パクパク日記11年11月1週
韓国6日間のうち2泊3日は豪華観光列車ヘラン号で世界遺産の村を訪ねた
河回村の仮面劇
景福宮・衛兵交代式に向かう
10月 31日(月) 韓国・扶余は晴れ 韓国1000ウォン=約72円
朝 扶余ロッテリゾート ミッパンチャン(キボンチャン改め)、松茸とアサリの味噌汁、ご飯、持参のふ
すまパン
6時起床。さぶ〜〜!ブルブルの寒さである。昨夜ホテルに帰ってから持参のウィスキーを飲みながら
宮部みゆきの「おまえさん」下巻を読み終わった。人気シリーズの書きおろしを単行本と文庫本同時発
売したことで話題になった。しばし楽しんだ弓之助君とお別れするかと思うと寂しい。私に限らずこのシ
リーズの愛読者の9割以上は弓之助君の魅力にコロッとまいってしまっていると思うよ。次登場する時
も、あまり大きくなっていないでね。朝食は7時半から全員で。渡り廊下を歩く時の寒さったら無かった。
いろいろオカズのキボンチャンとグツグツ煮えている松茸とアサリの味噌汁。ふすまパンは合わんね。
明日からヘラン号に一緒に乗り込む関西組と朝食会場で一緒になった。あちらの参加者は15名だ。
韓国料理でメインの食事の他に出て来るキムチやナムルなどのオカズのことをキボンチャンと言うのだ
と聞いたのだが、一般的にはミッパンチャンの方が相応しいらしい。今週からミッパンチャンにします。
「白村江の戦い」が行われた白馬江
多くの女官達が飛び降りた落花岩 紅葉が美しかった!
そうそう、このホテルの客室にはシャワートイレが付いている!どんな高級ホテルに泊まっても、外国で
は日本のスグレモノの1つ「シャワートイレ」が付いていないことを長年不思議に思っていた。しかし、1
年前完成したこのロッテホテルにはチャンとあったのだよ。ロッテだから日本の情報には敏感なのか?
9時半扶余に向けて出発。扶余は6世紀から7世紀にかけて朝鮮半島三国(高句麗・百済・新羅)時代
の百済最後の都・泗沘(シビ)があった場所である。昨年秋、泗沘宮を復元した大型テーマパーク、「百
済文化団地」がオープンし、宿泊しているホテル、ロッテリゾートもその一環として建てられたらしい。で
も我々は団地には行かないよ。かつて百済王宮があったとされる扶蘇山城(プソサンソン)に登る。山と
言っても坂道がだらだら続く位だから私も文句を言わずに登る。三忠祠。紅葉がきれいだなぁ!半月楼
にはぁはぁ息を切らせて上り、扶余市内を眺める。東屋の百花亭の下には落花岩がある。ここは白村
江の戦いで敗れた百済落城の時、宮廷女官達が忠節と節操をまもるために遥か下に流れる白馬江に
次々と身を投げた岩である。その姿はまるで花が落ちていくようだったということで落花岩と呼ばれてい
る。その女官達の霊を慰めるため建てられた皐蘭寺が絶壁の中腹にあり、急な下り坂に大苦労した。
昼 扶余 「百済の家」 ミッパンチャン、牛肉と野菜鍋、蓮の葉おこわ、持参のふすまパン
蓮の葉おこわは扶余名物
韓国の4大河川の一つ「錦江」は、扶余に入ると「白馬江」と呼ばれるようになる。社会科の教科書にあ
った「白村江の戦い」が行われた川でもある。皐蘭寺の下の白馬江から百済時代の木造船を模した遊
覧船に乗る。下から落花岩を撮影して1400年前の女性達の無念に浸ろうなんて思ったら遊覧船では
韓国歌謡曲らしき大衆曲がガンガンと流れて情緒はゼロであった。昼食は扶蘇山城登山道すぐ近くの
「百済の家」。たくさんのキボンチャンの他に牛肉と野菜の鍋もあれば、扶余名物蓮の葉ご飯もあった。
武王(薯童)35年に造られた韓国最初の人口池・宮南池 定林寺址の最古の塔 百済の古城・公山城
宮南池付近には、薯童(のちの30代王武王)と新羅王の娘・善花姫の国境を越えたロマンス伝説が伝
わっているとか。私は知らんが韓流ドラマに嵌まっている人達は「薯童謡(ソドンヨ)」というドラマに頭が
行くらしくて、「あぁ、あぁ、あれね」なんて言う。宮南池は、全盛時代の10分の1になってしまったそうだ
が、蓮の花の季節は素晴らしい風景になるらしいよ。少し足を延ばして公州へ。ここは扶余より昔475
年から63年間百済の都が置かれた場所である。錦江を望む高台の城址跡に上ってみると良い景色!
