パクパク日記13年6月1週
週初め京都から帰り、週末はフランスに向かった
アランソンの薔薇
サン・セヌリ・ル・ジュレ村
6月 3日(月) 京都も東京も晴れ
朝 京都・堺町通三条下ル 「イノダコーヒ 本店」 京野菜入りサラダセット(半熟卵、クロワッサン、飲
み物付き) 1200円
先週から滞在していた京都とも今日でお別れ。いつも朝ドラ「あまちゃん」を観るくらいで朝はグダグダ
していたが今朝は6時にシャキッと起床。シャワーを浴びて、自宅に送る段ボールを発送して(毎回ね、
呆れるね)、チェックアウトして出発。7時過ぎには「イノダコーヒ 本店」に到着。今月から始まった京野
菜入りサラダセット。たっぷりな野菜にハムとチーズ。これに半熟卵がつく。いいじゃないか。定番「京の
朝食」より私はこっちがいいな。クロワッサンを一、二口くらいにしておけば糖質も低く抑えられるしね。
昼 東京 「酢重正之 楽」 とり辛味蕎麦(冷) 950円
疲れる旨さ!
7時56分発には間に合わなかったが、8時28分京都発のひかりに乗った。11時過ぎ東京駅に到着し
たが、既にお腹はこなれて小腹が空く。自分ながらビックリのマイ消化力。じゃ東京駅近辺で食べて行
くか。マズイマズイと言いながらよくあの中華に行くのはヤメヨウ。じゃここはどうだろ。軽井沢の味噌醤
油屋「酢重正之商店」が経営する飲食店の一つだ。初めて来た店なので、注文した蕎麦を待つ間店内
をジロジロ観察。奥の調理場から茹で上げられた太麺を入れた丼が登場。U字型カウンターにいるオ
ネエサンが、その丼に注文に合わせていろんなものをモーレツなスピードで入れていく。何かをバシャ
ッ、白髪ネギドカッ、胡麻をドサドサドサ、刻み海苔をドッカーン。何とも大胆。ようやく私が注文したとり
辛味蕎麦(冷)が来た。太い蕎麦の何たる硬さよ!噛んで噛んで噛んで・・・顎痛い。冷たい出汁はピリ
ッと辛くて時々咽る。でも旨い。噛んで噛んで噛んで・・・・顎疲れた。東京駅で食べるならこれ!自宅に
帰っってから「あまちゃん」の再放送を観る。今朝京都にいたのにねぇ、昼の番組に間に合うなんてね。
夜 舟町 「無門」 付きだし盆:糸瓜と蟹酢・小芋・ワインらっきょ・鮎せんべいなど、水茄子浅漬け
580円、谷中生姜 680円、、しま海老刺身 980円、イベリコ豚の旨辛しゃぶしゃぶ 2200円、
〆蕎麦 500円、生ビール 580円×2杯、麦焼酎「佐藤」 @8085円
大好きな水茄子の季節になった。谷中生姜が出回ると初夏って感じ。昔谷中の特産品だったので谷中
生姜って呼ばれるようになったらしいよ。味噌をつけてボリボリ食べることが多いが、亡くなった母は湯
通しして甘酢に漬けていた。次兄の大好物で大半は彼が食べてしまった。甘酢漬けは「はじかみ」とも
呼ぶ。いつものようにイベリコ豚の旨辛しゃぶしゃぶ。以前のように肉お替り!は出来ない。さすがの私
も食欲が衰えたってことだろう。その代わりと言っては何だが、〆蕎麦を食べた。やっぱり喰い過ぎ!
