パクパク日記7年12月2週
ガラパゴスでゾウガメ達と別れて帰国すると、日本は歳末一色だった
ガラパゴスゾウガメ
ガラパゴスリクイグアナ
12月 10日(月) ガラパゴス諸島のサンタクルス島は曇り一時雨
朝 ガラパゴスクルーズ船サンタクルス号 朝食ヴュッフェ 1ドル=約110円
4時半起床。船は最終目的地サンタクルス島のプエルト・アヨラに向けびゅんびゅん走っている。3泊4
日過したサンタクルス号とも今朝でお別れ。船内で喫煙できるのは4階のスカイデッキと、2室しかない
スィートキャビンのバルコニーだけ。私は、キャビンにいる時はほとんどバルコニーで過した。アハハ。
5時半にスーツケースを出そうとドアを開けると、客室係のメタボオジサン(と私が命名)が走って来て、
力は強いから任せない!と筋肉を作ってみせる。このメタボオジサン見張っているらしく、どんな短い時
間でも部屋を出ると必ず入ってサービスをする。トイレットペーパーを三角に折るとか(笑)、1本でも吸
殻があれば灰皿掃除するとか、ベッドを整えるとか。この船は内部からはかけられるが、外からは鍵を
かけない開けっ放しがルールなのだ。枕銭を置けば抱きつかんばかりに喜ぶ面白いおっさんだった。
7時下船。クルーズはいつも早朝追い出されるのでそこが寂しい。サヨナラ、サンタクルス号の皆さん。
孵化後数年小亀はここで育つ 島ごとに隔離された亀の育成室
サボテンはゾウガメの好物
ピンタ島で唯一生き残ったロンサム・ジョージ ハート型の池のある敷地には♀(左)が2頭いるが彼にその気は無い
精力絶倫を誇るスーパーディエゴ あんた誰かに似てる そうだETだ! 最大270キロにもなる巨大なゾウガメ達
これがガラパゴスリクイグアナ ウミイグアナとは色も形状も違うね サボテンや草を食べる
船を下りて最後のガラパゴス観察は、サンタクルス島にあるダーウィン研究所で。説明役は今まで通り
ナチュラリストのソクラテス君。ダーウィン研究所は、チャールズ・ダーウィンが「種の起源」を出版して
から100年後の1959年、ベルギー協賛の元ダーウィン財団が設立した。ここでガラパゴス諸島の動
植物の研究、育成が1965年スタートした。先週の項で述べたように、例えばゾウガメは食糧や脂の資
源として数百年間乱獲され続けて絶滅寸前であった。ある島では残されたゾウガメは14頭。うちメスは
2頭だけなので思ったような繁殖は望めない。ピンタ島では山羊が餌の草を食べ尽くしてしまい、残さ
れたゾウガメはただ1頭。それがロンサム・ジョージである。推定年齢80歳〜120歳。ピンタ島ゾウガメ
を残すために♀2頭と同居中だが、彼に今のところその気は無いらしい。彼の嫁さんを見つけたら1億
円の賞金が出るそうだが。世界の各国に呼びかけた。ガラパゴスゾウガメを探していまーす、ゾウガメ
をガラパゴスに返してくださいーい!アメリカのサンジェゴから1頭のゾウガメが帰って来た。彼はロン
サム・ジョージと違って精力絶倫。多くの子孫を残しているのでスーパー・ジェゴと呼ばれている。産ま
れた卵は人口孵化され、5年位研究所で育てた後其々の島に帰される。今では1500頭に増えたそう
だ。肉や皮が珍重されて乱獲されたリクイグアナも絶滅の危機にあったが、可愛い顔で迎えてくれた。
昼 サンタクルス島プエルト・アヨラ 「ホテルロボ・デ・マル」 マグロのカルパッチョ、パン、サラダ、
カジ
ベッドは3つあるが、他には何もない客室
研究所から徒歩でホテルに到着。それでも未だ午前9時半だ。ホテルの名前ロボ・デ・マルは海の狼、
つまりSea Lion→アシカである。ここサンタクルス島のプエルト・アヨラは、ガラパゴス諸島では最大
の町で人口は約1万人。町の最大のスーパーに買い物に出かけるが、ささやかな店であった。この島
でもコーヒーが栽培されているのね。島のホテルだから仕方ないが、簡素そのもの。しかし飯は旨い!
