パクパク日記11年6月1週

           ボツワナの大湿地帯オカバンゴで野生動物達と過す日々

  オカバンゴの   モレミ地区にて

5月 30日(月) ジンバブエ・ビクトリアフォールは晴れ

朝 南アフリカ航空・香港=ヨハネスブルグビジネスクラス機内食

成田発キャセイ航空離陸が1時間遅れたため、夜中の香港乗り継ぎはバタバタ。幸い南アフリカ航空

のゲートが近かったので何とか間に合ったが。2350分定刻通リ離陸してヤレヤレ。隣の香港人の

オジサン達は今から機内食を食べるらしいが、私は要らん。赤ワイン飲んで寝る。ヨハネスブルグまで

は約13時間。これだけ長いフライトで座席がフルフラットになると機内でもかなりゆっくり休むことが出

来る。ここの寝具もなかなか良い。時差は香港から更に6時間遅れ。午前7時半ヨハネスブルグッ着。

昼 南アフリカ航空・ヨハネスブルグ=ビクトリアフォール機内食

ヨハネスブルグ・オリバ・タンボ空港は先月も来たなぁ。空港に入っているお店も覚えてしまう位だ。標

1800m近いからかなり寒い。3時間以上待って、また南アフリカ航空のビクトリアフォール行きに乗

り込む。機内食で出たサンドイッチのパンをふすまパンにすり替えて食べる。1時間45分のフライトで

ジンバブエのビクトリアフォール到着。ここに来るのは3回目だ。ビザ代30ドルをその場で支払って手

続きをして貰うのだが、この作業にたっぷり1時間。19ヶ月前もここでビザ取ったんだった。ホテル

5年前にも泊まったキングダムホテル。少し休憩して3時半からザンベジ川サンセットクルーズへ。

  

                  ザンベジ川のサンセットクルーズも3回目だ

ザンベジ川は全長2700`もある大河だ。タイヤをいくつも並べたようなシンプルなボートに乗って、河

をゆるゆると下って行く。ナイルワニやハゲコウがボーっとしていた。このクルーズも3回目となると、ど

うも感激は薄れますなぁ。しかしいつ見てもザンベジ川に沈む夕日は美しいものでタンノウしましたぜ。

夜 ジンバブエ・ビクトリアフォール・キングダムホテル ディナーヴュッフェ

  

クルーズではビールもワインも飲み物はフリーだったが、酒は夜飲む主義なのでガマンした。夕食の食

卓でザンベジビールをゴクゴク!プッハ〜、あぁ、うま・・・くないなぁ。南部アフリカのヴュッフェは鉄板焼

きをやる所が多い。今夜はダチョウと野菜の鉄板焼きだそうだ。先月ダチョウファームに行った時聞い

たところ、こちらではダチョウ肉は牛肉より高価らしい。うん、旨いね。実は食事しながら私はとてもキン

チョーしていた。ここジンバブエのビクトリアフォールで過去2回腸閉塞になった。2回来て2回、つまり

100%腸閉塞になったということ。今夜3回目となるのか、それとも痛くないジンバブエになるのか・・。

               _______________

5月 31日(火) ジンバブエ・ビクトリアフォールもボツアナ・オカバンゴも晴れ

  

