パクパク日記12年3月1週

             弥生3月。ようよう春めきて食欲も増したまま京都に向かう

    博多の雛   京都の梅

2月 27日(月) 晴れ 風強し

朝 家食 スンドウブチゲ、ふすまパン、アルギットみかん、低糖ヨーグルト

クシャミ3発の後、洟がつーっと垂れて来た。タラタラ・・・・。ナニこれ!風邪なら良いけど(良かない!)

季節が季節だから、「今日から花粉症になりました」ってことならヤバイ。花粉症って、目玉を取り出して

洗いたいほど目が痒かったり、洟水が止まらなかったりらしいし。洟啜りながらスンドウブチゲ食べる。

昼 四谷三丁目 「日高屋」 野菜たっぷりタンメン(麺少な目) 480円、おつまみ唐揚げ 260

  

昔からタンメン好きだった。特に高校生の頃は、大の仲良しだったひふみさんと一緒に学校帰りほぼ毎

日タンメンを食べていた。ナゼか彼女には「タンメンちゃん」という渾名が付いた。時々そのタンメン好き

が顔を出し、今日はその日だった。10円引き(もっと引けよ!)の麺少な目を頼み、野菜とスープを完

食。麺は7,8本食べただけだ。初めて注文したおつまみ唐揚げは260円でも揚げたてだし、いいなぁ。

夜―1 荒木町 「鈴なり」 蕪と牛テールのスープ、八寸:白海老とウニ和え・鯛の子・菜の花・空豆・白

子・いそつむ貝など、カツオの酒盗和え、刺し身:スミイカ・鮪・平目の昆布〆、鰆と三元豚と筍、淀

丸大根と煮穴子と京菊菜の味噌がけ、牡蠣の炊き込みご飯、赤出汁、漬け物、杏仁豆腐)、生ビ

ール2杯、麦焼酎「一粒の麦」 @9640

  

  

  

「5人の会」の新年会。幹事のK原ちゃんが大病したため開催は2年ぶり。そして2年前にはM本ちゃ

んが何かの理由で欠席したから、全員揃うのは3年ぶりだ。やぁやぁ、皆元気そうで良かったね。そうそ

う、会場となった「鈴なり」は今年のミシュランで☆を獲得したそうだ。女将さんの話では、☆がついても

特に予約状況に変化は無いそうだ。そうね、ここはいつでも混んでいるから。久し振りの5人だから、話

すことはいくらでもある。美味しい料理を食べ、旨い酒を飲み、長年の友人達と過すのは至福の時だ。

夜―2 舟町 「HAREY」 おつまみ、ビール、麦焼酎

  

I親ビンは帰られて、4人が残った。え?歌ですか?M本ちゃん、私のレパートリー奪うの止めてね!

                 _________________

2月 28日(火) 晴れ   エルピーダ会社更生法申請

朝 無し!

昼 四谷三丁目 「三宿 香港麺 新記」 ランチAセット:ワンタンつみれ麺(香港麺+50円)+排骨飯

(小)+杏仁豆腐 850

  

四谷三丁目に住んで8年になる。この間たくさんの店が姿を消し、新しい店が代わりに入った。姿を消

した店の中にはお気に入りの店も何軒もあったから都度落胆した。そんな中で四谷三丁目交差点にあ

るビル2階にあった「香港飯店」はガンバッテいたのに、いつの間にか他の店になっていた。「三宿 香

港麺 新記」。ランチは麺と丼のセットメニューで、炭水化物禁止の身には酷な組み合わせだ。ま、残せ

ばいいかとAセット注文。極細の香港麺だと50円高い。う〜む、ワンタンつみれ麺も排骨飯も今いち。

夜 舟町 「仙水」 あんこう鍋コース(付き出し:鴨と野菜煮、お造り盛り合わせ:カツオ・青鯵・鯛、鰆の

塩焼き、あんこう鍋、オジヤと漬け物、苺)、生ビール2杯、麦焼酎 (ご馳走になりました!)

  

  

  

数週間前、ある方から連絡があった。カタカナ会社で働いていた時の取引先社長K谷さんである。カタ

カナ会社を辞めてから9年になるのに、未だにお付き合いは続いている。理由はいくつかあるが、最も

大きなことは2人とも海外旅行が趣味であること。K谷社長からのオーダーは、「仙水であんこう鍋のコ

ースを食べたい」。あんこう鍋をつつきながらの話題はスーダン。私は行って来たばかり、K谷社長は

来月出かけられる。2人とも訪問国数は120を超えているから、やっぱりディープな話になりますなぁ。

                      _______________

2月 29日(水) 雪積る さぶ〜!

