パクパク日記14年9月2週

              アルプスを越え、かつてのサヴォイア公国を巡る旅

     グランパラティーソ モンブラン

9月 8日(月) 成田は曇り パリは晴れ トリノはわからん

第1食 成田・日航ホテル成田 「セリーヌ」 朝食ヴュッフェ

     

第2食 エールフランス 成田=パリ ビジネスクラス機内食、持参のふすまパン

第3食 エールフランス 成田=パリ ビジネスクラス機内食、持参のふすまパン

第4食 エールフランス パリ=トリノ ビジネスクラス機内食

第5食 イタリア・トリノ ホテル客室にて 鮭のおにぎり、ウィスキー

今日からヨーロッパに行く。こホテルに泊まったら恒例となった納豆カレーと味噌汁の朝食を摂ってさて

行きますか。エールフランスのアライアンスはスカイチームだが、ビジネスクラスに限って、JALのマイ

ルをつけることも出来るのだと。しかし、ラウンジはスカイチームのデルタ航空のラウンジを使えと言う。

エアフランスのラウンジは2便が羽田発着に移行した3月末を機に撤退したそうだ。そして以前エアバ

ス380だった機材はボーイングの中型機材に変わっていて、ビジネス席は232の並びだった。映画

「チーム・バチスFINALケルベロスの肖像」。長いシリーズのようだが、初めて観た。伊藤淳史が演じ

る田口公平というのは医者なのにそれまでと違う薬を患者に処方する場面が一度あっただけだった。

予定より40分早くパリ到着。最終目的地北イタリアのトリノ行きが出るシャルルドゴール空港で一番ボ

ロイ2―Gまでバスで向かった。天井低い、狭い、ビジネスラウンジ超狭い・・・一番新しいハズなのに。

3時間後トリノへ。深夜トリノのホテルで全米オープンテレビ中継を探すも、見つからん!諦めるかぁ。

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9月 9日(火) イタリア・トリノは晴れ         1ユーロ=約141円

朝 イタリア・トリノNHリンゴット 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン

朝食前に添乗員のH原さんから錦織圭選手の決勝敗退を聞く。しかも0−3のストレート負けだ。私だ

ってこんなに悔しいんだからご本人はツライだろうなぁ。ツァーのある方から「ほら、負けたでしょ。私の

言った通りに。ひ弱なのよ」とぃう言葉にもグサリと来る。そう来るかなぁ。気を取り直し観光に行こう。

ヴォイアの歴代王達が住んだ王宮   中でも甲冑などの武具のコレクションは見事    カステッロ広場で遊ぶ少年

昼 イタリア・トリノ 「C’UERA UNA VOLTA」 ヴァッレ・アオタス風リゾットとトマトのセダリーニパ

スタ、ポークフィレ ポテトとサラダ添え、持参のふすまパン、ボネ(トリノ名物デザート チョコレート

プディング)、ビール 4ユーロ、エスプレッソ 2ユーロ

  

トリノはピエモンテ州の州都だが、その昔サヴォイア公国の首都であった。だからサヴォイア家の代々

の王達が住んだ王宮がトリノにはある。王宮群は今世界遺産に登録されている。ついでに言えば、18

61年イタリアが統一された時もイタリア王国の首都はトリノであった。昨年1月も王宮見学したが、うろ

覚えなので丁度好い。そうそう、この宮殿の武器庫が素晴らしいんだった。日本の馬具をつけた馬も。

金も力もあるコレクターは凄いね!現代のトリノはフィアットとユベントスの街でもある。フリータイム後

ランチに行こうと思ったら1人集合時間に現われず、添乗員のH原さん走り回る。初日から困るわなぁ。

ランチはイマニって感じだったランチ後自己紹介。今回全員女性で男子は添乗員だけ。気の毒(笑)。

夜 イタリア・アルバ郊外 ルレ・サン・マウリツィオ 「BISTRO SAN MAURIZIO 1619」 コース

(アミューズ:緑の無花果リコッタチーズの詰め物、ローストミートソースのアニョロッティパスタ、鴨

       肉のロースト 野菜添え、桃のババロア、カモミールティ)、地ビール 7ユーロ、白ワイン 7ユーロ、

       赤ワイン「バローロ」 4人で 50ユーロ 計チップ込みで30ユーロ

  