                         3度目のビクトリアフォール  あまりの水量に景色はよく見えない

目が醒める前カラダに痛みがあるか確かめる・・・無い!腸のあたり・・・痛く無い!!あぁ、良かった。

ジンバブエで腸閉塞に初めてならなかった。そんな人、私以外いるハズないね。そんなことがあって、

今朝は445分に起きてしまった。防寒対策と濡れても良い恰好を準備。615分集合しバスでビ

クトリアの滝へ。過去10月、8月の滝を見ているが、今回が一番水量の多い時期。ちょっと離れている

場所からも噴き上げる水煙が見える程だ。一番乗りして公園内に入ると、既にゴーゴーと水が落ちる轟

音が響いている。雨季が終わる3月下旬には毎分最大5億リットルもの水が落下する。滝見学はリビン

グストン像の向こうから始まるのだが、余りの水量で滝周囲の景色はほとんど見えない。1番から順番

に歩いて行くのだが、滝の写真スポットはドシャ降り状態になっている。とても写真を撮るような状態で

はない。その時メインフォールの向こうから太陽が昇って来た。美しいがビショ濡れになった。帰ろっと。

朝 ジンバブエ・ビクトリアフォール・キングダムホテル 朝食ヴュッフェ+持参のふすまパン

   グレート・ジンバブエを模したホテル

9番まで見て滝見物を諦めた3人ガイドのダバさんに送って貰い一足先にホテルに帰って来た。大袈

裟なレインコートを着ていたがずぶ濡れになり部屋に広げて干した。腸閉塞でないから朝食モリモリ。

昼 ボツアナ・オカバンゴ「キャンプオカバンゴ」 ランチヴュッフェ+持参のふすまパン

  

            眼下に広がるオカバンゴの湿地帯が水を湛えている                     移動は10人乗りの小型飛行機

  

     こんな滑走路が各地にある               パワーボートで45分、キャンプオカバンゴに向かう

  

    最初のランチ 何て美味しいんだ!                   私は6番テントに滞在          歓迎の飾り付けしたベッド

ジンバブエから陸路ボツワナに入る。ボツワナはビザ不要。国境では口蹄疫感染予防のマットを踏む。

この道覚えている。ここから象がたくさんいるチョベ国立公園に行くのだった。2時間ちょっと走って空港

のあるカサネに到着。ここから小型飛行機でオカバンゴに行く。3人のスーツケースが小型飛行機に積

み込むには大き過ぎるとパイロットからケチがつき、何とその中には私のものも含まれていた。仕方な

く、その場で荷物を開けて、他の方の預かって貰ったり、小袋に詰め替えたりで大騒ぎさ。カラにしたス

ーツケースは6日後マウンの空港で受け取ることになった。2機に別れて出発。宿泊施設のキャンプは

あちこちにあって3つ目の滑走路で下りた。今晩から宿泊するキャンプオカバンゴ近くの滑走路は今季

水量が多いため水没して使用出来ないためクガナ滑走路からパワーボートで45分かけて移動した。

美味しいランチにありついたのは午後2時半過ぎ。期待していなかったのにびっくりする程旨かった!

午後のお茶 ボツアナ・オカバンゴ「キャンプオカバンゴ」 お菓子とお茶

夕方のお茶 ボツアナ・オカバンゴ「キャンプオカバンゴ」 

  

      モロコに乗ってボートサファリ                      色鮮やかな小さな蛙         ウォーターリリーが美しい

キャンプについての説明があった後、各自のテントへ。ふーん、シンプルだけど快適に出来ているのだ

ね。4時再集合して現地のカヌー・モロコでのボートサファリ。途中、アフリカ象とマサイキリンがいて、

ウォーキングサファリもした。2人乗りのモロコは葦が繁る水の上を滑るように進んで行く。小さな緑や

カラフルな蛙、バッタがいてウォーターリリーが静かに咲いている。水は口をつけたいほど澄んで美し

い。モロコと葦がぶつかるサワサワという音しかしない静寂を楽しみたいところだったが、大声(地声が

大きい)で喋り続ける人もいて、なかなかタイヘンなのだった。モロコ乗り場に戻ると、キャンプのスタッ

フが数人おしぼりと飲みモノを用意して待っていた。飲み物テーブルには花まで飾ってあってビックリ!

 ボツアナ・オカバンゴ「キャンプオカバンゴ」 ディナーヴュッフェ+持参のふすまパン、ビール、白

ワイン、赤ワイン

  

