パクパク日記11年10月2週

              ハンガリーで「寒い秋」をいち早く味わっていま〜す

トカイ貴腐ぶどう ホルトバージ

10月 10日(月・体育の日祝日) 曇りのち晴れ     人間国宝・中村芝翫丈死去

朝 家食 味噌汁、りんご、プチトマト、低糖ヨーグルト

目を覚ましかけの時・・・今日の予定は何だっけなぁ・・・・・ガバッ!今日成田前泊出発日じゃんか。朝

からパキパキと働きましょう。先ずは朝食から。とはいえ、食料のストックはごくわずか。味噌汁とりんご

半分、プチトマトが2個と低糖ヨーグルト。動物性蛋白質無いっすよ。次に旅行中のふすまパン焼き。オ

ーブントースターに12枚ミニ食パンを並べて1度焼き、裏返して2度焼き、次は場所を変えという感じで

生っぽいラスク状態までに焼くのだ。それを完全に冷まして次は真空パック。回を重ねるごとに上達し

て失敗は2度しかしなかった。このスグレものマシーン「真空ぱっくん」は去年Sブーとキョウコの先取り

誕生日プレゼントで大いに助かっている。ちょっと掃除。ちょっと片付け。ゴミ処理、手荷物準備、多忙。

昼 四谷3丁目 ぐーばーぐ」 ピリ辛味噌鬼おろしハンバーグ(150g) 680円、牡蠣フライ(2個)

150円、味噌汁 100

    牡蠣フライつけました!

歌舞伎俳優の中村芝翫さんが亡くなった。享年83歳。今年1月富十郎丈が亡くなったばかりで、80

の名優が相次いで鬼籍に入られた。福助、橋之助の父で、勘三郎にとっては義父にあたる。梨園も世

代交代が進むなぁ。ハンバーグ食べに「ぐーばーぐー」に行ったら牡蠣フライがあった。2個つけてね。

午後のお茶 四谷三丁目 「ANTENDO」 アイスコーヒー 250

夜 成田・日航ホテル 「サンセットラウンジ」 キュウリの白菜の甘酢漬け、イカの四川風炒め(小)

          1500円、牛肉フィレの黒胡椒炒め(小) 2300円、麻婆豆腐(小) 1100円、ナッツ、生ビール2杯、

              ジントニック @7100

  

    どれも旨いぞ!

一昨日作っておいたパクパク日記95週を出かける直前にアップして(すんでのところで忘れるとこ

ろだった!)、地下鉄で新宿西口に向かう。4時以降は成田行きのリムジンバスは30分に1本となる。

5時のリムジンに乗り、成田空港からはホテルの送迎バスを利用する。夕食はいつも決まって「サンセ

ットラウンジ」。以前は煙草を吸いながら食事が出来るというのが利用の理由だったが、煙草を止めて

もそれは変わらない。このラウンジで中華料理「桃季」の料理を出前して貰うのがお決まり。あれ!メニ

ューが大幅に変わったなぁ。大好きなキュウリの白菜の甘酢漬けが無いじゃないの。作ってくれる?な

らいいわ。イカの四川風炒めのイカも牛肉フィレの黒胡椒炒めの牛肉も柔らかくてとても旨い。満腹だ。

                _________________

10月 11日(火) 

第1食 成田・日航ホテル 「セリーヌ」 朝食ヴュッフェ 納豆ご飯と味噌汁だけ

第2食 成田空港ANAラウンジ きつねうどん(小)

昨夜NHKの「執念」という番組を観てからベッドに入ったのは11時半だった。指揮者小澤征爾氏の闘

病と音楽に対する情熱。タイトル通り執念がジリジリと伝わり過ぎたのか3時過ぎまで眠れず。それで

5時半には起きた。寝坊して飛行機に乗り遅れたんじゃあ前泊した意味ないし。空港できつねうどん

を食べるつもりだから、朝食ヴュッフェは、納豆とご飯同量の納豆ご飯と味噌汁にしておいた。645

分の送迎バスに乗り、第一ターミナルには7時到着。もしかして、これまでの中で一番早いかもしれな

いな。その証拠に、出国手続き開始が7時半からだ、なんてこと初めて知ったのだ。長蛇の列を避けて

ANA専用保安検査場の前で待つ。先月利用したドバイ空港を思い出す。深夜でも早朝でも不夜城の

ように賑わっていたドバイ空港。。これじゃあ、どう足掻いてもハブ空港なんて夢のまた夢であるなぁ。

第3食 ルフトハンザ航空 成田=フランクフルト ビジネスクラス機内食

  

