パクパク日記10年1月2週

     カナリア諸島に行った。小鳥の名で知られるカナリアの意味は・・・「犬」だって!

最高峰テイデ山 民族衣装の婆ちゃん

1月 11日(月・成人の日祝日) 曇り時々小雨

朝 家食 きのこ蕎麦、もずく酢、いちご、アロエヨーグルト、ヘルシア茶

   きのこに九条ネギと三つ葉

うっかり寝坊してしまった。今日は前泊の日で忙しいというのに。ずっと晴天が続いていたが空は曇っ

て薄ら寒い。そうか、今日は変動祝日の成人の日だな。休日が増えるから第〇月曜日設定は歓迎さ

れるが「やっぱり成人の日は1月15日」って年代だ。大活躍したきのこ汁、今朝は蕎麦で登場でーす。

昼 舟町 「サルサカバナ」 メキシコランチ 1,000

    たまにはメキシコ料理 

スーツケース預けは午前中指定で予約することが多いが、朝9時からじっと待っていても、来るのは11

58分とか、時には122分とか・・・。午前中3時間をムダにするようでイライラする。でも今日は

午前10時半だった。やれば出来るじゃん。古新聞片づけ、カンタン掃除、ゴミのまとめ、手荷物準備と

忙しいなぁ。ランチは隣のメキシコ料理屋でささっと食べた。この店は引越して来て約6年で2回目だ。

夜 成田日航ホテル 「サンセットラウンジ」 三種前菜盛り合わせ 2100円、白菜ときゅうりの甘酢漬

け 900円、白身魚の甘酢炒め 1500円、干し貝柱とピータン粥 1200円、生ビール 2杯、ジン

トニック 3杯 @9160

  

新宿西口午後4時半発リムジンで成田空港へ。日航ホテルの送迎バスに乗るには15分以上待たねば

ならん。じゃ、タクシーで行こう。話し掛けてもひと言も喋らない運転手だった。近距離だから不満なの

だろう。1340円だった。成田前泊といえばいつも日航ホテルの「サンセットラウンジ」で夕食を食べるの

で、すっかり顔を覚えられてしまった。注文するものもほぼ同じだなぁ。マンネリ。到着してすぐ予約して

おいたゴッドハンドに60分たっぷりマッサージして貰った。これで元気に旅が出来るぞ!なーんてね。

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1月 12日(火) 成田は小雨  チューリッヒとマドリッドは曇り

朝−1 成田日航ホテル客室にて 赤飯おにぎり、ヨーグルト

   ↑            ↓

6時起床。昨年、日航ホテル内1階に何とコンビニの「ローソン」がテナントとして入っている。以前は徒

歩1分くらいの所にあったのだが。宿泊客も欧米系から中国、韓国、インドなどアジア系に移って来て

いるようにも見える。それならこれでいいのね。今回は朝食付きプランにしなかったのでおにぎり、ヨー

グルト、水を昨夜買っておいた。軽めにして空港のラウンジでうどんを食べる作戦だ。ウシシなのだ!

朝−2 成田空港ANAラウンジ きつねうどん、天ぷらうどん

いつもABCに自宅から空港までスーツケースを運んで貰っている。ところが・・・空港で受け取ったら、

スーツケース本体に亀裂が入っていた。未だ出かけてもいないのにもう壊れちゃったの?!帰国後

ABCが修理してくれることになった。トーゼンである。あら?今擦れ違ったのは・・・カズエさんかしら?