夜 サンタクルス島プエルト・アヨラ 「ホテルロボ・デ・マル」 添乗員マリちゃん特製そうめん、野
菜ス
添乗員マリちゃん特製そうめんはこっそり5玉も食べちゃった
午後希望者はハイランド地方のゾウガメ保護区に行かれた。希望しなかったのは私一人だった。アハ
ハ。海岸に近いこの地域は蒸し暑くて動くのがメンドーでね。浜風に吹かれながら、「空海のことばと芸
術」、「昼メシの丸かじり」を立て続けに読んでまったりしていた。夕食にはサプライズがあった。この旅
行社のツァー参加は十年ぶりだが、秘境では添乗員が必ずそうめんを作るのだとか。3つの皿のそう
めん玉を素早く数えて「1人3玉はあります。少し残ります」と皆さんに伝える。で、私は5玉食べた・・・。
南極では15泊の船旅で揺れまくったせいか、下船しても長い間カラダが「乗船中」と錯覚し続けて困っ
たものだが、今回は3泊だったので影響は少ない。その代わり強い日光を浴びて顔は真っ黒けである。
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12月 11日(火) サンタクルス島、グアヤキルも晴れ
朝 サンタクルス島プエルト・アヨラ 「ホテルロボ・デ・マル」 朝食ヴュッフェ
島の高地にはスカレシア群が続く
低地に戻ると、そこは海
5時半起床。今日でガラパゴス諸島ともお別れだ。6時半に朝食に下りて行くと、未だ料理が揃ってい
ない。このホテルのシェフはたった一人で奮闘しているのだ。7時半チェックアウトして出発。サンタクル
ス島の最北部のプエルト・アヨラから、標高600メートルの山を越えて最南部に移動。島には私有地も
あって何代か前移住して来たスイス人達が営む牧場も見えた。フェリーでバルトラ島に行き、フライト。
昼 ランチボックス+機内食
この機内食が結構イケマシタ 黄熱病の研究に尽くした野口英世像
グアヤ川に面したマレコン2000
都会的な雰囲気のグアヤキルの町 イグアナ公園では本土のリクイグアナがうじゃうじゃいた
時差1時間の関係もあって、グアヤキルに到着したのは午後2時過ぎだった。暑いぞ!32度位か?こ
れまで行った場所は、標高2850メートルのキト、フンボルト寒流に囲まれたガラパゴス諸島だったから
この暑さには参る。先ずはスーパーメガマキシ。巨大なスーパーね。アメリカのような品揃えで、ここが
南米最貧の国とは思えない豊かさを感じる。乾燥バナナやエクアドルチョコレートなどを買う。小さな日
本庭園の片隅には、黄熱病の研究に尽力された野口英世博士の銅像があった。ブラジルのリオ・デジ
ャネイロにも野口英世通りがあったことを思い出した。マレコン2000の向こうには、大きなグアヤ川が
流れる。意外に流れが速く、この辺りは「めまい川」と呼ばれているのだそうだ。エクアドル最大の町と
あって、町中の交通渋滞も激しい。ようやくイグアナ公園に到着。大都会のど真ん中の公園にイグアナ
がうじゃうじゃいるのである。ガラパゴスのウミイグアナやリクイグアナの先祖だと考えられているそうだ。
ガラパゴス諸島のイグアナ達が、厳重に保護されているのに対し、ここでは「触っても」「餌をあげても」
「抱いても」何でもOKですって。我らがグループの中には尻尾を強引に引っ張る女性もいてびっくり!
夜 グアヤキル 「ユニパークホテル」 シーザーズサラダ、パン、海老天と鶏の照り焼き、味噌汁、
フラ
エクアドル風日本食?
イグアナ公園の隣にある5つ星のユニパークホテル。ここで午後10時の出発まで休憩と食事。今回の
グループは夫婦3組、女性友人1組、一人参加女性2名の計10名。添乗員は張り切り美人のマリちゃ
んだった。夕食は、鮨カウンターが並ぶホテルのレストランで。海老天はフリッターのようだったし、味噌
汁は思いっきり塩辛い。最後のフライドバナナが一番美味しかった。さてキトに着くかな。なーんてね。
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12月 12日(水)
朝 無し!