部屋に帰ってシャワーを浴びて暫らくすると、懐中電灯を持ったスタッフが迎えに来てくれる。私より遠

い部屋の人達も待っている。そう、小学校の集団登校のカタチを思えばいい。動物がいるから危険な

のだと。バーの前の広場に半円形に並べられた椅子。その真ん中では薪が炊かれてキャンプファイア

ー状態。ビールを貰ってグビグビ。うんまい!やがてレストランで太鼓がドンドコと鳴らされる。食事の

準備が出来たという合図だ。食事の前カンタンに自己紹介。ご夫婦1組、一人参加女性7名、計9名

のグループだ。次はキャンプのスタッフが挨拶し、シェフが今晩の料理メニューを紹介、飲み物担当が今

晩のワインの説明をして食事となる。驚いたことに4人いるオーナースタッフ一緒に食事をするのだ。

               _______________

6月 1日(水) ボツアナ・オカバンゴは晴れ

朝 ボツアナ・オカバンゴ「キャンプオカバンゴ」 朝食ヴュッフェ+持参のふすまパン

昨夜、送って貰って集団下校する時、みな貰った湯たんぽを抱えて帰った。そう、ここは朝晩とても寒い

のだ。自家発電のキャンプでは真夜中電気は消える。夜中にトレイに行く時は枕元に置いた懐中電灯

を点けて行くのだよ。5時半に起きて、震えながら洗面を済ませ着替えをする。電話も無いから、午前6

時にスタッフがモーニングノックに来てくれる。ノックって言うか、声をかけてくれるんだけど。そうそう、こ

こは客室のテントに鍵が無い。これがとっても快適なのだ。鍵なんか無くても安心出来る宿っていいで

しょ?未だ暗い中歩いて朝食へ。ハム、チーズ、パン、フルーツ、お茶などカンタンな朝食。さぁ出発。

昼 ボツアナ・オカバンゴ「キャンプオカバンゴ」 ランチヴュッフェ+持参のふすまパン

          両岸に繁るパピルス           バブーン(サバンナモンキー)の群れ       夜行性のオオミミズク

  

                              ランチ後の自由時間には泳ぐことも出来る      心洗われる緑の世界

7時過ぎ、パワーボートに乗ってサファリに出発。15分と聞いていたが、途中でヒメハチクイを観察した

りで50分後ロッビス島に到着。ボートの一番前に座っていた私は、あまりの寒さで顔はツッパリ、指は

冷え切り、洟が垂れた。ここより2手に分かれてウォーキングサファリ。1時間コースを希望したのはK

田さん一人でお気の毒なので私も合流した。他の皆さんは3時間コース。ベテランガイドのジョーンが

着いてくれた。動物を求めて森の中を歩く。アフリカ象とインパラの群れ、クードゥ、バブーン(サバンナ

ヒヒ)の群れ、昼間見つけるのは珍しいというオオミミズクを見つけた。キャンプに戻り11時からランチ。

午後のお茶 ボツアナ・オカバンゴ「キャンプオカバンゴ」 お菓子とお茶

  

          コーヒー、紅茶、レモネード、アイスティー・・・          まるで鏡のようなオカバンゴの水の世界

今朝まで滞在していたイタリア人女性二人組が帰り、新たにご夫婦連れが到着していた。11時半にラ

ンチが終わると、午後のお茶までの時間がぽっかり自分の世界になる。庭にあるプールで泳ぐのもよし、

昼寝もよし、散歩もよし、読書もよし・・・豊かな時間だ。3時午後のお茶とおやつタイム。レモネードが旨

い。3時半から2台のパワーボートでボートサファリ。両岸はパピルスと葦に覆われている。赤んぼワニ、

カンムリカワセミ、アフリカヒヨドリなどの鳥に出会う。広い水辺に出ると水面が鏡のようで周囲の景色

をそっくり映していた。帰り2台のボートがスピードを競い、まるで6人乗りの競艇!スリリングだった。

夜 ボツアナ・オカバンゴ「キャンプオカバンゴ」 ディナーヴュッフェ+S井さん特製ざるうどん、

      ビール、白ワイン、赤ワイン

  

 ざるうどん食べました!ゴメン!

今夜は添乗員のS井さんが、うどんを茹でてくれた。ざるうどん風に食べる。炭水化物だからダメ?あ

ーら、ボツワナに来てまでそんな野暮なこと言わないでよ!食べますよ。これ2人で一皿?たっぷり食

ベられるな、ヒヒヒ。そうそう、このキャンプは酒類もフリー。昨夜も今夜もビールとワイン5、6杯飲んで

しまったのだ。帰り広場で星空を皆で見上げた。降って来るような大きな星の数々。美しい星空だった。

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6月 2日(木) ボツアナ・オカバンゴは晴れ

朝 ボツアナ・オカバンゴ「キャンプオカバンゴ」 朝食ヴュッフェ+持参のふすまパン

 