昼 スイス航空成田=チューリッヒ ビジネスクラス機内食

   

4年前旧ユーゴスラビアの旅でご一緒したのがカズエさんだ。あの旅の参加者は23名だったが、何と

男性はたった1名だった。男性は夫婦参加の旦那ね。添乗員も女性だったから、23対1の圧倒的女性

優位の賑やかなグループだった。今回の添乗員S原さんも2年半前中国の黄山にご一緒したベテラン

だ。スイス航空の機内食には、「オテル・ド・ミクニ」の三國シェフの監修メニューがある。彼がかつてジ

ュネーブにある日本大使館のシェフをやっていた縁でそうだ。そのメニュー、鴨肉スモークはフツーだっ

たが、茄子のラタトイユはさっぱり旨かった。ビジネス席はガラガラ。真っ白なシベリアを見下ろし酔う。

夜―1 スイス航空成田=チューリッヒ ビジネスクラス機内食(軽食)

    北半球に大寒波!

チューリッヒまで12時間半、時差8時間。予定より1時間近く早く到着出来そうだ。マドリッドまでの乗

り換え時間がギリギリだったから余裕が出来た。午後3時近づいて来たチューリッヒは、雪で真っ白だ。

夜―2 スイス航空チューリッヒ=マドリッド ビジネスクラス機内食(軽食)

    24時間+8時間=32時間(私の2010112日)

チューリッヒから同じスイス航空でマドリッドへ。進行方向左手窓からアルプスがよく見える。2時間でマ

ドリッド到着。数日前からヨーロッパやアメリカ大陸に大寒波が来ていて、日本にも今日からその寒波

がやって来ると言っていたなぁ。マドリッドは2度だった。スペインに来るのはチョー久しぶりだ。今夜の

宿「ACクスコ」にチェックイン。ひと頃流行ったデザイナーズホテルでお洒落だが冷たい印象。冷蔵庫フ

リーというのはいい。今夜夕食はついていない。もう5回食べたし。今日は32時間の長い1日だった。

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1月 13日(水) カナリア諸島テネリフェ島は晴れ          1ユーロ=約135

朝 スペイン・マドリッド 「ACクスコ」 朝食ヴュッフェ

    ホテルはクール!

昨夜10時に寝てしまったから4時に目が覚めた。隣室に配慮しながら、シャワーを浴びシャンプー。朝

食レストランは7時オープンと聞いたので、645分から前で待つ。私は相変らずなのだ。745

チェックアウト&出発。8時過ぎても外は真っ暗だ。スペイン航空で、カナリア諸島のテネリフェに飛ぶ。

昼 スペインカナリア諸島テネリフェ島 「EL AGUA」 ひよこ豆の煮込み、パン、クロケット、かぼち

ゃのスープ、鱈のムニエル 玉葱添え、南米風焼きプリン、コーヒー、(赤ワイン飲み放題)

  

  

テネリフェ行きの飛行機。後方座席は2割程の空席があったので、席を移って3席使い悠々と乗った。

食べ物&飲み物は有料。それなら要らん。フライト時間2時間半でテネリフェ島北の空港に到着。時差

1時間で日本とは9時間−である。近づいて来る島を上から眺める。結構都会じゃん。で、美しい。降り

立つと、暑い!常春の気候で、欧州の人達にとってカナリア諸島は「ハワイ」のような存在らしいしね。

旅は始まったばかりなのに、参加者の一人Tさんの具合が悪くなり、島南部にあるホテルにタクシーで

向かわれた。私らはバスでレストランへ。カナリア諸島のレストランではワインがフリーらしく、4人に1

本位赤ワインをバンバン置いてゆく。無くなればお代わりのボトルが来る。皆大喜びで、ひよこ豆の煮

込みとパンとクロケットをツマミならグビグビ。私は「明るいうちは飲まない」主義なので、水を飲む。クロ

ケットも4個食べたし、まぁ満腹だなぁと思ったところに、スープ登場。ゲゲ、今までは前菜で、食事はこ

れから始まる?スープもメインの鱈もほとんど食べられなかった。ランチが終わったらもう3時だった。

  

