パクパク日記15年10月5週
イタリア・トスカーナ地方のシエナに7泊滞在した
トスカーナ風景絵葉書 パリオ競馬の絵葉書
10月 26日(月) 東京は晴れ
第1食 家食 野菜サラダ、スープワンタン春雨
第2食 成田空港デルタ航空ビジネスラウンジ
以前よりフードメニューが増えたような・・
6時半起床。出発日の朝は忙しい。だから起きて早々「ねこあつめ」なんてやっていてはイケナイので
ある。昨日の強風は木枯らし一号だった。その北風ぴゅーぴゅーのお陰で空は澄み渡って今日も富士山
が見えた。シャワー、朝食、手荷物作り、ゴミ出し作業の中で昨日作成したパクパク9月4週をアップ
した。昨日旅行会社から連絡があって、アルタリア航空の出発時間が1時間早くなるとのことだった。
遅れるならわかるが、早まるとは珍しい。よって集合時間も早まってタクシーの迎え時間も変更した。
なのに成田空港に行ってみたら、イタリアからの機材が遅れてやっぱり当初通りの出発なんだってさ。
第3食 アルタリア航空成田=ローマビジネスクラス機内食
ふ〜ん、アルタリアのビジネスこんな風になったんだ 富士山が見えた!
ラザニアは旨かった
昨日の話では出発が1時間早くなるが、ローマ到着時間は1時間遅れるということだった。何で?で
も機材遅れで1時間遅れたから、ローマ到着は2時間遅くなる。乗り継ぎ時間がとてもタイトになる。
で、チェックイン時「というわけでスーツケースは一番早く出て来るようにしてね」と全員がお願い
したのだ。イマドキ南回りですと。だからフライト時間が2時間余計にかかるのだそうよ。超久々に
乗ったアリタリア航空ビジネス席。変形スタッカードっぽくて座席はなかなか。スリッパあり、掛け
布団はポリエステル、日本週刊誌も冊数は少ないが搭載している。アメニティには靴下あり。エンタ
ーテインメントはリモコンが使いづらいので諦めた。「お食事のメインですが、お肉とお魚がございま
すが、お肉は売り切れました」。無いなら言うな!ふん!ラザニアは旨かった。胃がシクシクし、何と
も言えない不快感があって、2回目の機内食はパス。鎮痛剤の飲み過ぎか。14時間のフライトは長い!
深夜の第4食 イタリア・シエナ「NHエクセルシオールホテルシエナ」客室にて 鮭おにぎり、
ウィスキー
もうすぐ午前2時なのにおにぎり!
21時ローマ着。飛行機を降りると「フィレンツェ」の看板を持ったアルタリア航空のスタッフが立っ
ていた。われわれグルー17人+他の9人は彼の誘導でイミグレとセキリュリテイなどショートカット
コースでこなしてゲートまで急いだ。フィレンツェ行きは満席で20分遅れて離陸。フィレンツェには
23時に到着。心配したスーツケース全員分出て来て一同安堵。ここからバスでシエナまで80分!ホテ
ルに着いたのは深夜だ。胃の不快感も薄れたので2時近いけど、おにぎりとウィスキー頂きましょう。
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10月 27日(火)イタリア・シエナは曇り 1ユーロ€=約138円
朝 イタリア・シエナ「NHエクセルシオールホテルシエナ」朝食ヴュッフェ
昨夜は3時にベッドに入ったが、いろいろあって全く眠ることが出来なかった。そんなことで朝食後に
部屋を替えて貰うことに。どうせなら追加代支払ってもグレードアップして貰おう。朝食会場に行くと
同じ旅行社の別グループが食事中。添乗員は何度もご一緒しているH名さんだ。この朝食つまらんなぁ。