          巨大な飛行機には3ヶ所の搭乗橋が          ビジネス席は2×2×2         ビジネスクラスの座席

    

昨年6月ルフトハンザ成田=フランクフルトに投入されたエアバスA380-800。ファースト、ビジネス、エ

コノミー席計526席という総2階建ての巨大な旅客機で、乗降口は3ヶ所。ビジネス用搭乗橋を進んで

行くと、直接ビジネスクラスの2階席に入って行くことが出来る。A380は納入時期がエラク遅れたこと

でも有名になったが、一旦導入した航空会社にとっては、金や太鼓でたくさんの客を呼ばねばならん。

私が参加したツァーもキャンペーン商品の1つらしく全員が「ビジネスクラスの旅」なのだが、ウィーンに

行くのにわざわざフランクフルト経由なのだよ。それはともかく機体チェック。ビジネスクラスは2×2×2

列の6列であるが、夫々の座席の横面積がちと狭い。私は座れますよ、キチンと。しかし、やっぱりちと

狭い。最大の弱点は、3つあるシートセレクトの寝る態勢で足が斜めに下がること!毎月あっちゃこっち

ゃの航空会社の飛行機を利用しているのだから、眠りやすいシートかどうかは最大の関心事だ。南米

のラン航空もアフリカの南アフリカ航空もカタール航空もUAEのエミレーツ航空も、寝る態勢ではほぼ

フルフラットの座席になるのが常識である。ナンデ下半身が斜めに下がるの!!!スリッパも無いし、

カーディガンを貸してくれるわけでも無いし、アメニティゼロだし、機内映画に邦画は入れていないし・・・。

ワインのグラスが小さい。大きいのありませんか?と聞いたら2杯持ってきた。よしよし。ビール旨い!

第4食 ルフトハンザ航空 成田=フランクフルト ビジネスクラス機内食

第5食 ルフトハンザ航空 フランクフルト=ウィーン 機内食

邦画が無かったので、言葉が必要の無い「CARS2」を観た。つまらなかった。眠らなかった。11時間ち

ょっとでフランクフルトに近づく。しかし、着陸許可が下りずに上空をぐるぐる旋回すること40分。ようや

っと着陸しても、エプロンに着くまでまた待機。なんてことだ!ようやく飛行機を下りて乗り換えようとし

たら1630分発のウィーン行きはがキャンセルされたと知って一堂ガックリ・・・。何ちゅうこっちゃ。何

でも上空で強風が吹いていて離着陸に支障が出ているというのだが・・・。結局次の便午後6時過ぎの

便に乗ってウィーンに行く。午後7時半ウィーン空港到着。バスでハンガリーのショプロンを目指した。

第6食 ハンガリー・ショプロン ホテル客室にて 鮭おにぎり

日本→ドイツ→オーストリア→ハンガリー。長かったなぁ、4ヶ国移動しちゃったよ。ハンガリーに入れば

ショプロンはすぐ。午後8頃ホテルにようやく着いた。日本時間では午前3時。空腹でおにぎり食べる。

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10月 12日(水) ショプロン、パンノンハルマは雨が降ったり止んだり  1フォリントft=約0.4

