夢子のニッポン大好きシリーズ

黒川温泉・九州あちこち 

大宰府の梅に送られ

 2月の歌舞伎座は「菅原伝授手習鑑」の通し狂言である。菅原道真公をめぐる浄瑠璃の名作

を昼と夜に渡って通しで演じられるのだが、それを昼夜ぶっ通しで見る予定になっている。ま、

それはそれとして、1月中旬再訪した大宰府天満宮では、御神木「飛梅」の木はもちろん、他

の数千本の梅も既に6分程花をつけて咲き誇っていた。今年は、道真公が亡くなった903年

2月25日から数えて1100年ということで「御神忌1100年大祭り」が大々的に行われ

るのだそうだ。「東風吹かば おもひおこせよ梅の花 あるじなきとて 春な忘れそ」と詠って

主が京を去ったので、一晩で梅の木が飛んで来たから「飛梅」。まぁそうゆうことにしておこう。

梅は観ても楽しいけど食べたいね、ということになって、近くの「梅の花 大宰府別荘 自然

庵」に向かった。豆腐と湯葉の店と聞いていたが、行ってみると白壁が続く立派な料亭でちょ

っと驚く。今回は、男性2人との3人旅。黒川温泉では女性が1人加わることになっている。

私の旅は、普段は「ひとり旅」で旅程を悩みながら決めることから旅が始まるのだが、今回に

限っては、同行のR君が決めた。彼の予定によると、昼食時間は30分とある。しかし、掘り

炬燵式の座敷に通され、次々と出てくるお料理の様子を見ると時間がかかりそう。「この梅の花

膳はどのくらいの時間がかかりますか?」と聞いてみると、「はぁ、2時間でしょうか」と答え

るではないか。旅は未だ始まってもいない。しかも車の旅だから、酒など飲んでもいられない。

飲み物はお茶でいい、どんどん持って来てと仲居さんを急かして、次々とご馳走を平らげた。

嶺岡豆腐から始まって、全15品で966カロリー! 品数が多いわりに3800円とお安い。

機嫌が悪かったのか、ついてくれた仲居さんの受け答えには鼻白む場面もあったが、本来はお

酒を飲みながらゆっくり楽しみたい食事であったことよ。誰だ!30分なんて食事時間を設定

したのは。焼き魚定食じゃないんだからさ。

   

   

       「自然庵」の門構え               広い庭園の紅梅と鯉

        

