夢子の地球大好きシリーズ

香港パクパク喰い倒し

第U部:買い物・夕食編                   香港ドル=約16円

●食材の調達風景を見たい!

 国内外問わず、その街の市場に行くのが好きだ。美味しいものの調達ということもあるが、

その土地で育ったもの、捕れたもの、特産品を見るだけでも楽しい。その土地が身近になる。

で、香港の市場である。香港居住歴13年の友人に案内されて、下町上環の小さな市場に行く。

3階建てで野菜、魚介類などの店の他に食堂もある。野菜は豊富。緑黄野菜に溢れ、市場全体が

緑と言った風情だ。だいたいは知っている野菜だが、12月というのに、竹の子とトウモロコシ

があるではないか。友人の話では、香港では今が旬なのだとか。春の竹の子、夏のトウモロコ

シと思い込んでいたが、国が違うとこんなこともあるのだ。モヤシが2種類ある。モヤシのヒ

ゲを取れば、料理が一段と美味しくなるのは分かっているのだが、あれを11本取るのは手

間がかかって面倒だ。東京のお洒落なスーパーでも見かけたが、ここにはヒゲを取ったモヤシ

もちゃんと売っている。手間賃が上乗せされているが、私なら絶対こちらを買う。豆腐や厚揚

げも売っている。豆腐は1丁1.5ドルだった。

 どれも瑞々しい野菜で、旅人である立場が悔しい程であったが、土地の人は生野菜を食べな

いそうだ。野菜には必ず熱を通して食べる。しかも、買って帰ったら、全部をすぐ水に浸す。

数時間水に浸しておけば、農薬の害は取り除けると考えられているのだとか。何も知らないで、

ホテルで生野菜をバリバリ食べるなんてことをしないで良かった。

   

   

    左側の箱がヒゲを取った高いモヤシ          今が旬の竹の子とトウモロコシ

      

     乾物を見たい。日本はナマモノ万能社会で昨今は「活」が珍重される。さっきまでピンピ

      ンしていたんですよ、とか今朝海から上がったばかりの魚で、といったことに価値を置く。

      しかし、中国社会では乾物が高級なのだ。良い素材を高い技術で乾燥し、それを大変な時間

      と手間と技術で戻して食べることが贅沢とされる。ならば、その乾物を見ないではいられな

      い。上環地域には、アワビ、ツバメの巣、冬虫夏草、帆立貝などの高級乾物を売る店がズラ

      リ と並んでいる。値段を見れば、計算が出来ない程の高値なので見るだけにする。ここには

      高級料理屋やお金持ちが買いに来るのだろう。帆立貝は日本産のものの品質が良いのか値が

      高い。もっと大衆的な乾物なら西榮盤だ、ということでトラムに乗って向かう。トラムに乗

      っているうちに、匂いで西榮盤に着いたことがわかる。それほど干した海産物独得の匂いは

      キツイ。窓から見れば、大通りに沿って左右にズラリと乾物屋が並んでいる。壮観と言って

      良い。降りて1軒、1軒見て歩いて、びっくりした。「生きていたもの、食べられそうなもの

      は全部乾物にしました」といった具合で、これは何か、とジッと見たら巨大なヒトデだった。

      海蛇だってトグロを巻いて乾物になっている。魚の浮き袋、太刀魚の姿干し、家鴨、ナマコ、

      エビ、川魚、田七・・・・。一般の家庭ではこの膨大な乾物をどうやって食べているのだろ

      うか。西榮盤行くべし。面白い。飲茶のうまい「好彩海鮮酒家」もあるしね。

    

        冬虫夏草                日本産のアワビ             ツバメの巣です

     

