パクパク日記13年1月3週
イタリア・トスカーナ州とピエモンテ州にワインを求める旅に行く
サッシカイアバルバレスコのガヤ
1月 14日(月・祝成人の日) 大雪!
朝 無し!
昼 無し!
朝から雪が降っている。チラチラなんて可愛いもんじゃない。「ゼッタイ積ってやるからな!人間ども
よ!雪でクローするがいい!!!」ってどこかのヘソ曲りの神さんが悪戯いているって感じの降り方。
今日は成人式だから、晴れ着を着ている新成人はクローしているようだ。私も今日は成田前泊日。朝
からふすまパンを焼いて真空パックなど作業などに忙しくしてはいるが、外の様子が心配でならない。
23階で大きな窓だらけのわが家は、時折り強い風が吹きつけて激しく揺れる。おいおい、である。リム
ジンバスの運行は?成田エクスプレスは大幅遅れで止まりそう?そんな中でパクパク日記の12月4日
完成させてアップ。心配したスーツケース託送会社のドライバーが雪まみれで4時前に現われた。「よ
ろしくお願いしますね」と渡したは良いものの明日朝までに成田空港に運べるのだろうか。出かけよう。
夕方のおやつ 新宿駅ホームにて カロリーメイト2本!
ふだんなら徒歩2分の四谷3丁目の駅が遠い。積った雪の上を、ウォーキングシューズでそろそろと歩
くので時間がかかる。地下鉄で新宿駅。西口のリムジンバス乗り場に行くと午後1時からすべて運行は
中止したという。成田エクスプレスも止まった。どないしよ、と駅の中をウロウロしている時、6番線に成
田エクスプレスが到着する。折り返しの便が最後の運行になると言っている。走った(つもり)。6番線は
ヘンな場所にあるから遠い。ハァハァと息を切らせてホームに辿り着いた時には列車の姿はどこにも無
かった。京成スカイライナーは遅れながらも動いているとの情報があった。日暮里に行こう。ところが山
手線は雪による倒木のため近くで止まっていた。寒いホームでふと朝から何も食べていないことに気づ
く。まぁ、私としたことが。ホームでカロリーメイトを買い生まれて始めて食べる。やっと山手線に乗った。
夜 成田・ヒルトンホテル成田 「梅園」 5千円の料理長お勧め厳選デリシャスチョイスディナー8
(前菜盛り合わせ、四川風辛味スープ、芝海老チリソース、いろいろ野菜と牛肉炒め、白菜クリー
ム煮、アワビのオイスターソース、陳麻婆豆腐、海老シュウマイ、坦々麺、デザート、中国茶)、生
ビール 850円×2杯、麦焼酎 880円 @7580円
日暮里駅で待ったが、無事スカイライナーに乗ることが出来た。パチパチパチ。しかし成田空港からホ
テルに行くまでがまた一苦労。結局自宅を出てから4時間半かけてようやくヒルトンホテルに到着。夕
食食べよう。日曜日だからお休みのレストランは無い。隣の日本食レストランが「松風」。ここ中国料理
レストランは「梅園」。料理長お勧め厳選デリシャスチョイスディナーを注文。40品の料理の中から好き
なものを8品選び、前菜とデザートがついて5千円という。陳麻婆豆腐は辛さもなかなか。食べ過ぎだ。
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1月 15日(火) 成田は晴れ パリは雪
第1食 成田・ヒルトンホテル成田 「テラスレストラン」 朝食ヴュッフェ
6時起床。ニュースチェックするとJRや私鉄など鉄道系はすべて運行しているが、高速道路は一部閉
鎖が続いているらしい。今朝も気温が低いため、昨日積った雪が凍ってケガ人が多数出ているらしい。
朝食を軽く取って7時40分発の送迎バスを待つ。来ない・・・次の便の8時が過ぎても7時40分発のバ
スが来ない。ホテルの前はバスを待つ欧米系客で膨れ上がった。待ち始めてから1時間かかってよう
やく第2ターミナルに到着。集合時間にギリギリ間に合う。M浦夫妻と合流。え?スーツケース未だ?
