パクパク日記１９年７月４週

　　　　　　　　　　　　　　シアトルから帰国し、大阪道頓堀と赤坂で芝居見物。

　　　　　仁左衛門・大物浦　　劇団新感線・けむりの軍団

７月　２２日（月）東京は曇り　今日は２４時間−１６時間＝８時間しか無い！

昼のおやつ　ＡＮＡシアトル＝成田ビジネスクラス機内食（フルーツ、アイスクリーム、コーヒー）

　　　食欲なくて機内食２食目はこれだけ

夜　舟町「無門」付き出し、茄子揚げ浸し500円、黒崎茶豆840円、ジャコと水菜のサラダ550円、

黒豚豆腐680円、ノンアルコールビール、麦焼酎「佐藤」　＠5487円

　　　

大谷翔平君の応援のためＭＬＢ観戦に赴いたシアトルから帰国した。行く時は時差16時間あるか

ら24時間＋16時間＝40時間もあるが、逆に帰りは24時間−16時間＝8時間しか無いことになる。

その上シアトルからのフライト時間は8時間なのにほぼ眠れなかったから、2食目は全然お腹が空

かないのだよ。何も無しじゃ寂しいかとアイスクリームとフルーツをちょこっとなんて雀の子み

たいね。私と違って一緒に行ったオジョーは1食目機内食が出て来た時からウトウトして「お客

様、あと１時間で着陸します」とＣＡに起こされるまでグッスリ眠っていたのだとか。いいなぁ。

まぁ、彼女の車で送って貰ったから睡眠バッチリは良いことなんだけどね。それにしても久々の

成田空港。アチコチ大修理中で、貧しい国のサビレた空港のようで哀愁がたちこめていた。夕食

は「無門」に行った。夜になってもさほど食べたくない。やっぱり東周りはこの私でもカラダに

堪えるってこともあるのかな。だから豚炎鍋さえ食べなかったのさ。短いとはいえ海外からの帰

国日なのに肉も魚も無しで僧侶のような夕食だった。黒崎茶豆は新潟の人気ブランド豆と聞いた。

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７月　２３日（火）東京は晴れ

朝　家食　シーチキンとコーンのサラダ、野菜のコンソメスープ、チーズ、ブランパン、クランベ

リージュース＋蜂蜜、飲むヨーグルト　　

昼　家食　大分の茹でトウモロコシ

　トウモロコシは茹でてから冷凍保存

由布院の亀の井別荘からお中元としてトウモロコシがドカンと送られて来た。毎年のことで嬉しい。

しかし、昨日久々に帰国したばかりだが、早くも明日からに出かけてしまう。お昼に２本食べて、残

りは茹でて1本ずつラップにくるんで冷凍した。甘くて旨いいトウモロコシ。即礼状を書く。ありが

とう！年がら年中旅ばかりでロクに家にいない。青森からシアトルまでも１日だったが、今回も１日

しかない。この貴重な日は大量の洗濯や支払いやこの先のホテル予約などパキパキとこなさないとね。　

夜　荒木町「よつやこくている」ポテトサラダ500円、野菜炒め500円、鶏唐揚げ600円、冷奴500

円、ノンアルコールビール、麦焼酎　＠3456円

　　

　ナポリタンはグッとガマンしたぞ！

私にとって「よつやこくている」は特別な思い出がある店である。早稲田暮らしも長くなって次の

住まいを考えていた頃、「よつやこくている」の先代ご主人から「こんなに荒木町にちょくちょく

来るなら、いっそこの近所に住めば？」と言われたのだ。それもそうね、いつもタクシーで帰るけ

ど、ここに住めば楽ちんだものね、なんて私は言った。他にも根津、神楽坂、青山、大崎など候補

は幾つかあったが、最終的には荒木町を選んだ。それから2年ほどしてマンションが完成し引っ越

した。最初の土曜日、近所を散歩していたらご主人にバッタリ会った。「ホントに引っ越して来た

んだねぇ」「これからもよろしく」と元気に言葉を交わしたのだが、以来ご主人は入院されてしま

った。数ヶ月後ゲッソリ痩せたご主人はお店に姿を見せたが、やがて帰らぬ人となった。ご主人亡

き後、奥様と若い息子さんが店を守っている。その体制になってから十数年経ち店は繁盛している。

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７月　２４日（水）東京は曇り時々雨　大阪は晴れ　　　九州、四国、近畿地方など梅雨明け

朝　家食　シーチキンとコーンのサラダ、野菜と塩チキンスープ、チーズ、ブランパン、クランベ

リージュース＋蜂蜜、飲むヨーグルト

　　