朝 ハンガリー・ショプロン「ホテルショプロン」 朝食ヴュッフェ

    たっぷりの朝食。この国では太る予感・・・・

昨夜は1時間半おきに目が覚めたが6時には起床してシャワーを浴びた。7時前に朝食会場に行って

みると既に2人の方がいらして3番。チェッ!何でも1番好きだからね。ハンガリーらしい料理もあるぞ。

          オーストリアとの国境の町ショプロン          リストが初めてコンサートを開いた?   フェルトゥーラコシュにある古い採石場

どうも今日は天気が悪いらしい。朝からどんよりとした曇天だ。こうなると傘は必携。早くもチェックアウ

トして徒歩でショプロンの見学に行く。ショプロンはオーストリアとの国境の町だ。ハンガリーは以前大き

な国であったが、第一次世界大戦の敗戦の結果、国土の3分の2を失う。その時ショプロンはオースト

リアに編入されることになっていたが、「オーストリアに属するか、それともこれまで通りハンガリーに残

るか」を問う住民投票を実施。時の市長の主張に賛同したショプロン市民はハンガリー残留を選択した

んですってよ。不思議なことにショプロンは歯医者とメガネ屋がやたら多い。歯医者は安くて腕がいいと

いうことで、隣国オーストリアからやって来ては温泉に浸かりながら入れ歯が出来るのを待つのだと言

う。有名な火の見塔は修復中だったが山羊教会などを見学。中央広場の一角にある建物はリストが人

生初めてのコンサートを開いた場所と伝えられる。しかしスロヴァキア・ブラチスラバも「初コンサートは

俺ホの町だて」と主張している。事実はわからない。やっぱり雨が降り出した。バスですぐ近くのフェルト

ゥーラコシュに向かう。途中ヨーロッパ・ピクニック計画記念公園近くを通る。1989年8月オーストリア国

境が一時開放され、1000人の東ドイツ市民がハンガリーからオーストリアを経由して西ドイツに亡命

するという事件が起きた。これがキッカケでベルリンの壁崩壊に繫がって行くのだ。フェルトゥーラコシュ

の石切り場を見下ろす丘からはヨーロッパ最大の塩水湖フェルトゥー湖も見える。この近辺世界遺産。

昼 パンノンハルマ「ホテルパンノンレストラン」 ミックスサラダ、魚のカルパチア風、パラチンタ、

  白ワイン 600ft(240円)

  

  

            ハンガリー最古の修道院パンノンハルマ     案内してくれた秀才高校生  古文書館には最古のマジャール語文書がある

パンノンハルマでランチ。レストランの壁にはハンガリー国旗と日の丸。そして「ようこそ」と日本語で歓

迎メッセージが書いてあった。何でかなぁ。昼食後パンノンハルマの丘に向かう。ベネディクト派のパン

ノンハルマ修道院は、996年創設されたハンガリーキリスト教の出発点であり、現存する最古のキリス

ト教会である。「清貧と貞潔」を旨とし、ひたすら祈るベネディクト派修道院だが、現在中学+高校一貫

校と老人ホームを経営している。日本で言えば灘開成並の優秀校で、この日案内してくれたのは17

の学生だった。礼拝堂は修復中で見ることは出来なかったが、地下には今年7月亡くなったハプスブ

ルグ家の末裔オットー・ハプスブルグ氏の墓があった。ここの古文書館は素晴らしい!30万冊以上の

蔵書を誇り、その中にはハンガリーの言語であるマジャール語の最古の公文書もある。ここは現在も

使用されている現役の古文書館なのだ。創設1000年目の1996年ユネスコ世界遺産に登録された。

夜 ヴェスプレーム 「ヴィッラ・メディチ」 セモリナ団子のコンソメスープ、仔牛のシュニッツェル、

ホットチョコレートケーキ、ビール大 650ft、白ワイン、赤ワイン 500ft、(サービスの)スパーク

リングワイン 4杯

  

    ボリュームあります!

パンノンハルマ修道院の古文書館の天井には、4つの学問の絵が描かれていた。学問とは4種類しか

なかったらしい。即ち、天文学、法学、神学、医学。私ダメだわ、どれも。今日一日太陽は顔を見せなか

ったなぁ。夕方宿泊地のヴェスプレームに到着。ホテルの名前は「ヴィッラ・メディチ」。あのメディチ家と

は何の関係も無いのだった。夕食は敷地内にあるレストランで。大きなビールと白ワイン、赤ワインの

アルコール3点セットの合計が1650ft。×0.4660円!何て安いのだ!味もいいし、安いし、こりゃぁ

ハンガリーにいる間、ガブガブ飲めるぞぉ、おっー!あほっ。その上、同じテーブルに坐った3人がどな

たも飲まないということで、サービスのスパークリングワイン4杯全部飲んじゃった。今夜は参加者の自

己紹介があった。ご夫婦4組、女性友人同士3組、1人参加男1女318人。地域別では関東8名、

中部2名、関西8名なのだが、関東組のご夫婦が京都出身ということで、関西弁がマジョリティなのだ。

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10月 13日(木) 午前中小雨 午後から晴れ!