           テネリフェ島北部のサン・クリストバル・デ・ラグーナの歴史地区は世界遺産             原生種の竜血樹 

徒歩でサン・クリストバル・デ・ラグーナの歴史地区を散策。15世紀にスペイン人によって建設された町

で、ラテンアメリカの都市の建築モデルにもなった。木製バルコニーや中庭のあるカナリア様式と呼ば

れる建物がたくさんあって1999年ユネスコの世界遺産に登録された。シエスタ時間で異様に静かだ。  

             階段状のグイマーのピラミッド     かつてカナリア諸島はアメリカと地中海を結んだ?     世界にピラミッドはこんなにある 

島の中央部グイマー村の考古学公園にピラミッドがある。この島には9基のピラミッドがあったが、重要

なものとは知らずに島民達が建築資材などに使ってしまい、現存するのは6基である。1991年トール・

ヘイエルダールの調査でメキシコのマヤやアステカのピラミッドと多くの類似点を持つことが明らかにな

ったが、造られた年代や造った人物の特定は出来なかった。かつてカナリア諸島はアメリカ大陸と地中

海を繋ぐ航海の拠点だったのではないか。現にコロンブスもアメリカ大陸(インドだと思っていたんだけ

どね)に行く前はカナリア諸島で過している。そうそう、このヘイエルダールさんはノルウェーの人類学

者だが、ペルーとポリネシア文化の類似性を証明するためペルーからイースター島までコンチキ号とい

う筏で渡ったり、アステカ文明とエジプト文明の類似性証明のためには、パピルスで造ったラー号でモ

ロッコからカリブ海に乗り出したり、タイへンな冒険家でもあるのだ。この島でピラミッドとは意外だった。

夜 メディテラニアンパレス ディナーヴュッフェ、3点セット(生ビール大4ユーロ、白ワイン・赤ワイン

共に4ユーロ)

  

島の南西部のホテルに着いたのは午後7時だった。ホテルや商店・遊戯施設が集中するここラス・アメ

リカスビーチは、この十年ほどで急激に発展した地域で、宿泊するメディテラニアンパレスはおろおろ迷

う程の巨大ホテルであった。ロビーの吹き抜けは「ここはラスベガスか!」というケバいキンキラぶりで、

「私が思い描いていたカナリア諸島とイメージが全然チャう!」と早くもガクシ・・・。客室に行ってみると

カラッポの冷蔵庫もセイフティBOXも利用するには金を払わねばならんのだ。ここに4泊もするのに、

湯沸かし器さえない。室内も簡素でビジネスホテル並だし・・・・。しかも夕食はヴュッフェなのだ・・・・・。

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1月 14日(木) テネリフェ島高地は晴れ 低地は曇り

朝 メディテラニアンパレス 朝食ヴュッフェ

    ここも5ッ星ホテルらしいが・・

夜中の4時頃から、お腹の調子がヘンでトイレに通う。そう言えば、昨日もピラミッドを見ている最中に

こっそりトイレに行ったしなぁ。朝食は6時半から。あっ、お腹の調子悪いのについフルーツたっぷり皿

に盛って来ちゃった・・・・。カズエさんとお喋りしながらの朝食。あれれー、カズエさんもお腹調子悪い?

  

          下界は曇りだったのに雲海の上はピーカン   カナリア松など固有種の植物も多い      2000m地点の巨大なカルデラ

  