サリンベーニ広場 ここは「芋虫町」です カンポ広場の市庁舎プップリコ宮殿
ゴシックとロマネスク建築のドォーモ 白と黒大理石シマ模様のドォーモ内部 床は大理石象嵌張り
今日まで大理石の床面装飾が公開されている。56の宗教場面が大理石象嵌で表現されている
ピッコローミニ家の図書館は私が一番美しいと思う場所だった
ドーム見上げ 木彫が素晴らしい聖歌隊席
パイプオルガン 大理石の横シマ模様が印象的 13世紀に作られた八角形の説教壇
このツァーはシエナにまず7泊する。予定は2日目午前中のオリエンテーションのみ。あとは何をしよ
うが自由だ。添乗員が毎日市内や近郊の町に出かける企画を持っていて、希望者は一緒に行く仕組みだ。
4年連続行っているオーストリア・インスブルックの滞在型の旅と同じようなものだ。で、今日は唯一
の全員参加のオリエンテーション。メインストリートを歩き、世界遺産シエナ歴史地区の中心となるカ
ンポ広場を覗き、ドォーモを見学する。ドォーモでは今日まで大理石の床面装飾が公開されていてラッ
キーした。56の宗教場面が大理石象嵌で表現されていて素晴らしい。3000平方mを400人の芸術家が携
わったそうだ。昨年も来たのに覚えていないのは情けないが、ピッコローミニ家の図書館の美しさは息を
のむほどだった。シエナにとって最大のライバルはフィレンツェ。そのフィレンツェの大聖堂に大きさで
も負けたくないと拡張工事に取り掛かったが、ペストが大流行して多くの人命を失って工事は頓挫した。
昼 シエナ「TRE CRISTI」鴨のラグーパスタ(ピッチ)、豚肉のトマト煮込み、リコッタ
チーズとベリーのケーキ、コーヒー2€
坂の多いシエナの町。坂を下りたり上ったりしながらランチを摂る裏路地にあるレストランに到着。食
事前には自己紹介タイムがあった。姉妹、夫婦、先輩後輩、両親と娘3人、一人参加に加えて、夫婦と
長女の姑の3人なんて方々もいらした。パスタはこの地方の名物ピッチ。まるでうどんである。豚肉は
味付けが濃過ぎて半分しか食べられなかった。ミシュランにも載った店というが。シエナ名物パリオ祭
は7月2日と8月16日に行われるが、7月2日聖母マリアに祈りを捧げるサンタ・マリア・プロベンツ
ァーノ教会を食事の後に見学してから解散。ホテルに帰り、新しい客室で荷物の整理。ここに6泊だ。
夜 シエナ「NHエクセルシオールホテルシエナ」ミネストローネスープ、サーモンとベイクドポ
テト、チョコレートケーキ、ビール5€、白ワイン5€、赤ワイン5€×2杯
夕食は7時半からホテルレストランで。それまでいた客室が寒くてたまらない。暖房をお願いしたら、
「暖房は11月1日から」ですって。せめて毛布だけでもと持って来て貰うことに。夕食のテーブルは
女性5人の席となった。ワインはナミナミとついてくれて嬉しいぞ。昨夜寝ていないので早寝しよう。
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10月 28日(水)曇りのち雨
朝 シエナ「NHエクセルシオールホテルシエナ」朝食ヴュッフェ
国立絵画館はシエナ派のビザンチン的絵画の宝庫。窓から見たシエナの町
美術館をハシゴする。ドォーモ美術館に移って。ドゥッチョの「荘厳の聖母」
正面は巨大なドォーモのバラ窓のステンドグラス
ドナッチェッロの聖母像
今日から日曜日までずっと終日フリータイムである。添乗員М波さんの今日の企画は「シエナ美術巡
り」。絵を観るのは好きだから参加することに。朝から生憎の雨だが、時折止むこともある。先ずは