  

バスに揺られること1時間半。ウツラウツラして乗っているうちに、一面ぶどう畑ランゲの丘の上に建つ

「ルレ・サン・マウリツィオ」に到着した。17世紀の修道院を改修した5ツ星のルレ・エ・シャトーで、昨年

もここに宿泊した。敷地内に何とも魅力的な彫刻が多数ある。昨年は2階の比較的小さな部屋だった

が、今回は1階ロビーに近い部屋だった。夕食は朝食レストランにもなるビストロで。せっかくアルバ郊

外のホテルにいるのだからとテーブルを囲む皆さんとバローロの赤ワインを開けた。前菜のアニョロッ

ティパスタはラビオリのようなものだがこの地方の郷土料理らしく、昨年は昼も夜も出た。物凄く眠い!

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9月 10日(水) イタリア・ピエモンテ州は曇りのち晴れ

朝 イタリア・アルバ郊外 ルレ・サン・マウリツィオ 「BISTRO SAN MAURIZIO 1619」 朝食ヴ

ュッフェ

  

   基本ヴュッフェだが温かい料理を頼める      ルレ・サン・マウリツィオの広い敷地には魅力的な彫刻作品が点在する

  

          バローロ村からの眺め               エノテカ前の空き瓶               アルバの町のトリュフ

昨年美味しいと思った朝食だが、今日食べてみたらフツーだった。朝から霧が濃くて生憎の天気だ。昨

日下まで見下ろせたぶどう畑もほとんど見えない。9時バローロ村に向け出発。前回はワインの旅だっ

たから「ルチアーノ・サンドローネ」で手作りのランチを頂きながらテxスティングなんてことだったが、今

日はただ村に見学に行くだけ。行く道々濃い霧に包まれて10b先が見えない程。イタリアワインとなる

ぶどうは「ネビオーロ」という品種。霧は「ネビーロ」。霧(ネビーロ)が発生する頃収穫するのが、「ネビ

オーロ」というわけだ。今まさにぶどうの収穫期で、摘んだぶどうを積んだ車とも擦れ違う。なっるほど

ねぇ。バローロ村到着。緩やかな坂道を上ってマルケシ・ディ・バローロ家のお屋敷までハァハァ上って。

世界に轟くバローロだが小さな村なんだ。エノテカで数種類のワインをテースティング出来る。但し有料。

当り前か。バローロは「ワインの王様、王様のワイン」と呼ばれる。アルバの町に移動。大聖堂を見学し

た後フリータイム。私は覚えのある通りをイソイソと歩いて小さな食料品の店を探す。あれれ〜、去年1

月に来た店が無くなってしまったぞ!何度も探すが無い!う〜ん、ショックだ。それでもアルバの町に

は魅力的な店が他にもある。そんな1軒で、白トリュフの塩やポルチーニ茸などどっさりと買い込んだ。

昼 イタリア・アルバ 「OSTERIA DELLARCO」 黒トリュフのタリヤンパスタ、仔牛肉のバローロ

ワイン煮込み、パンナコッタ、赤ワインバローロ(サービス)、アールグレイ

  

晴れあがった午後バルバレスコ村へ            収穫期のぶどうが重そう           昨年訪問した「GAYA

ランチはカタツムリのマークのあるスローフード協会認定のレストランで。スローフード⇔ファーストフー

ド。ゆっくり食べればいいわけ?小麦1kgに卵黄40個で作るごく細パスタのタリヤン。茹で立てのタリ

ヤンに若いお兄ちゃんが、一人一人客の皿に黒トリュフを削ってくれる。「タント、タント!たくさん削っ

て!」とお願いしたが、ほぼ量は同じだった。このランチには、バローロかバルバレスコが1杯振る舞わ

れる。昨夜に続きバローロにした。メインはバローロで煮込んだ仔牛肉。午後はバルバレスコに向う。こ

こも昨年バルバレスコの盟主「GAYA」を訪問したんだっけ。短い通りが1本だけのさらに小さな村だ。

夜 イタリア・アルバ郊外 ルレ・サン・マウリツィオ 「GUIDO DA COSTIGLIOLE」 アミューズ4

種、イカのリゾット、タコのグリルクリスピートマトソース、ヌガーパフェ、プチビール 10ユーロ、白

ワイン 7ユーロ、赤ワインバレバレスコ 15ユーロ 計チップ込み 36ユーロ

  