          3718mのテイデ山はスペイン最高峰           3555mまでロープウェイで行く      あそこが頂上かぁ・・・

8時半出発。今日はテイデ山を中心とするテイデ国立公園をまず目指す。この公園は世界遺産だよ。

テイデ山は3718mで、スペイン最高峰、いやいやスペインのみならず大西洋最高峰でもあるのだ。テ

ネリフェ島周辺の海は深く、海底からの高さは7500mということだ。友人の小S子さんは山女で、福島

の飯豊山(いいでさん)に何度も登っている。「いいで」→「ていで」、って感じですぐ名前を覚えられたが

先住民グワンチ族の言葉で地獄を意味するエチェイデ→テイデになったらしいよ。ナゼ地獄か。火山な

のである。15万年前に大爆発し、近年1704年、1705年、1706年、1798年、そして100年前の1909

年にも爆発している。バスが高度を上げていく。今朝は雲っていたのだが、1,000mを超えると厚い雲

海を超え、眩い太陽光に会う。雲海の先に隣の島グラン・カナリア島が見える。この島には、ヨーロッパ

にもアフリカにもない固有種の植物が多く見られる。高度2000mを超えると気温もグンと低くなり、巨

大なカルデラが見えて来る。やがて2356mのロープウェイ乗り場に着く。このロープウェイ、雪や風や

霧といった自然状況で運行は年間半分位なのだそうだ。今年は雪がとても少なく、かつ今日はピーカン

の晴天なので勿論運行しているよ!約10分で1200mを上るのは凄そうだが、フランス・シャモニーか

らエギーユ・デュ・ミデュに上ったことを考えればたいしたことはないか。ロープウェイを降りるとムッチャ

寒い上に風が強い。耳がちぎれそうだよ。早々と下りて来た。大型バスが次から次へとやって来るね。

昼 テイデ山麓 「BAMBI パスタ入りスープ、チキン サルモレッホ、しわしわじゃが芋、バナナとア

イスクリーム、(赤ワイン飲み放題)

  

 眺めの良いレストランです

11時半、テイデ山麓の眺めの良いレストランでランチ。カナリア諸島名物料理の1つに「しわしわじゃが

芋」がある。小さいじゃが芋を皮つきのまま濃い目の塩水で茹でただけの、見栄えも悪ければ地味な料

理だが、これがぽくぽくでとても旨い。瞬く間に売り切れた。食後山を背景に全員で記念写真を撮った。

  

     テッペンからちょっとだけ顔を覗かせるテイデ山              世界あちこちから集めた植物園に行った

          樹齢1,000年は超えている?竜血樹          テネリフェ西海岸から見る景色        アーモンドの花が満開だった 

山を下りて来ると、また雲海があり、それを越えると曇り空に戻った。次に行った植物園ではカナリア諸

島だけの植物がたくさん見ることが出来るかと期待していたのだが、島外の世界あちこちから集めた植

物が多くてガッカリ。お腹がゴロゴロいい始めたので、見物を中止してトイレへ。島の西側に行く。昨日

サン・クリストバル・デ・ラグーナで見た龍血樹の最大のものがあるというので見に行った。樹齢は400

年から2000年とエラク幅があるのだが、たぶん1,000年は越えているだろうという。帰り道に通った丘

の上の町で、白やピンクのアーモンドの花が満開だった。遠くで見ると、ホントに梅そっくりに見える花。

 メディテラニアンパレス ツナと茄子のマリネの温サラダ、パン、ビーフテンダーロインステーキ キ

ノコソース、チョコレートとフランボアーズのデザート、赤白ワイン飲み放題、ビール 4ユーロ

  

今晩はこれだけ広いホテルにもう1つあるレストランでセットメニューの夕食だ。今回参加者は19名。

夫婦5組、女性友人2人組、一人参加女性6人、男性1人。食事はヴュッフェに比べればかなりマシ

な料理だった。赤白ワイン飲み放題なのでじゃんじゃん飲もうぞ。今晩の主役はカズエさん。数学の先

生だったということは4年前聞いていたが、物理の学位も持っているの?凄いなぁ。かなり酔っ払った。

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1月 15日(金) 快晴

朝 メディテラニアンパレス 朝食ヴュッフェ+ミニチキンラーメン  

 チキンラーメンが一番旨い!

5時半に起きようとしたところで気が付く。今日は一日フリータイム。希望者は隣のグラン・カナリア島に

一日遠足に行くことになっていて当初は申し込んでいたのだが、どうもお腹の具合がよく無いので止め

にしたのだ。参加者は朝食を大急ぎで食べて7時出発という慌しいスケジュールだ。私は行かないの

だから、ゆっくりしていよう。ベッドで本読んだりしてゴロゴロしていたが、結局はお腹が空いて起きた。

今朝はミニチキンラーメンを食べようぞ。オムレツやフルーツなど色々食べたが、ラーメンが1番旨い! 

