パクパク日記15年11月1週
旅はトスカーナ州からウンブリア州へ。帰りの飛行機で風邪を引く
アレッツォの田園 ペルージャの町
11月 2日(月)イタリア・ペルージャは晴れ 1ユーロ€=約138円
朝 イタリア・シエナ「NHエクセルシオールホテルシエナ」朝食ヴュッフェ
先週月曜日からイタリアの中心部にあるトスカーナ州のシエナに来ている。同じホテルに7泊して約
1週間もの間、特に何もせずに(私はね)ぶらぶら過ごしていた。周遊型の旅もいろいろの場所に行
き、美しい景色を観たり、新しい体験が出来て良いのだが、年を取って来ると滞在型の方が楽ちんで
ね。それなら船旅に行け?う〜ん、何度も行ったけど船旅はちょっとね、もういいやって感じで。そ
れはともかく、先週の振り返りに書いたシエナに17あるコントラーダ。上の写真は、その一部の紋
章と旧市街のコントラーダ分布図です。紋章よく見ると、いますよ、芋虫さんとかキリンさんとかね。
久々にパッキングして出発準備。アップグレードした部屋代は360€だった。広いけど寒い部屋だった。
教会前にはサン・フランチェスコの像 とても歴史の古いカフェも教会前にある サン・フランチェスコ教会内部
サン・フランチェスコ教会にはピエロ・デラ・フランチェスカの「聖十字架伝説」の見事なフレスコ画が
「聖十字架伝説」にはアダムの死からシバの女王やソロモン王、コンティヌス帝の母ヘレナなどが登場する
サンタ・マリア・デッラ・ピエーヴェ教会のファサード あのアヴァザーリはアレッツォ出身
大聖堂のある丘の上からの景色 サン・ドメニコ教会にはジョットの師匠チマブーエの磔刑がある
朝食レストランには、久々にМ岡さんのご主人がおいでになった。シエナに来て3日目にギックリ腰
になられてずっと客室で痛みに苦しんでおられたのだ。今日の目的地ペルージャにはお嬢さんとタク
シーで午後向かわられる由。まずは良かった。私達は午前8時バスでアレッツォに向かう。初めて行
く町だが、ここはなかなかに凄いのだわ。学芸振興に熱心な町だったアレッツォだからこそ、詩人の
ペトラルカやあの11年の年月をかけて完成させた「芸術家列伝」のヴァザーリを輩出した。フィレン
ツェのヴェッキオ橋の「ヴァザーリの回廊」と言った方がわかりやすいか。それと何と言ってもサン・
フランチェスコ教会のフレスコ画「聖十字架伝説」だ。ピエロ・デラ・フランチェスカの力作である。
大聖堂のある丘の上まではぁはぁ言って上り景色を眺めたのだが、ここから見える景色がダヴィンチ
の「モナ・リザ」の背景という説があるらしい。骨董や金細工も盛んで、馬上槍つき競技や合唱コン
クールも有名とか。映画「ライフイズビューティフル」のロケ地なのだそうよ。この町も面白いなぁ。
昼 アレッツォ「BUCA DISAN FRANESCO」野菜スープ、チキンとポークソティ ポレンタとポテ
ト添え、ビスコッティノとサントワイン、アメリカンコーヒー2€
ここも坂の多いアレッツォの町をあっちこっちと歩き回ってくたびれた。ランチは最初にフレスコ画を
観た教会のすぐ横だった。今日から今年のオリーブオイルが出回るとかで、まさにエキストラ・ヴァー
ジン・オイルである。オリーブ臭さが気になって普段はあまり食べないが、それならちょっとパンにつ
けて頂きましょうかね。デザートはビスコッティノとサントワイン。トスカーナらしいデザートである。
夜 ペルージャ・ホテルブルファーニパレス カネロにグラタン、ホロホロ鳥のスタッフドロール
ポテト添え、カラメルセミフレッド、カモミールティ、ビール8€、白ワイン5杯、赤ワイン2杯
