高台の真
ん中に県境があるからね。それじゃあ足伸ばして白糸の滝も行っちゃう?MMは白糸の滝は初めてと
感動していた。さて、昼飯だ。3人とも昨夜の酒が残っているので、予定のフレンチは全然食べる気がし
ない。汁もの?麺もの?ということで「榮林」に行く。酸辣湯麺を発案した赤坂の店だが、高くてマズイ。
夜 軽井沢・旧軽井沢ハーヴェストホテル 「Avan」 和懐石りんどうコース(玉川豆腐。前菜盛り
合わ
子)
MM夫妻は午後東京に帰えられた。その後私は一人で何するか?アロマテラピー!温泉でカラダをぽ
よぽよにしてからの約2時間のアロマテラピーは極楽であった。2つあるレストランうち「Avan」のコース
を予約してある。午後5時半と7時50分からの2回制で、後半のコースをゆっくり食べているうちに大S
子さんが仕事を終えた上で9時到着。グビグビとビール飲んで途中から私のコースを召し上がられた。
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7月 25日(水) 晴れ
朝 軽井沢・旧軽井沢ハーヴェストホテルアネックス 「YURARI」 朝食ヴュッフェ 1500円
6時半起床。昨日 「YURARI」の朝食が良かったので、今日も。大S子さんは昨夜到着されてから、ビ
ールをシコタマ飲まれたせいか頭痛がするそうだ。食欲のないS子さんを見ることはメッタにないこと。
昼 軽井沢 「黒うどん 山長」 五目鍋焼うどん 1600円、山菜混ぜご飯(こしあぶら) 300円
メルシャン軽井沢美術館に行く。1995年に出来た美術館だが、この夏から敷地内に人気のフレンチ
「エルミタージュ・ド・タムラ」の2号店が出来たことと、期間展示で「千住博氏の眼 印象派とその源流
展」を開催している。「すべてはバルビゾン派から始まった」と言われる印象派に続く31点を展示。コロ
ー、クールベ、モネ、ルノワール、ミレー、ピサロ、セザンヌ、クリムト、ゴッホ、ユトリロ、ローランサン、シ
ャガールなどが並び、なかなか見応えがある。私はミケーレ・ゴルディジャーニの「シルクのソファー」が
好き。ショップでリトグラフを1点購入。100分の1が気に入った。さてランチだ。園内のタムラは既に予
約で満席とある。それではタムラのカジュアル店の「無彩庵」に行ってみるべし。カツサンドとカレーが
頭を占める。あらー、ここも満席だ。じゃ「Ogosso」で親子丼を食べましょう。2人の頭の中は親子丼で
一杯になる。ゲゲ、水曜日は定休日だって・・・・。「山長」で黒うどんを食べたが、ここは1度でいいな。
午後のお茶 軽井沢 「珈琲歌劇」 スペシャルブレンドコーヒー 840円
この店で過す時間は極上
梅雨明けしないと嘆いていても、旧軽銀座はシッカリ夏の観光客で溢れている。いつもの店々であれと
これとそれを買って「珈琲歌劇」でお茶。一昨日も来たばかりだが、ホントこの店が好きなYUMEKO。
夜 軽井沢 「手打ち蕎麦 東間」 蕎麦コース(前菜盛り合わせ:山芋そうめん仕立て・トマトゼリー・
ネ
焼、手打ち蕎麦、きな粉饅頭、抹茶) 6500円、恵比須ビール 700円、千曲錦 600円×4合
@9200円
大S子さんはプール&温泉、YUMEKOはホテルの庭で読書&温泉と思い思いの午後を過す。S子さ
んは今晩帰京するので彼女は荷物を纏めて今夜の夕食場所に向かう。数多い軽井沢界隈の蕎麦屋
の中で一番!と評判の「東間」。好き好きということもあろうが、一番高級蕎麦店であることは確かだろ
う。完全予約制。でも今日は空いていた。蕎麦味噌が酒に合う。これから運転するS子さんはりんごジ
ュース。私だけグビグビ飲んでごめん。蕎麦の実入り蒸しおこわ餡かけが実に旨い!蕎麦はもちろん
お替り。空いていたのでご主人と話し込んで9時半になっちゃった。ホテルに送って貰いS子さん帰京。
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7月 26日(木) 軽井沢は曇りでも涼しい 東京は曇りでもあぢぢ
朝 軽井沢・旧軽井沢ハーヴェストホテル 「Avan」 特別朝食セット(フレッシュマンゴージュース、
豆
子、コーヒー)2800円
朝からゴーセーです!