前日の午後10時にホテルを出発し、翌0時40分発デルタ航空に乗る。うとうとしているうちに午前6
時過ぎアトランタに到着。何と40分近くも早く到着したとかで、朝ご飯は食べ損なった。空腹であるぞ。
朝の軽食 アトランタ空港 デルタ航空ビジネスラウンジ オレンジジュース、クッキー、コーヒー
早朝だから、ロクに食べるものも無い
デルタ航空ラウンジは早朝で人影もまばら。食べ物もまばら。ここに日本の新聞があるのが有り難い。
日経新聞と朝日新聞に目を通す。エクアドルでは世界&日本のニュースとは全く無縁であったから何
が起こっているのか。ロシアのプーチン大統領が首相になる?ふーむ、bQの立場から院政をしこうと
いうのだな。プーチン後もプーチンというわけだ。宙に浮いた年金5千万件の名寄せが難しくなった?
そんなの初めからわかっていたことじゃん。最後の1件まで、最後の1円まで、なんて言ったのは誰?
昼 デルタ航空 アトランタ=成田 ビジネスクラス機内食(和食コース)
成田行きはほぼ1時間遅れでアトランタを出発。ビジネスクラスにいた日本人キャビンアテンダントは、
笑ったりしたら損!とでも思っているようで、能面を通していた。サービス業になんか就かなければ良
かったのに。西から帰って来る時は偏西風で早く飛んで嬉しいが東からは向い風で飛行速度が遅い。
夜 時差で存在しない
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12月 13日(木) 東京は曇り
朝 時差で存在しない
昼 デルタ航空 アトランタ=成田 ビジネスクラス機内食
機内食もこれが最後だ
14時間近くの飛行は長い。ウトウトしたり、松井今朝子さんの著書を読んだり、ボーっとしたり。日本に
着くと、もう年末だなぁ。年末って何をしなくちゃいけないんだったっけ・・・。浦島夢子の心境であるな。
夜 家食 具だくさんのきしめん、おけさ柿
アトランタを1時間遅れて出発したハズなのに、成田にはほぼ定刻通り午後2時半前に到着した。先月
に続き千葉の「禁煙」タクシーで4時過ぎには帰宅した。買い物して夕食はきしめんでカンタンに済ませ
る。さてと、写真を取り込んでからパクパク日記を作成しようか。帰国後のいつもの夜が始まる。無酒日
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12月 14日(金) 晴れ
朝 家食 野菜どっさりサッポロ一番塩ラーメン、アロエヨーグルト、信州りんご
たんめんのようで旨いぞ!
昨夜とてもヘンテコな夢を見た。夜中にトイレに行く時、夢の内容を思い出しては一人ふふっと笑った。
7時半起床。朝ご飯は、野菜をどっさり入れたアレがいいな。大好きなたんめんのようで美味しいのだ。
昼 荒木町 「アンシャンテ」 ハンバーグランチ(野菜スープ、ハンバーグ、つけ合わせ野菜、ライス
大盛り、デザート、コーヒー) 1000円 +100円
ま、まんぷくであります・・・
これもいつものことだが、帰国してから麺ばかり食べている。でもご飯も食べたい。美味しいものが食べ
たい。パクパク作成の手を休めて「アンシャンテ」に行く。ドアを開けると、手を振っている人がいる。あ
らまぁ、M井ちゃんだわ。彼は何と明後日私のマンションの真裏に引っ越して来ることになったのだ。平
日だけ利用する別宅ではあるけど。来週月曜日の夜約束しているのに、もう会っちゃったね、と笑う。
今日は別のものにしようと思っていたが、成り行きでまたもやハンバーグ。相変わらず、これが旨い!
夜 無し!!!