         この太鼓が鳴るとメシだ                セイキムクドリはパン喰いドロボー    滑走路とモロコ乗り場はすぐ隣

キャンプオカバンゴは2泊だから、今日チェックアウトする。カサネ空港でスーツケースを取り上げられ

たのでバラバラになった荷物は添乗員のS井さんが貸してくれた小さなバッグに詰め込む。パッキング

をほぼ済ませて朝食とこの地最後のサファリに出かける。今日は初日に乗ったモロコで水上サファリ。

今日は騒ぐ人もいなかったから本当に静かな水の世界を楽しむことが出来た。雨季が終わったばかり

でオカバンゴの湿地帯はたっぷりと水を溜めこんでいるが、乾季の終わりには一部の湖沼を除いて水

は干上がると言う。葦が倒されている場所に来ると、舟を漕ぐガイドが「象が通った跡」と教えてくれた。

水深は1m位らしい。モロコを下りると向こうの方でレッドアンテローブの群れが私達を見つめていた。

昼 ボツアナ・オカバンゴ「キャンプオカバンゴ」 ランチヴュッフェ+持参のふすまパン

    陽気なスタッフ全員と記念撮影

キャンプオカバンゴ最後のランチ。え?このピロシキはレッドアンテローブですか?そう言えば、昨日ウ

ォーキングサファリで見かけたクードゥも夜クリーム煮で食べたが旨かった。かと言って、そのヘンで狩

りをして調理しているわけではありません!チェックアウト&出発前スタッフが全員集まって一緒に記

念撮影。ホントに皆さん、陽気で温かい人達ばかりだったなぁ。2台のパワーボートで45分かけてまた

クガナ滑走路へ。ガイドのジョーンありがとう!さよなら!また来るね。2台の小型機でモレミに向かう。

午後のお茶 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区 「キャンプモレミ」 お菓子とお茶

  

            空から見たオカバンゴの湿地帯      キャンプモレミも木洩れ日と緑が美しい       8号室のテントロッジ

わずか15分のフライトでキャンプモレミ近くの滑走路に到着。早速インパラの群れが出迎えてくれた。

モレミ鳥獣保護区は私有地だが、オカバンゴの20%を占める広大な地だ。キッドとモッズの2人のドラ

イバー兼ガイドがTOYOTAのランドクルーザーで迎えに来ている。ランクルの乗り心地はちょっと前流

行したロデオに跨っているよう。でも、シートベルトなんか着いていないぞ!必死でしがみつく。キャンプ

までのドライブの間、チャップマンシマウマやウォーターバッグがいた。キャンプ到着。ここも素敵ね!

午後のお茶 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区 「キャンプモレミ」 お菓子とお茶

  

   愛らしい牛顔のウォーターバッグ                    顎外れるよ!河馬さん        夕陽が沈んだ後のモレミも美しい

ここも3時半からアフタヌーンティ。ケーキは一口だけにしてコーヒーを飲みモレミでの最初のサファリ。

2台のランクルはくじ引きで決める。B―1。つまりモッズが運転するB号車に1番に乗るという意味だ。

じゃ、モッズの隣助手席に乗せて貰おう。これまでケニアやタンザニアで何度も経験して来たが、サファ

リは動物が活動する朝晩2回行うのが一般的。インパラの群れはいつも観光客を歓迎してくれる。お尻

にマクドナルドのロゴマークとそっくりな「M」の縞がある。最初こそ、「あっ!インパラ」と興奮するが、あ

まりにたくさんいるから、そのうち見向きもされなくなる。ゴメンね。狩り中のリカオン、昼寝中のメスライ

オンを見つけたが、ブッシュの中でよく見えない。ライオンは、シンクロナイミングスィミングの足演技の

ようなシドケナイポーズは見えるのだが・・・・。初日だからそろそろ帰りましょう。ロッジに帰り、別棟でシ

ャワーを浴びる。真っ暗になったロッジの外で、何か動物の息づかいが聞こえるような・・・。隣の7号室

の前にあった足跡は「これは河馬の足跡です」と宿の人が説明していた。河馬がそのヘンに?ひぇっ!

夜 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区 「キャンプモレミ」 ディナーヴュッフェ+持参のふすまパン、

      ビー ル、白ワイン、赤ワイン

  

         夕食は雰囲気の良い二階のレストランで        隣接したバーでアペリチフ       このスープが旨い!!