国立絵画館へ。シエナ派と呼ばれるシモーネ・マルティーニ、ジョバンニ・ディ・パオロなどの画家
の作品がある。14世紀のドォーモ拡張が途中で終わったファサードに造られたドォーモ美術館に行く。
ドォーモ内にあったドゥッチョ「荘厳の聖母」等絵画や彫刻、ステンドグラスなどが収納されている。
昼 シエナ「LA TAVERNA DEL CAPITANO」(自由食)リボリータ(パン入
り野菜スープ)8€、パルパッテッレ(きしめん状)ラグー8€、水
終日フリータイムだからランチも当然自由食だ。希望者はドォーモ近くのレストランへ。店内の壁には
パリオの写真がずらっと飾ってある。シエナの人にとってパリオ祭がいかに愛されて身近なイベントか
わかるよ。さて何を食べるか。スープはリボリータというパン入りの野菜スープしか無い。ゴトゴトし
ている。昨日売れ残って硬くなったパンと野菜の切れっ端を一緒に煮込んだって感じだね。ホントにそ
うかも。パルパッテッレは幅広きしめんのようでビロビロしている。これがシエナの料理なんだなぁ。
夜 シエナ「GROTTA ST CATERINA DA BAGOGA」バジルとトマトのス
パゲティ、七面鳥ロースト、自家製ケーキ、ビール小4€、赤ワインキャンティハーフボトル7€
昼食後希望者は大聖堂の洗礼堂とクリプタ見学に行かれたが、階段が多く雨が降っているので私は止
めた。ホテルまでの帰り道、雨が激しくなって傘をさしているのにビショ濡れになった。寒い部屋な
のに、ナゼか蚊がいて刺される。え〜ん!一人参加のS島さんはカラダ中アチコチ刺されたのかよく
はわからないが赤く腫れてお気の毒だ。伊坂幸太郎の「ジャイロスコープ」読了。西尚子の「通天閣」
を読みだす。添乗員のМ波さんに、難しいシャワーの使い方とコーヒーマシンの使い方を教わる。何
せ機械に弱い人間ですけん。自由食の夕食はシエナで人気というレストランへ。ここも坂を下り続け
てタイヘン。期待していた料理だが、味もサービスもイマイチ。帰りは4人でタクシー読んで貰って。
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10月 29日(木)雨のち晴れ
朝 シエナ「NHエクセルシオールホテルシエナ」朝食ヴュッフェ
昼 客室にて(自由食)ファミマのちゃんぽん麺、緑茶
メディチ要塞など見学する一人散歩
さすがイタリア。生のパスタがこんな種類いっぱい売られている。右はうどんのようなピッチ
メイン通りからカンポ広場が見える 今年8月16日パリオ優勝は森のコントラーダ シエナはどこも坂だらけ
今日添乗員М波さんと希望者は公共バスを使って塔の町サンジミニャーノに出かけられた。私は去年
行ったばかりだから行かない。一日一人でぶらぶらしていようと思っている。それがこうゆうツァ―
の醍醐味であるから。午前中はホテルの裏手を散策。暫く歩くとメディチ要塞がある。究極のライバ
ル・フィレンツェに結局は破れてしまったシエナだから、フィレンツェの支配者メディチ家の要塞が
あっても不思議は無い。雨上がりのシエナはしっとりと美しい。ホテルに帰ってお湯を沸かし、持っ
て来たインスタントのちゃんぽんでランチ。たまにこうゆう食事も好きですねん。午後は旧市街をぶ
らぶらしてスーパーにも行った。食料品のお土産を物色して、スープストックとか乾燥茸とかを購入。
夜 シエナ「Compagnia dei Vinattieri」(自由食)黒キャベツのパンチェッタ、豚肉のロース