昼　ＡＮＡ羽田＝伊丹プレミアムクラス機内食

　　

　　　　　　　　　　　　　心斎橋筋のクロスホテル大阪にチェックイン。ここから松竹座はすぐだ

　　　　　　　　　関西・歌舞伎を愛する会は毎年クソ暑い7月に松竹座で行われる

　　　　　　　　今年は関西・歌舞伎を愛する会結成40周年である。目出度い！40年を辿る展示も

夜　大阪・心斎橋筋・クロスホテル大阪「テラス＆ダイニングＺＥＲＯ」ニース風サラダＺＥＲＯ

スタイル1300円、トリュフ風味のクロケット900円、オニオングラタンスープ生姜風味800円、

ミックスナッツ、ノンアルコールビール、赤グラスワイン650円×２杯　＠6771円

　　

今日から大阪１泊２日。この暑い季節に毎年関西・歌舞伎を愛する会の公演が松竹座であるのだ。

以前は心斎橋駅直近の日航ホテル大阪に宿泊して松竹座には歩いて往復する、あるいは梅田駅近く

のインターコンチネンタルに宿泊してタクシーで往復したことも何度かあった。しかし、松竹座

のすぐ近くにクロスホテル大阪に宿泊すればタクシーも不要だし、歩く距離も少ない。チェック

インして荷物を置いてから劇場に向かった。今年関西・歌舞伎を愛する会は結成40周年を迎えた

のだそうだ。「芦屋道満大内鑑　葛の葉」から夜の部始まる。女房葛の葉と葛の葉姫は時蔵、安

倍保名に萬太郎。狐が命を助けてくれた保名に恋をし、許嫁の葛の葉姫に化けて所帯を持つが、

ホンモノの葛の葉姫が現われて身を引くという悲しい話だ。この芝居好き。「恋しくばたづね来

てみよ和泉なる　信田の森のうらみ葛の葉」と左手や唇で筆を咥えて筆書きする場面は見応えが

ある。「弥栄芝居賑」は40周年を寿いで俳優幹部が一堂に並んで末永い繁栄を祈願する。関西歌

舞伎はホント苦労して来たんだなぁ。最後は「上州土産百両首」。初めて観る芝居だ。正太郎に

芝翫、牙次郎に菊之助、おそでに壱太郎、金的の与一は彌十郎、隼の勘次に扇雀。芝翫も熱演だ

ったが、間が抜けた牙次郎の菊之助が不思議な魅力で客を惹きつけた。ホテルに帰って「テラス

＆ダイニングＺＥＲＯ」で遅い夕食。時間が遅いせいか客はまばら。味は良いが、ボリュームが

料理によって極端に多い少ないがあってマゴツイタ。ニース風サラダはたっぷりで食べ応えあり。

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７月　２５日（木）大阪はピーカン　東京も晴れ

朝　大阪・心斎橋筋・クロスホテル大阪「テラス＆ダイニングＺＥＲＯ」朝食ヴュッフェ

　　

　　　クロスホテル大阪の朝食ヴュッフェは品数が多くて素晴らしい！　シアトルのシェラトンホテル見習いなさい！

　　　　　クラムチャウダーもあるし、納豆カレーも食べられて朝から嬉しいぞ！

　　最後となるか仁左衛門の知盛　　　　　　　　関西・歌舞伎を愛する会は大阪の松竹座で　　

昼　大阪・道頓堀「今井」親子丼（小きつねうどん付き）1620円、夏ミカンゼリー432円

　　

　　　　　　　　　　　　　昼の部2つ目の演目を失礼して松竹座にほど近い「今井」でランチ

小さいきつねうどんが付いた親子丼セット。ご飯はほぼ残す。代わりに夏ミカンゼリー食べちゃダメじゃん

夜　ＡＮＡ伊丹＝羽田プレミアムクラス機内食

　　

　　　　　　今夜の夕食はプレミアムクラスの機内食で終わり。弁当は500�i位なんだぜ。酒も無しだ。エライだろ？

　　