バスはスイスイ進んで1時間半強でペルージャに到着。いや〜、先週山上都市の話を書いたが、ここ
の旧市街も思いっきり山の上だわぁ。その一番眺めの良い場所に老舗で名門の「ホテルブルファーニ
パレス」がある。チャップリンやエリザベス女王まで滞在されたという憧れのホテルに私らも2泊し
ますねん。客室からも山の下のペルージャ新市街が見える。夕食はホテルのダイニングルームで。少
し良くなったというМ岡さんも丸テーブルの食卓に加わって賑やかな夕食となった。名門ホテルでも
料理が美味しいことはイコールではないのが残念。でもテーブルごとに白と赤のワインボトルがサー
ビスされるのは何とも嬉しい。皆さんあまり飲まないから、白は5杯、赤も2杯飲んでしまいました。
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11月 3日(火)快晴
朝 ペルージャ・ホテルブルファーニパレス 朝食ヴュッフェ
朝食はフルーツでも野菜でも何でも絞ってくれるサービス付き ホテルからの眺めです
朝食会場はまた別のレストランだった。高級ホテルのわりに、ヴュッフェに並べられた料理の種類は
そう多くない。味もフツー。その代わり、野菜でもフルーツでも客の注文に応じて何でも絞るサービ
スがあった。ジューサーで絞るのだが、よく繊維が詰まってね、サービスは何度も中断するんだわ。
ローマ門 広場の下にはエトルリア時代からの町が地下にある 町を上下する手段はエスカレーター
プリオーリ宮には美術館と市庁舎が 大聖堂前の大いなる泉 イタリアの著名建物ポスター
サン・ロレンツゥオを祀る大聖堂内部
プリオーリ宮内の国立ウンブリア美術館にはウンブリア派の絵画や大いなる泉の彫刻が展示されている
9時ベルギー人の男性ガイドと一緒に市内見物に出かける。その前にウンブリア平野が見渡せる広場
で記念撮影。そのすぐ傍に、ラファエロの師匠であるペルジーノの銅像があった。宮廷画家だった父
親が亡くなって孤児となったラファエロは、11歳で故郷のウルビーノを出手ペルージャのペルジーノ
の弟子となったと伝えられている。ラファエロ好きの私だから、「お世話になりましたね」なんて銅
像に御礼言って(笑)。その広場の下にはとんでもないものが。町がそっくりあるのだよ。エトルリア
時代からの町、それも高級住宅地が教皇の怒りを買って埋められ要塞となった。アーチをいくつも築
いてその上にイタリア広場を造ってしまったのだ。塩に高い課税をかけた教皇に実質的支配者バリオ
ーニ家を始めとする市民達が反対したことから起こった塩戦争の結果だ。そのイタリア広場からまっ
すぐ大聖堂に続くメインストリートには、各国の姉妹都市からの市が出て賑やかである。11月4日広
場には水道が完成した記念に造られた大いなる泉の大噴水、そして大聖堂がある。大聖堂に大事そう
に収納されている「聖母マリアの結婚指輪」の真贋を問うと、同じ質問を教会関係者にしたガイド氏
への答えは「そうともそうでないとも」。皆さん旧市街外れのエトルリア門を観に行かれたが何人かは
残って市場をひやかす。観光の最後は、プリオーリ宮にある国立ウンブリア美術館見学。プリオーリ
宮は市庁舎も使用している。美術館にはペルジーノやピエロ・デラ・フランチェスカの作品があった。
昼 ペルージャ・ホテルブルファーニパレス(自由食)プロセッコ(サービス)、ベジタブルスープ
15€、タリアテッレ鱈とカラマリのトマトソース18€、アクアナチュラーレ、コーヒー
@チップ込みで43€
これがホテルブルファーニパレスの外観とロビー ウンブリア平野の眺め