  

夕刻ホテルに帰る。すっかり上天気になったから、丘の上からの眺めが素晴らしい。オーナーの飼い

犬であるメイ君、慣れたスタッフを追いかける姿が愛らしい。敷地のところどころに建つ彫刻を撮影する

のも楽しいね。このホテルには立派なスパやプールもあるのだが、まぁ今回はいいやね。今夜はホテ

ル地下にあるミシュラン星1つの「GUIDO DA COSTIGLIOLE」でのディナーである。2人胃腸を休

めると欠席。メニューを聞いてえぇ?イカのリゾットにタコのメイン?昨年もここでディナーを食べたが、

あの時はここのシェフと植竹シェフのコラボコースだったからなぁ。イカのリゾットはやけに甘い。タコの

トマトソースも何だかなぁ。ヌガーパフェのデザートは以前と同じものだった。バルバレスコを1杯飲む。 

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9月 11日日(木) ピエモンテ州は曇り ヴァッレ・ダオスタ州は快晴!

朝 イタリア・アルバ郊外 ルレ・サン・マウリツィオ 「BISTRO SAN MAURIZIO 1619」 朝食ヴ

ュッフェ、持参のふすまパン

  

    エメラルドグリーンのラーゴブルーに映るモンテ・チェルヴィーノ4478m           モンテ・チェルヴィーノ=マッターホルン

夜中に枕元の携帯が何度も「メールだよん」と鳴って目を覚ました。知らない人から留守中に何度も電

話があったということだ。誰か知らないが、安眠妨害は止めとくれ〜。特別に15分早くオープンしてくれ

たレストランで朝食を摂ってチェックアウト。さよなら、ルレ・サン・マウリツィオ!2年続けて来たのだか

ら、来年も来るのかな。丘を下り、トリノをかすめて北を目指す。ピエモンテ州を抜けるまではどんよりし

た空だったがイタリアの北西部のヴァッレ・ダオスタ州に入ると雲が瞬く間に切れて素晴らしい晴天に。

そしてアオスタ渓谷に入るとバスは高度をぐんぐん上げて行く。やがてラーゴブルーという小さな湖に

行くと「逆さ富士」ならぬ「逆さモンテ・チェルヴィーノが。モンテ・チェルヴィーノはマッターホルンのイタリ

ア語である。普段見かけるマッターホルンの写真はスイス側から見たもので、イタリア側から見るとゴツ

ゴツした男性的な姿だ。バスで5分のチェルヴィニアに移動。いろんな場所からモンテ・チェルヴィーノ。

昼 イタリア・チェルビニア 「da MARIO」 (自由食) オニオンスープ 11,5ユーロ、マッシュルーム

ラディッシュチーズのホームメイドリゾット 15ユーロ、スティルウォーター

  

今日のランチは自由食だったが、チェルヴィニアの街はお土産屋もレストランもほとんどクローズ状態。

ドライバーさんが馴染みというレストランに全員でゾロゾロと。オニオンスープは失敗チョイスだったが、

リゾットは美味しかった。モンテ・チェルヴィーノの頂上にかかっていた雲がバスの乗る前遂に晴れた!