朝 ヴェスプレーム 「ヴィッラ・メディチ」 朝食ヴュッフェ

  

18世紀後半建てられた司教館           イシュトバーン王とギゼラ妃像              大聖堂  

昨夜は夜中の3時半トイレに起きてから眠れなくなった。それでも目を瞑って横たわっていれば休息に

なるからゴロゴロていたが、545分にはベッドから出る。何だか食欲が余りないので、朝食はちょび

っとにした。二日酔ちゃうます?8時半出発してすぐ下車し、ヴェスプレームの市内見学。この町はハン

ガリーで初めて司教が置かれた町であり、初代王であるイシュトバーン王妃ギゼラが王から賜った土

地でもある。この地で王妃として戴冠式を行ったことから「妃の町」の異名を持つそうだ。ギゼラってヘ

ンテコな名前だと思ったら英語読みではジゼルですって。石畳の城通りを歩いていると、おっ!猫だ。

午前中のお茶 ヘレンド喫茶ルーム コーヒー

  

  

ハンガリーを代表する名窯の一つヘレンドに行く。見学コースの初っ端はヘレンドのビデオ鑑賞。だが

もう一つの日本人グループとかちあってしまい、先を譲って喫茶ルームでお茶を飲むことになった。喫

茶ルームの隣は売店。四半世紀前に来た時は、さんざん迷った結果、キヨブタ(清水の舞台・・・)でコ

ーヒー茶碗セット2客を買ったことをよく覚えている。お金の問題もさることながら、旅の間ずっと割れ物

を持って歩くシンドサを考えると考えてしまうのだよ。今回はどうすっかなぁ。ビデオの次は製作工程の

ミニ工房見学。轆轤回し、型抜き、透かし彫り、薔薇作り、動物物のセッティング・・・見事にこなしていく

女性技術者達、さすがやねぇ。薔薇は1600個も作るんですってよ。結局は何も買わなかったのだ。

昼 ヘレンド 「BANDI UDVARHAZ」 豆とベーコンのヨーカイスープ、サラダ、チキンブレストとポー

       クテンダーロンのロースト、カテージパイ、ニワトコジュース 300ft

  

    ハンガリーの海バラトン湖

ヘレンドの売店で買い物した人達が集合時間になってもバスに戻って来ない。どうしたんだ?え?ロシ

ア人が700万円もの買い物をして、売店のスタッフはそれに掛りきりになってしまったのだとか。700

円?どんな金持ちが知らんが、ヤダネェ、ふらっと来てそんな高額な買い物する人って。金持ちロシア

人のお陰で、私達の昼食は30分遅れになった。車で10分程走った農家レストラン。人柄の良いおば

ちゃんが給仕してくれたが、豚肉はエラク塩辛くて一口食べて残す。でも、猫がたくさんいたから許す。

夜 リラフレッド 「城館風パロタホテル」 ガチョウのローストオレンジソース、キャットフィッシュ(鯰)

      のローストと温野菜、洋梨のデザート、ビール大 600ft、白ワイン 600ft、赤ワイン 480ft

  

内陸国「ハンガリーの海」と呼ばれるバラトン湖で写真ストップしてから、バスはひたすら北東を目指し

て走る。途中首都ブダペスト市内を走り抜けて高速道路3号線に乗る。先を急いでいたから走り続けた

が、ここでようやくトイレ休憩。ナニ?ガソリンスタンド併設のショップのトイレはたった1個だけ?私は1

番だったけど、参加者18名+添乗員のT橋さん、日本人スルーガイドのK谷さん、ドライバーのヤー

ヌシの21名が交替でね・・・20分以上かかった。走っている間は、ガイドK谷さんの独壇場。在ハンガ

リー16年の彼女は、その豊富な経験を元に詳細なハンガリー生活を語ってくれるから生きた話を聞け

る反面、疲れている時は耳栓が欲しかったりして。第3の都市ミシュコルツの郊外にある城館風ホテル

に到着したのは、日もとっぷりくれた午後8時前。自慢の建物も真っ暗だから見えないよ。30分後遅い

夕食が始まった。フランスと並んでフォアグラ生産国のハンガリーはガチョウの肝臓でフォグラを作る。

羽根は世界有数の羽毛布団となるのだ。前菜はそのガチョウのローストだった。メインはキャットフィッ

シュ。それナニ?鯰です。秋篠宮様がお好きなね。海の無いこの国では鯰はポピュラーな魚だそうで。

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10月 14日(金) 晴れ

朝 リラフレッド 「城館風パロタホテル」 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン

     