12時午前中で見学終了。解散。今日は素晴らしい晴天だ。日が当たる場所を歩いていると、ジリジリ
日焼けして顔真っ黒になっちゃうぞ。ランチは自由食だから、いくつかのレストランを覗いてみたが、
どうもサービス開始は12時半らしい。散歩しながらブラブラ歩いていると、何だ、ホテルの前に着い
てしまった。ではカンタン飯にするか。と部屋で持参した湯沸かし器を探すも見つからん。え〜え〜、
あれどこやった?一度の使っていない湯沸かし器・・・!シエナのホテルに忘れて来たんだぁ〜。そ
れではホテルのレストランで食べよう。豪華なレストランは、私で2人組目。プロセッコをサービスし
てくれた。スパーリングは苦手だが、サービスなら飲むか。スープにパスタにコーヒー。ゆったりと。
夜 ペルージャ・ホテルブルファーニパレス ノルチヤ風ペンネ、ローストビーフ、コーヒームー
ス、カモミールティ、ビール、白ワイン、赤ワイン(サービス)
食事の後、部屋に帰って湊かなえの「境遇」を読んでいたら、満腹で疲れていたせいか、いつの間に
やら勝手にシエスタタイムとなった。これ以上ないお天気のペルージャで真っ昼間お昼寝するって豪
勢でいいでしょ。湊かなえの作品は全部読んでいるけど、最近の作品は何だかなぁ。「母性」」「境遇」
どっちも読むのがシンドイ。初期の頃の作品の方が力に満ちていたような。今夜はこの旅の最後の夕
食。シエナで毎日蚊に食われてアチコチ腫れていたS島さんは通訳の方と一緒に病院に行かれて欠席。
最後の夕食というのに、昼がたっぷりの量があったせいか全然お腹が空かないのだよ。ノルチヤ風ペ
ンネとはゴルゴンゾーラチーズと挽肉のペンネ。美味しいが半分食べるのがやっと。ローストビーフ
は一口だけ。もったいないけど。その代わり、テーブルについたワインをグビグビと。食後見学に。
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11月 4日(水)ペルージャは曇り ローマは晴れ
朝 ペルージャ・ホテルブルファーニパレス 朝食ヴュッフェ
5時半起床。今日は帰国日だ。シャワーを浴びてパッキング。今回はホテル9泊だったが、7泊+2泊
でパッキング回数は2回のみだった。楽だね、こうゆうの。朝食レストランでは、何でも絞り係は女性。
オレンジとパイナップルを絞って貰った。いつもオレンジジュースは飲まないのにね。さてと出発だ。
昼 ローマ・レオナルド・ダ・ヴィンチ空港アルタリアラウンジ
サビシイ昼食です
夜 アリタリア航空ローマ=成田ビジネスクラス機内食
バスでローマのレオナルドダヴィンチ空港へ。ここでローマに延泊されるМ岡ご一家とお別れする。腰
お気をつけて下さいね〜。今日もランチはついていないから、アリタリア航空ラウンジでカンタンに。
午後3時発成田行きのアリタリア航空784便に搭乗。行きの教訓を生かしてビールは頼まないようにね。
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11月 5日(木)東京は晴れ
朝 アリタリア航空ローマ=成田ビジネスクラス機内食
殆ど食べなかった朝食
昼 成田空港第一ターミナル「杵屋麦丸」 かけうどん390円、温泉卵100円、しめじ天100円、ちく
わ天130円
パスタもいいけど、うどんもね!
帰りの飛行機の中はとても寒く、乗っている間に風邪を引いてしまった。咳が出るし鼻水がタラッと。
11時15分定時に成田到着してのは良かったが、一番に下りた私が目にしたものは、私の名前を書いた
紙を掲げた航空会社職員。「ユメコさまのお荷物が、未だローマにあるらしんですね」。って何だよ!