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6月 4日(火) 晴れ 梅雨入りしてから雨降らない
朝 無し
昼 家食 コロッケふすまバーガー、サラダ、麻婆豆腐、野菜と卵スープ
午前中がんばってパクパク5月3週を仕上げた。九州から帰って来てドイツのデュッセルドルフに行った
週だ。あちらではほとんど和食を食べていたなぁ。ここでほっこりしないで出発前にもう1週作らねばな。
夜 四谷三丁目 「鮨処 のがみ」 付きだし:サッと煮たとこぶしとわかめ、刺身:生とり貝(愛知) 940
円、白イカ(福岡) 940円、小イワシ(舞鶴) 840円、カツオ(勝浦) 1260円、焼き立て卵焼き、
握り:小さいスミイカとゲソ 2貫づつ、納豆巻と穴子巻半分づつ、生ビール 2杯、麦焼酎ボトル
@1万1800円
今日は大事な日だ。オーストラリアに引き分けか勝てば、日本代表が5大会続けてW杯の出場が決ま
る。試合は7時半キックオフだが、朝から録画のセットしたり消したりセットしたりと落ち着かない。試合
開始時間が近づいて来た。生の試合を観るって結構ツライ。で鮨屋に行くことにした。あそこはテレビも
無いし。のがみさんは先日腰痛で店を数日休まれて心配していた。持病らしいが、今回はひどかったら
しい。お大事に。「あまちゃん」話などして魚や鮨を食べるが、試合の行方が気になって仕方ない。オジ
ョーに試合経過をメールで尋ねる。あれ、返事が無いわ。女将が店奥のPCを覗いてくれた。試合終盤
0−1で負けてる?ジェジェ!ヤバイ。う〜ん、ガッカリ。もう1回見てよ。何、同点になった?渋谷行く?
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6月 5日(水) 今日も晴れ
朝 家食 「のがみ」の卵焼きふすまバーガー、低糖ヨーグルト
昨夜鮨屋から帰って本田選手のPKゴールを何度も見た。これでW杯5大会連続出場決定!朝もテレ
ビのニュースと情報番組で繰り返し見ちゃったよ。「のがみ」の卵焼きをバウンズパンに挟んで食べた。
昼 新宿小田急 「Five F Dining」 お勧めランチ(厚切りベーコンとハンバーグ、サラダ、ドリンク、
ライス) 1580円、持参のふすまパン
代々木で整体治療を受けた後、小田急デパートのレストラン街にある「Five F Dining」でランチ。食
べ終わって12階から11階までのエスカレータに乗ると、そこはバーゲン会場であった!いつも買って
いるメーカーの売り場もあるではないか。3万円位したチェニックが7千円とか中には3千円の値札も。
これは買わずばなるまいぞ。私の担当者にもバッタリ会ってしまったから、つい13枚も買ってしまった。
夜 荒木町 「羅無櫓」 付きだし3盛り:つるむらさきお浸し・煮卵・ところてん、ポテトサラダ、焼き餃
子、シラスと大葉のせ冷奴、お茶椀カレー、生ビール 2杯、芋焼酎お湯割り 3杯 @7千円
長年の「無類のニコチン好き」から、数年前「カタクナなニコチン拒否者」になった私。レストランやカウン
ター割烹などでは禁煙の店も増えて来たが、全体ではまだまだ。そんな事情もあって、カウンターの奥
の席を取っておいてね、とご主人の官兵衛さんに電話していたのに、行ってみると他のお客さんが座っ
ているではないか。官兵衛さん私の顔を見るなり、「イカン、イカン、忘れていた」。京都のお菓子オミヤ
に持って行ったのにね。そんなことで、席を移ってくれる方々に平謝り。今日の焼き餃子はキレイな焼き
色だね、ヤスコチャン。芋焼酎は大キライなのに、この店のお湯割りだけは飲める。3杯飲んでしまう。
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6月 6日(木) 曇り
朝 無し
昼 六本木 「大戸屋」 炭火焼きバジルチキンサラダ 650円、大戸屋風ばくだん小鉢 390円、じゃ
こおろし 150円×2、持参のふすまパン
W杯出場が決まった一昨日の夜、渋谷のスクランブル交差点に集まった群衆を見事にリードした警視
庁の広報担当警察官が「DJポリス」として一躍有名になって、警視総監賞まで貰ったそうだ。世界各地
でデモ隊と警察が激しく衝突している中で、若者達が「おまわりさん」コールして笑っている国なんて日