宋山里古墳群の武寧王陵入り口
青竜・白虎・朱雀・玄武の四神図が描かれた墓 王の金製冠装飾(映像)
古今東西、王の墓というものは盗掘や破壊に遭うことが多く、葬られた時の姿を保っているものは極稀
である。ここ韓国でも1971年偶然発見された武寧王の墳墓は盗掘に遭わなかったため保存状態が良
く、貴重な墳墓である。523年没した武寧王の墳墓からは金製冠を始め豪華絢爛な装飾品などが出土
した。地下に作られた宋山里古墳群模型館。コピーであっても立派なお墓で「私もこんなのがいい!」。
午後のおやつ 公州で買い食い アイスクリーム 1000w
夜 扶余ロッテリゾート ミッパンチャン、鯖塩焼き、ワカメとアサリ味噌汁、トッカルビ、持参のふすまパ
ン生ビール大 7千w、キイチゴ酒 1万7千w
4時過ぎホテルに帰る。いや〜、今日はあっちゃこっちゃ見学して1万歩は優に超える位歩いたから疲
れたぞ。ゆっくりお風呂に入って、明日の準備。明日からヘラン号によるレールクルーズ2泊3日の旅
が始まる。客室は狭いのでスーツケースは邪魔になる。そこで、2泊3日用の荷物を別に纏める必要が
あるわけさ。夕食はホテルのレストランで。テーブルとイスで嬉しい。メニューが読み上げられ、「おっ!
かば焼きかぁ」と嬉しそうに言ったら、N村さんの奥さんから「夢子さん、鯖焼きですよ!蒲焼じゃなく
て!」。うなぎは幻想で終わり鯖が登場したが、いいもん、私鯖も大好き。たくさんのキボンチャンに鯖
焼き、それにたっぷりのプルコギで「おぉご馳走!」と思っていたら、そこに立派なハンバーグが登場!
韓国料理にナシてハンバーグ?それはトッカルビと言うのだ。エライ人に出すためカルビ肉をとんとん
と包丁で叩きに叩いて作った料理なんだとか。キイチゴ酒は1万7千wもするが100%果汁で旨い!
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11月 1日(火) 扶余〜浦頂は晴れ
朝 扶余ロッテリゾート 洋朝食セット、持参のふすまパン
今日は7時20分出発なので5時起床。ソウルのホテルに送るスーツケースと、ヘラン号に持って行く
荷物それぞれの準備をして朝食へ。ヴュッフェスタイルでは無いこのホテルは指定された時間に行か
ねばならない。しかも、こんな早い出発でもオープン時間を10分早めただけだ。融通がきかないねぇ。
今朝のセットメニューは卵とハム・ベーコン、パンのウェスタンスタイル。急いで食べると消化に悪いぞ。
ブルーの車体のヘラン号 デラックスルームはダブルベッド 全室シャワー&トイレ完備
ヘラン号の客室通路 5号車はラウンジカー ヘラン号スタッフによる歓迎会
バスで大田(テジョン)駅に向かう。今日で百済ともお別れだ。乗ること1時間余、8時半には大田駅に
到着。大きな町の大きな駅だ。ここで2泊3日過す客室の鍵を受け取る。私は7号車のデラックスルー
ム7−241号室だ。5番線で待つこと暫し、予定より少し遅れて9時12分ブルーの車体のヘラン号入
線。乗り込んで個室でボーっとしていたら、3分後の9時15分には発車した。やけに揺れるじゃないか。
ダブルベッドで殆ど部屋は占有され、思っていたよりずっと狭いな。私は1人だが、ここで定員である2
人乗ったらゼッタイ喧嘩しそう。「貴重な空気吸うな!」なんて言い合って。テレビがある。NHK海外が
映る。隣は洗面所・シャワー室&トイレだ。1時間半後、ラウンジカーで説明会と歓迎会が開かれた。ヘ
ラン号についての説明の後、6名の若い男女スタッフによる歓迎芸能大会。全員によるアカペラのコー
ラス、美人女性の韓国琴の演奏、そして最年少男性の見事な手品などが行われた。フレンドリーだね。
昼 浦頂 「一味」 ミッパンチャン、タラ鍋スープ、ご飯、持参のふすまパン
ベッドに腰掛けて車窓から流れる風景をぼんやりと眺める。日本の地方とほぼ変わりが無いように思う。
ただ、日本に較べて圧倒的に教会が多いか。12時43分浦頂(ポハン)駅到着。このヘラン号には食堂
車はあるが、食事のサービスは無い。駅の前には、我々関東組と、関西組用に2台の大型バスが用意