バゲジクレームで最後まで待って、O俣さんと私のスーツケースが出て来ないことが明白となる。怒
ったり届けて貰う手続きなどしているうちに時間はどんどん過ぎて空腹に。手ぶらなら空港でお昼ご
飯食べて行こう。フードコートに行くとあれもこれもで悩む。天ぷらのせたうどんに生姜たっぷり!
夜 家食 コンビニディナー:レタスハムチーズサンドイッチ、フォーのスープ、豚汁
帰宅して、すぐ医者に行く。風邪薬を貰い、ついでにインフルエンザワクチンも打って貰った。じゃ、
ついでのついでに血液検査もして下さい。そうそうイタリアに向かう時、胃に不快感があってね、胃
薬も貰いますか。今夜はインフルエンザの予防接種もしたことだし酒飲まずに家食にしよう。このメ
ニュー3つ合わせた糖質はおにぎり1個と同じ位で500カロリー前後だ。問題は添加物だな。無酒日
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11月 6日(金)晴れ
朝 家食 メンチカツふすまパンドッグ、まるごと豆腐スンドウブチゲ
寝ている間、咳と鼻づまりに悩まされる。鼻はしょっちゅう流れるし、咳は止まらない。何度も起き
て鼻をかみ、咳込んでね。枕の周囲はティッシュペーパーだらけになった。困ったなぁ。実は今日昼間
乃木坂の歯医者の予約を取っている、その後引き続き八重洲の病院で口腔のMRIを撮影に行くことにな
っている。こんな状態で歯医者に行って口開けていられるのか。鼻垂れるぞ!咳して歯医者さんの手噛
むぞ!電話した。声が出ない。搾り出したシワガレ声で「どうしましょう」「治ってから来て下さい!」
昼 無し!
夜 舟町「仙水」お通し:根三つ葉と北寄貝のお浸し、大間の鮪と函館の鰤刺身、牡蠣フライ、野菜
煮(海老芋・舞茸・茄子)、銀杏塩煎り、牡蠣雑炊、生ビール2杯、麦焼酎ボトル @1万6930円
アツアツ牡蠣雑炊
午前中はずっとゲホゲホ咳をしながら寝ていたが、午後落ち着いたので洗濯してから美容院へ。月一の
カット&ダイも日がずれると白髪も目立つし、襟足に伸びた髪もうっとおしい。咳しっぱなしでH塚さ
んゴメンね。そうそう美容院に行く前、アルタリア航空から電話があり、無事ローマからスーツケース
が着いた由。無事でも無いわよねぇ、スタッフの不注意で今日になったのだから。共連れになった大月
のO俣さんの荷物も一緒だと聞いてホッとする。夕食は「仙水」へ。やっぱり食は日本やねぇの常套句。
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11月 7日(土)晴れ
朝 家食 野菜スープ、バナナ
昼 恵比寿アトレ「かつ彩」 やわらかヒレ勝つ定食1317円、アイスコーヒー180円
山盛りキャベツはお替り!勝てよ!