                             避暑地リラフレッドに建つネオルネッサンス様式の城館風ホテルパロタの外観

昨夜大S子さんから驚愕の携帯メールが来た。続いて、枕元に置いてある携帯が午前2時と4時にメ

ール音を発して、その度に飛び起きた。7時1番に朝食レストランに行く。ほぅ、料理数結構多いじゃな

いの。しかもハンガリー料理が多くていいね。朝食後、ホテルの外を散歩。山の中のホテルだからエラ

ク寒い。ホテル前の人造湖を取り囲む山々の葉が色づき始めている。紅くなる葉はなくほとんど黄色に

色づいている。昨夜到着した時見えなかったホテルの外観を改めて見てみると、なるほど城館風だね。

   

       トカイ地方に広がる葡萄畑         貴腐ワイン(トカイ・アスー)で有名なトカイは世界遺産に登録されている

               

           一番大きなワイナリーでワインティスティング   10時半過ぎから6種類ティスティング          これが貴腐ワイン!

9時、山間にあるホテルを出発し、東にあるトカイを目指す。Tokajと書いてトカイ。言わずと知れた貴

腐ワインで有名なワイン産地である。貴腐ワインとはカンタンに言えばカビによって変質したぶどうを使

って造るワインのこと。収穫期を過ぎたぶどうにポトリティス・シネレア菌が附着するとぶどうの皮の表

面にあるロウ質が溶けて中の水分が蒸発し、果実に房がついたまま干しぶどう状態になる。この状態

を貴腐と言って、とんでもなく甘いぶどうになるのだよ。しかし、土壌、水質、日照時間や気温等の気象

条件などがすべて整わないとこの状態にならないし、世界ではトカイとドイツのラインガウ産、フランス

ボルドー地方ソーテルヌ産の3ヶ所でしか貴腐ワインは造れない。希少なワインなのだ。トカイに到着

すると、今が貴腐ぶどうの収穫期ということで、町は人通りも少ない。一番大きなワイナリーで6種のワ

インのティスティングだ。今年は4月に南アフリカ・ケープタウンのフランシュフックでも、7月はフランス

のブルゴーニュやシャンパーニュ地方で、そして今日とワインティスティングをよくやる年であること

昼 トカイ 「QUSTEAU MAD  UDVARHAZ」 チキンのクリームスープ、鹿肉のプルクルト、

      持参のふすまパン、チーズダンプリングとシナモンサワークリーム

       北東部最大、ハンガリー第3の都市ミシュコルツ。共産圏時代は工業が盛んだった町

貴腐ワインを世界で最初に生産したトカイは2002年に世界遺産に登録された。「トカイワイン産地の歴

史的文化的景観」ということで。その景観を眺めながら、隣町のマードのお洒落なレストランでランチ。

レストランの前で美しい女性が流暢な日本語で「いらっしゃいませ!お待ちしておりました」と出迎えてく

れたので皆びっくり!ハンガリーでは、日本語、中国語、ヘブライ語が超人気なんですってよ。レストラ

ンは雰囲気は良かったが、メインの鹿肉がどうにも硬くってね・・・。帰り道、ミシュコルツの町を散策。人

口20万人の第3の都市だけあって、トラムも走っているし、国立劇場が5つもあって賑やか。共産圏時

代はソ連指導のコメコン体制で重工業をやらされていた(苦笑)町だ。ショッピングモールで自由時間。   

夜 リラフレッド 「城館風パロタホテル」 カワカマスのフィレほうれん草とマッシュルーム添え、仔

       牛のロースト、フルーツサラダ、ビール大 600ft、白ワイン 600ft、赤ワイン 480ft2杯

  

夕食は7時半から。海の無いハンガリーでは、魚摂取量が年間5`と日本人と較べて極めて少ないの

だそうだ。それも食べるのは淡水魚がほとんどだから、鯉とか鯰とか、そして本日前菜に出た川カマス

とかね。こうして毎日のように魚が出て来るのは、私達の口に合わせてメニューを作ってくれているか

ら。私は毎日肉でもいいんだけどね。オマエはハンガリー人か!京都ご出身のT夫妻やK夫妻と食事

の度にお喋りするのが楽しい。この夜の3点セット(ビールは大で、ワインもダブルだったけど)の合計

金額は2160ftだったのだが、ホテル担当者の計算ミスで2060ftになった。わーい!40円儲けたぁ!