本以外に無いと思うよ。京都にいた先週末あたりから感じていた腰痛は、帰京後益々強くなった。これ
ではフランス旅行なんて無理じゃないかと心配である。プラズマ治療はそのヘンのところをくれぐれもよ
ろしく!とO本先生にお願いする。腰痛の原因は頭と腸にある??時間をかけて治療して貰ったお陰
でかなり痛みも減じた。プラズマ治療後のいつもの「大戸屋」。定食を止めて糖質を抑える他に塩分も
控えなくっちゃなと味噌汁も頼まん。その代わりじゃこおろしを2個注文。理想的なメニューって感じだ。
夜 舟町 「仙水」 付きだし:能登の岩牡蠣、天豆 1000円、焼き水茄子 800円、桜海老かき揚げ
1500円、昆布大根 600円、時鮭と新玉葱のオーブン焼き 2000円、やくみどっさり稲庭うどん、
無花果と胡麻のデザート、生ビール 2杯、麦焼酎ボトル @1万7700円
早くも明日はフランスの旅前泊出発日だ。洗濯機を回しながら、荷造りをし、パクパク日記5月4週を途
中まで作った。残りは明日でいいか。「仙水」の手書きメニューをジックリ検討。季節を感じる食材を選
ぼう。岩牡蠣、天豆、水茄子、桜海老、時鮭、無花果・・・。何ともゼータクなチョイスじゃないか。桜海老
のかき揚げサクサク!うまっ!新玉葱とパプリカとグリーンアスパラと一緒に登場した時鮭。脂が乗っ
て旨いこと!大昔仕事で釧路によく行った。必ず二商市場に寄って時鮭を買った。時知らずとも呼ぶ。
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6月 7日(金) 曇り午後から晴れ
朝 無し
旅に持っていくふすまパン焼き&真空パック詰め、スーツケース作り、パクパク日記作成、ちょっと掃除
など出発する日はただでさえ忙しいのに、今日は7月歌舞伎座のチケット発売もあるし、帰国後の行く
お店の予約も。A先生と早稲田の「松下」に行く約束をしていた。予約の電話をした。何かがヘンだとは
感じた。やっと電話が通じたと思ったら、「当店は5月末を持って閉店いたしました」。じぇじぇじぇじぇ!
昼 家食 ノンオイル野菜カレー、ふすまパン、低糖ヨーグルト
「松下」閉店は頭の後ろをガツーンと殴られたような悲痛な出来事であった。そっちに頭が行ってしまっ
てなかなか集中できなかったが、カンタン家食昼食後に何とか5月4週完成させ更新。手荷物の準備。
リュックに1泊用の荷物と一眼レフのカメラなどを入れるとかなりの重さになってね。腰に悪いよなぁ。
夜 成田・成田ヒルトンホテル 中国料理「梅園」 三種冷菜盛り合わせ 1750円、豚肉と春雨の辛味
煮込み 1300円、野菜入りそば(麺半分) 1700円m生ビール 850円×3杯 @7300円
腰のことを考慮して一瞬成田のホテルまでタクシーで行くことも考えたが、新宿駅までのタクシーに切り
換えた。ゼータクもいい加減にしろ!!って自分に言ったわけさ。リムジンの中で香港のK岩にメール
返事を出す。先月は日航ホテルに2度泊まったので、今日はヒルトンを予約している。このホテルのレ
ストランは週休2日。和食が月・火、中華が水・木定休なのだ。今日は金曜日だからどっちも開いている。
入口は一緒で左右に分かれる。う〜〜ん、右中華!大雪が降った今年の1月14日、ここで5千円8品
チョイスという超お得なコースを選んだのは良いのだが、余りの量の多さに炎上した。だって自分が選
んだ料理や麺8品の最初に前菜盛り合わせが出て最後はデザートが出てくるんだから。なので支配人
らしい男性に「大人気のコースです!お勧めです!」と言われても、その言葉には乗らんよ。アラカルト
で三種冷菜盛り合わせと豚肉と春雨の辛味煮込みそれに麺を半分にして貰った野菜入りそばをオー
ダー。料金は8品コースとほぼ同じだが、食べ過ぎないで良い。春雨辛味煮込みにはご飯が欲しい!
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6月 8日(土) 成田は晴れ パリとアランソンは晴れのち雨のち晴れ
朝 成田・成田ヒルトンホテル 「テラスレストラン」 朝食ヴュッフェ
朝食ヴュッフェのため「テラスレストラン」に行くとヒルトンテルの客は欧米系が主流だなあと実感する。
そもそもこのホテルがオープンした時は「リーガロイヤルホテル成田」だったんだけどね。いろいろあっ
てヒルトンになったんだよ。前泊した朝のお約束は、ご飯と納豆同量の納豆ご飯を食べること。旨い!