朝晩はちょっと冷えるが、日中太陽が上がると気温は28度、29度くらいになる。日陰は涼しいけど。

確かにハワイのような気候だ。せっかくリゾートホテルにいるのだから、プールサイドで読書でもしよう

か。水着も持っては着ているが泳ぐのは止めよう。先日久々に水中歩行して以来、腰が痛くてね。欧州

北部の客が多いというが、ここテネリフェ島は英国が一番多いのだそうだ。老いも若きもカラダ中に日

焼け止めオイルをベタベタ塗って、思いっきり太陽に全身を晒している。母国では、日照時間が少ない

から飢えているのだろう。帽子や日傘で太陽に当らないよう工夫している日本人にはワカラン感覚だ。

昼 「カフェテリアレストラン」 マッシュルームスープ 5.95ユーロ 海鮮スパゲティ 10,14ユーロ、ダ

イエットコーク 2,52ユーロ

  

ホテルから外に出て、そのヘンをぶらぶら。暑い!白人の老夫婦やグループが、カフェの外テーブルで

白ワインやビールを飲んでいる。そんなに太陽浴びると、年取ってソバカス出ちゃいますよ!あら、もう

手遅れでしたねぇ・・・・。ムボーにも私もムボーだと気付き2つ目の帽子を買った。ランチは中華料理が

いいなぁと思っていたのだが、午後1時過ぎても未だ開店していない。スペインは昼食は2時、3時、夜

は9時、10時なんて時間から食べる国だからねぇ。炒飯とか焼きそばの頭のイメージを消して、テキト

ーなカフェテリアでスープとパスタ。不味いなぁ、高いのに。残したよ。散歩を続けると、あちこちの店は

大セール中。30%OFF,50%OFFの張り紙が目立つ。7分袖と長袖のカットソーを買ったら、2枚で9、

9ユーロだった!あの不味いパスタが10,14ユーロだったのに、2枚で9,9ユーロ?ヘンテコな気持ち。  

夜 メディテラニアンパレス ディナーヴュッフェ、3点セット(生ビール大4ユーロ、白ワイン・赤ワイン

共に4ユーロ)

  

グラン・カナリア島遠足組は夕方6時半頃帰られたようだ。楽しかったけど、疲れたんですって。今晩も

夕食はヴュッフェだ。夕食ヴュッフェの場合、ビールごくごく、次にスープを飲み、ワインを飲みながらチ

ーズやテリームなどつまみを食べたら、最後デザートでオシマイ。メインは無しじゃ。つまらない夕食だ

が痩せるにはいいかも。部屋に帰り本を読みながら寝酒のウイスキーを飲み10時半には寝てしまう。

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1月 16日(土) テネリフェ島もラ・ゴメラ島も快晴

朝 メディテラニアンパレス 朝食ヴュッフェ

朝方見た夢。仕事をしていた頃のメンバーの自宅で開かれたホームパーティに行ったら、小型回転寿

司テーブルというものがあった。よく見たら回る中華テーブルと余り変わりはなかった。テーブルだけで

寿司の無い夢だった。今日は8時出発して、西島のラ・ゴメラ島に行く。6時半一番に朝食を食べたぞ。

  

          大きなフェリーでラ・ゴメラ島に向かう          船内は民族衣装で演奏を楽しむ人達     ラ・ゴメラ島から見るテイデ山もいい

  