ト、パンナコッタ3品で25€、ビール4€、白ワイン サンジェミニャーノ3€、赤ワイン ブル
ネッロモンタルチーノ8€ 計40€
今夜も自由食。М波さんの夕食プランにもちろん私は参加して、急な坂をおっかなびっくり歩きなが
ら「Compagnia dei Vinattieri」に行く。この店には平井さんという日本人のシェフがいらして、メ
ニュー構成に協力して下さったらしい。店頭には今が旬のポルチィーニ茸が飾られて、食欲を誘う。そ
れにしてもこの店の人気はどうしたことだ!かなり広い店なのにオープンから暫くして満席となった。
ということは味にかなり期待していいいのだな・・ところが。味はフツーであった・・。ちょっとが
っかり。帰りはゆるゆると歩くことにした。ホテルに帰って持参した麦焼酎の濃い水割りをグイッと。
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10月 30日(金)晴れ
朝 シエナ「NHエクセルシオールホテルシエナ」朝食ヴュッフェ
客室から見えるシエナの町 ホテル隣の公園でチーズなどの市が立った
優勝した瞬間! 今年7月2日パリオ祭で見事優勝したのは「塔のコントラータ」。4ヶ月経ってもまだお祝いムードが続く
1626年に完成した「塔のコントラータ」教会 パリオ祭優勝旗が教会に飾ってある 博物館には歴代優勝旗が
3日目の午後、3人家族のパパМ岡さんがギックリ腰になられた。私も40年前に初めてのぎっくり腰で
救急車で運ばれて以来、「癖になります」の予言通り、何度かぎっくり腰で痛い目にあって来た。だから
辛さがよくわかる。М岡さんは以来ずっと部屋から出られないお気の毒な毎日を送っておられる。それで
は退屈でしょう、とお嬢さんに読み終わった文庫本を託した。ホテルの隣の公園にはチーズなど食料品中
心の市が開かれていた。今日のМ波さんのプランは、「裏路地散策」。やっぱり坂の上り下りが激しいとい
うことなのでパスして、午前11時からの特別企画「コントラーダ」訪問から参加することに。待ち合わせ
場所はカンポ広場である。訪ねるのは、今年7月2日パリオ祭で見事優勝した「塔のコントラータ」だ。
シエナにはこういったコントラーダが17ある。7月の優勝から、既に4ヶ月が過ぎようとしているのに、
「塔のコントラータ」ではつい最近まで通りにテーブルと椅子を出して町内で飲み明かしていたのだそうだ。
1626年に完成したコントラータの教会と博物館を見学。過去45回の優勝のうち、優勝旗が残るのは35回
に過ぎない!長い歴史の中でパリオ祭は町の威信をかけた敢然と光る大イベントではある。町の意地だね。
昼 シエナ・カンポ広場「ALLA SPERANZA」(自由食)席料3€、ポルチーニスープ&ト
ースト11€、パッパデッレポルチーニ19€、水1€、チップ1€ 計35€
シエナ旧市街の中心地カンポ広場 季節柄、料理にはフレッシュなポルチーニ茸が使われる
コントラータ見学を終えてカンポ広場に戻って来た。扇状のカタチをしたこの広場は、中世の広場とし
ては世界最大の広場で、世界で最も美しい広場とも言われるそうだ。先ほど見学して来たコントラーダ
が一年に2回町の名誉をかけて闘う競馬パリオ祭は、まさにこのカンポ広場で開催されるのだ。希望者
は広場にあるレトランでランチを摂る。値段は高いし、席料3€だし、サービスイマイチ。この季節は
生のポルチーニ茸を使った料理がご馳走だ。じゃスープもパスタもポルチーニ茸ね。が、旨くないぞ!