されていた。このバスで食事と観光場所に向かうのだ。「一味」というレストランでランチ。タラ鍋のスー
プがメインだったが、可も無し不可も無し。板の間がツライ。食後良洞古村に行く予定であったが、ヘラ
ン号のサプライズ企画で、浦頂市にある世界でも指折りの製鉄会社「POSCO」の見学に行くという。ま
ぁそれもいいが時間的に大丈夫?撮影はゼッタイダメと禁止されたので、掲載するカットはありません。
良洞民俗マウル(ヤンドンミンソンマウル)は、朝鮮時代の暮らしがそのまま残り、2010年世界遺産に登録された
「POSCO」の見学で時間を取られたので、肝心の良洞古村に到着したのは4時過ぎてしまった。あぁ、
いいねぇ、この雰囲気。あらら、またカメラのニコン君の調子が悪いぞ。この前入院させて徹底的に直し
て貰ったハズなのになぁ。さて、マウルとは「村」という意味。このマウルの主役である宗家はふたつの
両班氏族。両班とは朝鮮時代(14世紀後半から20世紀初期)の支配層を指す。この良洞古村と明日
行く河回村は韓国の氏族村の中でも最も古い歴史を持つ。素朴の中にもキリリとした背骨を感じる村。
夜−1 浦頂 「海鮮料理 マラドゥ」 ミッパンチャン、刺し身盛り合せ(めばる・平目・イカ・鯖・鰈)、
ムルヘェ、持参のふすまパン、ビール 5千w、キイチゴ酒 1万5千w
見学開始時間が遅かったので村を歩き終わった1時間半後にはとっぷり日が暮れてしまった。柿の
実が残る古い家の台所から煮炊きの煙が立ち昇り、白い犬が吼えていた。バスで浦頂市内に戻って、
「マラドゥ」で夕食を食べる。ヘラン号では食事出来ないからね。豪華な刺し身や蟹だの海鮮鍋など海
鮮料理が食べきれない程並ぶ。キイチゴ酒がすっかり気に入ってしまい、今日で3夜連続で飲んだよ。
夜―1 ヘラン号ラウンジカー 贅沢なつまみ、赤ワイン数杯
ヘラン号では歌手を迎えてミニコンサート
午後8時、ほろ酔い気分でヘラン号に戻る。8時10分からラウンジカーでミニコンサートが始まった。
名前は聞き忘れたが、男性プロ歌手が乗り込み、慶州までのひと時ギターを片手に歌ってくれた。最後
にリクエスト曲はと問われ、韓流ドラマフェチのM原さんは、すかさず「冬ソナ」の主題歌「最初から今ま
で」をリクエスト。一緒に歌っていた。歌手が下車してからも宴会は続く。酒は無料だし・・・皆ガブ飲み。
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11月 2日(水) 慶州は曇り 安東は晴れ パレスチナ国連加盟
朝 慶州 「メットルスン豆腐」 ミッパンチャン、スントヴチゲ、ご飯、持参のふすまパン
4時半起床。何しろ今朝は6時25分出発なのだよ。ヘラン号のシャワールームを初めて使ってみた。
エラク狭くてタイヘンである。でも、ちゃんとお湯も出たからカラダも髪も洗った。昨夜から列車は慶州駅
に停車しているだけでも有り難いと思わなくっちゃね。列車内で食事が出来ないということは、朝食も外
で食べるのだ。未だ日は上がっていないから薄暗い。バスで「メットルスン豆腐」へ。辛くない豆腐チゲ。
慶州の世界遺産、石窟庵と仏国寺は紅葉真っ盛り。多くの見学者で賑わっていた
ヘラン号で大田駅から慶州まで来た。三国時代で言えば、百済から新羅に来たということだ。慶州はそ
の新羅の都として千年近く政治・文化の中心地であった。仏教が国教であった統一新羅時代の8世紀
半ば創建された仏国寺と石窟庵は共に現在世界遺産である。豆腐の朝食を摂った後早速石窟庵に向
かった。広い駐車場には3台の車が。4着かぁ。フラットな歩き易い女坂を約1`歩くと、石窟庵が見え
て来た。1枚の花崗岩で造られた釈迦如来挫像は高さ3,5m。新羅仏教美術で最も美しいと言われる
だけあって崇高なお姿であった。女坂の帰り道は、幅広くい道が既に溢れる程の観光客が溢れていた。
続いて仏国寺へ。ここは既に観光客で一杯だった。大雄殿、三層石塔、極楽殿を見学。解説に来て下
さった歴史の先生から、仏国寺は豊臣秀吉が、石窟庵は日本陸軍が破壊した話を聞いて、耳が痛い。