機内で引いた風邪は「アリタリア風邪」と命名した。今日はアメフットチームの第二ステージの2試
目が午後ある。月に一度の恵比寿ランチは、トーゼン勝つモノだ。やわらかヒレ勝つ定食を食べなが
ら「勝てよ、勝てよ」とモリモリ食べる。その後行ったアーユルベーダ施術の最中も咳が止まらない。
午後のお茶 恵比寿アトレ「スターバックス」アールグレイ紅茶
夜 恵比寿「マサズキッチン」(2人で)8000円コース(前菜盛り合わせ:ピータン豆腐・寒ブリ葱
ソース・淡路島玉ねぎスープ・牛スジの四川風・自家製チャーシュー・きくらげ豆腐、海鮮(海
老・イカ・蟹・帆立)のエンジェルヘア巻揚げ、大根とスペアリブの上湯スープ、フカヒレの姿
煮、白菜と上海蟹の煮込み、小籠包、選択:汁無し担々麺か冷し担々麺、選択:杏仁豆腐)、生ビ
ル750円、陳年花彫紹興酒15年ボトル8000円
アメフットの試合は、52対9で大勝した。これで決勝リーグに行ければ良いのだが、それは他チーム
の結果次第。祈るような気持で次週を待つ。少し時間があったので恵比寿アトレの書店「有隣堂」に
数カ月前併設された「スターバックス」で今買ったばかりの本を読んだり、ネットをチェックしたり。
今夜は、恵比寿の近くの四川料理レストランで待ち合わせしている。ミシュラン☆の「マサズキッチ
ン」で8千円のコースを予約している。オープンキッチンの店内で、前菜盛り合わせは和食の八寸の
ようで面白い。大根とスペアリブの上湯スープが実に良い味。しかし、食事の途中で咳が出て。アリ
タリア風邪の咳と唐辛子が喉に引っ付いての咳が混じってね、止まらないんだわ。咳って疲れるねぇ。
帰宅してから録画していた「あさが来た」を観る。今週分全部観終ったらもう午前2時を過ぎていた。
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11月 8日(日)雨のち曇り
朝 無し
昼 家食 玉子サンドトースト、野菜サラダ、お茶
3日前イタリアから帰って来たばかりなのに、しかもヒドイ咳風邪を引いているのに、奥様今日からお
出かけですって?えぇ、バアヤ、そうなのよ。荷造りお願いね。と言えればどんなに楽か。バアヤは
私なのだった。だから、3日前片づけたばかりなのに(嘘。片づけてなんか無いよ)また荷造りを始め
る。水着?ビーサン?虫対策?日焼け止めクリーム?ははぁ、今度は暑い国に行くんだな、バアヤは。
夜 成田 ホテル日航成田「サンセットラウンジ」 晩酌セット1500円(生ビール2杯、野菜スティ
ック)、彩り野菜の炒め物小1040円、春巻440円、蟹と豆腐煮込み小1200円、五目チャーハンハ
ーフサイズ、ナッツ、麦焼酎ロックダブル2杯 @6360円
海外旅行もこんなに続くとゲップが出そうであるが、申し込んでしまったのだから行かずばなるまい。
午後8時成田空港近くのホテル日航成田にチェックイン。羽田空港発が半分くらいあるので、成田前
泊も以前に比べて激減したが、泊まるのはこのホテルが一番多い。便利だし、慣れているしね。で、
夕食もいつもの「サンセットラウンジ」だ。ここのスタッフは、予約客リストに私の名前を見つける
と「絶対来るから」とカウンターに私用の「予約席」プレートを置いてしまうのである。必ず中華料
理の出前を頼むから、黙っていても中料理レストラン「桃季」のメニューが置かれる。で、黙ってい
ても晩酌セットのサッポロ黒ラベルの生ビールが運ばれて来る。セットにつくつまみはナッツより野菜
スティックが好きだからそれもね。今日は最後に五目チャーハン注文。ハーフサイズより多くない?