6時半起床。夢の中で昨夜の試合を引き摺っていた。残り5分になったところでフテ寝してしまったが、
果たしてその後同点に追いついたのか、延長戦はやったのか、勝ったのか負けたのか・・。そんなに
気になるのなら最後まで観ればいいんだけど。テレビをつける。あっ、負けたのね・・。起きたら温泉!
の気が無くなった。今朝のご飯は特別朝食セットを予約している。ヴュッフェが1800円なのに対し、
2800円だからちょっと期待しちゃおう。ジュースはマンゴーとブルーべリーから選ぶ。豆乳鍋に麦飯と
と
昼 新宿三丁目 「タパス&タパス」 茄子と牛肉のトマトスパゲティ(フリードリンク) 980円
味が濃くてね・・・
午前中の新幹線で帰京し、家に荷物を放り投げるとそのまま新宿へ。早く行かないとあのコロッケ売り
切れてしまうかもしれないから。あったぁ、良かった。1人2箱しか買えないので、一度レジを通って、他
のものを買い自分用の1箱もゲット。「銀座アスター」が工事休業していたので、初めての店でランチ。
盛りは良いが、エラク味の濃いスパゲッティであった。肉は1切れ食べて全部残すことにする。満腹だ。
夜 無し!!
軽井沢で食べたものの写真を整理したり、留守中に届いた荷物の再配達を受け取ったりして夕刻から
過すが、ちっとも空腹にならない。最近私の食欲は絶好調なのにオカシイなぁ。そうこうしているうちに、
8時半を過ぎた。じゃ、夕食は無し!だ。エライだろ?たったそれだけなのに晴れがましい気分。無酒日
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7月 27日(金) 快晴 あぢぢ この夏最高の暑さ!
朝 家食 緑のたぬき、フルーツ(オレンジ・苺・キゥイフルーツ)、アロエヨーグルト
今日は父の祥月命日である。あれから22年かぁ・・・・・・・。母はその5年前に亡くなったが、両親ともに
命日が来ると年月の流れの速さに驚かされる。昨夜夕食を抜いたが、空腹で死にそうなんてことは無
かった。6時半に起きてシャワーを浴び「まるちゃん」の緑のたぬき。天麩羅あと乗せでサックサクだよ。
昼 新橋 「末げん」 かま定食 1050円 大盛り +105円
月1回のパートの日。9時17分迎えの車で出発し、会議前にコロッケを届ける。基本10時から12時ま
でだが、何と今日はすぐ終ってしまった。美容院の予約は午後1時だが、繰り上げて貰って1時には終
了。新橋の駅前はお祭りとかでエラク賑やか。そーゆーのには見向きもせずに「末げん」へ。え?かま
丼の盛りが多過ぎる?盛り上がっている?そう、大盛り頼んだんだよーん。ヒヒヒヒ。ワシワシ食べた。
夜 上野 「音音」 米澤牛のコロッケ、3種のたれの鱧湯引き、5種のおそうざい盛り合わせ、せいろ
蕎
午後6時半から上野・東京文化会館でグルジア国立バレエ団の公演を観る。演目は「ドン・キホーテ」。
今日のお目当ては、何と言っても2年間バレリーナとしての活動を休止し、今年4月に2年ぶりに復帰
したニーナ・アナニアシヴィリ!劇場に詰め掛けた満員の観客が、ニーナの登場をドキドキワクワクと
待つ。ジャーン!!そしてニーナの登場で割れんばかりの大拍手。DVDで観た見事な肢体は完璧だ。
そして溢れんばかりの笑顔で人を惹き付けて止まない踊り・・。9時過ぎまで夢見心地の時間を過ごし
コーフンしたまま「音音」へ。ケンイチさんと何度も「彼女はスゴイ!」を連発しながらゴクゴク飲んださ。
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7月 28日(土) 晴れ 今日もあぢぢでーす
朝のおめざ 「金澤鵜鶏庵」の鵜骨鶏カステラ、京都「末富」の白酔墨客、パイナップル、「エディアー
ル」の紅茶
朝から甘いものを食べたい。幸い我が家は現在甘いもの豊富。「金澤鵜鶏庵」の鵜骨鶏カステラに京
都「末富」の白酔墨客だ。白酔墨客はオジョーママが猫親子と一緒に贈って下さったおせんべいで雪の
ように舌で蕩けるかと思えば、白砂糖か黒砂糖がしっかり残る不思議な味。まさに白酔墨客であるな。
昼 荒木町 「鈴新」 かけカツ丼(豚汁、漬け物付き) 1000円
これがサクサク感あるかけカツ丼