 アルギットみかん

昼 新宿小田急デパート 「Five F Dining」 Bランチセット ハンバーグチボラータソース、ライス、

サラダ、コーヒー 1580

  

明日から3月と言うのに、昨夜から天気予報通りまた雪が降った。あ〜ぁ、である。雪で転ばないよう気

をつけながら代々木に向かう。午後1時前整体治療が終わる。玄関でショートブーツを履く。あら!キ

ツイわ、この靴。ムリ無理履いたがチャックが上らない。たった2時間でこんなに足って浮腫むのだろう

か。ふと隣を見ると、見覚えのあるショートブーツがある。あれれ〜、私の靴はこっちだぁ(笑)。そそっ

かしいにも程があるよねぇ。小田急デパートの上階にある「Five F Dining」でハンバーグを食べる。

夜−1 荒木町 「四谷うえ村」 1万2千円コース(このわたの飯蒸し、のれそれ、福岡のてっさ、造り

盛り合わせ:本鮪・関いさき・とり貝 佐賀のハシリと共に、穴子と九条ネギと水菜のハリハリ鍋、

海老まんじゅう、天然ふぐ唐揚げ、北九州牡蠣の土佐酢ゼリー、松葉蟹の餡かけご飯、イワシ梅

煮・漬け物、赤出汁、苺最中バニラフランボワーズソース @21,000

  

  

  

  

新宿駅で週末に行く京都行きの新幹線切符を買った。「ジパング倶楽部」のお陰で安く旅行出来て大

助かりである。のぞみには乗れないけど、ひかりで十分ですよ。5時55分、Sイチローとマンション1階

で待ち合わせ。この人、地図を送って丁寧に行き方を説明しても必ず迷う。だから私のマンションで待

ち合わせた。久々の「四谷うえ村」。この店も早くもミシュランから☆をプレゼントされた。「鈴なり」とは階

段を6段分しか離れていないから、極めて狭い荒木町の一角に☆が2つも落ちて来たということだ。2

年前開店して1年間は一律7350円の料金体系だったが、最近は京料理屋らしい1万、1万2千円、1

万5千円の3コースになった。コースはこのわたの飯蒸しで始まり、以前は食べ物に興味を示さなかっ

Sイチローのハートを射止めたらしい。以後も高級食材満載、植村さんの技炸裂で東京に居ながら

京料理を堪能した。Sイチローとも久し振りだから、歌舞伎の話やら家族の話やら話題はつきないね。

夜―2 舟町 「TWENTY GROUND ビール(ヒューガルデン)、タンカレートニック 4杯、適当な

つまみ @4500

    この店は落ち着く

杉大門通りの日陰になる場所には今朝の雪がたっぷり残っていた。もうちょっと飲もうということで、「仙

水」の2階にある「TWENTY GROUND」へ。ボサノバのLPを聴きながらの酒は進み過ぎて困るぞ。

                        _________________

3月 1日(木) 晴れ 昨日より+10度の14度!

朝 無し!

昼 家食 キャベツサラダ、豚汁、ふすまパン、アルギットみかん、低糖ヨーグルト

  

今日の「カーネーション」はなかなかだった。せっかくほっしゃん。扮する北村が勇気出して大きなカー

ネーションの花束買って申し込みをしたのに・・糸子さんたら、もう!チョーニブイんだからぁ。「東京に

何しに行くん?」だって。ほっしゃん。もいい味出している。昨日は雪が降ったのに、3月になった途端、

気温は急上昇した。え?何ですって?昨日より10度高い14度ですってさ。平均取ってくださ〜い!!

遅い夜 渋谷PARCO「東京和食Rokuen‐Tei DEN」 酒肴玉手箱 1200円、魚の南蛮漬け 500

円、朝打ち吟醸おぼろ豆腐 980円、鳥取大山鶏の唐揚げ 850円、生ビール 780円 2杯、焼

酎「八重丸」 650円 @5700

  

    一度に持って来るな!

夕方渋谷のPARCO劇場に行く。佐々木蔵之助が立ち上げたユニット「Team申」の企画の朗読劇が

あるのだ。作品は宮部みゆきの「幻色江戸ごよみ」で出演は佐々木蔵之助、市川亀治郎、佐藤隆太、

そして日替わりゲストの大杉蓮。朗読劇を聞くというか観るのは初めてだが、亀治郎だけは朗読ではな

かった。「神無月」という作品の呑み屋の親爺など、真に迫っていてゾクリとさせられた。彼がいるのと

いないのとでは、全く違う出来になるのじゃないかな。終演後の遅い夕食は、そのまま1階下りて「Rok

uen‐Tei DEN」に行った。酒揃えから見てサントリー系のお店らしい。料理も雰囲気も悪くは無かった

のだが、4種類頼んだ料理全部一緒に持って来た。客は私1人なのに!そういう精神が理解できん!