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【今週の振り返り】
アリタリア航空に乗らなくなって何年経っただろうか。以前は一年に何度か乗ることもある航空会社
であったのだが、いつの間にやら極めてサービスの悪いことに気付いて乗らなくなった。例えばこん
なことがあった。当時の私はジントニックばかり飲んでいた。当然食事の飲物としてジントニックを
注文。すると、CAは「あら〜、お客様すみませーん。飲みモノを積み込むスタッフがジンを入れるの
忘れてしまったらしくって。他のものどうですか」。最初は仕方ないかと思っていたが、次に乗った時
も、その次も同じことが繰り返された。無いなら無いと言えば良い。毎回そうやって演技して客を騙
すのかと客室係責任者を呼んでクレームをつけた。責任者はこう言った。「お客様、お願いですからア
リタリア航空本社にクレーム直接言って下さい。実は日本の男性が好きなウィスキーも積んでいませ
ん。文句言われて困っているのは私どもです。現場から言っても、会社は聞く耳持たないので、お客
様が本社にどうか直接・・・」。
経営悪化で赤字が嵩む一方なのに、労働組合の抵抗でリストラ策が進まないアリタリア航空。当時の
イタリア建設相は「売却先が見つかるのならたとえ1ユーロで売却しても構わない」と発言したこと
が話題となった。この頃のアリタリアに乗っていたんだね、私は。その後、エールフランス_KLMに
買収されるもやっぱり労働組合が強固に反対して迷走。その後完全民営化を果たしたものの経営難は
続き、昨年にはアブダビのエディハド航空が筆頭株主になり、アリタリア航空はエディハド傘下とな
ったのだ。
10月上旬の北ポルトガルはアリタリア航空利用だったが、私だけルフトハンザ航空に乗って行った。
しかし、10月下旬からの今回のイタリア旅は往復ともアリタリア航空に乗ったのだよ。出発前日に
「フライト時間が1時間早まる」という異例の連絡が来て、空港に行ってみれば、機材が間に合わな
いから、「やっぱり同じ時間に出発する」。但し、「到着は、当初より3時間遅くなる」。理由は南回り
で行くから時間がかかるって。いろいろ聞いてみたら、サマータイムが終了して1時間フライト時間
が変更になる際、お国の上空飛ばして下さいね、とロシアにお願いしたら「イヤだ」って言われたと
か。仕方なくシベリアルートより南の航路を飛んだというわけ(らしい)。帰りの飛行機はどうなるん
だろうと思っていたら、「15時発から14時20分に早まる」という連絡が来たそうだ。出発の2日前
に。ところが、当日「やっぱり15時です」って。あ〜ぁ。
ローマで復路便のチェックインの時の話だ。私が並んでいる列の担当者は男性職員。眉が黒くて太い
典型的なイタリア顔。その彼が私の前の人の手続きを終わるあたりから、カウンターに寄り掛かった
同僚女性とお喋りを始めた。私の番になってもお喋りは続く。パスポートやマイレージカードなどチ
ラチラみがら手元のキーボードは叩いてはいるが、彼の関心は同僚とのお喋りだ。「仕事中はお喋り
禁止!」と大きな声で言ってみた。日本語で。蛙のツラに○○ってヤツね。私の分が終わって、次が
О俣さんだった。彼は未だ喋っている。O俣さんが貰った搭乗券を観て驚いた。私の名前と私と同じ
座席番号が書いてあるではないか!彼女はエコノミー席なのに。まったく同じ搭乗券を発券してしま
う程お喋りに夢中になるってどうよ!添乗員のМ波さんと一緒に「何よ、これ!」。ソーリーソーリー。
でやっとお喋り止めた。搭乗者名と座席は変更したが、スーツケースのタグを直し忘れたのだ。彼は。
つまり同じタグが2つ存在することになった。成田に着いて、私の名前が書かれた紙を見た途端に、
「お喋りイタリア野郎」の顔が浮かんだ。アイツの不注意のせいで、私とO俣さんのスーツケースは
ローマに取り残された。風邪は引くし、「ったくもう〜アリタリア」なのである。ゴホン、ゴホン。
これで終わるのでは後味が悪い。ちょっと楽しい話を。ペルージャで2泊したホテルブルファーニパレ
スには、エリザベス女王やチャップリン以外に、私達日本人が良く知る人が泊まっていた。サッカーの
中田英寿である。泊まるなんてものではない。半年もの間、彼はこのホテルに滞在した。2泊目の夕食
が終わった後、希望者ミーハーは、彼が滞在していたスィートルームを見学させて貰った。彼はどんな
人だった?と聞くと、「とても優しい人でした」ですってよ。
中田英寿さんが半年間滞在したスィートルーム。彼はこのベッドで寝て、このバスタブに入ったんだぁ
せ、咳が止まらニャいの コンコンコン