小国町、南小国町は温泉の宝庫

 40分遅れで、大宰府ICから高速に乗る。黒川温泉までは、福岡県、佐賀県、大分県を通

って熊本県まで行く。日田ICで高速を下りてからは、細い道の連続で、初対面の運転するT君

に励ましの声を掛ける。「携帯電話に出てはイカンよ、寝るなよ、疲れたらR君に代わるんだ

よ・・・」。免許も無し、運転ももちろん出来ない私の役割はこんなことくらいだ。右手に筑後

川が流れている。橋の両脇に温泉宿の建物が並び「ハイカラ温泉」の看板も見える。バスの停

留所の名には「杖立温泉」とあった。ここは昔から名の通った温泉。交通の便が悪い地域だが、

杖立温泉まではバスの便がある。折角来たのでちょっと休憩がてら温泉街を覗いてみる。一番

大きな宿「ひぜん屋」は、宿の半分が大分県、残りが熊本県なのだそうで県境地域の象徴のよ

うだ。深い山間に流れる川と湯煙。素朴な温泉街の舞台装置が揃っている。ここも名湯という

から、今度来てみたい。この辺り小国町、南小国町には小さな温泉があちらこちらにたくさん

あって、温泉の宝庫のよう。宝泉寺、岳湯、嵠の湯、奴留湯、山川温泉、小田温泉などに立ち

寄り湯をしながら移動したらさぞ楽しいだろうなぁ。翌日行った満願寺焼きにも満願寺温泉

があった。

 杖立温泉

大宰府を出てから約2時間、そろそろ黒川温泉だ。黒川トンネルを抜けると左手に黒川荘が

見えて来て、ここから黒川温泉だ。あじさい通りから坂を登っていくとたくさんの宿の屋を見

渡すことが出来る。杖立温泉の真中に流れていた筑後川の上流・田の原川に沿ってほとんどの

旅館が並び、坂の上や少し離れた場所に全27軒、それが黒川温泉である。今はバスか車しか

黒川に来る手段は無いが、江戸の頃は日田と竹田を結ぶ街道沿いで、参勤交代時の中継地点だ

ったらしい。そんな昔から愛された古い温泉場だった黒川温泉が、どうやって今のような人気

抜群の温泉地になったのか。既に何度もテレビ番組などで紹介されているが、「新明館」のご主

人が、3年の月日をかけてたった1人で洞窟風呂を掘ったところから転機が訪れた。隣接して

露天風呂を作ったら、それが大人気に。それだけなら「新明館栄光物語」で終わってしまうの

だが、露天風呂を作り出した黒川の宿に呼びかけて温泉街ごと発展しようとしたところがミソ

なのだ。先ずは宿泊客以外の立ち寄り湯客のために露天風呂を開放しよう。立ち寄り湯客のた

めに仕掛けを考えよう。入湯手形というものを発行して、それを持って温泉巡りをして貰おう。

そのためには温泉の旅館組合を作って、管理事務所も作ろう。ということで「風の舎」が完成

し、通行手形ならぬ入湯手形が出来上がった。1200円で3つの宿を回ることが出来るようにす

る。「風の舎」では、各風呂の紹介のビデオを上映したりパンフレットを配布したり。

 熱烈な温泉好きというわけではないので、今まで行った温泉はせいぜい30箇所くらいだろ

うか。思い出深い温泉地の1つに城崎温泉がある。志賀直哉の「城崎にて」のあそこ。城崎の

名物は外湯巡り。柳並木の小道をそれぞれ宿泊先の浴衣を着て、カラコロと下駄を響かせなが

ら外湯を巡る。外湯はいくつもあって、全部制覇するとフラフラになる。それも楽しい。しか

し、それは飽くまでも外湯であって、宿の風呂ではない。外湯めぐりが出来る温泉は野沢温泉

他いろいろとあるが、宿の自慢の風呂をここまで大々的に開放しているのは、黒川だけではな

いのか。「風の舎」では、家族連れやカップル、女性グループがここも入ってみたい、あそこ

も魅力的と立ち寄り湯先を真剣に悩んでいる。

    

新明館の洞窟風呂

 ここで女性のSさんが合流して、われわれも立ち寄り湯開始。3人とも黒川をよく知ってい

るから私はついて行くだけだ。先ずは今の人気の元となった「新明館」の洞窟風呂だ。街の真

中を流れる田の原川を渡って行く。宿の受付で手形にスタンプを押して貰い、川沿いに洞窟風

呂に向かう。狭く暗い洞窟を入っていくと、狭い場所が更衣場所だった。洞窟の中だから仕方

ないが、本当に狭い。やっぱりこういうことも想像して浴衣姿で来て良かった。するりと脱げ

ば、もう入浴体制だ。裸電球がポツリ、ポツリと明かりのあるうす暗い風呂に入ってみる。存

外浅い。硫黄の匂いが強い。滑らないように手はつい洞窟に沿ってずらしていく。洞窟にはと

ころどころ苔が生えていて、ご主人はそのことをとても喜んでおられるとか。自分が掘り上げ

た洞窟に苔が生える程の歳月が嬉しいのだろう。混み合ったところを避けて、ようやく湯の中

に座る。浅いから湯はおヘソ位までしか無い。湯はぬる目だ。最近流行りの半身浴がそのまま

出来てしまう。僅かな明かりに照らされた洞窟をしみじみと眺めてみる。ようここまでなぁ、

と感心する。ここは女性専用だが、男性風呂もあるのだし、家族風呂は大きな岩をくり抜いた

風呂と聞く。大変なご苦労が現在の大きな発展になって良かったですね、と洞窟に言ってみる。

   