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10月 15日(土) 晴れ午後から曇り

朝 リラフレッド 「城館風パロタホテル」 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン

2時半に足が攣って例のツムラ68を飲んだが、5時にも足が攣って眠れなくなった。そのまま起きるこ

とにした。ブルブルッ!山の中の朝は寒いですなぁ。外を見ると霜が下りたようだ。朝ご飯をモリモリ食

べる。出発時間の8時半になっても気温は8度位にしか上がらない。山の木々がいっそう黄色になる。

  

ハンガリー固有の動物達」角がネジレているラッカ羊   長い角がある灰色牛      巻き毛が生えているマンガリッチァ豚

11時、大平原プスタが広がるホルトバージ国立公園は広さ7万haで自然保護区に指定されている。こ

の地域は、ハンガリー人祖先の騎馬遊牧民族が、ウラル山脈から移住して来て最初に足を踏み入れ

た場所。夏はムッチャ暑く、冬はドエラク寒いと聞く。この地にはハンガリー固有の動物がたくさんいると

いうので、小さな動物園に行ってみた。なるほど、角がネジくれたラッカ羊とか、角がニョキっと長い灰

色牛、巻き毛状の体毛があるマンガリッツァ豚とか面白いなぁ。このマンガリッツァ豚はコレステロール

がゼロなのでイベリコ豚などよりずっと人気になるのではないか、とガイド嬢は睨んでいるのだそうだ。

昼 ホルトバージ 「HORTOBAGY CSARDA」 グヤーシュスープ、鱒のローストとポテト、キュ

      ウリのサラダ、持参のふすまパン、サワーチェリーパイ、エスプレッソ 290ft

  

300年前のハンガリー最古の農家風レストランでランチ。ここで楽しみにしていたグヤーシュスープが

登場。あらら?私が長年記憶していたスープと見た目も味も全然ちゃうわ・・・。おかしいなぁ。ガックシ。

       人馬いったいとなった芸コマの馬術ショー。こんな関係になるまでどの位訓練したのだろう

  

            5頭の馬を見事に乗りこなす「プスタ5頭立て馬術ショー」は大迫力!!暫し見惚れた・・・

昼食の後は馬車に乗ってプスタを走る。これが寒い。とんでもなく寒い。皆さん馬車の上で震えている。

かなり走ったところでマンガリッツァ豚の厩舎があり、とうもろこしの餌を撒いた。馬車は再び動き出し、

延々と走る。寒い!鼻水が垂れだした・・・。寒い!遠くでたくさんの水牛が草を食べている。案内役の

太ったおばさんが、あれは水牛だ・・・というようなことを大声で7台の馬車ごとに叫ぶ。時間がかかる。

寒い・・・。こんなことで1時間。もう帰ろうよ、という雰囲気の中で、ようやくグヤーシュ2人による馬と鞭

の芸の披露があった。なるほどねぇ、馬も訓練すると坐ったりするんだぁ。しかし、それで芸披露は終わ

りで希望者を馬に乗せるサービスが始まる。これっきり?寒さと怒りでワナワナし始めたところで、よう

やく真打登場。プスタの真ん中に5頭の馬を引き連れた男性が1人。これが噂の「プスタ5頭立て馬術

ショー」!前列3頭の馬を操りながら、後列2頭の馬に乗って、凄いスピードでプスタを丸く走る。ド迫

力。5頭の馬と乗る人間の気持ちがピッタリ合わなければこんな芸当は出来ない。凄い!!痺れたよ。

夜 ケチケメート 「アラニーホモックホテル」 マッシュルームスープ、チーズコーティングポークメ

      ダイヨンローズマリー風味、持参のふすまパン、フルーツサラダパフェ、杏のパーリンカ 

     1000ft、ビール大 700ft、白ワイン 400ft、赤ワイン 400ft

   