●   さて香港の夕食は

       今回の旅を思い立ったのは、上海蟹を食べたいと思ったからだ。中国では上海蟹とは言わ

      ない。「大閘蟹」である。上海市から北西に5キロ行ったところにある陽澄湖で養殖された蟹

      だけが「大閘蟹」と名乗ることが出来る。長江で生まれた脚の透き通った子蟹を仕入れ、そ

      れを陽澄湖で育てる。2元で仕入れた子蟹が、陽澄湖で大きくなって卸す値段は60元。それ

      が市場に出る頃は120元となり、香港では1匹220ドル(元と同じ)−260ドルで売ってい

      た。「大閘蟹」の特徴は背が青く、腹は白く、爪と脚が金色。マガイものもたくさん出回って

      いるそうで、安かったら、それは「大閘蟹」では無いのだろう。ちょっと知識が付いたとこ

      ろ で、蟹の腹を見て白くなかったらニセモノと断定しよう。さてさて、ホンモノの「大閘蟹」

      を食べようぞ。

   「雪園飯店」スノーガーデン 尖沙咀広東道分店 

場所:九龍・尖沙咀広東道にあるハーバーシティ3階の3303舗 

   電話:2117-1038 1130分―15時 18時―2330分 年中無休

「雪園飯店」は、香港食旅歴100回を超える食通がずっと前から私にススメてくれた店である。

中でも一番のオススメ料理は金華ハムやフカヒレを入れた砂鍋だったが、メニューを見るとこ

れがバカ高。大きい鍋は6万円!小さいサイズでも3万円もして、たった3人で食べるには贅

沢だと諦めた。それに主目的は陽澄湖の「大閘蟹」だしね。付きだしの揚げたピーナッツとザ

ーサイを食べながら、メニューを検討すること20分。ぴったりのコースがあった。洋澄湖套餐

500ドルである。最初に蟹粉大排翅・上海蟹とフカヒレのスープがドンと出た。これが旨い

の何のって!量もタップリあって、大満足の1品であった。さて、いよいよ洋澄湖大閘蟹・蒸

し上海蟹のお出ましだ。最初に生きている蟹が藁で縛られて披露され、暫くして赤く蒸し上が

った姿で食卓に登場。この道何十年といったベテランのオジサンが、パキパキパキっと目にも

止まらぬ速さで蟹を捌き、さぁどうぞ!と差し出された。ネットリとした蟹味噌の旨味が鼻孔

からも感じられる。あぁ、旨い!蟹はカラダを冷やすということで、食べた後は必ず生姜茶が

出されるのも、医食同源の中国ならでは。蟹粉小籠飽、雪菜毛豆百頁、生果拼盆(スイカとパ

イナップル)を食べ終わった頃は満腹であった。「雪園飯店」は、この分店の他に、香港・北角

電器通の総店(本店)、九龍・彌敦道に2店、香港・銅鑼湾にも店がある。コースは200ドル台、

300ドル台もあって、単品料理ももちろんある。

     

   

   

   

郷村飯店 U ANDY’S KITCEN  香港銅鑼湾(コーズベイ)

  場所:香港銅鑼湾道35-37

    電話:2915-6060  2915-6066  午前11時―午後11時  禁煙

「郷村飯店」も上海料理だが、こちらは庶民に支持を受けている、言わば「下町の名店」と言

ったところか。麺類、炒飯なら300円、400円位、定食で600円位の安さだ。香港在住歴3

半の5人家族が、しばしば夕食を食べに行っているとか。この日も大人5人、子供4人計9

の大所帯での夕食となった。推薦した当の本人は、勧めるメニューを奥さんに伝えて東京に出

かけてしまった。人数が多いので、子供も好きな料理も含めてオビタダシイ皿が並ぶ。料理の

名前を聞いてメモする、撮影する、飲む、食べるで大忙しの夜になった。客人の私達2人だけ

が「大閘蟹」上海蟹を食べることになる。庶民的な店なので「雪園飯店」のようにパキパキと

捌いてくれるわけではない。友人のご主人が30分もかかって捌いてくれて感謝。庶民的な店な

のに店内は禁煙なので、私は途中で外に喫煙にも行って更に忙しい。紅焼肋排・あばら肉の醤

油煮、肉末粉絲・春雨の挽肉炒め、白切肉・塩蒸し豚肉、雪菜炒飯、小籠飽、麻婆豆腐、砂鍋

津白・白菜とワンタン・鶏鍋、獅子頭・上海ハンバーグと白菜、清炒蝦仁・卵と海老いため、

蒸し上海蟹、生姜茶。最後に毎回サービスされる豆沙鍋餅で大宴会はお開きとなった。調理場

を撮影しようとしたら、忙しく働くコックさんが笑っってくれた。ご馳走さま。

   

   

  

 