シャワーを浴びて10時半からN原先生の治療院へ。先週の5千円分の北海道うにや軽井沢のご馳
走が体内を通過したから、デトックスでは見事なほど老廃物が出た。おぉ!プリン体がどんどん出て来
るー!と、2人で大笑い。今発売中の雑誌「散歩の達人」で「麹町・四谷・荒木町」を特集している。知っ
ているのに買ってしまうのだが、チェックするとほとんど全部知っている店。そりゃ地元だもんね。荒木
町の案内人として必ず登場するのが、トンカツ屋「鈴新」のご主人。カツ丼は3種あり、普通のカツ丼の
煮カツ丼、そしてソースカツ丼とかけカツ丼。かけカツ丼は煮込まない分、カツにさくさく感が少々残る。
夜 家食 口福コロッケと生野菜、冷奴、蕗の山椒煮、おくらときのこの和え物、オジョーママのいか
な
2時から上野・東京文化会館。え?今日もですか?はい、2日続けて同じ場所で同じ演目のバレエを観
るのでございます。しかし、踊り手が違う。「ドン・キホーテ」の昨日ニーナ・アナニアシヴィリが踊ったキ
トリ役はラリ・カンデラキ、その恋人役バジルはアンドレイ・ウヴァーロフからアンヘル・コレーラに。この
アンヘル・コレーラが今日のお目当てだ。コレーラはまるで男の妖精のような顔立ちで、舞台に出て来
ただけで光が射して来るようだ。空を舞うような高いジャンプ、眼が回るような高速回転、去年彼の「海
賊」を観たが今日も魅了される。英国のバレエ団のプリンスパルを早々と退団したK川氏は彼を見習う
といい。最後に同バレエ団の芸術監督でもあるニーナ・アナニアシヴィリが挨拶してやんやの拍手だ。
今夜の夜行で北アルプス縦走に出かける予定だった小S子さんが同行者の都合で急遽取り止めにな
ったとか。それじゃあ、私の家で家食する?ってことで二人で口福コロッケをぱくつく。旨い!!無酒日
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7月 30日(日) 曇り 午後激しい雷と夕立 参議員選挙投票日
朝 家食 味噌雑炊、おかずいろいろ、アロエヨーグルト
昨夜遅くまでアジアカップの3・4位決定戦を見ていた。前半45分イライラ、後半45分イライラ。韓国選
手レッドカードで退場し、監督以下コーチ陣3人も退場した韓国を相手に日本代表は得点を奪えない。
延長戦前半15分イライラ、後半15分イライラ。そしてPK戦ドキドキ。あぁ、羽入が外した・・・。予選1
戦目は見逃したがあとの試合はずっと見ていた。オシムジャパンこれでいいのだろうか。あの長い長い
パス回し。オシム監督が「各駅停車」と言っていたバスは見飽きた。決定力不足をどう克服するのだ!
久々にたっぷり寝た。今日は投票に行くが結果が判明したような朝刊って何だ?朝ご飯はカンタンに。
昼 無し!
メルシャン軽井沢美術館から送って貰ったリトグラフが昼をだいぶ過ぎてようやく着いた。午前中指定
だったのにプンプン。さて投票にでも行くか。場所はこの4月に学校統合で廃校になってしまった四谷
第4小学校。子供達のいない校舎の壁に「祝!開校百周年」というメデタイ文字が皮肉だね。エーッと
誰に投票するんだっけ。ノンポリはノンポリなりに、今の政治情勢をよーく考えて投票者を決めているん
だぞ!それにしても自民党のだらしなさにはウンザリするし、それに増して攻める立場の民主党の不甲
斐なさに溜め息が出る。自殺した松岡大臣の後釜・赤城農水大臣のボロもよく続くよね。ボロが続いて
ボロボロだ。安倍総理大臣って任命センスが無いことだけは確かだ。帰り道買い物をしていると、俄に
空はかき曇り、雷の音が近づいて来る。急がねばずぶ濡れになるぞ!危機一髪濡れずに済んでホッ。
夜 家食 口福コロッケと生野菜、キュウリとハムのサラダ、もずく酢、ネギ納豆、味噌汁、ご飯、桃、
大
1箱6個入りの口福コロッケも残り2個。昨夜は高温で揚げて衣が固くなったので、注意して揚げよう。
揚げ立てと口に食むと、サクっとその後ホワリと。何という旨さだろう!揚げもの続いてもたいじょうぶあ
るよ、ダイコロ(大黒)飲むあるよ。8時過ぎから各局とも選挙速報特番。予想通り、自民党の惨敗で民
主党が票を伸ばした。でも、民主党が指示されたとは思えない。この時期、自民党に投票するのはイヤ