                    _________________

3月 2日(金) 雨

朝 家食 「ファミマ」のスンドウブチゲ、ハムトースト、アルギットみかん

今日は母の誕生日だ。生きていれば・・・・99歳!ってことはヨボヨボだったのだろうか。わからんなぁ。

昼 新橋演舞場客室にて 弁当:ふすパンハムキャベツサラダバーガー、お茶、最中アイス 300

大歌舞伎昼の部。初日の昼の部は初めてかな。歌舞伎の世界では初日に「おめでとうございます!」

と言うのが習慣らしいよ。最初の出し物は、「荒川の佐吉」。「荒川の佐吉」と言えば、仁左衛門である。

一昨年の秋、演舞場で仁左衛門佐吉がやった舞台は、孫の千之助君が卯之吉を勤め、見る側は涙で

グチャグチャになった。もう嗚咽が出る程泣かされた。その時辰五郎を演じた染五郎が今日は佐吉で

ある。豪右衛門の梅玉、辰五郎の亀鶴が意外に良かった。もう一つの「仮名手本忠臣蔵九段目山科閑

居」は戸無瀬の藤十郎、本蔵の幸四郎、小浪の福助が好きではないのでどうも芝居に入り込めない。

夜 銀座 「おでん おぐ羅」 付きだし:イカのタラコ和え、カツオのたたき 2100円、茹で立て空豆、海

老真丈 1470円、おでん:豆腐、卵、大根、つみれ、ふき、鴨入りごぼう、新わかめ、椎茸、がんも

@9980円

  

  

    久々の「おぐ羅」

歌舞伎の後は冷たい雨が降りしきる中、銀座の「たちばな」に立ち寄り、予約していた美容院に行った。

終わった後、銀座で働いていた頃(と言ってもオミズ関係でない)の店に行ってみようとウロウロしてみ

た。そうだ!この辺りにはおでんの「おぐ羅」があったじゃないか。こんな寒い日にお誂え向きである。た

だ、あそこは混んでいるからなぁ・・・。懐かしい階段を下りると・・・行列が無い。カウンター席で7時まで

ならいいいよ、と言われた。今6時5分。55分あれば十分だ。カウンターの一番手前には、お燗番も勤

めるご主人がいつも立っていた。おぉ!随分年は取られたけど、お元気そうだ。「随分ご無沙汰です

ね」と覚えていてくれた。おでん以外の料理を勧めるのも昔通りだ。羽田国際空港ビルに支店を出した

「おぐ羅」。朝7時からこの店のおでんが食べられる。ご主人曰く「これからは羽田ですよ。銀座の時代

じゃないね」って。昔、このカウンターで著名作家と女優のご夫婦と隣合わせになったことがあった。以

前あれだけ美味しいと思った「おぐ羅」のおでんなのに今日は何だかなぁそれほどカンドーしないのよ。

                _________________

3月 3日(土) 東京は晴れ 京都も晴れ

朝 家食 「アスザックフーズ」のマンナン雑炊、アルギットみかん

今日は雛祭りだ。お雛様など一度も買って貰ったことが無かったから、雛祭りはいつも友達の家で過し

た。それほどビンボーな家庭だったワケでも無いけど、母親なんぞ「お雛さまなんか、お友達のところに

あればいいじゃないよ」って感じだったのよ。何でしょうねぇ、ケチとも違うけど、合理的だったのかなぁ。

昼 新幹線車内にて 「紀ノ国屋」のオードブル、持参のふすまパン、お茶

  

今日から4泊5日で京都に行く。昼食は新幹線の車内で。東京駅で購入した前回と同じ「紀ノ国屋」の

オードブルをふすまパンと一緒に食べる。モグモグ・・・。結構イケルね。この季節になると、米原付近の

雪の心配も無いし、ウラウラと柔らかい陽を浴びながら新幹線を楽しむ。私本当に新幹線好きなんよ。

午後のおやつ 京都駅 「宝泉」 京しぐれ

    京しぐれどす

京都駅で早くもおやつ。下鴨にある「茶寮 宝泉」が役にもあるのだよ。但し、大人気のわらび餅はここ

には無い。その代わり京しぐれがある。「栖園」の琥珀流しほどではないけど、これも結構美味しいよ。

夜―1 京都・先斗町 「串かんざし久」 お任せ(足摺岬岩牡蠣の酢牡蠣、胡麻和え(ひじき・クコノミ・

天然舞茸・キュウイ・サンド豆・菊などを胡桃・松の実・胡麻で和えた)、アオリイカと生ウニの自家

製塩辛、蒸し渡り蟹、〆鯖 野菜の味噌かけ添え、焼き白子、五島列島のぶ厚いアワビ、蕪蒸し

(蟹・めぬけ・百合根・白いきくらげ・生ウニ入り)、オム丼(アワビ・・アワビ肝・海老、アグー入り)、

柚子のアイスクリームと苺)、ビール、焼酎 3杯 @1万9110

  