              火山爆発寸前で活動を止めたため奇岩があちこちに                照葉樹林のガラホナイ国立公園は世界自然遺産 

テネリフェ島には空港も港も北と南に2つずつある。7島のうち東にある島々に行くには北の港から、西

の島々には南の港から行くことになる。だから、昨日のオプショナルツァーでグラン・カナリア島に出か

けた皆さんは、1時間半離れた北港から、今日私たちは南港からフェリーに乗るのだ。グラン・カナリア

島はガラガラだったそうだが、ラ・ゴメラ島行きの舟着き場は押すな押すなの大人数。その中に民族衣

装を着込んだ人達があっちでもこっちでも目立つなぁ。余りの混雑に15分遅れて出発すると、その民

族衣装集団は、ギターを弾き、太鼓を叩いて合唱を始めた。後刻聞いたところ、ラ・ゴメラ島で今日サン

セバスチャンのお祭りがあり、それに大挙して出かけた人達だそうだ。テネリフェ島が遠ざかると、それ

だけテイデ山の高さがイヤが上にも目立って来る。テネリフェ島全体が火山のように見えて来る。世界

3番目の火山島でもあるのだそうだ。10時過ぎ、ラ・ゴメラ島のサンセバスチャン港に到着。大人数だ

から降りるのもひと苦労だ。バスはどんどん高度を上げて行く。7島の中で6番目という小さい島だが、

最高地点は1480m、平均標高1,000mという地形だ。3千万年前、火山が爆発し・・・そうな寸前で活

動をストップしたため、途中まで噴き上げたマグマがそのままの状態で冷えて固まった奇岩があちこち

にあって面白い。島の中心島頂部には照葉樹林があるガラホナイ国立公園があって、ここも世界自然

遺産に登録されている。ここでちょっとしたハイキングをするというので、トーゼン行く気のない私は本を

読みながら待つことにする。1時間程で戻るハズが、途中断念組の数人以外ナゼか帰って来ない。結

局一番遅い人は1時間45分後にようやく戻って来た。同じ道を行って帰るハズが、1周したらしいよ。

昼 ラ・ゴメラ島「LAS ROSAS カボチャのクリームスープ、ポークの煮込みとライス、りんごとアイス

クリーム、(ゴメス産赤ワイン飲み放題)

  

  

        フルーツ+アイスのデザートが多い        この島では連絡手段は指笛だった。小学校で指笛の授業もあるとか

  

       ラ・ゴメス島の海岸と海の向こうのテイデ山            港ではサンセバスチャンのお祭りが賑やかに

高低差のある道を、思いがけず長々歩かされたと不満たらたらのバスは、ランチを摂るレストランに向

かう。細い急坂の道で、大型バスと擦れ違うのだから運転もタイヘンだ。ランチは1時の予定が、2時半

になってしまった。このラ・ゴメラ島でもワインを生産しているが、生産量はごく僅かだから島内で消費し

てしまうらしい。テーブルには例によって赤ワインがドンと出て「ご自由にどうぞ」。例によって昼間私は

飲まないから味を聞いてみると「・・・・」ということだった。地形の厳しいこの島では、昔から情報伝達手

段として指笛が使われていたということだ。例えば、狩りに出た猟師が、山の上から奥さんに「おーい、

今日は獲物がたくさんあるから楽しみにしておれ」とか「今日は狩りが不調だから帰りは遅いよ」とか。

ま、これは私の想像だけど、かなり複雑な内容を伝達出来たらしい。食事が終わった後、レストランの

男性がデモンストレーションを披露してくれた。この伝統の灯を消さないために、今では小学校でも指

笛の授業があるとか。貿易風が吹いて雨や霧が出やすいというラ・ゴメラ島だが、今日は一日雲ひとつ

無い素晴らしい晴天だった。お陰で、テネリフェ島全体がテイデ山の長い長い稜線のように見える美し

い姿を常に眺められる。コロンブスはアジアと思い込んでいる大西洋に向かった4回のうち3回、ラ・ゴ

メラ島に立ち寄っている。そして「ラ・ゴメラ島から見るテイデ山は美しい!」と言ったそうだ。私も賛成!