「寧波」中環セントラル

  場所:香港中環徳己立街業豊大廈4字樓 中環から徳己立街を歩いて約5

     電話:85225230648   YIP FUNGビルの4

「寧波」と書いてニンポーと読む。上海から南に120キロの港町である。その寧波出身者が出

資しあって「寧波旅港同郷会」を作り、そして出来た店がここだ。日本人のお客は殆ど来ない

らしく、日本語も英語も余り通じない。寧波料理と言えば、東京にある「中国飯店」も、確か

寧波家庭料理では無かったかなぁ。社長が寧波出身と聞いたことがあるような。地元の人の話

では古くて汚いということだったが、どうしてどうして、こざっぱりしたキレイな店だった。

寧波料理も上海系だから、3晩目となるとメニューを見るのも慣れて来る。白片肉・豚肉の薄

切りスパイスソース60ドル、蝦仁乾絲・芝海老と白菜のクリーム煮80ドル。うん、このクリ

ーム煮は優しい味がして旨い!酸辣湯60ドル、小籠飽40ドル、蟹粉豆苗は時価。時価を頼む

には勇気が要るが、ここは安い店だから平気で頼む。一体いくらだったのかわからないが、こ

れが大正解。美味しい。揚州炒飯45ドルはパラリとして薄味が良い。最後に食べた豆沙鍋餅が

非情に旨い。クレープのような生地にアンコを包んで焼いたものだが、焼き立てのアツアツを

感動して食べた。紹興酒用に頼んだ氷の意味が通じず、やっと通じたと思ったら、それは無い

のだと大騒ぎ。酒も飲んで15000円位。

   

  

   

「海天花園酒家」 HOI TIN GARDEN 屯門

  場所:香港屯門青山湾三聖街5号

実はこの店のことは余り教えたくない。本当は行って欲しくない。ま、それはそれとして、香

港での食事の楽しみに「海鮮璫方式」料理がある。「海鮮璫方式」とは、海鮮璫と言われる市場

で魚介類を購入し、その材料を調理してくれる料理屋に持ち込んで、調理代に当たる「油料銭」

と副材料費、飲み物代を払って食べる方式である。他の国ではなかなか味わえない。この「海

鮮璫方式」を初めて味わったのは、今では観光客にも大人気の鯉魚門(レイユウモン)だった。

水槽に泳いでいる魚介類を値切りながら買い、調理技術の高そうな酒樓(レストラン)選び、

材料を見せながら、これは蒸してね、これはマヨネーズと和えるのよ、この魚は揚げて餡をか

けて・・・と注文するのだから、そのヘンの知識が無いとかなり難しい。英語も日本語も通じ

ない場所での魚を買う時の値下げ交渉、食材を見ながら食べたい料理を連想出来る能力、レス

トランでそれを伝達出来る語学力と、ハードルはなかなかに高い。そんな「海鮮璫方式」を香

港で食べるなら、前述の鯉魚門(レイユウモン)の他に、西貢(サイクン)、南Y島(ラマ島)

などがあるようだ。さて屯門だが、香港市内からは相当遠い。遠くなった空港より遠い。交通

便利な香港でも、屯門はかなり不便である。私達9人は車3台で高速を飛ばしたが、地理に詳

しいドライバーを先頭にしても40分くらいかかった。綜合的に考えると観光客にはオススメし

ない。

レストランに隣接する魚屋で買い物をする。料理法もイメージしての買い物である。ここで苦

労するが、メニューを見て悩むことも無いから真剣に考え商品を物色。結果、選んだ食材と調

理法は次のようになった。白灼蝦・海老の茹で立て、芝士龍蝦・巨大な伊勢海老のチーズソー

ス和え、椒塩瀬尿蝦・シャコのニンニクソース炒め、蒜茸帯子・帆立貝と春雨のニンニク風味、

清蒸東呈石班・高級なハタの薬味蒸し、菜心・中国菜の花の炒め蒸し、炒飯、龍蝦粥・伊勢海

老ダシのお粥、西瓜、馬蹄露・慈姑の汁粉。白灼蝦・海老の茹で立ては、こうした海鮮料理の

お約束のようなもので、宴の始まりには最適。4歳の亜実ちゃんが持ってよろけた程大きい伊勢

海老はチーズソース和えという変わった調理。屯門で1番の目当てはシャコだったが、前回の

記憶にある小さなシャコを山のように積み上げたものとは違い、シャコが大きかった。それで

ももちろん美味しい。シャコを中国語で「瀬尿蝦」と書くのも面白いと思った。帆立は調理人

の腕を感じる味。清蒸東呈石班・ハタの薬味蒸しは絶品であった。ハタは中国では高級魚と言

われているそうだが、魚も旨ければ調理法も良かった。2番目に食べた伊勢海老で取ったダシの

お粥はうまくて何杯もお替り。香港在住のメンバーとの夕食だったのに「こんな美味しい店を

ありがとう」と感謝されてしまった。人数が多かったこともあるが、魚代と油料銭、酒代を入れて

16000円位であった。

     食材の買い物は、こうゆう魚屋でする。料理のイメージをしながら注文するのがコツ

   