  

キャンプオカバンゴより、キャンプモレミの方が動物の影がずっと濃い。足跡がいろいろあるのだよ。7

時半の夕食も集団登校で無かったら怖くて行けないぞ。オカバンゴはシンプルな食堂だったが、このキ

ャンプの夕食は広々としたセンスの良いレストランである。バーカウンターでビールをグイッと空けなが

ら、M葉さんとお喋り。「オカバンゴもモレミもどっちもいいねぇ」。ここもスタッフが並んで挨拶し、メニュ

ーやワインの紹介をする。マッシュルームスープが実に旨い!飲み放題ということもあり、ワインは5、

6杯飲む。南ア産ワイン。湯たんぽを貰って、星降る夜道を集団下校。蚊とリ線香を焚くも寒くて寒くて。

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6月 3日(金) ボツアナ・オカバンゴは晴れ

朝 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区 「キャンプモレミ」 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン

    朝食は6時半から 寒いぞ!

515分起床。寒い!昨日の朝の気温は2度だったそうだが、今日もそれに近いのか。別棟での洗

面が寒くてツライ。思いっきり厚着をする。下着のシャツ、Tシャツ、ポロシャツ、厚いフリース、その上

にウィンドブレーカー。そして腰と腿には携帯カイロをペタペタ貼って。電話が無いから545分モーニ

ングノックがあった。このキャンプでは、朝食時も迎えが来るまでロッジを出てはイケナイ。言われなくて

も出ませんよ。何が出てくるかわからないし。簡単な朝食済ませた後、サファリ出発。今日はキッド号。

午前のお茶 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区サファリで クッキーとお茶

  

      ハンティングしたインパラを食べ合うリカオンは絶滅危惧種                のんびり歩くクードゥ

   

     悠然と朝の散歩する雌雄ライオン                 木陰で休息する2頭                おっ!豹だぁ!!!

7時出発。今日は何と終日サファリで夕方5時過ぎまで戻って来ない。ぷっ通し10時間なんてゼータク

な話でしょ?ドライバー兼ガイドの陽気でヤンチャなモッズに較べて、キッドは穏やかで紳士的。しかも

カメラ好きで、メカ苦手な女性には動物の写真撮影までやってくれる。出発していくらも経たないうちに

もの凄い光景に遭遇。8匹のリカオン(ワイルドドッグ)が捕えたインパラを争って食べていたのだ!捕

まったのは若い♂らしく、角が見える。インパラの胴体を数匹で引っ張り合って唸りながら食べる様は

迫力満点。リカオンは絶滅危惧種だから見るのさえ珍しいのに、こんな光景をバッチリ見るとは幸運で

ある。興奮さめやらずの我々にまた血沸くシーンが。百獣の王ライオンのカップルが朝の散歩をしてい

た。そのニュースを無線で聞いて、あちこちからサファリカーが集結する。皆ライオンに着いて行く。ヒャ

ー!凄いねぇ。長い長い散歩の後、木陰にゴロリと横たわる♀。♂も隣にゴロリ。♀が歩き出す。♂も

ついていく・・・・・。そんなことで1時間も楽しませて貰った。今日はえらくツイテいるとホクホクの我々を

狂喜乱舞させることが更にあった。豹様の登場である。しかも我々2台の独占状態。関西オバちゃんが

大好きな豹柄が生きたまま歩いているって凄いよなぁ。こんなにツイテいること、そうそう無いのだよ!

 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区サファリで ランチヴュッフェ+S井添乗員特製赤飯おにぎり

  

           木洩れ日の草原がたちまちランチ会場となる                   大好物の赤飯おにぎりも! 

朝あれ程寒かったのに、太陽が高くなるにつれ気温が上がる。1枚、2枚と脱いで昼には4枚脱いだ。

ドイツ人らしいグループ4台のうち1台が深い水溜りに嵌まって困り果てていた。もちろんキッド号もモ

ッズ号も助けようとする。しかし、ビクともしなかった。最高のサファリデーと喜んでいる私達の横でこん

な羽目に陥っているグループもいる。木洩れ日の草原に、キッドとモッズがテキパキとテーブルを組み

立て、テーブルクロスを敷き、料理を並べ、皿とナイフフォークを揃える。持って来た飲み物は赤白ワイ

ン、ビール、コーラ、その他炭酸飲料が全部冷されて・・・。ソースやドレッシングも持って来るんだぁ。こ

れだけでも豪華なランチなのに、添乗員S井さん特製お赤飯のおにぎりも登場!違反でも食べます!