遅い昼 エアフランス 成田=パリ ビジネスクラス機内食
エアフランスは、デルタ航空、アエロメヒコ、アルタリアなどと一緒の「スカイチーム」に加盟している。だ
から成田空港の利発着は第一ターミナルの北ウィングである。サービスで他の航空連合を言っちゃうと
ANAやルフトハンザやスカンジナビア航空などの「スターアライアンス」は同じ第一の南ウィング、JAR
やキャセイパシフィック、ブリティッシュ・エアウェイズなどの「ワンワールド」は第二ターミナルだよん。パ
リ行きの機材はエアバスA380。世界最大の総2階建て旅客機である。私の席は60―E。2階のビジ
ネス席の一番前だった。前がゆったりしているから人気がある席とは言うが、トイレ番をしているようで
どうも落ち着かない。帰りは別の席にして貰おう。隣席のジュリーさんが揺れると怖がるので赤ワインを
飲みながら「大丈夫ですって!」と励ます。彼女は上海生まれでアメリカや日本にも住み、今はジュネ
ーブの住人なのだとか。中国語、英語、日本語、フランス語がペラペラだった。映画「プラチナ・データ」
と「ひまわりと子犬の7日間」を観る。「プラ・・・」は東野圭吾原作で「嵐」の二宮君が主演。二宮君は演
技派と言われるらしいが役柄が結構狭いじゃないかな。トヨエツはいつの間にか汚い中年男になって
いた。映画としては全く面白くなかった。「ひまわり・・・」は堺雅人が初めて故郷の宮崎弁で出演すると
いうので、観たい!と思っていた。捨て犬をめぐる保健所であった実話。猫好きだけど、犬も好き。芝犬
好き!ってことでトーゼン観る。涙ちょちょびれ。問題の犬保管最終日の場面で「当機は間もなくシャル
ルドゴール空港に着陸します。どなたさまも・・」ってなどうでも良いアナウンスで映画最後がわからん!
早い夜 エアフランス 成田=パリ ビジネスクラス機内食
約12時間、いつもと同じにほとんど眠らずパリ到着。時差7時間のパリは午後5時前だった。トラムに
乗ってバゲジクレームへ。たった8名(関空から参加の2名加えて計10名)なのに、全員のスーツケー
スが揃うのに時間がかかった。車椅子に乗ってパリ市内のアパートメントに向かうジュリーさんに最後
の挨拶。「お元気でね〜!」。彼女が言うように、カラダが思うように動かなくなくなったら、施設じゃなく
てホテルに住むという選択肢も有るかもね、と思った次第。そうゆう意味でなかなか意義深いフライト。
遅い夜 アランソンのホテル客室にて おにぎり、ウィスキー
梅こんぶ握りを食べた
空港からバスに乗る。ドライバーのルディさんは、ジャマイカ出身で編み込みヘアスタイルだ。彼は10
日間ずっと一緒。空港内で早くも大渋滞。数珠つなぎになった乗用車や大型バスが全く動かない。ルデ
ィさんの機転で何とか脱出してアランソンに向かう。雨が降って来た。2時間半から3時間弱の予定だっ
たが、アランソンに到着したのは午後10時。4時間弱かかった。到着直前に雨が止んで素晴らしい夕
焼けとなった。この季節の日没はこんな時間。K子添乗員から貰ったおにぎり食べてウィスキー飲む。
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6月 9日(日) フランス・アランソンは曇り 1ユーロ=約 135円
朝 フランス・アランソン 「ホテルメルキュール」 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン
昨夜は1時に寝て、今朝6時に起きた。シャワーを浴びて朝食に行くと、早起きの皆さんは既に食事中
だった。ご夫婦1組、友人2人組以外は女性1人参加6名。どうも皆さんは百戦錬磨の先輩らしいなぁ。
アランソンはアランソンレースと聖女テレーズの生誕地でも知られる。ノートルダム大聖堂内