    茹で立ての海老          巨大な伊勢海老のチーズソース和え    シャコのニンニクソース炒め

   

   帆立貝と春雨のニンニク風味       高級なハタの薬味蒸しは絶品!  中国菜の花の炒め蒸しも良い味

   

炒飯もうまい  伊勢海老ダシのお粥は泣ける程うまくて3杯お替り       馬蹄露・慈姑の汁粉       

●  中国茶を知っていますか?

      なんて小見出しを書きながら、私は今まで中国茶のことを余り知らなかった。ジャスミン

     ティーとウーロン茶だけなんてことは無いが、中国、台湾、香港旅行の時に飲んだり、土産

     に鉄観音茶、プーアール茶を買う位だった。「いつまでも、そんなことじゃアカン!」と今回

     中国茶教室に行くことにしたのである。但し1回だけの初心者向け。生徒は、香港在住組の2

     人と我々旅行者2名の計4名。講師はMs.Roanna LEUNG Yuen-lingという女性のハズが、

     遅刻され、それまでは男性の講師がつとめた。お茶の種類は7種類あると言う。発酵させな

     い「緑茶」、軽度の後発酵茶「黄茶」、典型的な後発酵茶「黒茶」、発酵度がとても軽い「白茶」、

     半発酵茶の「青茶」、全発酵させる「紅茶」そして再加工茶の7種類。プーアール茶は黒茶で

     あり、鉄観音茶、ウーロン茶は青茶に入る。

     

      まず道具の説明を受ける。茶荷、茶匙、茶壷、蓋杯、茶船、茶盤、茶巾、茶海・・・・。

     いっぱいあるんだねぇ、覚え切れないよ。お茶の煎れ方だが、カンタンに言うと、茶具を熱

     い湯で洗う→茶葉を入れる→湯を注いで茶葉を洗って湯を捨てる→お湯を入れて茶葉が開く

     のを待つ→各人の湯のみに注ぐ。お茶の種類によってお湯の温度も茶葉が開く時間も変わっ

     て来る。緑茶が80度で15秒蒸らすのに対し、鉄観音茶は98度、プーアール茶は100度で

      共に蒸らし時間は15秒である。客として煎れて貰ったお茶は香りを楽しみ、別の器に移し代

      えて味を楽しむ。湯のみはとても小さいから、同じ茶葉で45回とか7、8回煎れる。何度

      も煎れるお茶でも、このお茶は2回目が美味しい、これは3回目がベストなどと味の違いを

      教えて頂いた。先生の模範演技を見ているうち気楽で良かったが、各人のレッスンに入って

      いざ自分でやってみると、これが難しいのでありますよ。小さな器を挟んで湯で洗うとか、

      蓋で茶葉を開かせるとかね。当たり前の話だが、かなりの修練が必要である。蒸らし時間が

      ちょっと長くなってしまっただけで、恐ろしく苦くなってしまい大失敗であった。中国茶に

     もお菓子が出て来ると知って、生徒全員の頬がユルンだ。それにしても、今回垣間見た中国

     茶の世界は、なかなか深いものだ。学ぶには、心してやらねばならないぞ。

       

●香港交通事情

香港の素晴らしい点に交通至便ということを加えよう。地元に住む友人達がいるとはいえ、

旅行者が美味いものを求めて香港のあちこちに出掛けられたのも、この街の交通網が素晴らし

く整っているから。泊まったのが九龍半島側尖沙咀で、友人の家や食べたい店は香港島に多い。

ヴィクトリア港を挟んでいても意に介さず移動した。バス、地下鉄、トラム、フェリー、タク

シー。いろんな乗り物に乗ったなぁ。どれに乗るにしても、コツは「コインで小銭を用意して

おくこと」。これに尽きる。バスとトラムでは、お釣りという概念が無い。

MTR(地下鉄)