夕刻のお茶 イタリア・コーニュ 「ホテル・ベルビュー」 コーヒーとクッキー

  

       ラン・パルティーゾを真正面に見るルレ・エ・シャトーノホテル・ベルビューでお茶する      可愛いらしい客室

イタリア最高峰グラン・パルティーゾ国立公園玄関口コーニュには午後4時半到着。今日から2泊する

のはここもルレ・エ・シャトーの「ホテル・ベルビュー」。その名の通り、他のホテルから「ズルイ!」と言わ

れるロケーションに建っていて、素晴らしい景色が楽しめる。客室には早くも暖房が入っていて温かい。

夜 イタリア・コーニュ 「ホテル・ベルビュー」 自家製野菜を使った野菜の前菜、仔牛肉の蒸し煮 ロ

シュティ添え、ティラミス、ビール 5,5ユーロ、白ワイン 7ユーロ、赤ワイン 7ユーロ

  

  

このホテルのレストランもミシュラン1つ星を獲得している。前菜は自家製野菜を使った野菜の一皿だっ

た。甘くて美味しいですなぁ。同じテーブルのS木さんは、チーズがキライということで前菜食べず。メイ

ンはポテトのロシュティを添えた仔牛肉の蒸し煮。柔らかくてほんのり甘い。K林さんは、肉がキライと

いうことでメインは手を付けず。好き嫌いがあるということはもったいないことですなぁ。3点セット旨し。

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9月 12日(金) イタリア・コーニュは快晴!

朝 コーニュ 「ホテル・ベルビュー」 朝食ヴュッフェ

  

                              抜群のロケーションに建つホテル・ベルビュー           素晴らしい晴天である

昼 コーニュ 「La Brasserie du BON BEC」 (自由食) ポテトスープ 8ユーロ、パスタトマトソ

ースズッキーニピーナッツソース 8ユーロ

  

                   どこを見ても素晴らしい景色である              ジミラン村から見たコーニュとグラン・パルティーゾ

今日は一日フリータイム。寝坊しようと思っていたのに、夜中に「メールあり音」が鳴って目が覚めてし

まった。希望者は朝7時から村の散歩に出かけられた。7時半過ぎ朝食に下りて行くと、「寒かったぁ」

という散歩組が食事されていた。引き続き希望者はグラン・パルティーゾ国立公園にハイキングへ。私

は一眼レフとアイパッドを持って村の撮影に出かける。空には雲ひとつ無い。どこを撮影してもポスター

のような絵葉書のような絵柄になる。草を食む牛がのカーベルの音がガラコロと結構ウルサイ(笑)。村

の中心部にあるエノテカは日本人中島さんが経営する店。ワイン以外にも食料品を扱っており、店の

奥にはカフェもあった。今日も自由食で、希望者は添乗員のH原さんと近くの「BON BEC」へ。インテ

リアが似ているなぁと思ったら、ホテルが経営する店だった。午後ホテルの車でジミラン村へ。ここから

見るコーニュ村と4061bのグラン・パルティーゾが素晴らしい。明日行くモンブランもちょっと見えた。 

夜 コーニュ 「RESTAURANT MONTAGNE」 トーマチーズのフォンデュ、チェリートマトソースの

プディング、パン・豆・パスタ・チーズなどを使った地元郷土料理、コーニュクリーム、ビール、白ワ

イン、赤ワインとも5ユーロ

  

  

コーニュ村は標高1500mを超える。ジミラン村は2000m近いのだろうか。ここで2匹の猫を見かけた。

8月のインスブルックの旅ではルーターをレンタルして行ったが、今回は滞在ホテルのWi‐HIを利用し

ている。留守している日本ではいろんなことがあるようで電話やらメールやらいろいろ落ち着かないぞ。

夕食はホテルの別館にあるレストランで郷土料理を頂く。食事を終えて本館に帰る時、寒さで震えた。

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9月 12日(土) イタリア・コーニュもフランス・シャモニー、タロワールも快晴!