夜 シエナ「DA ENZO」イラクサのテリーヌ、ポルチーニのリゾット、キアニーナ牛のラグ、
ーとチーズのマルファッティ、仔豚のフィレ、アップルケーキ、ビール5€、白ワイン5€、赤ワ
イン5€
希望者は午後カンポ広場に面している市庁舎の建物内にある私立美術館に行かれた。私は、階段が多い
らしい美術館は止めてお土産の物色に。それにしても、イタリアに多いシエナのような山上都市は住む
のはタイヘンだ。とにかく傾斜地の町だから、どこに行くにも坂、坂、坂。カンポ広場でさえ、傾斜が
あるのだよ。上りはまだいい。下りがね、膝に響いて痛いのだ。だから、自由時間の散歩は、ひたすら
坂のテッペンの尾根を進むがごとく、平坦な道を行ったり、来たり。なるべく曲がったりしないように
気をつけて散歩するのである。昨夜の夕食レストランは、真っ逆さまに(大げさ)にスキーで言うとこ
ろの直滑降で降りていくような傾斜地にあった。膝ががくがくした。その点今夜の店まではほぼフラッ
トで安心した。その上ポルチーニのリゾットを始め、5品みな美味しかった。ここまでのレストランで
は一番かな。山梨県から参加のO俣さんの話が面白かった。ギックリ腰のМ岡さんは病院に行かれた由。
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10月 31日(土)晴れ ハロウィーン
朝 シエナ「NHエクセルシオールホテルシエナ」朝食ヴュッフェ
ホテルの裏は市内スタジアム 蔦もすっかり色づいて 教会前から旧市街を望む
聖ドメニコ教会の内部は大掛かりな修繕が行われていた
シエナ市内のあちこちにはコンテンポラリーアートの展示が行われていた
今日М波さんと希望者はフィレンツェに出かけられた。私は去年もそれまでも何度も行っているので
参加しない。偶然だが、姪のカオルもローマに仕事で来たご主人のМ山君とフィレンツェに滞在中だ。
日本時間午後2時半から横スタでアメフットのセカンドステージの試合が始まっている。リーグ戦で
まさかの2敗を喫した我がチームだが、今日は他ディビジョン1位のチームが相手。チームのホーム
ページのツィッターでQごとに試合展開が報告される。応援に行けない分、試合が終わるまでホテル
のロビーで勝利を祈ってツィッターを見守る。よし!勝った!34対26だ。次は11月7日ウェストデ
ィビジョン2位のチームが相手だ。気分も軽く、午前中の散歩に出掛ける。聖ドメニコ教会に行って
みる。教会内部は大掛かりな修復工事が行われていた。昨日書いた絵ハガキを郵便局前ポストに投函。
昼 客室にて(自由食)きつねうどん、和菓子、緑茶
7泊中の「NHエクセルシオールホテルシエナ」 客室できつねうどん、和菓子、緑茶のランチ
午後のお茶 シエナ「Caffe La Piazztta」カプチーノ2€
今週末はハロゥイン。かぼちゃのジャック・オー・ランタン カプチーノを飲んだカフェの壁にもパリオの写真
午後2度目の散歩に出掛ける。明日は遠出するのでシエナ散歩も今日が最後だからね。これまで自由散
歩はひたすら山上都市シエナの尾根歩きばかりだったが、最後だから思い切って(大げさだってば)坂
を降りて行った。2日目にちょっと立ち寄ったサンタ・マリア・プロベンツァーノ教会でゆっくりしよ
うと思ったら、あらら〜ドアが閉まっているわ。ガッカリ。ここのマリア様は陶器製なのだ。小さなカ
フェでお茶しながら西加奈子の「白いしるし」を読む。薄いから読了。こうゆう過ごし方っていいなぁ。
夜 シエナ リストランテ「Mille Vini」(自由食)前菜盛り合わせ(チキンレバーのブルスケッタ、
生ハム・サラミ・チーズ、アランチーノ(チーズクロケット)、ポルチーニのカザリッチ(ショー
トパスタ)、肉のグリル、いろいろワイン何杯も 料理30€+ワイン22€
メディチ要塞の中にあるエノテカの地下展示室にはイタリア中のワインが揃う
今夜はお任せした前菜が美味しくて評判が良かった