午後のお茶 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区サファリで クッキーとお茶

  

      左2頭がセサビ右はヌー                 ライラックニシブッポウソウ            象の群れが正面に!

午前中はゼータクなサファリをしたのだ、午後は何もなくても我慢するつもりだった。しかし、ツイテいる

日はどこまでもツイテいるもので。セサビなんて初めて見たぞ。遠くにいた象の群れ。キッドがここにい

れば象が来ると車を停めて待っていた。すると・・・やって来ました!象の一家が。まっすぐこちらに向

かってノッシノッシと歩いて来る。ドキドキ・・・。車のギリギリ前を歩いて行った。最後のボス(♀だと思う

けど)っぽい大きな象がガンを飛ばして行った。強烈!象は時々凶暴になるからねぇ、怖かった・・・象。

夜 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区 「キャンプモレミ」 ディナーヴュッフェ+持参のふすまパン、ビー

ル、白ワイン、赤ワイン

  

10時間以上の長いサファリを終えて、5時半キャンプに戻る。TOYOTAのランクルは道なき道という

かデコボコの平原や水溜りをガクンガクンと進んで行くから、大揺れだ。睡魔と戦いながら振り落とされ

ないよう必死でしがみついているからとても疲れた。ロッジに着くと朝お願いした洗濯物がキチンと畳ん

でベッドの上に乗っていた。オカバンゴでもモレミキャンプでも洗濯物は無料でやってくれる。しかもアイ

ロン掛けつき!便利だから毎日洗濯物出してしまう。ぷっはー!心地良い疲労で夕食前のビールが旨

いねぇ。今晩のトマトクリームスープも絶品。「お替り!」。素晴らしいサファリをした夜は皆さん満足顔。

                 __________________

6月 4日(土) ボツアナ・オカバンゴは晴れ

朝 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区 「キャンプモレミ」 朝食ヴュッフェ

    

       チーターの足跡発見!!             どこにでもいるインパラ                サバンナモンキー

520分起床。今日は昨日より寒さがゆるいね。昨夜もロッジの裏や横で動物の鳴き声がして、夜中

別棟のトイレに行く時はドキドキものだった。朝食後7時過ぎ朝のサファリに出かける。砂地の道路で

キッドがチーターの足跡を見つける。ということでチーターの姿を求めて走り回ったが見つけられなかっ

た。チーターだけでなく、インパラさえ見かけない。ガイドによると、チーターが歩き回ると弱い動物は皆

姿を隠すのだそうだ。サバンナモンキー、マングース、ハダダトキなど地味な動物、鳥には会った。ハダ

ダトキの鳴き声は猫の鳴き声のようだし、ようやく姿を見せたインパラの♂の声は「ギャア!」。幻滅だ。

 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区 「キャンプモレミ」 ランチヴュッフェ

  

ランチヴュッフェでは卵料理も調理してくれる            ロッジはバスルームと寝室が別棟に    このキャンプにもプールが

青空トイレ休憩兼ティーブレイクを取ってから11時前ロッジに戻る。11時半からランチ。旨い!旅も7

日目だが、ふすまパンがカビ始めた。ここは電話もテレビも無いから、冷蔵庫も無い。朝晩寒くても昼間

は気温が上がる。乾燥剤を入れて真空パックしてもやっぱりカビてしまうのだな。それかどうか、またお

腹がこわれトイレ通いをしている。午後は大介君と有里ちゃんに絵葉書を書き、ボツワナの勉強など。

午後のお茶 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区 「キャンプモレミ」 お菓子とお茶

  

         モレミでの水上サファリ       ナイトウォーターリリーの花は黄色             夕陽が美しい!