朝 コーニュ 「ホテル・ベルビュー」 朝食ヴュッフェ

   エギーユ・デュ・ミディ展望台からモンブランと対面!       4810mのモンブラン              シャモニーから見たモンブラン

5時半起床。今日はとても寒い場所に行くので、いつもより厚着をする。チェックアウトしてコーニュをち

ょっと走ると真正面にモンブランが!これからトンネルを抜けてあの山の間近まで行くのだ。バスで1

間走ってモンブラントンネルに入る。全長11km、トンネル途中に国境があってフランスに入る。モンブ

ランの麓の町はシャモニー。今日からのドライバーは初めて来たのか、エギーユ・デュ・ミディ展望台ケ

ーブルカーの駅がわからずグルグルと回る。エギーユ・デュ・ミディは「正午の時計の針」という意味だ。

標高1035bのシャモニーから、3777bのエギーユ・デュ・ミディ山頂部駅までの2800bの高さをケ

ーブルカーで途中1回の乗り継ぎで約20分で登ってしまうのだ。20分で2800bですよ、2800b。血

糖値を上げるため、ケーブルカーの中で慌てて飴を口に放り込んだ。シャモニー渓谷がどんどん小さく

なって行く。高度で心臓がバクバクする。そこから更にエレベータ(ここの待ち時間が長い)で3842b

のパノラマ展望台へ。目の前に真っ青な空を背景にした真っ白なアルプスの山々が飛び込んで来る。

その中で一番の高さを誇るのは、もちろんモンブランである。9年前に来た時は雲に覆われて姿が見え

なかっただけに、喜びも一入だ。今回3回目で初めてモンブランを見たというK谷さんと喜び合った!

昼 フランス・シャモニー 「LA CALECHE」 ミックスサラダ、ポテト、ハムサラミ盛り合わせ、ラクレッ

ト、苺とキイチゴのシャーベット、モンブランビール 5ユーロ

  

  

この2日後の915日から6ヶ月間改修工事のためエギーユ・デュ・ミディ展望台はクローズとなるそう

だから、ギリギリだったなぁ。下りのケーブルカーに乗るまで、まるで意地悪されているようにアチコチ歩

かされる。心臓バクバクの上に膝が悪い人間には苦痛である。エギーユ・デュ・ミディ展望台は20年間

乗り物を使って行くことの出来る展望台最高標高記録を持っていたが、34年前スイスのツェルマットに

出来た3883bのクライン・マッターホルン展望台に抜かれてしまった。シャモニーの町に下りて遅め

のランチはチーズを溶かして食べるラクレット。これ香ばしくて旨い。ビールはモンブランビールである。

夜 フランス・タロワール オーベルジュ・デュ・ペール・ビーズ アミューズ:ナッツ・オリーブ・フォアグラ

揚げ物・カナッペ、フォアグラのソティ アプリコットのシャーベット添え、鱈のメイン料理 豆のムー

        スと人参を添えて、ラズベリーのデザート、プチフール、ビール 10ユーロ、白ワイン 14ユーロ、

       赤ワイン 14ユーロ 計チップ込みで42ユーロ

  

  

今回の旅3軒目のルレ・エ・シャトーは、アヌシー湖畔タロワールに建つ「オーベルジュ・デュ・ペール・ビ

ーズ」であある。鮮やかなファッションを纏ったマダムがホテルを仕切れば、娘である女性シェフはミシ

ュラン1ッ星を獲得する4代続く名門ホテルだ。そうそう、シャモニーで迷ったバスのドライバーは、タロ

ワールでもホテルを見つけられずに迷って、私らは手荷物たくさん持って遠い駐車場から歩かされた。

7時半ちょっとパリっとした服で集まり、アヌシー湖を見ながら優雅なディナー。アミューズのナッツやオ

リーブ、フォアグラ揚げ物がとても美味しかった。さすがにここは飲み物も良いお値段ですなぁ。優雅な

ハズであったが、デセール前に4人も席を立ってしまうという行儀の悪さで、ちと恥かしい。また太った。

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9月 13日(日) 午前は曇り 午後から快晴

朝 フランス・タロワール オーベルジュ・デュ・ペール・ビーズ  アウトドア朝食ヴュッフェ

  

  