昼 ヘラン号食堂車にて 和食弁当、持参のふすまパン、フルーツ
お茶やお菓子が出る食堂車
日本では豊臣秀吉の朝鮮出兵「文禄・慶長の役」なんて言うけれど、韓国では「壬辰倭乱」「丁酉倭乱」
と言うのだ。最近では、日韓中共同研究によって「壬辰戦争」という呼称が提案されているらしい。10時
半慶州駅に戻ったのだが、ヘラン号がホームに入線出来ず30分待って11時ようやく乗ることが出来
た。30分の遅れをスピードアップで取り戻すらしく、揺れが激しくなった。今日の昼食は慶州で仕入れ
た日本食のお弁当。揚げモノが多くてね。こうしてみると韓国料理は健康的な食事だなぁと実感する。
河回別神クッ仮面劇は民俗信仰と密接にかかわる素朴な仮面劇。1980年国の重要無形文化財に指定された
美しい村の河回村(ハフェマウル)には12年前エリザベス女王を迎えた。右端白い服姿男性はリュウシオン氏
午後1時安東駅着。ここからバスで35分、更にシャトルバスに乗り換えてようやく河回村に到着。ギリ
ギリ仮面劇の公演開始に間に合った。河回別神クッ仮面劇は守り神を楽しませる娯神行為として村で
行われて来たが、1928年の祭礼を最後に途絶えていた。それを若者達が1973年復元し、伝統的な
仮面劇公演がまた始まったのだそうだ。無童の場、ジュジの場、白丁の場、老婆の場、破戒僧の場、両
班学者の場など素朴な仮面劇を楽しんだ。公演終盤、100人を越す原色の洋服を着た韓国オバチャン
達がドヤドヤと会場に入って来て、他の客を蹴り飛ばして席を確保する様子を我らはボーゼンと見てい
た・・・・。仮面劇を観た後は河回村を散策。洛東江という河がS字型に村を囲むように流れていること
から河回村と名付けられたのだそうだが、豊川柳氏が600余年代々暮らして着た韓国の代表的な同
姓村であある。朝鮮時代の大儒学者・柳雲竜と文禄の役では現在の首相の重職を担った柳成竜を輩
出した土地でもある。最近では韓流スターのリューシオンの故郷としても知られ、この村の観光客の6
割は日本人なのだそうだ。2010年世界遺産に登録されたが、12年前英国のエリザベス女王が73歳
の誕生日にこの村を訪れて食事をされたのがリューシオンの実家で、村の入り口の記念館にはその時
の写真が展示されていた。確かに彼の実家はリッパなお屋敷であった。瓦屋と藁葺屋が並ぶ村は、落
ち着いた静かさの中にも凛とした背骨のようなものを感じる。帰路、屏山書院に立ち寄り安東に戻る。
夜 安東 「カチグモン」 偽の祭祀料理(ミッパンチャン、イシモチ、カンコドゥンオ(塩鯖)、ホッチェサッ
パプなど)、ビール 5千w,キイチゴ酒 1万3千w
安東市のレストランでは「偽の祭祀料理」という郷土料理を食べる。「偽の祭祀料理」(ホッチェサパプ)
は、祭祀のご馳走をお祭り以外の日も食べたくて作ったというメニューなのだそうだ。内陸の安東であ
るが塩鯖も名物。安東に運ばれる頃塩が馴染んで一番旨くなるらしいよ。夕食後、安東ダム湖に浮ぶ
月映橋まで散歩。ライトアップされて美しかった。8時ヘラン号に戻り、ラウンジで赤ワインをグビグビ。
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11月 3日(木) 正東津・丹陽・ソウルは晴れ
朝 東海 東海グランドホテル ミッパンチャン、プゴクク(干鱈のスープ)、ご飯
昨夜8時半ヘラン号は東海目指して動き出した。5時半に起きるまで、汽車は止まったり走ったり。今
朝は正東津駅で日の出を見学することになっている。隣のホームに青い列車が到着した。あれれ〜、
これもヘラン号だ。現在ヘラン号は正東津駅ホーム停車中の2号が韓国内を走っているんですってさ。
日の出見学のもあり、この旅には寒さ対策万全で来た人達が多かったが、扶余の朝の寒さを最後に韓
国はポカポカが続いている。今日の日の出は残念ながら厚い雲に覆われて見えず。残念!正東津駅
は駅と海が世界一近いということでギネス記録登録されていて、多くの観光客が日の出に集まっていた。
望洋駅で下車して朝ご飯を食べに行く。珍しくホテルのレストランだった。干鱈スープじゃ腹が空く。