第2食 JAL成田=パリ ビジネスクラス機内食
結局託送会社のトラックが成田空港に着いたのは、それから約1時間後のことだった。昨日集荷はした
ものの、高速道路の閉鎖で今朝出発したとのことだ。ツァー参加者は15名だが、車で来られる予定だ
ったお一人の方は間に合わず1日遅れの出発になったそうだ。R子さんとも再会。やっと出発ですね。
第3食 JAL成田=パリ ビジネスクラス機内食
フライト第1食で飲んだ缶ビールは半分凍っていた。大雪だったから仕方ないよね、アハハ。約12時間
のフライトでパリ着。早めに飛行機を降りて通路で待っていると、あら?見たことある人が。O来T子ち
ゃんだった。毎年パリに仕事に来るの?タイヘンね。あ、私はワインと美食の旅。イタリアとパリだよん。
第4食 エアフランス パリ=フィレンツェ ビジネスクラス機内食
昨年十数回来たから、すっかりパリのシャルル・ドゴール空港通になってしまった私。イタリア・フィレン
ツェ乗り継ぐためのゲートは2−G。あのショボイゲートだ。チェッ。「ほら、ここは天井低いでしょ。あそこ
がビジネスラウンジですけどとっても狭いし、ロクな食べ物ありませんよ。そうそう、搭乗ゲートは離陸
ギリギリの時間にならないと表示されませんから」なんて皆さんにオタクのような案内をする。M浦夫妻、
R子さんと4人でお喋り。2時間半待ってようやく6時半ゲートbェ出る。急いで23番ゲートへ。2−G
は小型機が多いから搭乗は歩いて。路面が凍っていて滑るから怖い。フィレンツェまで2時間弱。機内
は寒かったが、午後9時前に到着したフィレンツェははそうでも無い。中型バスで今夜から2泊するザ・
ウェスティン エクセルシオールへ。希望者は9時半から夕食に行きましょうと誘われたが、お腹空いて
ませーん!部屋をグレードアップしたが大したことないな。今日本時間で朝6時。徹夜明けの眠さだ。
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1月 16日(水) フィレンツェは小雨のち曇り 1ユーロ=約120円
朝 イタリア・フィレンツェ 「ザ・ウェスティン エクセルシオール」 朝食ヴュッフェ、持参のふす
まパン
6時起床。昨夜は疲れ過ぎと寒さで余り眠れなかった。シャワーを浴びて血糖値を測る。70か、よしよ
し。7時朝食レストランに行く。未だオープンしていなかった。今回参加者はご夫婦4組、一人参加7名
(女性6名、男性1名)、それに急遽同行が決まったU竹シェフと添乗員のS崎さん。1人参加の方々
とテーブルを囲む。品数の少ないコンチネンタル朝食が多いイタリアであるが、5ッ星ホテルとなれば、
野菜だってフルーツだってどっさり並ぶ。カプチーノはR子さんと飲んだ。彼女も眠れなかったそうだ。
ヴェッキオ宮殿(ウフィッツ)からピッティ宮殿を繋ぐ「ヴァザーリの回廊」 アルノ川を渡ったピッティ宮殿の中庭に出る
小雨降る中、徒歩にてフィレンツェ見学。フィレンツェも久し振りだ。先ずはウフィッツ美術館。名画だら
けの美術館だが、1933年爆破テロ事件が起こって世界中の美術ファンを震感させた。あれから19年
か。以前来た時は大行列&大混雑であったが、今日はシーズンオフのせいか空いていていいな。フィ
リッポ・リッピ、カラヴァッジョ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ボッティチェッリ、ラファエロ、ミケランジェロ・・・。
ボッティチェッリは樽の意。11時3階の「開かずの扉」が開き私らだけ秘密の階段を降りてゆく。「ヴァザ
ーリの回廊」。年メディチ家の当主コジモ1世の命令で設けられた私的渡り廊下である。コジモ1世から