            フランスで人気の高いアヌシーの街はいたるところに運河が              透明度の高いアヌシー湖  

朝食は7時半と聞いていたが、その時間に行ってみると「745分から」と言われた。結局朝食にあり

ついたのは8時頃で、しかもアウトドア朝食だった。肌寒い程なのに。土日はこうしたヴュッフェなのだ

そうだ。アヌシー湖で泳いでいた白鳥や鴨などが慌てて寄って来て、足元でウロウロ。「キミ達と人間が

食べるモノは違うの!湖に帰って餌を探しなさい」と言い含めたら、わかってくれたのか不承不承では

あるが帰って行った。バスで30分も走るとアヌシーの街へ。「フランスのヴェニス」と呼ばれ、湖と繫が

る運河が街のあちこちに巡らされている。丘の上のアヌシー城に上るのも苦労した。はぁはぁヒィヒィ。

サン・ピエール大聖堂や運河の中洲にあるパレ・ド・リールを見学した。日曜日の午前中は運河脇で市

場が開かれていて地元の人と観光局でタイヘンな人出だった。フリータイムはお惣菜の店をジロジロ。

昼 フランス・アヌシー 「ブラッセリー ST MAURICE」 魚のテリーヌ、(チョイス)牛肉のフィレミニヨ

ン、ポテトグラタン、ティラミス、ビール 5ユーロ、エスプレッソ 2ユーロ

ランチのメインは、魚か肉かのチョイス制だった。私は肉子だよん。ランチ後フリータイムとなり、希望者

はアヌシー湖クルーズへ。私は関西から参加されたK藤さんとS木さんと3人で一足先にタロワール

に戻る。日曜日とあって、湖の周りでは面白いレースをやっていた。2人一組となって、一人が走ってい

る間、もう一方は自転車に乗って食事をしたり水を飲んだりして休憩。これを交替して行くのだ。中には

バレエのチュチュをつけたり、バッドマンの衣装をつけたりコスチュームに凝るカップルもいた。見てい

て面白いが、そのお陰で湖の周囲はタイヘンな渋滞となっていた。1時間かかってタロワールのホテル

にようやく戻った。このタロワールには、画家のセザンヌが滞在して「アヌシー湖」の作品を残している。

夜 フランス・タロワール オーベルジュ・デュ・ペール・ビーズ アミューズ:ナッツ・オリーブ・フォアグラ

揚げ物・カナッペ、アヌシー湖産の鱒のマリネ、鴨肉のロースと ベリー添え、ロブスターと野菜の

クリームメレンゲ仕立て、チョコレートスフレ ピスタチオのアイスクリーム添え、プチフール、ビー

ル 10ユーロ、白ワイン 14ユーロ、赤ワイン 14ユーロ 計チップ込みで42ユーロ

  

  