3時半からのアフタヌーンティに続き、4時からボートサファリに出かける。船頭は車と同じキッドとモッ

ズだ。いつもはチャラ男ぶりを発揮しているモッズだが、ブラジルからジンバブエ経由で持ち込まれた

サルビニアモレスタという外来種がオカバンゴ湿地帯の植物生態を乱していると怒る顔は真剣だった。

対策としてサルビニアモレスタだけを餌とするウィービルという虫を放っているようだが、絶滅させるに

は手を焼いている。大自然が残る別天地と思っていたのに、現実はいろいろあるのだ。夕陽が沈む。

 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区 「キャンプモレミ」 ディナーヴュッフェ、ビール、白ワイン、赤ワイ

 

キャンプオカバンゴで過す最後の夜。食事の前に、キャンプの全スタッフ30人位が歌と踊りを披露して

くれた。間違ったダイエットをしていたオーナーマネージャーのリディアもドライバーガイドのキッドとモッ

ズもウェイトレスもドリンク係りも皆歌って踊っている。すぐ口ずさめる楽しい歌。ロッジは12しか無いか

ら最大でも20数名しかキャパは無いのに、この大勢のスタッフが尽くしてくれる。ここに来て良かった! 

                 ___________________

6月 5日(日) ボツアナ・オカバンゴも南ア・ヨハネスブルグも晴れ

朝 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区 「キャンプモレミ」 朝食ヴュッフェ

  

      キャンプモレミの最後の朝                      私のロッジは8号室                    ロッジの前の道には動物も!

  

            河馬さん、さよなら!         リカオンの狩りを見たかった!         シマウマクン、バイバイ!

朝食後7時から最後のサファリに出かける。これまでのサファリに満足していたからさほど期待はして

いなかったが、またもやリカオンの群れを追いかけてスリリングな時間を過ごした。ドライバーに入った

無線によると、ロッジの11号室近くにリカオンが現れたそうで・・・。11号室はM葉さんのロッジだよ!

 ボツアナ・オカバンゴ・モレミ地区 「キャンプモレミ」 ランチヴュッフェ

  

                       この4人がキャンプモレミのオーナー  さよならキャンプモレミ!  