   橋を渡って新明館に行く            洞窟風呂の内部。何も見えない? 明かりは見えるよ

いこい旅館の美人湯

 新明館を出て、上川端通りに出る。角は今晩の宿「のし湯」の本館に当たる富士旅館だ。そ

の2軒先の左側に「いこい旅館」はある。「日本名湯秘湯百選」にも選ばれたというが、美人湯

の看板が目を引く。入り口の手前には、開放された広い土間に囲炉裏が切ってあり、甘酒やお

でんなどを売っている。今は急いでいるが、ここでおやつを頂きながら休憩するのも良いだろ

うな。宿に入ると立ち寄り湯は2階だと言われる。ありました! 打たせ湯つきの半露天風呂。

大きな風呂に2箇所の上からお湯が落ちている。そこに肩が当たるように座ると何とも気持ち

が良い。先ほどの新明館は硫黄の匂いが強かったが、ここのお湯は透明でサラサラだ。黒川温

泉では、全軒という訳ではないが、それぞれに源泉を持ち、それも塩化物泉、硫黄泉、硫酸塩

泉、酸性泉、単純泉などいろいろな成分を含んでいる。つまり、各旅館は、風呂の風景や情緒

も競争ならお湯の性質まで違うのだ。珍しい風呂があった。「立ち湯」。湯船の一箇所が深く掘

ってあり、大人が立って首位の深さ。両脇に太い竹が吊り下げられていて、両腕を竹に託して

ゆらゆら温泉を楽しむのだ。味わったことの無い快楽である。しかも美人湯だし、満足である。

   

     これが美人湯の看板     囲炉裏場           立ち湯は気持ちよか

裸の散歩道がある「山みず木」

 人気はあるが、遠い。遠いけど人気がある「山みず木」。「風の舎」から2キロ弱の山道を登

ったところにある。車のある人は良いが、山道を歩いて下りて来る人もいる。それまでして入

りたいお風呂とはどんなものだろう。女性専用の露天風呂を見て合点が行った。渓流に隣り合

うように露天風呂があるのだ。冷たそうな渓流がごうごうと流れる横で盛大に温泉に立ち上る

湯煙。絵のようだ。「森の湯」という。その露天に入って目をつむっていると、先客のおばさん

が、この上にもう1つお風呂があるから是非行けと勧める。見れば、渓流に沿った小道に「裸

の散歩道」とある。この日は雪こそ降ってはいなかったが、冬の寒い日。躊躇しているとSさ

んが飛び出した。走っている。ならば、と私も続くことにした。ひゃ〜寒い。寒いだけでなく、

足の裏が冷たい!痛いほどだ。ペタペタペタ、ハァハァハァ。この姿を誰かが見ていたら、思

い切り笑えるだろうな、と思いながら走った。ようやく上の「木もれびの湯」についた。こち

らの方が湯船が大きくて、更に気持ちがいい。裸の散歩道を走って来た甲斐があった。ん?待

てよ、ここまで来たということは又帰らねばならない。ということは裸の散歩道をもう一度走

るのかぁ。快楽の前後は試練が待っているという構図だ。帰りもペタペタと走って、森の湯に

辿り着くやいなや、ツルンと転んでそのまま森の湯にポチャ〜ン。その夜お尻を鏡で見たら、

右のお尻に派手な擦り傷跡が赤々とあった。ステキで痛い「山みず木」であった。

   

    「山みず木」の外観          渓流の隣が女性専用露天風呂の「森の湯」

宿泊した「のし湯」は

さて、宿泊した「のし湯」。今回の宿選びは、お風呂も考慮した上で、部屋指定をしようと相

談の上、「のし湯」のしおんの間とあざみの間を予約した。男子部屋はしおん、女子部屋はあざ

み。両方とも萱葺き屋根の離れである。しおんには囲炉裏、あざみには大きな堀炬燵がある。

そして石をくり抜いた石風呂がついているという贅沢な部屋であった。風呂は、立ち寄り湯の

配慮だろう、敷地の中の別棟に野天風呂と家族風呂がある。家族風呂には宙に浮いているよう

な錯覚が起きる檜風呂「宙ろくの湯」もある。ここは予約すれば、貸切りで楽しめる。立ち寄

り湯に、野天、宙ろくの湯、部屋の石風呂に入ったので、内風呂には入らず仕舞いでもったい

ないことをしたが、温泉攻めに合う程黒川温泉は素晴らしい温泉に満ちている。

 