今日のディナーもホテルで。今夜の一騒動はなかなかに面白い体験だった。アミューズとそれは美しく

盛り付けられたアヌシー湖産の鱒のマリネ、自家製のパンは好評で皆さんパクパク召し上がったのだ

が、メインの鴨料理になると入り口近くに座られた3人は手をつけなかった。それぞれ「肉がキライ」、

「鴨が苦手」、「少食でお腹がいっぱい」という事情で。そこに運悪く、マダムが登場。「皆さーん、お料理

どうかしら。娘のシェフが作った料理は美味しいでしょ?」ってな感じで・・・。ところが、マダムが見た3人

はメインの鴨の皿に全く手をつけていないではないか。フランス語が出来るK中さんが「鴨が苦手なん

ですって」とマダムに言い訳すると、マダムは憤然とスタッフに指示と飛ばす。何か起こりそう・・・。やが

て「鴨残し3人組」にロブスターと野菜のクリームメレンゲ仕立てが運ばれて来た。チーズキライのS

さんはその皿にチーズがかかっていることを発見してオロオロ。これ食べないとマダムにまた叱られち

ゃう。じゃ、K中さん代わりに食べて!そこにあろうことか、他のメンバーにも同じ皿が運ばれて来たの

である・・・。全員小学生時代の給食時間のような気分になり、一致団結して全皿を食べて安堵したよ。

                     _______________

【今週の振り返り】

今回の旅は、友人達から「次はどこに行くの?」と尋ねられてもとても答えずらかった。旅行会社がつけ

たツァータイトルは「コーニュの谷からアヌシー湖へ アルプス越えの旅」というもの。しかし、何かすっ

きりしないよなぁ。だいたい、コーニュとかアヌシーって皆が知っているような地名だろうか?香港のコニ

ーさんに「コーニュハドコアリマスカ?」と聞かれても、どこかのジー様に「オヌシ、アヌシーとはいったい

どこぞや?」と聞かれても、私は答えられない。何か良いタイトルは無いものか。

今週行ったイタリアのピエモンテ州のトリノ、アルバ、バローロ、バルバレスコ、そしてヴァッレ・ダオスタ

州に入ってチェルヴィニアとコーニュ、フランス東部のシャモニー、アヌシーとタロワール、そして来週行

くスイスのジュネーブがすっぽり入る国がかつてあったじゃないか。「サヴォイア公国」である。サルディ

ーニア王国の前身となった公国で、1416年サヴォイア家のアメデーオ8世が神聖ローマ皇帝から公位

を授かって成立。首都はフランスのシャンベリにあったが、1563年トリノに遷都した。1701年から起こ

ったスペイン継承戦争でサヴォイア家のアメデーオ2世は、当初フランス側に付いたが、考え直してオ

ーストリア側に加担。それが効を奏して連合軍はフランスを撃破。サヴォイア公国は褒美にシチリア島

を割譲される。その後シチリアをオーストリアに割譲する代わりに、サヴォイア公国は代償としてサルデ

ィーニア島を手に入れ、アメデーオ2世はサルディーニア王となった。ここにサヴォイアとピエモンテ、そ

してサルディーニア島を主領土とするサルディーニア王国を成立させることとなる。その後の詳細は割

愛するが、このサルディーニア王国がのちにイタリア王国の中心的役割を担うのだ。偶然なのかどうか、

今回の旅はサルディーニア王国になるまでのサヴォイア公国を巡る旅であったな、と思うわけである。

ちょっと説明が長くなってしまったけど、どう、この纏め方。サヴォイア公国なんて初めて知った?もっと

わかりにくい?困ったなぁ。

それでは「ルレ・エ・シャトーに泊まりあるく旅」という言い方もあるかもしれない。「ルレ・エ・シャトー」は

1954年フランスで誕生した、世界的な権威を誇る名門ホテルとレストランの会員組織だ。行政が同じ

基準で宿泊施設を星の数で区分していることに対抗して、独自の高い基準をクリアしたホテルとレスト

ランに入会を認めている。2014年現在ヨーローッパを中心に世界64ヶ国、515のホテルとレストラン

が加盟している。日本メンバーの宿泊施設は、伊豆修善寺のあさば、神戸の神戸北野ホテル、箱根の

強羅花壇、松本の扉温泉明神館、谷川温泉の別邸千寿庵、加賀のべにや無何有、レストランでは、東

京のホテル・ドゥ・ミクニ、大阪の柏屋、東京の青柳、大阪のラ・ベカス、東京のレストランサン・パウ。そ

んなこと意識したわけではないが、私は4つの宿泊施設に何度か泊まったことがある。今回の旅で宿

泊したイタリア・アルバ近郊のルレ・サン・マウリツィオ、イタリア・コーニュのホテル・ベルビュー、そして

フランス・タロワール オーベルジュ・デュ・ペール・ビーズの3軒がルレ・エ・シャトーメンバーであった。

ルレ・エ・シャトーの5Cの選択基準、Courtesy(こころのこもったおもてなし)、Charm(洗練された魅

力あるスペース)、Character(特色や個性あるスタイル)、Calm(落ち着きやリラックスできる場所)、

そしてCuisine(質の高い料理)がすべて満たされていなければならないのだが、今回の3つのホテル

は概ね合格点であった。

しかし、この旅の最大の魅力は、好天に恵まれたため迫力が倍加したアルプスの山々!イタリア側か

ら見るマッターホルン=モンテ・チェルヴィーノ、コーニュのジミラン村から見たイタリア最高峰グラン・パ

ルティーゾ、そしてヨーロッパアルプス最高峰のモンブラン!どの山も青い空をバックに一番美しい姿を

見せてくれた。拝むつもりで飽くことなく眺めていた。

それにしてもモンブランという名のケーキ。栗やさつま芋じゃぁ、モンブラン(白い山)にはならんじゃな

いか。モンジョーヌ(黄色の山)とでも名前変えたら?どう?

   こまかいこと言うニャア

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