香港に4線ある。青と赤と緑とオレンジ。うち3線は、湾のトンネルを通って、香港島と九龍

側を結んでいる。表示が明確で、旅行者でも乗り換えに迷うことは無い。駅、ホーム、車内も

清潔だし、安全で速いってのが良いよね。料金は4ドルからだが、ハーバートンネルを通る区

間は9ドルとちょっと高い。自動販売機で切符を買うが、切符は磁気式の立派なもの。モッタ

イナイと思ったら繰り返し使うのだとか。90分以内に駅から出ないと無効になる。朝6時から

午前1時まで走っているから利用すべし。

   

○トラム

香港の風物詩とも言えるトラム。ダブルデッカーという2階建ての路面電車である。これが安

い!どこまで乗っても2ドルなのだ。子供とお年寄りは半額だよ。停留所と停留所の間が狭い

ので、行きたい場所のすぐ近くまで行くことが出来る。後ろから乗って、前から降りる時に2

ドルを払う。混んでいる時には、そろそろ降りることかな、と思ったら人を押し分けて前の方

に進もう。百年も走っているだけあって、車内は狭くてエアコンも無し。トロトロと走るので

時間もかかる。だが、トラムはまさに香港だ。

○バス

何種類かのバス会社がある。多くがダブルデッカーである。エアコン付きバスは3割増し。我々

はチープなお土産を求めて、2度も赤柱(スタンレー)に足を伸ばしたが、2回とも往復はバス

だった。初心者はバスターミナルから乗るべし、という知恵に従い中環の交易廣場バスターミ

ナルから赤柱行きの終点まで乗ったから楽チンだった。ただ、最初に乗る時お釣りをくれない

仕組みを知らずに、ムダな金を料金箱に入れてしまったことが心残り。路線によって運行時間

は異なるが、朝早くから午後11時過ぎまで走っている。前払い制で、降りる時はブザーを押し

て前から降りる。

○フェリー

スターフェリーと新世界ファーストフェリーがあるが、私はスターフェリーの尖沙咀―中環間

に何度も乗った。1等と2等がある。1ドル70の小銭があれば、自動改札で2等にすんなり乗

れるが、釣りの欲しい人は有人窓口に行って2ドル20払い、1等に乗らねばならない。1等と

2等の船内はどう違うかと言うと、1階と2階だけの違いとも言える。ま、余計に払う50セン

トは10円以下なんだけどね。このフェリーからの眺めが素晴らしい。湾を挟んで見えていた香

港島の高層ビル群がぐんぐん近くなる。後ろを振り向くと、逆にカオルーンが遠ざかる景色も

良い。海風を浴びながら昼も夜も楽しめるが、それはたった7分で終わってしまう。朝6時半

から午後11時半まで営業している。

   

○タクシー

初乗り2KMまで15ドル、以後200メートル(または1分)毎に1、4ドル。荷物をトランクに入

れてもらうと1個につき5ドル取られる。チップはほとんど要らないが、端数切り上げ程度か。

今回7度タクシーに乗ったが、運転手は概ね礼儀正しく深夜乗っても安心であった。言葉が通じ

ない場合が多いので、目的地を漢字で書いたものを示すのが良い。「ペニンシュラホテル」が

通じなくて「半島酒店」でようやくわかって貰った。一度だけ、ホテルの前から乗ったタクシ

ーの運ちゃんは英語が出来た。今日は寒いとか、明日は雪だろうとか、どうでも良いお天気話

などしている間に目的地の紅石<>ホンハムに着いた。実はこの日、尖沙咀から紅石<>に行

くのは2度目だったので料金は知っている。1200円位だ。なのに、どこでメーターを操作したの

か、その10倍位のメーターを指差して「金を払え」と言っている。冗談じゃないよ!誰が払う

かよ!と2人で応戦し、ちょっと割高にはなってしまったが、悪徳運転手に「NO!」と言って

やった。これが初めて来た土地で、そうそう強気で言えない日本人旅行者だったら、法外なタ

クシー料金を払ってしまったかもしれない。気をつけるべし。

○ミニバス

実はこのミニバスだけは乗らなかった。というより乗ることが出来なかった。早朝から深夜ま

で走って、値段も安い。16人乗りのマイクロバスで香港の隅々まで行くそうだから、憶えれば

こんなに便利なものは無い。この地に住む友人は毎日乗っているらしいが、広東語に堪能でな

ければ乗りこなせないということで、ミニバスは当分お預けだ。

 

                                      おしまい 

      この旅で宿泊したペニンシュラホテルは、ホテル日記に収録しています。

      この旅の食事内容は、パクパク日記2121週及び2週に収録しています。

* 第T部は朝食、昼食、甘味を収録しています。

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