 朝もやと湯煙の女性専用の野天風呂         宙ろくの湯          あざみの部屋の石風呂

焼き物が好きなら九州

九州の焼き物と言えば有田焼に伊万里焼。しかし今回は行かない。最後に唐津焼は控えてい

るものの、もっと小さな窯を訪ねよう。満願寺焼。この旅に出かける前夜行った日本そば屋さ

んで満願寺焼を使っているという話を聞いた。年に数回買い付けに行って黒川温泉に宿泊する

のが楽しみだと女将さんが話してくれた。偶然の機会を大事にしてそこも行ってみよう。黒川

温泉から暫く行ったところがもう満願寺であった。同じ南小国町にある。満願寺のお寺と温泉

があり、そこで半陶半農の北川八郎さんという方が満願寺窯を開かれて、手びねりの作品を作

っていらっしゃるようだ。冬の日差しを燦燦と浴びた満願寺ギャラリーに行ってみると、猫が

犬小屋に入って昼寝をしている。家を奪われた犬は怒りもしないで猫の寝顔を見守っている。

声を掛けても誰もいらっしゃらないので中に入らせて頂く。作者北川さんの著書などと一緒に

作品が展示され、「代金はこの箱に入れてください」とある。安い野菜の販売ではなく、1点数

万円の作品もあるというのに、この大らかさ。野菜釉で焼き上げている作品はどれも素朴だが、

良い味を出している。外では昼寝から起きた猫が、金魚が泳ぐ手水鉢から水を飲んでいた。

  

                            万願寺窯の作品                     金魚を取らない猫はエライ

熊本から大分県の日田に入って、小鹿田焼の町に向かう。小鹿田と書いて「おんだ」と読む。

筑紫哲也さんがこの当たりのご出身ではなかったか。小鹿田焼は、以前から普段使いの器とし

て使っているが、この窯のある場所が魅力的なところと聞いたことがある。山道を登って行く。

週末だが、車の数も少ない。やがて道の両脇に小売りも兼ねた焼き物屋がそこここに見えて来

た。一番上まで登って見たら、町中に流れる川水の動力を使って赤土を搗いている。無人であ

る。ちょっと複雑な水車の要領で、気がついてみると、今通って来た川の両端のあっちもこっ

ちも土を搗く仕掛けがあった。川のせせらぎの音にゴトン、ゴトンという音だけが鳴り響く静

かな集落。小鹿田焼陶芸館に行ってみると資料の展示があった。無人で無料、電気も自分でつ

ける。文禄・慶長の役で筑前藩主・黒田長政が連れ帰った陶工八山が1600年、直方市に開窯し

たことが起源となった。その後いろいろあって、1705年この地に登り窯が築造されたそうよ。

小鹿田焼にはいくつかの技法があるが、どれでも見たらすぐわかる特徴がある。坂をぶらぶら

と下りて行くが、誰にも会わない。小売りの店で品物を見ていても誰も出て来ない。庭先では、

これ以上無い冬の好天気のもと、たくさんの陶器が並べられて乾燥を待っていた。昼を取ろう

と山のそば茶屋という店に入ると、ようやくそこには人々がいてほっとする。入り口近くのス

トーブの上では、大きな鍋にきんかんがぐつぐつと甘く煮えていた。ここまで誰にも会わなか

ったので、人情溢れた店のおばちゃん達の笑顔が嬉しい。手打ちの山菜そばと大分名物だんご

汁を食べた。だんご汁は甘かったが、サービスされたきんかん煮もほっとする味だった。

1大宰府 2黒川温泉 3小鹿田 4吉野ヶ里遺跡 5唐津

吉野ヶ里遺跡で古代人と

 吉野ヶ里遺跡に向かう。歴史は好きな方なのに何故か古代史にはとんと興味が無いのだ。こ

れも旅に出る数日前、NHKの人気番組「プロジェクトX」で吉野ヶ里遺跡を発見し、たった1

人で発掘し続けた方の偉業を放映していたのだが、ほんのちょっとしか見ることが出来なかっ

た。すぐ感化される人間だから、全部見たらもっともっと熱心に見たのだろうな。吉野ヶ里遺

跡は、佐賀県の神埼郡神埼町、三田川町、東脊振村の3つの町村にまたがる。東口から入る。

入場料は400円。急いで見てもたっぷり1時間はかかります、と言われた。集落を外敵から守

る環壕が見えて来る。環壕には外壕と内壕があり、外は全長2.5キロもある。紀元前3世紀

〜前2世紀の弥生時代前期、紀元前2世紀〜紀元前1世紀の中期、そして紀元1世紀〜3世紀

の後期に渡る日本の原始的国家形成の過程をここに見ることが出来る。展示室には、その頃の

資料や解説が丁寧になされている。南内郭には立穴式住居があり、地面を掘った半地下式の住

居が再現されている。物見櫓もあって壕で厳重に守られていることから大人(だいじん)と呼

ばれる指導者達の生活の場ではなかったかと見られているそうな。この立穴式住居は、夏は涼

しく冬は暖かいと解説にあったが、本当だろうか。中に入ってみると、円くは無いが、モンゴ

ルのゲルのようでもある。北内郭跡は、吉野ヶ里集落の中でも最も重要なものだそうで、高床

式の住まいは最高司祭者の住まいと考えられている。今でも発掘はせっせと行われており、遺

跡の全容が明らかになるには、未だ未だ時間がかかるようだ。真っ青な冬の空に広々とした敷

地、弥生の人々もこの空を見ていたのだ。

 