　　　　　　　　チコちゃんがプロ野球の始球式に登場。投球前にクイズもやって大サービス！

かなり前だが、札幌のクロスホテルに何泊かしたことがある。夏だったから家族連れの客が多く、

レストランに入るために並ばねばならないわ、子供は走り回るわで毎朝ヴュッフェは大騒ぎだった。

以来、クロスホテルは止めた。しかし、大阪のクロスホテルの朝食は素晴らしい。特に混むことも

なく、品数の多いヴュッフェをゆっくり楽しむことが出来るのだよ。気に入った！松竹座昼の部は

「色気噺お伊勢帰り」。松竹新喜劇の作品を歌舞伎とした舞台で話としてはバカらしいが、まぁ軽

く笑って軽く観るということか。喜六に鴈治郎、女房お康は扇雀、喜八に芝翫、女房お紺に梅枝、

うわばみの権九郎に隼人、遊女お鹿に猿弥、家主庄兵衛に彌十郎、油屋女将に秀太郎だ。2つ目の

「厳島招檜扇」は失礼して、その間に徒歩５分の場所にある「今井」にランチを食べに行く。芝居

見学＝お弁当ではなく＝外食である。最後はお目当ての「義経千本桜　渡海屋と大物浦」。渡海屋

銀平実は新中納言知盛に仁左衛門、お柳実は典侍の局に孝太郎、義経は菊之助、弁慶に彌十郎。仁

左衛門の知盛を観られるのはこれが最後かもしれないからシカと観た。夕食は機内食だけの無酒日

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７月　２６日（金）晴れ

朝　家食　ツナとコーンのサラダ、茹で卵、モロヘイアとトマトのスープ、クランベリージュース

＋蜂蜜、飲むヨーグルト

　　

昼の軽食　茹でトウモロコシ、バナナ、お茶

　　

　　　　　　久々の赤坂ＡＣＴシアターに劇団☆新感線３９興行・夏秋公演「けむりの軍団」を観に行く

夜　舟町「仙水」付き出し：栃尾油揚げとほうれん草海老、昆布大根600円、焼き水茄子800円、牡

蠣フライ（大船渡）1500円、目板鰈の焼き物と煮物2800円、ノンアルコールビール、麦焼酎　

＠１万1300円

　　

一昨日、昨日と大阪で歌舞伎を観た。今日は劇団☆新感線というわけで３日続きの芝居見物とあい

なった。演目は「けむりの軍団」で倉持裕作、いのうえひでのり演出の新作だ。倉持裕作品は2016

年新橋演舞場「乱鶯」（みだれうぐいす）以来だが、倉持氏の初新感線だったからか、私はあまり

楽しむことが出来なかった。しかし、今日は思いっきり笑い、手に汗握りで「この時間が永遠に続

いてくれ！」という程見応えがある舞台だった。軍配士真中十兵衛に古田新太、飛沢莉左衛門に早

乙女太一、紗々姫に清野菜名、嵐蔵院に高田聖子、残照に栗根まこと、美山輝親に池田成志。多く

の役者が50代半ばになったのに、相変わらずの激しい殺陣の連続にもよく耐えていることに先ず

は驚いた。モタモタしたり、フラついたり、手順を間違ったら大怪我する殺陣。あと何年この超活

劇を続けられるのだろう。台詞の多さもね。ずっと看板役者として劇団☆新感線を引っ張って来た

古田新太に今さらながらに敬意を表したい。高田聖子も栗根まことも相変わらず手堅いね。お気に

入りの橋本じゅんが欠場しているのは残念だったが、その不在を有り余る魅力で観客（いえ、私を

です）を惹きつけるのは池田成志だ。ホント彼は巧いし、見せる。「半分、青い。」で裕子ちゃん

役を演じた清野菜名が堂々たる演技で紗々姫を演じた。長い間観続けている劇団☆新感線だが、こ

れからも目が離せないな。夜は「仙水」に行った。目板鰈は半身を焼き物に残りを煮物にして貰う。

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７月　２７日（土）晴れ　台風６号上陸するも　　土用の丑の日　　父の祥月命日

朝　家食　ツナとコーンのサラダ、茹で卵、オニオンスープ、クランベリージュース＋蜂蜜、飲む

ヨーグルト

　　

昼　四谷三丁目「サイゼリア」冷たいパンプキンスープ149円、ほうれん草のソティ199円、海老

と野菜のトマトクリームリゾット399円、セットドリンクバー190円

　　

　　