午前のおやつ ヘラン号にて チーズケーキ、フルーツ、コーヒー
東海駅からヘラン号に乗り込むとやがてスイッチバックしながらずんずん山を登っていく。10時半過ぎ
韓国最高峰駅の桝田(チュジョン)駅(855m)に到着。下車して全員で記念写真など撮ったのだった。
昼 丹陽 「ダゴン」 ニンニクナムル数種、キムチ数種、タッカルビ、マヌーソッパ(ニンニク炊き込みご
飯)
鏡のように景色を映す南漢江 早くもヘラン号の「さよならパーティ」
午後1時半過ぎ丹陽駅に到着。遅い昼食を摂りに「ダゴン」に行く。有名人もチョクチョク訪れるというレ
ストランらしいが、ここもオンドルの板張り。韓国では大事な客はオンドルでもてなすのがフツーらしい
から、坐るのイヤだとか足痛いなんて言ってはイケナイのね。今日は丹陽名物のニンニク料理。ミッパ
ンチャンの半分くらいはニンニク料理なのだった。タッカルビの後はマヌーソッパというニンニク炊き込
みご飯。栗ご飯かと勘違いした自分が哀しい・・・・。このマヌーソッパはある程度ご飯を食べたら、お湯
(あるいは水)を釜に注いで蓋をする。こうするとオコゲが程良く剥がれオコゲ入りお粥が出来上がる。
ニンニク尽くしのランチ、ニンニク15個は食べただろうか。皆で食べてクサイんだからいいよね。食後
は丹陽見学。遊覧船は南漢江を滑るように進む。水面がまるで鏡のようで、周囲の岩や橋や雲や空を
映してそれは綺麗だ。この船からは「丹陽八景」のうち、三景を眺めることが出来た。バスでヘラン号に
戻る。3時50分ソウルに向けて発車。5時20分からラウンジで「さよならパーティ」が開かれた。ヘラン
号スタッフによる〇×クイズ。10問中9問正解した5人でジャンケンし、赤ワインの賞品をゲットした!
夜 ソウル 「宮廷料理チファジャ国立劇場店」 宮廷料理コース、ビール9200W×2、赤ワイン(サー
ビス)
ヘラン号で走った2泊3日の韓国。多くは牧歌的な田園の景色だったが、最後の1時間は高層ビルや
集合住宅、帰宅を急ぐ人々でごった返す首都近郊の駅などが車窓に現われては過ぎて行くようになっ
た。どんなボンヤリしている人でもソウルに近づいていることに気づく。午後6時40分ソウル駅着。「お
世話になりました〜!さよなら〜!」。ヘラン号のスタッフに別れを告げ、バスで「宮廷料理チファジャ国
立劇場店」に向かう。宮廷料理レストランだけあって、店内は上品にして静か。ビールの値段もこれま
での倍近くするね。日本から唐辛子が伝わるまで、韓国料理は辛くなかった。だからここの料理はちっ
とも辛く無いし、塩味も薄い。上品。でもチャプチェが出て来たのはちょっと意外だった。食事は温麺、
冷麺、ピビンパからの選択で、私は温麺にした。デザートは遠慮したがそれでも満腹でございまするぅ。
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11月 4日(金) ソウルは晴れ
朝 ソウル・グランドアンバサダー 朝食ヴュッフェ
昨夜9時半にグランドアンバサダーホテルにチェックインした。汽車と違ってバスタブはあるし揺れない
しでやっぱりホテルは快適だ。朝食ヴュッフェはウェスタン、韓国、日本料理が揃っている。私はずっと
韓国朝食でも構わないのだが、パン好き紅茶好きK原さんは「ようやく美味しいパンと紅茶にありつい
たぁ」と激しく喜んでいらした。この5日間食べた韓国料理が原因なのか、ずっと血糖値は低いのだよ。
1394年に建てられ200年間王宮として使用された景福宮は豊臣秀吉の壬辰倭乱により焼失したが復元された
今日は午後の出発までフリータイム。延泊するO山さんは単独行動、N村夫妻はガイドを雇ってのソウ
ル見学、ほぼ毎月韓国に来ているM原さんはF永さんを地下鉄やバスで案内というように過し方はそ
れぞれ。私のようにノープランの9名は、添乗員のI澤さんとスルーガイドのカンさんにくっついて行くこ
とにする。楽チンだから。先ずは景福宮(キョンボックン)。以前も来たなぁ、ここ。ガイドカンさんの卒論
テーマが景福宮だったそうで、普段なら気がつかないようなポイントを説明して貰ってラッキーだった。