     環壕                    南内郭の立穴式住居と物見櫓

唐津城で旅の仕上げ

 吉野ヶ里遺跡から、福岡市を経由して唐津に向かった。市内の鮨処「つく田」で他の2人と

合流し、あらや寒ブリなどをたらふく食べて「洋々閣」に宿泊。贅沢な夜だった。さて。旅の

最後の1日は唐津で過ごす。4年前に初めて来た時、ここには何度も訪れる予感があった。そ

の時見逃した唐津城に向かう。JRの電車からも松浦川と町田川が合流する鶴舞橋の左側に天守

閣が見える。夜の唐津城はライトアップされるそうで、少し前までは近くの虹の松原に因んで

七色に変わる光だったが「品が無い」と酷評を受けて変更し、少しまともになったのだという

地元の人の話も聞いた。城の下は高校で野球部の選手達がストレッチするのを横目に石段を登

っていくと、見事な棚が頭の上に現れる。天然記念物の藤の棚で、藤が満開の時はさぞや美し

いだろうと容易に想像出来る。慶長7年から秀吉の家臣寺沢志摩守広高が7年の歳月をかけて

築城したもの。寺沢氏の後、大久保、松平、土井、水野、小笠原と城主はどんどん代わったせ

いか、唐津は城主の影響を強く受けたということは無かったようだ。4階の古唐津焼の展示は

古い陶器に関心のある人には魅力的なものだろう。5階の展望室に登ると余りの景色の美しさ

に息を飲むほどだ。西は唐津港、南は市街、北は舞鶴橋から松原、鏡山、東は玄海灘の海と南

東に虹の松原の長い海岸。どこを切り取って額に入れようか。唐津という地名の由来ははっき

りしないそうだが、大陸の国を意味する「唐」と、港の意の「津」は、昔から大陸の新しい風

を運んで来た土地柄に相応しい地名といえる。またここに来て、新しい風を吸おう。福岡、熊

本、大分、佐賀と九州の4つの県を回った今回の旅だったが、弥生時代から平安時代を経て、

現代へと長い時の旅でもあった。九州は面白い。

  

    見事な藤棚                 唐津城                             長い海岸線の虹の松原

                                          おしまい

旅した日:2001年1月中旬

行程/

1日目:羽田→福岡空港→レンタカー→大宰府天満宮→「梅の花 自然庵」昼食→車で移動→

杖立温泉・撮影休憩→黒川温泉→「のし湯」チェックイン→風の舎で入湯手形購入(1200円)

→立ち寄り湯「新明館」→「いこい旅館」→「のし湯」で夕食・宿泊

2日目:早朝から「のし湯」の野天風呂、宙ろくの湯、部屋の岩風呂→朝食→立ち寄り湯「山み

ず木」→満願寺窯→小鹿田焼き→「山のそば茶屋」昼食→吉野ヶ里遺跡→唐津→「洋々閣」チ

ェックイン→鮨処「つく田」→「洋々閣」宿泊

3日目:「洋々閣」にて朝食→宿内の隆太窯で作品購入→タクシーで唐津駅→荷物をロッカーに

→タクシーで唐津城→唐津市内散策→駅近くの「大連水餃子館」で昼食→唐津・東松浦物産土

産品のアルピナで唐津焼きなど購入→唐津駅→筑肥線・地下鉄→福岡空港→羽田空港

      この旅で宿泊した黒川温泉「のし湯」、唐津「洋々閣」はホテル日記にそれぞれ掲載され

  ています。ご参照ください。

 ・ この旅の食事内容は、パクパク日記2002年1月3週をご参照ください。

      4年前に唐津を訪れた時の旅日記「唐津・呼子エスケープ」は国内編に収録しています。

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