根をつめてパクパクを作っていたら、夕飯を食べるのを忘れてしまった。なんてウソ。お昼に余りにたく
さん食べてお腹が空かなかった。だから夕食はヌキ!!エライだろ?12月1週目アップ。ほっ。無酒日
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12月 15日(土) 晴れ
朝 家食 具だくさんのきしめん、海苔おにぎり、りんご
6時起床。どーしてそんなに早起きすんの!三文の得だから。プヘッ。朝風呂に入っていると、明るくな
って来るのがいいねぇ。今日も富士山が美しいお姿をお見せになられた。今日はきしめんの気分だな。
昼 舟町 「パサパ」 ランチコース(オニオングラタンスープ、バゲット、牛すね肉の赤ワイン煮、ココナ
ツ風味のプリン、コーヒー) 1575円
朝からピンポン、ピンポンとチャイムが鳴り、荷物が続々と届く。ほとんどが食べ物。うーむ、手帖を見
ると、これから1週間で家食夕食は1度しかない。これを1度で食べる訳にはいかんじゃないか。無けれ
ばヒモジイが、有ればあったで悩みも増える。今日はアレを食べようと11時半に店の前に行ってみると
土曜日でお休み。くそっ!レディはそんな言葉使っちゃアカン。じゃ「パサパ」に行くか。時々来るこの店
は前菜とメイン、デザートを5,6種類のメニューからチョイスするプレフィックス。値段もお手頃である。
午後のお茶 舟町 「にんじん」 コーヒー 450円
この店には過去数度来たことがあるが、無愛想極まりない。常連客にしか話し掛けない店主がいる。
夜 曙橋・住吉町 「てんぷら荘司」 1万円のコース(牡蠣の茶碗蒸し、天麩羅:車海老・百合根・
蓮根
白子・
酒盗・カ
腐・杏仁シ
近所の河田町に引っ越して来たSピーから、「松下」出身の若い2人が住吉町に新しい店をオープンし
たという知らせがあった。で、今晩行こうじゃないかと誘いを受ける。「松下」には、大勢の「未来の巨
匠」がいるから、誰だろうと興味津々で行ってみると・・・あぁ、あなた達ね、開店おめでとう!7千円と1
万円のコースがあり、松下流を思わせる料理の数々と天麩羅が交互に出て来るメニュー構成。天麩羅
ばかり続くと、ちょっと胃にもたれることもあるが、こんな感じで供されると飽きが来ないね。コースの前
に暖かいものを、というのも松下流で、牡蠣の茶碗蒸し。いいねぇ、これ美味しいわ。ご主人は24歳と
いう若さだが、秋田のご両親が丹精こめて作られた蕪、黄菊などの野菜や椎茸を送って来られるそうで
新鮮な野菜と愛情の応援つきである。「松下」出身のお店には今までも行ったことがあるが、大将の松
下さんは弟子達の独立に親身になられる。「荘司」の場合も、店舗不動産見学に一緒に立ち会ったり、
電話で「お客さんは来てくれたか」と尋ねられたりと、心の広い親方ぶりを発揮しておいでだ。コースを
全部食べ終えた時お腹も心の超満足。若い2人の活躍が楽しみだ。その上SPご馳走してくれるの?
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12月 16日(日) 晴れ クラブワールドカップで浦和レッズが世界3位!!
朝 家食 「楽粋」の一口がんもと絹さや、ネギ納豆、「てんぷら荘司」のちりめん山椒、キャベツと豆腐
の味噌汁、ご飯、信州りんご
5時半に起きたが「待てよ、毎朝そんなに早起きしていたらカラダに悪いんじゃない?」ともう一度寝る。
7時起床。ご飯を炊く。味噌汁も作る。「楽粋」の一口がんも、昨夜「てんぷら荘司」からオミヤに頂いて
来たちりめん山椒などを食卓に並べる。うん大豆製品のオンパレードだ。地味だけど、良い朝食だな。
昼 家食 高菜漬けのせ博多長浜ラーメン、べったら漬け、「谷井農園」の極熟みかん
替え玉は無しね
アイスランドにご一緒いたM本さんが博多長浜ラーメンを送って下さった。ほぉ10食分も。トンコツスー
プラーメンに、高菜漬け、胡麻、青ネギ、紅生姜をのっけて完成。長浜の屋台で食べた味を思い出す。
夜 家食 嬉野温泉の温泉湯豆腐(春菊・えのき茸・長ネギ)、銀鱈の粕漬け焼き、ネギ納豆、味噌汁、
ご飯、「谷井農園」の極熟みかん
今日はお天気が良かったが、一日中風がピューピュー吹いていた。世の中は、忘年会、年賀状作り、
クリスマス、仕事納め、大掃除、お正月の準備と、怒涛の2週間を過すのだろうな。私?残念ながらと
いうか、嬉しいことに殆ど無縁。もうさんざんそうゆうのやって来たからいいの。さて、今晩の夕食はと。