次は買い物。一番安くて空いている免税店で韓国コスメの土産などを買う。皆さんの目が光っている。
昼 ソウル・韓国銀行裏 「全州会館」 ミッパンチャン、生松茸石焼きビビンパ 1万5000ウォン
ランチはカンさんお気に入りの「全州會舘」。「教えたくないのよ、ホントは。この店の石焼きビビンパは
世界一旨い!」のだそうだ。それなら松茸が乗っている一番豪華なのにしよう。炭水化物オフはこの際
忘れようっと。やがてアチアチの松茸石焼きビビンパが運ばれて来る。かきまぜてかきまぜて・・・よし、
食べよう。・・・ぅんまぁ!何て旨いのだぁ。確かにこれなら世界一かもしれない。もう1杯食べたいぞ!
夜 荒木町 「よつやこくている」 イカボウル 480円、湯豆腐 480円、チキンとセロリ炒め 600円、
野菜炒め 480円、生ビールジョッキ、麦焼酎 @3150円
仁寺洞(インサドン)にちょっと立ち寄ってからホテルに帰り、全員で金浦空港へ。雨が降って来たわぁ。
先週日曜日に韓国に来て以来、毎日晴天に恵まれて来たが、帰ることになった途端の雨。大韓航空で
羽田に到着したのは午後6時半。タクシーで7時半には帰宅した。メールチェックしてから「よつやこく
ている」に飲みに行く。焼酎飲みながら文庫本読んでいたら韓国から帰って来たことを忘れてしまった。
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11月 5日(土) 曇り ソフトバンク8年ぶり日本シリーズ進出!
朝 家食 スパイシーチキン、具だくさん汁、ヨーグルト
昼 浜松町 「PALATIN」 激辛コールマンカレー 1030円、スープ・サラダ・ドリンクセット 620円、
持参のふすまパン
ご飯ちょびっととならいいでしょ?
帰国直後ではあるが、午前中流通センターまでバーゲンに行く。某メーカーの株主招待バーゲン。この
バーゲンに初めて行ったのは30年以上も前だ。以前はY村さんから頂いていたが、今はオジョーから
チケットを貰っている。年に2度バーゲンがあるのに、3回連続海外旅行と重なって2年ぶり。たくさん
買ったのか?いいえ、9枚きり。体重V字回復中でサイズが元に戻ったのがショックでして・・・。いつも
なら段ボールで送るのだが、数が少ないので買い物品は持って帰る。浜松町の「PALATIN」で激辛コ
ールマンカレーを注文。ふすまパンも持って行ったがご飯も少しだけ食べる。やっぱりメシに合うなぁ。
夜 四谷三丁目「鮨処 のがみ」 付き出し:白魚の有馬煮、刺し身:しろイカ(福岡) 940円、戻りカツ
オ(気仙沼) 1260円、ぼたん海老、より抜き小柱(苫小牧)と海苔、焼きたて卵焼き、白魚の有馬
煮アンコール、握り:こはだ(船橋) 2貫、穴子(ツメ)2貫、生ビール2杯、麦焼酎 @8700円
握りは4貫食べた・・・
ペナントレースでは1位になるのに、ナゼかクライマックスシリーズで負けてしまうホークス。そんな数
年間が続いていたが、今年は勝った。8年ぶりに。王さんも喜んでいるだろうなぁ。孫社長が喜んでいる
のはイヤだけど。こうなったら日本シリーズでも勝って下さいよ!夜は「のがみ」に行った。付き出しの
白魚の有馬煮は山椒がピリッと効いて実に旨い。ついお替りをしてしまった。苫小牧のより抜き小柱は
大きくて小柱の味をじっくり楽しめる逸品。パリーグは決まったが、セリーグは中日とヤクルトが戦って
いる。地元に住んでいるのだからヤクルトに勝って欲しいな。え?負けている?握りは3貫だけ食べて
良いというマイルールを作っているが、今夜は4貫いいことにしよ。こはだと穴子。小雨が降って来た。
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11月 6日(日) 雨 中日CS勝利
朝 家食 ヒレ勝つ、キャベツ、プチトマト、実だくさん汁、ヨーグルト、パイナップル
昼 横浜スタジアムの観客席にて コロッケ付きカレーうどん 600円
海外旅行から帰国しても、やれバーゲンだ、今日はアメフットの試合だのと家にいる時間は少ない。と