今夜も自由食だが、メディチ要塞の中にあるエノテカ内リストランテとあって14人が参加しての夕食
となった。このエノテカは、2年前の1月イタリアワインの旅で現地参加してワイン選びをしてくれた
S木さんが働いていた店だ。地下にはイタリア中のワインが北から南までずら〜〜っと集めらていて、
なかなかに壮観である。一人30€の予算で、シェフがテキトーにコースを考えてくれるというのでお任
せした。前菜が4皿も出て、チキンレバーのブルスケッタやアランチーノが好評だったがパスタのピッ
チと牛肉はあまり旨くは無い。ワインは白1種、赤2種飲む。ドルチェはパスしてO俣さんと先に帰る。
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11月 1日(日)こちらは万聖節の祝日 晴れ
朝 シエナ「NHエクセルシオールホテルシエナ」朝食ヴュッフェ
サン・タンティモ修道院では合唱団が練習していた ぶどう畑も色づくトスカーナ
法王ピウス2世が建築家ロッセリーノに命じて理想の町として造ったピエンツァの町
カステッロ通リからは素晴らしい眺めが キス通りだってさ 箱庭のような町
3枚ともトスカーナ風景の絵葉書。なかなかこんなふうには撮れないよ
今日は早起きして近郊のピエンツァに行く準備をする。ピエンツァは去年秋にも行ったのだが、大雨
の日でしかも見学中にお腹がゴロゴロ言って何を観たか記憶に無い(笑)ので、参加することにした。
しかも、普通は公共交通機関を使うのに今日は専用バスがあるからね。そうそう今日は諸聖人の日と
も言われる万聖節でイタリアは祝日。すべての聖人と殉教者を記念するカトリックの祝日なのだ。9
時出発し、ここも去年行ったモンタルチーノの脇を通過して先ずはサン・タンティモ修道院へ。中で
は合唱団が練習中だった。ここから見える景色がなかなか。ぶどう畑が黄色に色づき、中には真っ赤
な畑も。糸杉とオリーブの木が印象的である。こんなところに小さな書店があり、トイレを借りた。
お礼に皆何かしらを買う。これで経営が成り立っているのだろうか。ここから45分走ってピエンツ
ァに到着。法王ピウス2世が建築家ロッセリーノに命じて寂れていた故郷を理想の町として造った町
である。走ったら数分で駆け抜ける程の小さい町だが可愛らしくもある。食料品店に皆ひっかかる。
昼 ピエンツァ「LA BANDITA」(自由食)25€の3コース(ズッキーニのカルパッチョ、
バジルのタリアッテッレ、テラミス)、アメリカンコーヒー1,5€
ランチの料理:ズッキーニのカルパッチョ バジルのタリアッテッレ テラミス どれも美味しい!
最後に立ち寄ったサン・クィリコ・ドルチャも小さな町 万聖節の市が広場に立っていた
ランチタイムはスケッチをするというO俣さん以外は「LA BANDITA」に集合した。この店
はセンスも味も抜群で、今回のイタリア旅行中「一番!」の店だった。ご馳走さま!午後は、サン・ク
ィリコ・ドルチャにちょっと立ち寄った。ここも丘の上にあって、駐車場から坂を上るのでありまする。
はぁはぁ。小さな町だが、広場では万聖節の市が立っていた。明日2日は「死者の日」なのだそうだよ。
夜 シエナ「NHエクセルシオールホテルシエナ」カネロニグラタン、ホロホロ鶏のスタッフドロ
ール、カラメルセミフレッド、カモミールティ、ビール、白ワイン5杯、赤ワイン2杯
7泊したシエナもいよいよ今日が最後。最後の夕食はホテルのレストランで。私達がこのホテルに到着
した日に同じ旅行会社の別グループが滞在していたが、昨日からオリヴィエートからまた別のグルー
プが滞在していて、今夜のホテルレストランは33名全員が日本人しかも同じ旅行会社参加者だ。オリ
ヴィエートも大昔行ったなぁ。最後だからかテーブル毎に赤ワインが1本サービスされた。それは良い
のだが、飲まないメンバーばかりの上あまり旨くないワインで困ったぞ。さぁ、明日は早起きせねば。
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【今週の振り返り】