人口1万2千人のアランソンの旧市街には10世紀建造の建物も。屋根の猫は作り物
アランソンはパリから西に250`。人口1万2千人の町だ。無形文化遺産にも登録されているアランソ
ンレースで知られている。ミサが始る前に見学したノートルダム寺院には、この町で生まれ育った聖女
テレーズも祀られていた。日曜日の朝とあってひとっこひとりいない旧市街を散策。10世紀出来た建物
もある。それにしても静かやねぇ。「レースと芸術の博物館」に行く。ルイ14世の治世時王立レース工
房が設立されたアランソンレースの全盛期は8千人もの刺繍技術者がいたと言う。マリー・アントワネッ
トも愛用したアランソンレースは「レースの女王」とも呼ばれる。このレースを作るにはとんでもない手間
と技術が必要で、わずか1cuを作るのに7時間もかかる!だから売店で売っているアランソンレース
はびっくりする程高額で小さいものでも数万円する。高い!と叫びたい人も、かかった時間も値札に併
記されているから黙ることになる。博物館に展示されているレースに溜息。現在レース技術者は9名。
昼 アランソン 「Au Petit Vatal」 サラダ、川鱒のクネル辛口シードル風味クリームソース、カマン
ベールチーズのフリッター、持参のふすまパン、フルーツサラダ
ガイドのドミニクさんは、今日がご子息の誕生日ということでランチの間ご自宅に帰られた。息子さん高
校生くらいかしら、と思ったら28歳なんですってさ。お孫さんもいる由。塩味が濃いサラダで始まったラ
ンチ。川鱒のクネルにはノルマンディ地方に多いクリームソース。これが続くとクドイわな。ナゼか食事
の途中からお腹の具合が悪くなってトイレに通うこと4回!それでもスッキリしない。デザートはパス。
「フランスの最も美しい村」のサン・セヌリ・ル・ジュレ村と村長さん。 画家達が集まったホテルの壁に描かれた
15世紀に作られた白い小さな教会 近くのサン・レオナルト・デ・オア村にも行った
「フランスの最も美しい村」のサン・セヌリ・ル・ジュレ村に行く。お腹の調子が悪いのでよほどホテルに
帰ろうかとも思ったが、流れで行ってしまった。「フランスの最も美しい村」とは、まぁフランス版村おこし
のような運動を目的とした協会が村を選定していて、約150の美しい村があるようだ。クールベやコロ
ーなどの画家達に愛された村では、今もアーティスト達が創作活動を行っている。かつて画家達が食
事をするために集まった建物が修復再現されていた。緩やかな上り坂を越えると、サルト川の手前に
15世紀の小さな教会があった。お腹ゴロゴロ。慌てて村の観光協会付近に戻ってトイレに駆け込む。
セーフ!近くのサン・レオナルト・デ・オア村に行く。ここにもサルト川が流れる。誰にも会わなかった。
夜 アランソン 「HAUT MINISTERE」 生ハムとメロン、ノルマンディ風チキンのエスカロップ、サラ
ダ、持参のふすまパン、ティラミス、ポモー(サービス)、生ビール 4ユーロ、赤ワイン(カラフェ)
9ユーロ
ホテルに帰ったのは午後4時半。寝不足と疲れからか、椅子に座った途端うたた寝してしまった。集合
時間10分前に目が覚めて考える。お腹の調子もよくないし、夕食はパスしようか・・・。 でもちょっとお
腹空いたし・・・行くか。着替えもしていないけどね。ロビーに集合してカンタンな自己紹介。バスに乗っ
て「HAUT MINISTERE」で夕食。リンゴの発酵酒のシードルとリンゴの蒸留酒のカルヴァドスを合わ
せたポモーというカクテルが食前酒に出た。甘っ!生ハムとメロンの前菜の後はチキンのエスカロップ
(薄切り)のソースはやっぱりクリームソース。え?真ん前にお座りのS石さん、93歳なんですかぁ??