いうか寝ている時と食べている時以外は自宅にいない。今日からアメフットは第2ステージに入った。第
一ステージの5試合を終えて、上位グループと下位グループに分かれて2試合を行う。うちのチームは
本日横浜スタジアムの第二試合で戦う。朝食ではゲンカツギの「勝つモノ」朝食を摂った。11時M崎君
が黄色のカッコ良い車で迎えに来てくれる。第一試合のシルバースターVSパナソニック電工も観たい
いので早めに来た。やっぱりP電工がSSを圧倒したわな。さぁ、次は我がチームの試合。大S子さん
が来た。一緒に応援しよ。クミチョも来た。ゼッタイ勝てよ〜!ヨッシャ〜!今季初の完封49対0だぁ!
夜 四谷三丁目「炉端焼き 喜怒哀楽」 付き出し、牛すじ煮込み、白子ポン酢、エリンギ焼き、ししゃ
も、安納芋、アスパラ焼き、イカ一夜干し、ジャンボ鶏軟骨つくね、エイヒレ、エンガワのちゃんじゃ、
生ビール×2杯、麦焼酎
M崎クンの車に大S子も送って貰うことに。雨の中応援した甲斐があった。勝利試合後の車の中は、
和やかな空気が流れる。良かった、良かった。大S子と炉端焼き「喜怒哀楽」に行く。昨今「夢子食堂」
化している「喜怒哀楽」だが、先日のオジョーに続き、今日も二人連れで行くことに。健啖家大S子と一
緒だからたくさんの料理を頼めて便利。牛すじ煮込みが旨いね。アメフットの次試合展望に続いての話
題は、彼女が勤務する会社の親会社変更について。そのヘンの事情をフンフン聞きながら焼酎飲む。
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【今週の振り返り】
韓国は3回目だ。最初は16年前に仕事で済州島とソウルを訪ねた。次は3年半前「チャングムの時代
を訪ねて」のテーマでソウル中心の滞在。ソウル以外もせいぜい近郊の龍仁市や水原などに行っただ
けだ。そして今回の旅のタイトルは「秋の百済・新羅と世界遺産の村を巡る ヘラン号・韓国鉄道周遊
の旅」である。食いしん坊夢子としては、久々に韓国料理を堪能したいという思いと、豪華寝台車のヘ
ラン号で周遊することに興味があって参加を決めた。
ヘランとは「太陽と共に」という意味と聞いた。「へ」が太陽、「ラン」が共に。ということは、連ドラ「おひさ
ま」で人気だった井上真央ちゃん演じた「陽子」は「へ子」かぁ・・・なんてバカな話は止めよう。ヘラン号
はもともとはソウルから北朝鮮の平壌、そして中国の北京を結ぶ国際列車を運行するために建造され
た豪華寝台列車であったが、現状は運行可能な政治情勢には程遠い。ならば、と今から3年前の
2008年、韓国国内を走る豪華寝台車として運行サービスを始めた。客車8両に機関車と電源車を加え
た10両編成で、客室はスィート、デラックス、ファミリーの3タイプがあって定員は58名だ。全室個室で
各室にはシャワーとトイレを完備。私は乗ったことは無いが、日本の豪華寝台列車カシオペア(上野=
札幌間)でもデラックス、スィート以外の客室にはシャワーは付いていないそうだ。ヘラン号は2編成あ
り、普段はソウル駅を起点に2泊3日の韓国一周コース、1泊2日で西南部あるいは東南部を周る計3
コースがあって週2回運行している。今回は参加した旅行会社がヘラン号を貸し切ったから、コースも
ヘラン号と相談した独自のプランとなった。
豪華さで言えば、韓国の新幹線に当るKTXの大統領専用車の次、とヘラン号のスタッフは自慢してい
たが、国際的な観点で見ればレベルは高くは無い。私が数年前乗った南アフリカを走るロボスレイル
(パクパク日記6年10月2週参照)などとは較べるべくもない。しかし、若いヘラン号スタッフの手作りの
ようなモテナシの温かさが心地良い列車であることは確かである。食堂車は付いていても、食事サービ
スが無いのも難である。特に朝食も外に食べに行くのはメンドーだった。でも、お茶もお菓子もフルーツ
もビールもワインもすべてフリーというのはとても良い。特にアルコールフリーが個人的にはとても良い
(笑)。赤ワインはチリ産だったが、美味しかったので毎晩ボトル1本位飲んでしまったなぁ。ご馳走さん
でした!