あまりの寒さに、手の指の感覚が無くなり、2時間ほど痺れっぱなしだった。ケチケメートに向かうバス

の中では、あんな寒い経験したのは何十年ぶりだったとか、指の感覚がようやく戻って来たとか、興奮

の余韻が暫らく続いていた。3時間の移動でケチケメートに到着。これまで山の中で2泊し、今日はプス

タにいたから、町のど真中のホテルで戸惑うよ。ケチケメートは杏のパーリンカという酒が名物というの

でいつものアルコール3点セットに追加した。果物で作った焼酎って感じね。このホテルの料理は旨い。

                       ________________

10月 16日(日) 晴れ

朝 ケチケメート 「アラニーホモックホテル」 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン

    朝焼けが美しい

6時に目覚まし時計と携帯をセットしたが無用であった。6時になるかならぬ頃、ホテルの窓から見える

あちこちの教会の鐘が鳴り出した。特に、すぐ前にある「古い教会」(そうゆう名前なのです)の鐘の音

は大きく、しかもたっぷり3分は鳴っていた。今日は日曜日だから「早起きしてミサに来いよ〜!」って言

っているのだろうか。夕食も旨かったが、朝食も旨い。バスに手荷物を置いてから、市内の散策に行く。

  

       レヒネル設計の市庁舎(1896年完成)    コダーイ音楽研究所から歌声が聞こえた     カルヴァン派教会

ケチケメート。ケチケは山羊という意味なのだそうだ。音楽家のコダーイを生んだ町でもある。古い教会

の隣にはハンガリーのアール・ヌーボー建築家レヒネル・エデンの設計した市庁舎がある。100年以上

経っても色褪せないピンクの建物には丸く切られた窓。毎正時には、コダーイの「ハーリー・ヤーノシュ」

の曲がカリオンで流れるのだそうだ。コダーイはこの町で生まれ、1歳違いのバルトークと親しい友人

同士であったそうだが、2人で国内を隈なく回って土地の音楽を譜面にしていった。その後バルトーク

はアメリカに亡命してしまうが、コダーイはこの地に音楽教育のための音楽研究所を建てた。緑の町。

  

   色鮮やかなカロチャ刺繍製品             ミシンで巧みに刺繍が出来上がっていく           刺繍を披露してくれた3人のお婆ちゃん

10時バスでカロチャに向けて移動。1時間でカロチャ「民芸の家」に到着した。カロチャは、カロチャ刺

繍とパプリカで有名な街。陽の当る中庭では、私達グループのために来てくれた小柄なお婆ちゃん3

人が、刺繍や卵の絵入れなどの実演を披露してくれた。既婚女性用の民族衣装を着て、写真のモデル

もつとめてくれる。いい笑顔だなぁ。よく考えれば、自分だって「お婆ちゃん」と呼ばれて無視も出来ない

年齢になってしまったが、こんな優しい笑顔は出来んなぁ、人間が出来ておらん。伝統的な古民家の中

も見学した。そうか、年寄りは若夫婦に温かい部屋を提供して自分達は寒い部屋でガマンしたのだな。

やっぱり私には出来んなぁ。カロチャ刺繍は止めにして、パプリカどっさり買い込んだ。グヤーシュね。

昼 カロチャ 「BAKOD」 チーズスープ、スタッフドチキン、持参のふすまパン、ミルクパイ、カプチーノ 

  

  

ランチはカロチャ郊外の牧場レストランで。途中からグヤシュの出迎えがあり、食事の間は民族楽器の

演奏があり、ロバもガラスに顔を押し付けて熱烈大歓迎!大きな窓からは、馬、灰色牛、羊、ロバなど

が草を食む牧場が一望出来る。いいところだなぁ。しかし、だだっ広いレストランには客は私達グループ

しかいないのだった。冬ムチャ寒いハンガリーでは、こうした観光牧場&牧場レストランは今月一杯で

営業を終了するという。この国のサラダは、塩で揉んでから甘酢で和えてある。これがサッパリ旨い!

夜 ビカル 「城館ホテル プフナー」 ミックスサラダ、カワカマスのピカタ、持参のふすまパン、ティ

ラミス、ビール大 660ft、白ワイン 400ft、赤ワイン 400ft×2杯、パーリンカ3杯(サービス)

  

    パーリンカは強い!