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【今週の振り返り】
早稲田にある日本料理屋の「松下」に初めて行ったのは、もう二十数年前だったと思う。その頃の店は
人気店であるにも関わらず、いかにも手狭で客はみんなちょっとづつ小さくなって料理を食べていたよ
うな気がする。私が営業課長をやっていた時部下だった3人と「4人の会」を作っていたが、職場がバラ
バラになってからも美味しいものを食べに行っていた時代のことである。その会には十数年前、I親ビン
が加わられたので現在は「5人の会」であるが。
やがて「松下」は近くに引っ越された。1階は白木も美しいカウンターとテーブル席10席、小上がり席も
2つ設けられた。2階は「松庵」という蕎麦屋になった。ご主人の松下さんは、無類の蕎麦好き。そこで3
人のお弟子さんを埼玉の蕎麦の名店「ほそ川」に蕎麦打ちの修業に出した。その後「ほそ川」は、国技
館や江戸博物館に近い両国に移転している。「ほそ川」仕込みの十割蕎麦を、日本料理屋が作る蕎麦
出汁で食べる「松庵」も大人気の蕎麦屋になった。松下さんは、1階「松下」と2階「松庵」の間を階段を
上ったり下ったり往復して忙しそうだった。
ある夜、私に頼まれた和歌山のジュースを届けにオジョーが「松下」に行くと、お店はまなかい夕食中で
あった。松下さん夫妻と1階と2階のお弟子さん達総勢13名の賑やかで楽しげな夕食。その頃、新しい
職場が欲しかったオジョーは、「私が働きたい職場はこうゆうところ!」と強烈に思ったそうだ。「天ぷら
荘司」のM子さんもOL時代お客として「松下」を訪れて、「ここで働きたい!」と思った。M子さんの凄い
のは会社を辞めて調理師学校に通って卒業し、実際「松下」で働き始めたことだ。彼女が女性板前とし
て働いていた頃のこと、よく覚えている。ついでに言えば、M子さんは、やはり「松下」さんで働いていた
若い荘司さんと結婚することになって独立し、曙橋で「天ぷら荘司」を開店した。「松下」は若い人にどん
どん料理を教えて任せるから、人が育つのも早い。その気のある人は若いうちから独立していく。「天
ぷら荘司」の独立の時も、松下さんは物件を一緒に見に来られたり、開店してからは電話で様子を聞
かれたりするなど、辞めてからも弟子のことに親身になられる。その日の料理を作り終えれば、率先し
て皿を洗い、鍋を磨いておられた。料理界では稀有な親方である。
いろんな店で美味しいものを頂いている私だが、「一番好きな店を挙げなさい」と聞かれれば、迷わず
に「松下」と答える。それほど「松下」の料理は美味しい。夜は、8千円からコースがいくつかあり、私は
いつの頃からか、一番高い1万7千円のお任せコースをお願いするようになった。予約すると、松下さ
んは築地市場でお客の顔を思い浮かべながら、「あの人にはこれを食べて貰いたい、あれをこうしてお
出ししたい、あの人はこれが好きだったなぁ・・・」とたくさんの食材を仕入れられる。そしてこれでもか、
というほどの料理が次々と登場する。料理に添えられるあしらいにも決め細やか心つかいが感じられ
た。「松下」では「食の極楽」で過ごしているような美味しい思いが出来るのだ。松下さんの得意料理の
一つは藁燻り(スモーク)。鯖が一般的だが、私には鮭の燻りをお土産に持たせてくれた。働いていた
頃、とてつもなく苦しい1年があった。ほぼ毎週週末には発熱で倒れたり、全身に蕁麻疹が出たり。精
神的な無理がカラダの不調になって現われていた。そんな時私を支えてくれたのは「松下」に行くこと。
自分を甘えさせないためにも「松下」は月1と決め、それをひたすら楽しみにして耐えた。美味しくも私を
支えてくれた有難い「松下」のお料理であった。
そんな私にとって大事な大事な「松下」が5月末で閉店したと言う。4月1日の夜「松下」に食事に行った
時、前日の3月31日で2階の「松庵」が閉店したことを知った。松下さんの膝が悪くて階段の上り下りが
出来なくなったのがその理由ということだった。女将さんは、「松下」閉店の理由を問う私に、「主人の膝
がねぇ、近く手術することも決まっていますし・・・」と言っていた。膝治して下さいよ〜。また美味しい料
理を食べさせてくださいよ〜。ダメなんですか〜。ツライです〜。お願いしますよ〜。
オイラも泣きたくなったニャ