今日は亡くなった父の祥月命日である。34年前の暑い日だったが、告別式は4日後の7月31日。

当日はその夏最高気温だったから、遺族の私達もお悔やみに来て頂いた方々も黒服着て汗まみれだ

った。その２週間後、あの日航ジャンボ墜落事故が起きた。あちこちから頂いたくさんの岐阜提灯

を灯を入れ、座敷に並べてひとり初盆の夜を過ごしていた時、そのニュースの第１報が流れたのだ。

まさかあれ程の大惨事になるとは思わなかったが、イヤな予感がしたことだけは確かだ。それはと

もかく、午前中近所のＭ医院に行った。近所と言っても私の足では15分程歩かねばならず、到着し

た頃には大汗をかいた。ムチャ暑い上にこの後買い物をする予定なのでリュックまで背負っている

から余計ね。医院の後は四谷三丁目まで移動。ここでまた大汗。「サイゼリア」でランチして、本

屋、ドラッグストア、スーパーの「丸正」で買い物し、満タンになったリュックを背負って帰宅す

ると滝のような大汗をまたかいたのだった。これだけ汗をかけば、ちっとは痩せるような気もする。

夜　荒木町「四谷うえ村」（2人で）毛ガニ、鯖鮨。海鼠腸茶碗蒸し、自家製カラスミと白烏賊、

蒸し無花果練りアーモンド、余市の鮟肝と薄切り奈良漬最中の香り、お造り：鱧・鮪・鰹・つ

ぶ貝・ボタン海老、鱧と早松茸ジュンサイの吸い物、マナカツオの味噌漬け茶豆添え、熊本焼

き赤茄子積丹の生ウニをたっぷり載せて、ヤイトハタの酒蒸し、トウモロコシの天ぷら、小鮎

の炊き込みご飯、香の物、赤出汁、水菓子：メロン・西瓜・キュウイ･ﾊﾟｯｼｮﾝﾝﾌﾙｰﾂ･ﾌﾞﾙｰﾍﾞﾘｰ

と味醂アイス　椰子の和三盆）、ノンアルコールビール、麦焼酎ダブル４杯　2人で５万円

どうせ大汗かいたついでだ、と帰宅してから来週月曜日からの海外旅の支度を始めた。やや、汗が

ボタボタ落ちて仕事にならん。もうダメだ、残りは明日にしてシャワーを浴びよう。朝に続いて２

度目だ。シャワーから上ると下着からすべて着替え。夏物は何枚あっても足りんよ。昨日２６日パ

クパク日記をＵＰしたばかりだが、来週から長く留守するので次の週の日記作成に取り掛かる。何

とか明日完成させてアップして行きたいものだ。夕食はＡ先生と「四谷うえ村」で待ち合わせして

いる。いつくか用事があってね。前回もそんなことがあったのだが、３人の予約客から電話があっ

て「急で悪いけど今日行けないから」って。気合の入った料理を用意しても、電話一本でのキャン

セルって罪だよなぁ。前日であっても既に準備済みのことが多いからキャンセル料を徴収する店も

出て来たが、当然であるな。ましてや当日の夜になってなんて店は泣くに泣けない。料理人が気の

毒だ。その分私達２人は美味しく頂いたのであるが。もう早松茸が出て来る季節になったのだなぁ。

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７月　２８日（日）雨昼から晴れ　　外はムチャ暑そう！

朝　家食　コーンサラダ、茹で卵、チーズ、ブランパン、モロヘイアとトマトのスープ、クランベ

リージュース＋蜂蜜、飲むヨーグルト

　　

昼　家食　「四谷うえ村」の小鮎の炊き込みご飯おにぎり、ヒジキと枝豆和え物、茹で卵、揚げ茄

子の味噌汁、りんご

　　

　外はムチャ暑いから外出しない

夜　家食　「崎陽軒」の横濱シウマイ麻婆と横濱シウマイチリの相がけご飯茹で卵、レタスサラダ

と茹で卵、玉葱とじゃが芋豆腐の味噌汁、りんご

　　

　