バスは南西に向けて走る。クロアチアに近い南の街ペーチの郊外(60`近く離れているけど)、ビカル

を目指す。ビカルには何があるかと言えば、城館ホテル。もう少しでそこに到着するという所で思わぬ

障害が・・・・。我々をウィーンから乗せて走っているバスは特大。前方にあるトンネルが低く、通過出来

ないことが判明!泣く泣く大回りして遠回りしてようやくホテルに着いたのは5時だった。そんな苦労し

て行ったホテルなのに、え?これが城館ホテル?って感じがしないでもない。しかも部屋によって、広い

ところ、狭いところ、屋根裏部屋・・いろいろありまして、また一騒動。私は運が良くて、エレベーター無し

の屋根裏3階ではあるものの2部屋あった。それかどうか、豪華風のレストランの夕食なのに、皆さん

たいしてお洒落もして来ないのだった。ホテルからお詫びなのかは知らんが、胡桃利のパーリンカがサ

ービスされた。アルコール度数40度。イラナイという人からの分も回って来て3杯飲んだよ。ひっく!

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【今週の振り返り】

ずい分昔ハンガリーに来た時の話だ。たぶん首都のブダペストの近郊だったと思うのだが、農家風の

レストランで昼食を食べた。その時出会ったのがグヤーシュスープである。そこでは店の真ん中に釜の

ような大鍋が設えてあり、その大鍋に溢れるほどたっぷりグヤーシュスープがグツグツと煮えていた。

グヤーシュスープとは、牛肉とじゃが芋、人参、玉葱といった一般的なシチュウの材料を必須のパプリ

カ粉で味付けるシチュウ料理である。ハンガリー人にとっては、味噌汁のような存在らしい。その時食

べたグヤーシュが信じられないほど旨かった!旨くて旨くて・・・涙が出るほど旨かったのだ。最初の1

杯は大きなシチュウ皿にもられたが、あとはお替り自由!ワオッ!天にも昇る嬉しさだった。その時の

メイン料理が何であったか記憶がない。食べなかったのだから。メインは要らないから私はグヤーシュ

を食べる!と宣言してお替りを繰り返した。5杯食べた、大きなシチュウ皿で・・・。当然のように食後は

ゲップが出たが(オヤジのようだ!下品!)パプリカの匂いがした。その日の夕食はパスして、というか

夜になっても満腹感は消えず、ずっとホテルのベッドに大の字になってひっくり返っていた。以来、ハン

ガリーのグヤーシュスープは、青森の鯵ヶ沢海岸辺りのドライブインで食べたじゃっぱ汁と共に、私の

「ベスト汁もの」となったのだ。

牛の群れのことをハンガリー語で「グヤ」と言い、牛飼いは「S」をつけてグヤーシュと言うらしい。「S」は

「シュ」と発音するのだと。因みに首都ブタペストはハンガリー語ではブタペシュト。Sがつくからね。頭に

アクセントをつけてブタペシュトというんだってさ。その牛飼いグヤーシュは、ご主人が食べた牛肉の残

りを貰い、量を増やすために野菜と水でグツグツ煮込んで食べたのがグヤーシュスープというわけだ。

周辺国を旅した時もグヤーシュを何度か食べたことがあるが、ハンガリーのグヤーシュスープとは全く

別のものだった。そんな思い出があるので今回ハンガリーを旅することになって、グヤーシュスープを

を食べることは1番の楽しみであった。ところが・・・。15日の土曜日、ハンガリーで一番古い農家レスト

ランで食べてみたら旨くない。とても小さなグヤーシュ鍋に盛り切りだったということだけでもかなりガッ

カリしたのだが、食べてみたら味も良くないのだよ。塩もきつ過ぎるし・・・。ハンガリー語で「旨くないよ」

は「ネム テッツィク!」。長年、小さな胸(私の)で温め続けて来たグヤーシュスープに対する愛がホル

トバージのプスタに風と共に消えていく・・・。涙こそ流れなかったが、落胆は大きい。しかしだ、このハン

ガリー旅行の間、もう1回グヤーシュスープを食べる機会があるじゃないか。その時は、是非「ナジョン 

フィノム!」旨い!と言ってみたい。OKは「ヨー」だ。大いに「ヨーヨー」と言いたいぞ。

              もっと心を広くもちニャさいよ      フン!

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      ハンガリー旅行の途中ではありますが、ちょっこし出かけて参ります。

また溜まってしまっていますがね、お許しを。

次回は118日頃アップできるかも・・・・