1565年建築の依頼を受け、僅か5ヶ月で完成させたのがウフィッツ美術館の設計も手掛けたヴァザ
ーリである。回郎建設の理由は諸説あるが、結婚した息子夫婦にそれまでの住まいヴェッキオ宮殿を
譲って自らはピッティ宮殿に移ったが市民の目を気にせず自由に両宮殿を行き来したかったから、とい
うのが有力のようだ。撮影禁止でお見せできずに残念だがさほど広くは無い1`続く回廊の左右には
絵画がビッシリ。画家に依頼したという肖像画のコレクションが見事である。アルノ川にかかるヴェッキ
オ橋の上にかかる回廊では橋にある商店や歩いている観光客の頭の上を歩くことになる。橋を渡り切
ると左手にはサンタ・フェリチタ教会内部。メディチ家の人々は回廊からミサに参加していたらしいよ。
昼 フィレンツェ 「DEI FRESCOBALDI」 ズッキーニのフラン ししとうがらしと山羊のチ
ーズ、自家製マカロニパスタ バターソースペコリーノチーズとベーコン、持参のふすまパン、マン
ダリンシャーベット、エスプレッソ、白ワイン(ニッポツァー レゼルヴァ2009(マルケージ・ディ・フ
レスコバルディ)
「ヴァザーリの回廊」は年に2〜3回不定期で公開されるらしい。その時は10〜15ユーロらしいが、今
回はグループで申し込んだので、@8千円以上もしたらしい。よくはわからんが。しかも「ヴァザーリの
回廊」の大規模改修するという話は根強くあるらしい。今回見ることが出来て幸運であった。次ぎはラン
チだ。シニョーリア広場にあるレストラン「DEI FRESCOBALDI」のオーナーは、ワイン醸造所を所有
する貴族だそうだ。それかどうか白ワインは飲めばついでくれるという具合で、昼から白ワインをグビグ
ビ飲んでしまった。食事は可もなし不可もなしというところ。ドルチェはチョイス制でシャーベットにした。
夜 フィレンツェ 「エノテカ・ピンキオーリ」 コース(アミューズ2点、コーヒー風味の蛸とかぼち
ゃとウイキョウ、帆立とラディッキオと西洋ネギソース、イカスミの鯖とブロッコリーソース レモンゼ
リー添え、海老のリゾット、ホロホロ鳥の煮込みブラッターチーズとパルメザンチーズのラビオリ、パ
ン5種、ポークソティりんごとシナモンソース、グレープフルーツとざくろ、アマレット風トンカ豆、アー
モンドミルク、キャラメルとオレンジとハチミツのピッコロパステチェリア、エスプレッソ)、スパークリ
ングワイン:フランチャコルタ・ベラヴィスタ2004(ヴィットリオ・モレッティ)、白ワイン:テルラーノ・
ノヴァ・ドムス2009、赤ワイン@:ブルネッロ・デ・モンタルチーノ・チェルバイオーナ1997、赤ワイン
A:ステファノ・リッチ2010
「エノテカ・ピンキオーリ」自慢のワインセラー 900万円級のワインが並ぶ ロマノコンティ19856gボトル3本
ランチ終了後フリータイムとなった。見学や買い物に出かけられる方が多い中、私は町をぶらぶらして
ゆっくりホテルに帰る。雨降る空に「止め!」と3回願ったら青空が出て来た。それで良いのだ。ホテル
はNHKBSが映る。大相撲中継をチラチラ観ながら、読書。大関4人全員負けた。7時20分ロビー集
合。今日から数日ご一緒するワインエキスパートのS木さんが合流した。バスで「エノテカ・ピンキオー
リ」へ。思ったより時間がかかり、大きな丸テーブルを全員で囲んだのは午後8時を過ぎていた。オー
ナーのジョルジュ・ピンキオーリ氏が挨拶に来られて、毎年イタリア国内のワイン醸造所に依頼して造
るオリジナルワインのマグナムボトルをプレゼントして下さった。落ち着いた感じの夫人アニー・フェオ