  メディテラニアンパレス ポテトのクリームスープ、サーモンのグリル 温野菜添え、アップルタ

   ルト、赤白ワイン飲み放題、ビール 4ユーロ

  

4泊したこのホテルも明日はチェックアウトする。夕食は遠い方のレストランでセットメニュー。最初のポ

テトスープが美味しかったので期待したが、あとはダメ。付け合せの野菜など1時間煮たのか?という

位グチャグチャで。3つのテーブルに分かれたら、男性はM尾夫妻のご主人たった1人に女性6人と

いう顔ぶれになった。赤白ワインが飲み放題で、皆グビグビ。酒豪のカズエさんや私は赤も白も数杯飲

んどるぞ。良い気分になって、M尾ご主人を上様ということにして、「大奥ごっこ」で全員笑いころげた。

                 _______________________

1月 17日(日) テネリフェ島は快晴 ランサローテ島は砂嵐

朝 メディテラニアンパレス 朝食ヴュッフェ

チェックアウト&出発は正午だから、ゆっくり朝食、ゆっくりパッキング。しかし、その後は集中して本を

読む。宮部みゆきの「孤宿の人」の下巻がもう少しで終わりそうなので、読了してから出発したいのだ。

ところが、終盤に泣かせる場面が連続して、涙で文字が滲んで読めん!もうボロボロ。仕方なくバスル

ームからタオルを持って来て、涙を拭きながら読んだ。悲しいというのではなく・・・なんだろう・・・感動だ

な、うん。涙をぬぐり、洟をかんで、ようやく読み終わった。鏡を見たら、目も鼻の先も真赤だったぜよ。

昼 空港のカフェ ほうれん草とチキンのパニーニ 3ユーロ、コーヒー 2,5ユーロ

    カナリア航空でランサローテ島に向かう

今日のランチはツァーにはついていない。空港でチェックインした後、カフェでパニーニとコーヒーでカン

タンに済ませる。カズエさんはビールだけでいいらしい。4年前は何度か話した位だったが、今回は初

日から2人でお喋りしっぱなしだ。好きな人と苦手な人(別の言葉で言えばキライな人ね、笑)が妙に一

致する。2人とも酒飲み。しかし、彼女に私はトーテー叶いまへんけどな。添乗員のS原さんは「カナリ

ア諸島の飛行機はしょっちゅう遅れる」と言っていたが、ほぼ定刻通りに飛んだ。ランサローテ島に近づ

くにつれ景色がモヤッて来る。黒い霧のようなガスのようなスモッグのような・・・何コレ?ゲゲ、砂嵐?

夜 ランサローテ島 「メリアヴォルカン」 ディナーヴュッフェ、3点セット(ビール4ユーロ、白ワイン・

   赤ワイン共に4ユーロ)

  