イタリアには魅力的な町が多い。それが大きくても小さくても、だ。広場があり、教会やカテドラル
があり、塔があり、市場があり、カフェがあり、家の窓辺には丹精された花が咲き乱れる。町を歩け
ば、ピッツァの上にトロリと融けたチーズの匂いやカフェから流れて来るエスプレッソの香りに満ち、
陽気にお喋りするマンマや子供達の歓声・・・。そして坂。坂。坂。
山上都市、あるいは山岳都市と呼ばれる町がイタリアにはたくさんある。今回訪れているトスカーナ
州、来週から行くウンブリア州、そして靴の踵部分に当たるブーリア州にはいくつもの山上都市があ
る。山や崖の上に都市を築くというとんでもない労苦を覚悟せねばならない。それでもナゼ人々は実
行して行ったのだろうか。常に敵に脅かされる中世の時代だから防衛上の必要性から山上都市を築い
たのかもしれない。そして何度もペストやマラリアなどの伝染病で人口の多くを失った時代でもある
から疫病を避けるために山上で暮らす必要もあったのだろう。その中で私が一番先に行った山上都市
はオリヴィエートだったように思う。随分昔の話だが。切り立った断崖の上にある町で立派なドォー
モが印象的だった。崖の上の町に行くにために以前はケーブルカーに乗って行ったのだ。
昔話はさておいて、今週ずっと滞在したシエナは、サンジミニャーノと共にトスカーナ州で代表的な
山上都市である。3つの丘が重なった窪地のような旧市街の中心には美しさで有名なカンポ広場があ
る。ここにはかつて円形劇場があったと聞いた。現在市庁舎となっているプッブリコ宮に向かって広
場の地面は傾斜している。プッブリコ宮の前に建つと扇状に広場は広がっていて、立っている位置が
扇の要となるのだ。尾根道から広場に行く時は、急な坂を下りて行かねばならない。それがイヤでは
シエナのような山上都市には住めないのだ。そんな美しくも、斜めに傾く扇状の広場で、毎年夏パリ
オと呼ばれる騎馬レースが行われるのだよ。それも7月と8月の2回もね。
パリオ祭は7月2日と8月16日に行われる。7月2日はシエナに聖母マリアが現れたと信じられて
いる日で、8月16日は聖母マリア被昇天の翌日である。パリオが始まったのは12世紀と言われて
いるが、公式な記録が残っている最古の開催は13世紀。第二次世界大戦の5年間だけは中止となっ
たが、それを除けば数百年間、シエナの市民はこのパリオ祭に命を燃やし続けて来た。闘う単位は17
あるコントラーダ。地区対抗競馬と思って頂ければ近い。そのコントラーダの名称がまたユニークで、
塔、雌狼、芋虫、ヤマアラシ、カタツムリ、森、フクロウ、竜、キリン、ユニコーン、豹、亀、アヒ
ル、鷲、雄羊、貝、波。シエナの人は生まれた場所で生涯所属するコントラーダが決まる。「芋虫」
とかね(笑)。
17のうちパリオに出場出来るのは10チーム。前年出場出来なかった7チームと抽選で当たった3
チームである。傾斜したカンポ広場に砂を撒いて馬場を造り、10頭が3周(約1000メートル)する
のを6万人が見守る。鞍をつけない裸馬に騎手は手綱だけで馬を操る。相手の手綱を引っ張らなけれ
ば八百長や談合を含めて何をしても良いことになっている。たった90秒で終わってしまうレースだ
が、優勝の喜びがどれほどに大きなものかは、今週金曜日の「塔の町」の騎手の写真でおわかりかと
思う。優勝したコントラーダはパリオを誇らしげに掲げて馬と騎手と共に教会の聖母マリアに感謝に
向かうのだと言う。そして次のパリオまでコントラーダはお祝いが続くそうよ。そうそう、コントラ
ーダには「ネミーコ」という敵というかライバルコントラーダがあって、自分達の成績はともかく、
ネミーコが勝てないと大いに喜び、万一優勝なんかされると相当ガッカリするというから笑ってしま
う。シエナは一年中、パリオ祭のために生きているのだそうだ。因みにパリオとは「優勝旗」という
意味だ。シエナって面白いね。来週はウンブリア州ですよ。
そういえば「競猫」ってニャイね