だから取敢えず民主党って人多いんじゃないかなぁ。自民党のお陰で民主党勝つっていう図。無酒日
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【今週の振り返り】
みなさん、グルジアという国をご存知?実は私も行ったことは無いが、暇さえあれば世界地図、日本地
図をジロジロ見ながら、次の旅行先を探しているからトーゼン知っているよ。黒海の東側、北はロシア、
南はトルコ、アルメニア、アゼルバイジャンに囲まれた小さな国。国土は北海道よりちょっと狭く、そこに
約470万人の人々が住む。
じゃ、グルジア出身の人は知っている?ほら、大相撲にいるじゃない?黒海関。色白なのに毛深い彼
ですよ、彼はグルジア出身。意外なことに、悪名高きスターリンもグルジア出身なのだよ。でもこの欄で
書きたいのは現代最高のバレリーナの一人であるニーナ・アナニアシヴィリのことだ。ニーナは、グル
ジアの首都トビリシに生まれた。6歳からフィギャア・スケートを始めて10歳には国内クラス別のチェン
ピオンに。スケートで「瀕死の白鳥」を滑ることになったことから、バレエを習い始めてその虜になってし
まう。それじゃあ、バレエに専念するわ、ってことで10歳からバレエの世界へ。13歳で本格的にバレエ
を学ぶため、ソ連のモスクワに留学し、ロシア語とバレエの特訓が始まる。メキメキ頭角を伸ばしたニー
ナは17歳と18歳の時、国際バレエコンクールのジュニア部門で1位となり、18歳でボリショイ・バレエ
団に入団する。成長したニーナは国際コンクールのシニア部門でもグランプリを2度受賞して、ボリショ
イ・バレエのプリマ・バレリーナとなる。その後はロシアのみならず、ヨーロッパ、アメリカでも活躍し、93
年以来アメリカン・バレエ・シアターのプリンシパル・ダンサーでもある。
世界で最も人気のあるバレリーナであるニーナ・アナニアシヴィリだが、ここからが凄い。ソ連邦の一つ
であったグルジアは、ソ連の崩壊と共に1991年独立。その後10年以上シュワルナゼ大統領の独裁
政治が続き、2003年の総選挙や独立運動を巡って内乱状態にもなる。その内乱状態から国を一つに
まとめた新しいリーダー・ミハエル・サアカシュヴィリ大統領から、グルジア国立バレエ団の芸術監督に
招聘されたのだ。かつては隆盛だったグルジア・バレエも弱体化して眼を覆うような状態。そこでニーナ
は祖国のグルジアに戻り、バレエ団を建て直すことを決心。八面六臂の活躍で、バレエ団は飛躍的に
向上する。そして。ここからがもっと凄い。バレリーナとして踊り、芸術監督として仕事に忙殺される中、
彼女は出産を決意するのだ。第一線のバレリーナにとって、妊娠・出産後の長いブランクはとてつもな
いマイナスに違いない。レッスンも出来なければ筋肉も落ちるし、体型が変わる不安があるのは当然だ。
それでも彼女は出産した。エレーナちゃんという女の子が生まれた。
エレーナが1歳2ヶ月になった時、ニーナはバレリーナとして復帰する。今年の4月のことだ。そして今
回の日本公演。出産前の彼女を知る友人は「何も変わっていない。妊娠して出産したなんてウソのよう
だ!」と興奮していた。その肢体も、筋肉も、優美さも、テクニックも、人を魅了して止まない踊りも。「奇
跡の復帰」と言ってもいいかもしれない。長い長いスタンディング・オベーションで何度もカーテンコール
に現れた彼女は、最後に可愛いチュチュを身につけた1歳半になったエレーナちゃんと一緒に舞台に
登場した。劇場内は「おぉ!!」という悲鳴のような感動の声に包まれる。あまりの素晴らしい踊りに、
出産はウソかと思い始めた観客の前で、優美な手が母親の手に早代わりして、ヒョイと娘を抱き上げた。
バレエ団の芸術監督、グルジア文化大使、バレリーナ、そして母親。そんなニーナは1963年3月28
日生まれの44歳(!!!)である。
「ブラボー!と観客に言って貰う僅かな一瞬のために、バレリーナは長く苦しい練習を重ねて努力して
いるのです」とニーナは言っていた。対して、今の私は一瞬だけ働いて、ノウノウと美味しい生活を続け
ている。これじゃあ、太ったままでも文句は言えんな。
そうやって、死ぬまで太っていニャ!!!