サファリの最後にチーターと遭遇したらしいのだが、余りの短い瞬間で私は見逃した。猛スピードで追

いかけたが逃げられた。皆振り落とされないよう必死でしがみついていた。楽しかったサファリもこれで

オシマイ。最後のランチを頂いた後、オーナーマネージャー達と記念撮影をしてお別れ。キッドとモッズ

に滑走路まで送って貰い、小型セスナ機でマウンへ。ここで6日ぶり自分のスーツケースと再会した。

早速荷物の詰め換え。落ち着いたぞ。ここでボツワナとお別れして国際線で南アのヨハネスブルグへ。

夜 南アフリカ・サントン・サウザン・サン・グレイストンホテル「何とかいうインド料理」

    全く辛くないカレー

初めて乗ったボツワナ航空は予定より早く離陸し、定刻より速い午後4時ヨハネスブルグに到着した。

空港から約1時間のサントク地区にあるサウザン・サン・グレイストンホテルにチェックイン。旧ホリディ

イン・クラウンプラザサントンだ。6日間大自然の中にいたから、高層ビルが建ち並ぶ大都会を見て深

い溜め息が出る。先ほど帰って来たばかりのオカバンゴに戻りたいよ。夕食はインド料理と聞いて喜ん

だが、オカバンゴの2つのロッジがいかに美味しかったか思い知った。全く辛くないカレーにはびっくり。 

                    ___________________

【今週の振り返り】

ジンバブエに行くのは3回目だから、ボツワナも3回目だと思い込んでいた。しかし、本当は2回目な

のだ。ナゼならボツワナのチョベに行く日、私は当時の持病の腸閉塞になって、ホテルで一人唸って寝

ていたから。2年前のことだ。「アフリカ11ヶ国の旅」という過酷なツァーに参加したのだが、そんなこと

で私だけ10ヶ国になってしまった。それで思い出したのだが、3年前の中央アジアも同じだった。ウズ

ベキスタン、トルクメニスタン、カザフスタン、キルギスの中央アジア4ヶ国を訪ねるツァーに参加してト

ルクメニスタンの国境手前で腸閉塞になり、私ひとりがウズベキスタンに残ったということがあった。こ

の時も私だけ「中央アジア3ヶ国を訪ねる」ツァーになった・・・。この腸閉塞が持病になって20年以上、

私の人生にはいろんなことが起きて来たのだが、不思議なことにこの13ヶ月一度も腸閉塞になって

いない。糖尿病と言われたあの日から、全くなりそうにもない腸閉塞なのだ。どうしてかなぁ。

閑話休題(この言葉は話を元に戻す時に使います)。そういうことで2度目のボツワナの訪問地はオカ

バンゴである。そもボツワナはアフリカのどこにあるか。国境を接しているのは、南に南アフリカ、西に

ナミビア、北にアンゴラとザンビア、東はジンバブエである。19世紀にイギリスの保護領ベチュアランド

となったが、1966年ボツワナ共和国として独立し、その翌年ダイヤモンドが発見されたことから南部ア

フリカでは有数な豊かな国となった。オカバンゴはそのボツワナの北西部に広がる大湿地帯。世界最

大の内陸デルタである。雨季にアンゴラの高地に降った雨で水量を増したオカバンゴ河が乾季にボツ

ワナに流れ込む。干上がったボツワナの大地に行く場を失って溢れた水は、長い時代をかけて広大な

湿地帯を形成して来た。ボツワナ南部の乾燥しきったカラハリ砂漠に対し、ここオカバンゴは水を満々

とたたえ、多くの動植物を潤し、呼び寄せる。

こんな豊かな地は当然のごとく魅力的な観光資源なのだが、部屋数が少ない宿泊施設がポツポツと点

在するだけで、交通手段も小型セスナ機のみ。ごく限られた人しか味わえないゼータクな場所でもある

のだ。私が今回滞在したキャンプオカバンゴとキャンプモレミもそんな宿の1つ。どちらも11室か12

しか無いコこじんまりしたキャンプだ。自然の森の中に隣の建物が見えない程の距離を保って佇むコテ

ージは、いつでも自然の状態に戻せるようテントスタイル。ただし、テントと言っても夏休みに行くキャン

プで張るテントとはかなり違う。シンプルではあるが、機能的で防寒対策も備えた心地よいコテージな

のだ。ツイン部屋だからキャパいっぱい宿泊しても客は20数名。それに対してスタッフは30〜40名い

る。豪華客船のクルー数と客数がほぼ1対1だけでも凄いと思うのに、オカバンゴはそれを遥かに上回

るのだ。2つのキャンプを運営する会社は、ボツワナに7ヶ所、ナミビアにも1ヶ所計8ヶ所のキャンプを

持っているそうだ。年間の客室稼働率は96%という驚くべき数字で、震災後の超異常時とはいえ、東

京旧御三家と言われるホテルの4月の稼働率が20%台だったことを悲しく思い出した。このキャンプは

オカバンゴにある宿泊施設では中レベル。もっともっとラグジュアリーな宿もあるらしい。私はここでも十

分だけどね。

2つ目に訪れたモレミ野性動物保護区は、オカバンゴ湿地帯の4分の1を占めている。アフリカで初め

て地元住民の意思によって設立された保護区である。当時無制限に狩猟や牛の放牧が行われていた

結果、野性動物が急激に減っていた。これを心配した族長故モレミ3世の妻・モレミ夫人の指揮の下、

1963年モレミを保護区とする英断を下したものだ。多くの野生動物、絶滅危惧種を含めた400種類

の野鳥、爬虫類や植物に溢れたモレミ野性動物保護区は、2008年アフリカ旅行・観光協会から「アフリ

カのベスト野生動物保護区」賞に選ばれたそうだ。

しかし、土曜日のボートサファリで書いたように、サルビニアモレスタという外来種がオカバンゴ湿地帯

の植物生態を乱している。今でも猛スピードで繁殖している。サルビニアモレスタだけを餌とするウィー

ビルという虫クン、どうか、サルビニアモレスタをたくさん食べてくれたまえ。食い尽くしてくれたまえ。こ

の動物達の楽園・オカバンゴ湿地帯をいつまでも守るために。帰って来たばかりなのに、もうすぐオカ

バンゴに行きたいと思っている自分がいる。透明感ある水、美しいウォーターリリーの花と水草、豊か

な野生動物、大きな夕陽、人々の温かい心、飲み放題の酒、旨い飯!オカバンゴ湿地帯は人間にとっ

ても楽園だ。

               また来てもいい象

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         * 旅の始まりは 5月 4週 をご覧下さい。