前述した日本のカシオペア号だったら、上野駅から札幌駅(上りはその逆)までの十数ヶ所駅で停車し
ながらヒタスラ走るだけ。つまりは列車で移動することを楽しむ。しかし、ヘラン号の場合は「レールクル
ーズ」をするように旅をするのだ。船のクルーズが船の生活を楽しみながらも寄港する土地の観光も目
的とするように、ヘラン号も周遊するコースの観光を組み込んでいる。停車駅にはチャーターしたバス
が待機していて、ヘラン号スタッフが選りすぐったレストランや観光地に案内してくれる。指定の時間に
列車に戻れば客室は清掃されているし、留守番スタッフがお茶やお酒を準備して待っていてくれる。車
窓の向こうに普段着の韓国を眺めながら、のんびり出来るヘラン号の旅。3度目の韓国もなかなかに
楽しい旅となった。
今回参加されたメンバーの中に韓流ドラマに深く嵌まった方がいらした。「冬ソナ」で夢中になってから
以来ずっと嵌まりっぱなしというから、8年間は嵌まっているということになる。多い年は10回韓国訪問
していて、今年も先月も来たし、来月も来る予定と。私の周囲でも、Sブーが嵌まりっぱなしだし、かつ
ての部下ハルミちゃん、大学時代の同級生K代さんも相当重症韓流ファンだ。この旅でいつも一緒に
食事をしたO山さんは、自己紹介で「初韓国です。教えてください」なんて殊勝な挨拶をしたのに、日の
出を見るべく停車した正東津駅では、「ここは「砂時計」というドラマのロケ地で有名になったけど、実は
「ベートーベン・ウィルス」というドラマも撮影された所で、駅の端っこにプレートを見つけて嬉しかった」
なんてサラリと言うのである。今回買い直した「地球の歩き方」韓国編の巻頭特集16ページが「韓国ド
ラマから入る旅」であった。それによると、10月31日行った扶余は、ドラマ「朱蒙」のゆかりの地であり
「薯童謡」は前述した通り。2日に行った慶州は「善徳女王」、同日行った河回マウルの洛東江や屏山
書院で撮影したのは「チュノ〜推奴〜」という具合だ。私にはサッパリわからないが。
帰国してからのことだが、韓国と25年の付き合いという漫画家・エッセイストの根本敬氏の談話が新聞
に掲載されていた。根本氏によれば、「優しげでこじゃれた韓流ドラマと真逆の国が韓国」というのだ。
あけすけで、ずさんで、ワイルド、しかし人情がある韓国の人。「ドラマやKポップは韓国人がこうありた
い、韓国人をこう見て欲しいという希望を描いたもの」なのだそうだ。そして、それがリアルな韓国だとい
う誤解を日本人が進んで引き受けることで成りたっていると。たった3回、それも数日旅をしただけの私
には判断する力は無い。しかし、韓国を深く理解し、韓国を愛している人の一つの意見として「なるほど
ぉ」と深く頷いた次第である。
犬はヘラン号には乗れんのかいぬ? ワン!
* 韓国旅の始まりは 10月 4週 をご覧下さい。
いつの間にか3週遅れ?永遠にこの遅れは取り戻せないような気がする・・・・