    豪華でキレイなホテルだが・・・

ランサローテ島は7島の中で一番北にある島で、アフリカ西海岸からわずか15キロしか離れていな

い。東から吹く風に乗って、アフリカのサハラ砂漠の砂がこの島まで飛んで来るのだすだ。砂嵐。日本

列島にも日本海の向こうの中国から飛んで来る黄砂みたいなものらしい。お陰で、ホテルに向かうバス

の中から島の様子を見ようにも翳んであまり見えんのだよ。それでも異様な風景であることは十分にわ

かるぞ。この島は胃袋のような形をしているが、今日から3泊するホテルは最南端にあった。5ッ星ホテ

ル。しかし、広大な土地に広がった迷路ホテルでもあった。自分の部屋が見つからず、手荷物持ってあ

っちゃこっちゃしているうちに、皆の機嫌がどんどん悪くなっちゃってね。その上、私は風呂に入ったに

も関わらず、部屋を代えて貰うことにした。またスーツケースをパッキングして移ったのだ。5ッ星ホテル

でも夕食はやっぱりヴュッフェ。例によってスープ(2杯)とワインのつまみとデザートね。あぁ、疲れた。

                _______________________

【今週の振り返り】

♪唄を忘れた金糸雀(かなりや)は 後ろの山に棄てましょうか・・・・いえいえ、それはなりません・・・♪

西条八十の詞に、大正8年成田為三が作曲したというこの童謡を、私も子供の頃よく歌った。タイトル

は「カナリア」ではなく、「かなりや」だ。小鳥を山に棄てるってことは放すことだよなぁ、それは鳴かなくな

った罰ではなくて解放になるからカナリアは喜ぶよなぁ・・・・なんて子供心に不思議に思っていた。しか

し、キレイな鳴き声のカナリアを我が家では飼ったことがなく、新潟や長野の山で捕まえて来たヤマガ

ラとかヒワを飼って専ら次兄が世話していた。雲雀(ひばり)を飼ったことだってあるんだよ。座敷で垂直

に飛び上がった雲雀が、天井にゴツンとぶつかったりして、ちょっと可哀想だった。買うより捕まえてくれ

ばタダだったし・・・。

このカナリアは、炭鉱でも活躍した。毒物に敏感という特技を持っているのだ。炭鉱ではメタンガスや一

酸化炭素などが発生することが多く、危険を察知して鳴かなくなったカナリアが、工夫達に「警報装置」

として使われたからである。なかなかに役に立った小鳥なのである。エライゾ!カナリア。どうしてカナリ

アとなったのか。既にカナリア諸島と名付けられた島が原産地だったからだよん。野性種のカナリアは

このカナリア諸島とアゾレス諸島、マディラ諸島にも棲息している。

それじゃあ、今回訪れたカナリア諸島のカナリアは小鳥関係の意味なのかぁ?チャイます。旅の前に

旅行会社から配られた立派なパンフレットの冒頭にこんな文章があった。「カナリアとは現地先住民の

言葉で「雪を頂いた山」の意」とあった。ほう、そんな意味なんだぁ、へぇ、意外だなぁとびっくりした。旅

先を尋ねられた友人数人には「雪を頂いた山って意味なんだって」とエラソーに説明もした。なのに、そ

れは真赤な間違いだったとわかった。な、な、なんとカナリアの意味は「犬」だったのだ。とんだ誤情報

に踊らされたことに腹が立つが、ま、犬だということがわかったのでよしとするか。だから、グラン・カナ

リア島は「大きな犬島」だ。因みにテネリフェの意味が「雪を頂いた山」で、テイデ山は地獄ね。

7つの島で構成されるカナリア諸島は、一番北にあるランサローテ島がスペインのあるイベリア半島か

ら南へ1,000キロ、アフリカのモロッコと西サハラ西岸から一番近い地点は115キロ西の沖に位置する

スペイン領である。テネリフェ、ラ・ゴメラ島を含む西4島と、ランサローテ島やグラン・カナリア島など3

島の東島にと2つの県に分かれて、全体でカナリア諸島自治州を構成している。7島全体の人口は約

200万人で、最も人口の多いのはグラン・カナリア島の84万人、最も面積が大きいのはテネリフェ島で

ある。

沿岸部の年平均気温は22度。温暖な気候なのである。夏も暑くなり過ぎない、冬も寒くない。トーゼ

ン、大西洋のハワイのような常春のこの島々には、欧米の人々が一年中訪れる人気のリゾート地なの

だ。年間1千万人も訪れたことも観光客が訪れたこともあり、今でも800万人を超えるというからスゴイ

ぞ。不死を得られる黄金の林檎が生るヘスペリデスの園はカナリア諸島に存在するとギリシャ神話に

記述があることから、ヨーロッパでは古くから「幸福の島々」と知られていたらしいよ。

さて、来週はランサローテ島についてご紹介しましょうね。そうそう、前回のパクパク日記に、「次に行く

のは島です」とヒントを書きましたが、まさか当った人はいませんよね?ヒヒヒ、ゼッタイ当らんわな。そ

れじゃあ、次をお楽しみにねー!

       俺はわかっておったニャン!  ウソをつけー!

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   *次の1月3週もなる早で作ろうとは思ってはいるが、ま、どうなるか・・・・怠けるな!へい。