嬉野温泉の温泉湯豆腐だよん。温泉水で豆腐を温めると豆腐の角が崩れる。ほっかほかだ。無酒日
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【今週の振り返り】
みなさん、エクアドルはどのあたりに位置するかわかります?南米のどこか?中米だっけ?たいがい
の人の答えは、ま、こんなものだろう。北はコロンビア、東と南はペルー、西は太平洋に囲まれた南米
大陸の西北側にある。国土は日本よりちょっと小さめで、ほぼ英国と同じ面積を持つ。人口は1330万
人で、今も増加を続けている。人種・民族は、先住民とスペイン人の混血メスティソ6割、先住民インデ
ィヘナが3割、宗教はローマ・カトリックが9割である。主要な産物は、石油、天然ガス、バナナ、コーヒ
ー、カカオ、マグロ、海老、木材など。気候は、太平洋からアンデス山脈までのコスタ、山岳地帯のシエ
ラ、そしてアマゾン地域のオリエンテの3地域に分れる。帰りに寄ったグアヤキルはコスタ地方で赤道
直下の熱帯地域で気温が高く、首都のキトはコスタ。標高が高く「永遠の春」と呼ばれる快適な気候で
ある。オリエンテは高温多湿、あのアマゾン川の源流は、ここエクアドルにある。
まぁ、ここまでは同国の基本データの一部にしか過ぎないが、通貨の話から本題は始まる。エクアドル
の通貨はスークレであった。「あった」が問題。今はそんなお金は無い。何が使われているかといえば、
アメリカドルである。何でも同国2番目に大きい銀行が破綻し、それがキッカケで独自の通貨スークレ
は大暴落。ついに廃止に追い込まれて、米ドルを使用することになってしまったのである。破綻した銀
行に預金していた人々はそれも失ってしまったが、国自体が多くの借金を抱えている。つまり債務国な
のである。それも南米最大の債務を抱えている。南米の最貧国と言ってもいいかもしれない。失業率は
公には25%と言われているが、実体は40%を越えると見られている。あるホテルが、従業員を2名募
集したら、何と2万人の応募者が殺到したというエピソードがそれを物語っている。
キト祭で賑わう独立広場にいる時、いったい何人の子供靴磨きから声を掛けられただろう。7,8歳の
小さな子供が靴磨きのセットを片手に、観光客に「靴を磨かせておくれよ」とねだる。中には4,5歳の
子供までいるではないか。お金をくれ、でなく労働で稼ごうとしている姿勢はいいが。小さなパンという
意味のパネージョの丘はキトを見渡せる名所であるが、パネージョには決して歩いて行ってはならない
と現地でも言われたし、ガイドブックにも書いてある。強盗に襲われると言うのだ。ちょっとした外出をす
る時も、パスポートは持って行くな、カードもホテルに置いていけ、大金は持ってはならない、と耳が痛く
なるくらい注意を受ける。12月に入ってクリスマスシーズンになると、泥棒稼業がドッと地方から都会に
集まってくるらしい。
一方で、経済の中心地グアヤキルの大型スーパーに行けば、ここはアメリカか?と錯覚する程、商品
が豊富に並んでいる。大家族で1週間は悠に食べられる程の膨大な買い物をする客ばかりであった。
たった1%の人間が、40%の農耕地を独占しているという実態もある。富が偏在している。石油などの
地下資源も、海老などの海産物も、バナナ、コーヒーなどの農作物も豊富な国なのに、どうしてこんなこ
とになっちゃっているのだろうか。政治が悪いのかと政界事情を覗いてみると、何かゴチャゴチャしてい
つも揉めているようだし、近い将来、この国がシャンとする気配は今のところ薄い。それでも、擦れ違う
エクアドルの人々の表情は暗くない。底抜けに明るく笑っている女性もいた。何だかとても不思議な国
を見た気がする。ガラパゴスの動物達のためにも、エクアドルが明るい国になるよう祈っている。グラシ
アスそしてアディオス!
今週のおまけ<ガラパゴス動物グラフティ>
ゴロンと無防備な寝姿のアシカ
世界一美しい鴎・アカメカモメ 400羽しかいないアメリカミヤコドリ
私のお気に入りのアオアシカツオドリBOOBY
スカイポインティングの求愛ポーズ 卵2個抱いている
エスパニョーラ島のクリスマスカラーのウミイグアナ
アシカにすがりつくヨウガントカゲ
羽を広げて飛ぶ練習するマスクカツオドリの幼鳥 アメリカグンカンドリ
1000羽しかいないコバネウの番い
背泳中のアシカでーす。待てば海路の日和あり、ってね
* エクアドルの旅の始まりは 12月 1週 をご覧ください。