ルデさんはフランス人シェフ。ソムリエでもあるジョルジュ氏はお洒落で「チョイ悪」ダンディであった。料
理はよくわからないアミューズから始まった。前菜の蛸は柔らかくてとても美味しい。鯖はイカスミに纏
われて真っ黒だった。海老のリゾットもいいね。ホロホロ鳥苦手の人は他の食材に換えて貰う。私はポ
ークソティ。あらら、殆んど脂身って感じで食べたくなくなった。世界の美食家に愛される「エノテカ・ピン
キオーリ」の本店のお料理であるが、期待したほどではないなぁというのが正直なところ。2年前東京銀
座店は閉店、名古屋は開店からそろそろ6年になろうとしていうが評判は決して良く無い。名古屋人は
現実的だし。この日S木氏がチョイスしたワインはブルネッロ・デ・モンタルチーノ・チェルバイオーナ
1997以外は特に印象に残らなかった。しかしオーナー・ジョルジュさんが自慢のワイナリーを案内して
下さることになった。レストランのワインセラーとしては世界一と言われるワインセラーには12万本が眠
っている。この1900年のワインは1本900万円ですかぁ・・・はぁ・・・1985年のロマノコンティの6gボト
ルは3本造られたそうだが、仲良し3兄弟のように並んでいた。値段はつけようが無いとか。誰が飲む
んだろうね。いやいやこのワインセラーは凄いわ。11時半ホテルに帰り、部屋でウィスキーを飲んだ。
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1月 17日(木) トスカーナ州は快晴!
朝 イタリア・フィレンツェ 「ザ・ウェスティン エクセルシオール」 朝食ヴュッフェ、持参の
ふすまパン
オーニッサンテ教会
昨日アルジェリアで日本人を含む大勢の外国人がイスラム過激派に拘束されたというニュースが流れ
た。隣国マリにフランス軍が介入したことに抗議するというのがその理由らしい。アルジェリアといえば
ついこの前11月に行ったばかり。長年の内戦が落ち着いてようやく平和な時代が来たばかりなのに。
5時に起きてシャワーを浴び、スーツケースのパッキング。今日は出発が7時半と早い。2泊したホテル
の前にあるオーニッサンテ教会。ボッティチェッリの墓がある。その上彼が描いた「プリマヴェーラ(春)」
や「ヴィーナスの誕生」のモデルで、22歳で夭折した絶世の美女シモネッタもこの教会に眠るという。
日当りの良いティスティング室 熱弁ふるうジョバンニ氏 オルネライアのぶどう畑
今日と明日はイタリアワインのワイナリー見学だ。ワイン大好きなM浦ナオさんなどは朝から嬉しそう
だ。今日2軒、明日2軒。大型バスで高速道路をぶっ飛ばす。先ずは海近くの西に向かい、そこから南
下してスーパートスカーナワインで知られるボルゲリ村へ。2時間で到着した。最初のワイナリーは「オ
ルネライア」。普段は一般の見学者は受け入れないが、アポイントを取った人の力で特別に。そのわり
にワイナリー全体にシャレたデザインが満ち溢れている。「オルネライア」は次に行く「サッシカイア」を
作った兄に刺激された弟ロドヴィコ・アンティノリ侯爵が1981年始めた。その後オーナーは何度か変わ
り、今はフレスコバルディ社が所有している。醸造工場を見学してからティスティング部屋へ。アジア地
区担当のジョンバンニ氏が日本市場は素晴らしいとか何とかエラク褒めていた。4本の赤。旨いねぇ!
「オルネライア」ティスティングワイン:赤ワイン@レボルテ2010、Aレセッレヌォー
ビュ2010、Bオルネライア2009、Cオルネライア2004
街道の小さな看板は目立たない ボルゲリ村の風景 サッシカイアは「石の多い場所」
熱っぽくサッシカイアを語るエレーナさん ティスティングはこの4本 見事な眺めです!