  

  

    高級食材がさりげなくドカンと盛り付けられる

京都第一夜は、先斗町の「串かんざし久」を6時半から予約している。銀座「たちばな」のかりんとうをお

土産に持って「こんばんは〜」。なに?久さんの目が笑っているぞ。あれれ?店の奥にも笑っている人

が・・・。あれれ〜、グルマンTさんだぁ。どうしてここに?何でこうなるの!この店をグルマンTさんにお

教えしたのは私である。数年前だが。奈良から神戸に移動する途中、思い切って予約を取ったら、そこ

に私がノコノコ現われたということらしい。奇遇である。それでは一緒に久さんのご馳走を食べて飲みま

しょう。こっぺ蟹は終わって蒸した渡り蟹が出た。岸和田だんじり祭りにはこの渡り蟹が不可欠らしい。

連ドラ「カーネーション」のだんじり場面でもいつも渡り蟹出るね。相変らず久さんの料理は手が込んで

いるねぇ。ぶ厚いアワビの柔らかいこと!蕪蒸しを楽しめるのもあとちょっと。オム丼も頂きましたぁ!

夜―2 京都・祇園花見小路 「弥す田」 麦焼酎

  

せっかくグルマンTさんとお会いしたのだから祇園も一緒に行きましょう。ぶらぶら歩いて「弥す田」へ。

                     _________________

3月 4日(日) 京都は降ったり止んだり  ロシア・プーチン氏大統領選に勝利

朝 ホテル客室にて ゼリー

昼 京都・岡崎 「おかきた」 海老天ぷらのけいらんうどん 1100

    出汁も上品

「山元麺蔵」に行く時は、ホテルを10時半に出る。タクシーに乗って10時45分までに岡崎の店の前に

到着すれば1回転目に坐ることが出来る。ところが・・・・それは平日の話であった。店の前に行くと、既

に長い列があり数えてみると26番目位だった。これでは2回転目になってしまい、1時間以上待つこと

になる。ぬかったなぁ。こうなればあっさり諦め隣の「おかきた」に行くことにする。広々とした気持ち良

い空間で海老天ぷらのけいらんうどんを食べた。「山元麺蔵」のうどんは男性的、こちらは女性的だ。

午後のおやつ 京都・河原町三条 「進々堂」 手作りタルト(洋梨)セット 780

    タルトのカリカリが好き!

京都は来週日曜日マラソンがあるらしい。「京都マラソン」。京都の町を歩いていると、あちこちでポスタ

ーを見かけるし、出場予定者なのかジョギングしている人がやけに多い。竹細工の店でいろいろ買い

込む。歩き疲れたし小腹が空いたので「進々堂」でおやつ休憩。タルトのカリカリしたところ(だけと言っ

ても良い)が好き。洋梨やクニャっとしたところはそっくり残してカリカリだけ食べる。ここだけ売ってよ。

夜―1 京都・高倉六角 「炭火と天ぷら なかじん」 5250円の晩の点心(先付け:酢飯で作ったおこ

げ海老餡かけ、前菜1:三種盛り合わせ:生湯葉めんたい巻・モロコの南蛮揚げ・イタリア豆腐

1000円、前菜2:岡山日生産生牡蠣、お凌ぎ:アサリの菜の花からし和え、麦切り、主菜1:本

日のええとこ天ぷら(宍道湖白魚)、主菜2:岡山産とろける天然うなぎ白焼き+2800円、ご飯:一

口カレー+400円、味噌汁、香の物、デザート:ヨーグルトシャーベット)、生ビール650円×3杯、

赤ワイン800円 @1万300

  

  

  

  

夜は「炭火と天ぷら なかじん」を予約している。以前から来てみたかった店で、5250円の晩の点心は

前菜や主菜をそれぞれ7種から選べて使い勝手もいいし、楽しい。ご主人は蕎麦アレルギーになられ

たため泣く泣く蕎麦屋を止めてこの店を開いたとどこかで聞いた。そのせいか、麦切りという全粒粉を

使った粗挽きのオリジナル麺もコースの中にある。主菜で選んだ1つは岡山産とろける天然うなぎ白焼

き。+2800円だが、いまどき天然うなぎなんてそうそう食べられないから。白焼きを山葵で食べるのだ

が、ほんととろけますよ。食事は一口カレーを貰った。ご主人の朴訥とした語り口も魅力的な店だった。

夜―2 京都・寺町三条 「京都サンボア」 ジントニック 3杯 @3900円

  