　「崎陽軒」の横濱シウマイ麻婆と横濱シウマイチリ　　　　　　札幌も暑くてキリコ宅のハルもバテ気味　　眠い・・ｚｚｚ

今日は一日外出しないで家の中でせっせと働く予定だ。天気予報では昨日並、いやそれ以上に暑く

なるなんて言っているから「絶対外出しないぞ！！」と決意も固く。札幌も今日は暑くて、姪のキ

リコに大好きなドッグランに連れて行って貰ったのに犬のハルは川の浅瀬を走り回っているばかり

でドッグランは無視したそう。散歩から帰って来てもお疲れモードでウトウト。写真を見て大笑い

した。昨日やりかけて放り出した荷作り作業。何せ16日間だし、朝食と週２回の夕食意外は自由

食だからカップヌードルや梅干しなど持って行く物も多い。汗びっしょりで完成！それからはパク

パク日記をせっせせっせと。出来上がるまでヤメテはならんぞ！へへ〜〜。そんなことで夕食は

超カンタン家食だ。「崎陽軒」横濱シウマイ麻婆と横濱シウマイチリの相がけご飯。贅沢。無酒日

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【今週の振り返り】

上方歌舞伎に上方落語。落語のことは殆どわからないが、上方歌舞伎にしてもそれほど理解してい

るわけでもない。江戸時代を舞台にして小説には「その役者は上方で人気もあったが、江戸の芝居

小屋から声がかかって江戸に下ることにした・・」とか「女に迫られて切羽詰まった彼はその翌日

の明け方上方に向かった。上方にはいくつもの芝居小屋があるからそのどこかで女形として拾って

貰うつもりだった・・」なんて言う場面がよく出て来た。そうかぁ、江戸時代関西では歌舞伎が盛

んだったんだぁ、とぼんやり思っていた程で、それから上方歌舞伎がどんな道を辿ったのか数年前

までよく知らなかった。

三代目猿之助が病に倒れ、中村勘三郎と坂東三津五郎が亡くなった現在、たくさんいる好きな歌舞

伎役者を絞れば片岡仁左衛門と中村吉右衛門、坂東玉三郎だ。ことに松嶋屋（仁左衛門丈）が出演

する舞台は欠かさず観たい。となれば、7月大阪松竹座で行われる「関西・歌舞伎を愛する会」の

公演にも行くことになる。８年前の公演内容をみて心が大きく動いた。川口松太郎作「三味線やく

ざ」を歌舞伎に仕立てた「江戸唄情節」で粋でイナセな立三味線弾き役の杵屋弥市を仁左衛門が演

じるというのだ。しかも実際三味線を弾く場面というのが「連獅子」の山台。連獅子で踊るのが亡

き三津五郎と愛之助というのだから歌舞伎ファンには垂涎ものなのだ。ムッチャ暑い大阪に行くの

は暑さ大嫌いの私としては命懸け（大袈裟でんな）なのだが、松嶋屋のためには行かずばなるまい、

ってことでね。しかし、ナニゴトも深く考えずボーっと生きている私だから、ナゼ暑い季節のこの

公演が「関西・歌舞伎を愛する会」と銘打っているのか数年前まで考えもしなかった。

江戸時代から上方歌舞伎は盛んだった。荒事の江戸歌舞伎に対して和事と呼ばれる柔らかな人情物

などを得意とする上方歌舞伎は、廻り舞台やセリ上げなど舞台機構でも進んでいた。また竹本と呼

ばれる義太夫の器用や、早変わりなどの所謂ケレンは上方歌舞伎から始まり、現代の歌舞伎にも繋

がっている。しかし、超大スターだった初代中村鴈治郎、彼ひとりを中心に長い間回し続けた上方

歌舞伎は、二代目實川延若や十一代仁左衛門など優れた役者を冷遇するなどの歪んだカタチになっ

て行く。東京に新天地を求めて実力のある役者たちが移って行くのだ。まぁこの後もいろいろあっ

て、ことに太平洋戦争後の上方歌舞伎の衰退は目を覆うばかりの状態だった。消失した芝居小屋が

多く、コレと言った役者もいない。人々は手軽な笑いを求めて歌舞伎など観ようとしなくなった。

昭和２０年代、３０年代、４０年代と上方歌舞伎の凋落は長引き、昭和４２年から４８年までの７

年間で中座では一度も歌舞伎公演が行われなかった。赤信号だ。

そんな上方歌舞伎の状態に楔を打つ人物が現われた。澤村藤十郎である。顔見世興行も行われなく

なった大阪歌舞伎を復活させようと立ち上がったのが昭和53年。大阪民労協の代表幹事の協力を

得て「大阪で歌舞伎を育てる会」を発足し、翌年には朝日座で第一回公演が行われた。初日前日

には55年ぶりとなる「船乗り込み」も復活し、公演のＰＲに務めた。観客が舞台に上がって芝

居で使う馬に乗ってみるなど体験も出来る「歌舞伎のみかた」の解説もつけるなど工夫を凝らし

た。そんな努力が実を結び、徐々に大阪での歌舞伎公演も観客も増えて来たことから平成4年か

ら「関西・歌舞伎を愛する会」と名称を変更し、今年で40周年を迎えたのだ。目出度い！松嶋

屋が「私の若い頃は大阪で歌舞伎をやりたくてもやる場がありませんでねぇ、ずい分苦しい思い

をしたものです」と以前語っていたが、その松嶋屋片岡仁左衛門は４０回中２６回の最多出演

数を数える。これからも上方歌舞伎お気張りやす！

　　　　　　　　　　　　　　　上方歌舞伎ゆうたら「つっころばし」やニャ

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