ご主人の中村ご夫妻に見送られて気持ち良く店を出たら、このまま帰るのはもったいなくなった。この

「なかじん」さん、以前は「小豆家うさぎ亭」という名前だったらしい。高倉六角なら、寺町三条の「京都産

ボア」に行こうか。昼からあちこちで飲んでいるというお婆さん2人とお爺さんの3人が飲んでいたよ。

                     __________________

【今週の振り返り】

京都でいつものようにご機嫌に過していたら、携帯メールが届いた。訃報だった。長く勤務していたカタ

カナ会社の専務を勤められたO沢さんが亡くなったという報せだった。O沢さんは創業者グループのお

一人だった。日記の上では、今31週ということになっているが、作成&更新が遅れに遅れているか

らこの後わかったこと、起こったことも書くことにする。次いで36日、2人おられる創業者の1人、T

岡さんが追いかけるように亡くなった。何ということだと嘆いていたら、O沢さんは実は226日に亡く

なっていたことがわかり、その上、210日には取締役だったU田さんも亡くなっていたのだ・・・。一度

に訃報がこれほど重なると悲しい気持ちより、頭が混乱して暫くボーゼンとしていた。

カタカナ会社の創業者グループの皆さんは、私よりほぼ一回り年上の先輩方であった。大学を卒業し

てすぐ就職した会社は5ヶ月もしないうちに辞めてしまい、2社目の会社がカタカナ会社であった。あ

ら?考えてみれば、最初の会社もカタカナ会社だったよ。3番目はひらがな会社、4番目は・・・れれれ

ぇ、4番目もカタカナ会社だったぁ!アハハハ、私は漢字会社で働いたことないんだなぁ。今頃気がつい

たぞ。まぁ、それはともかく、2社目のカタカナ会社は私が入社した時、創業10年目だった。配属された

職場の人が皆真っ黒に日焼けしていたので理由を聞いてみると、先輩は「創業10周年の社員旅行が

ハワイ旅行で先週全員で行って来たのよ」とサラッと言ったものだ。「つ、次の旅行はいつですかぁ?」

「たぶん、20周年じゃないの」。「グサっ」(その言葉が私の胸に突き刺さった音)。トッチャン坊やのよう

な貫禄の無い若い社長と社長の東大時代の先輩・後輩数人が取締役だった。教育心理を専攻してい

た人が多かったせいか、なんとなく学者っぽく、かつ素人っぽい経営者達だった。私よりほぼ一回り年

上ということは、経営者の皆さんは30代半ば。今考えてみれば、若僧ばかりだったのに、当時の私か

らみれば随分大人に思えたものだ。

中でもO沢さんは1番学者の匂いのする人だった。東大大学院から日本を代表するメーカー勤務数年

を経てカタカナ会社に入社された。人事測定や人事評価、組織活性などの専門家で、社内での実施に

加え、それをビジネスにも仕立て上げた。「オホン、人を育てるのはカオス(混沌)だよ」と、「100回の

研修より1回の異動だね、オホン」も口グセだった。著書も多く、複数の大学でも教えられた方だが、そ

んな物静かでクールな側面とは裏腹に、パーティで頼まれると、サザンオールスターズの「勝手にシン

ドバッド」を髪振り乱してシャウトする姿に皆唖然とし、すぐ熱狂の渦を巻き起こすようなお茶目な面も

持たれていた。

直属の部下になったことは無いが、O沢さんには私も随分可愛がって頂いた。彼はよく私にこう言って

褒め下さった。「オホン、キミはね、うん、キミは凄いよ、うん」。「O沢さん、私の何が凄いんですか?」。

「うん、ま、いろいろね、ふふふ。オホン」。O沢さん、私の何が凄いんですかぁ?全然わからないじゃな

いですかぁ?あの禅問答に決着をつけたい。いやいや、単純にあのオホンが聞きたい。別人のように

なって歌われる「勝手にシンドバッド」を聞きたい。♪らーららーららららーららー・・・砂まじりの茅ヶ

崎・・・今何時 そうねだいたいね・・・・胸さわぎの腰つき・・・ 安らかにお眠り下さい。合掌

                  ♪むニャさわぎの腰つき・・・

            バックナンバーのトップへ    夢子倶楽部のトップに戻る