「オルネーという樹がある場所」という「オルネライア」が目指すスタイルは「古き良きボルドー」。次に訪
れた同じボルゲリ村の「サッシカイア」は「石の多い場所」という意味だ。ここも普段は全く見学は受け付
けないが、今回は個人的なツテの紹介で見学が実現した。マリオ・インチーザ氏は領地がボルドーに
似ていることに気付き、石ころだらけの土地にロスチャイルド男爵から贈られたカベルネ・ソーヴィニヨ
ンを主体にカベルネ・フランを配合したボルドータイプのワインを作り始めた。家族用のワインだった。
それが1978年にはベスト・カベルネの座を獲得することとなった。サッシカイアが目指すのは「フィネ
ス・バランス・酸」を備えた古きよきボルドーの味わいなのだそうだ。サルデーニャ島のワイナリーと組
んで造ったというワインから始まり、4種類の赤ワインをティスティングした。午前中だけで8種類の赤!
「サッシカイア」ティスティングワイン:赤ワイン@バッルーア2009、Aレディフ
ェーゼ2010、Bグイダルベルト2010、Cサッシカイア2009
遅い昼 トスカーナ州ボルゲリ村 「Miramare」 シーフードリングイネ、野菜を巻いた鱸のフィレ、持
参のふすまパン、リコッタチーズのケーキ、エスプレッソ、白ワイン:レ・ジロティ2011
また道に迷って海辺のレストランに到着したのは午後2時だった。「昼間は飲みません!」って長年頑
張っていたのは誰?って感じで白ワインをグビグビ飲みながらシーフードたっぷりのリングイネ。旨い!
パスタは半分残しましたよ。ワインエキスパートのS木さんと同じテーブルになったので、M浦夫妻、R
子さんの4人で「ディナーの時ワイン選びはもっと大胆に!わがままに!」と説得する。「毎年N国さん
のワイン選びは凄かったよ」なんてね。3時半ピエモンテ州に向けて出発。長距離移動だぞ!心して。
遅い夜 ピエモンテ州アルバ近郊 ルレ・サンマウリッツィオ「Guido da Costigliole」
アミューズ、野菜スープ 15ユーロ、サラダ 8ユーロ、デザート、ビール2杯 16ユーロ
ピエモンテ州の位置はイタリアほぼ最北端と言っても良い。北西というか。冬季オリンピックが開催され
たトリノが州都だ。370`の距離があるから大移動。トスカーナ州にたくさんあったオリーブ畑がすっか
り消えてイタリアの風景も大きく変わって来る。そのうち日もとっぷり暮れて真っ暗になった。3時間後よ
うやくトイレ休憩。M浦夫人のT子さんが車に酔ってしまった。薬持ちの私は「はい、この薬は酔ってか
らも効きますよ」。カーナビが示した道が行き止まりだったり、道に迷ったり、バスが大き過ぎて通れな
かったりでホテルの「ルレ・サンマウリッツィオ」に到着したのは午後9時近く。5時間半かかったな。皆
クタクタだが、ドライバーが1番疲れただろう。今夜は夕食ついていない。希望者は9時半レストランで
特別に作って貰ったスープやサラダで軽い食事をした。ビールが旨いなぁって2本飲んじまいましたよ。
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1月 18日(金) 快晴!
朝 ピエモンテ州アルバ近郊 「ルレ・サンマウリッツィオ」 朝食ヴュッフェ
昨日は阪神・淡路大震災が起こった日。あれから18年が経った。あれほど大きな地震があったら、フィ
レンツェ「エノテカ・ピンキオーリ」のワインセラーはどうなるんだろうなんてふと思ってしまった。今日の
出発はゆっくりなので7時まで寝ていようと思ったが6時には目が覚めた。7時45分レストランに行くと
R子さんが食事をしていた。ここの朝食ステキだ。昨夜真っ暗で何も見えなかったホテル周辺の景色を
一望してびっくり。丘の上に建つホテルからは見渡す限りのぶどう畑が見えるのだ。ここはワイン名所。
「ガヤ」はイタリアワインの帝王 アンジェラ・アキ似のガイア・ガヤさん これが画期的なバリック(小樽)
この日のティスティングは7本! ガヤ4代目アンジェロ氏は数多い改革を行って来た ピエモンテ州南部欄下地方にある
10時出発してバルバレスコ村へ。もちろん、イタリアワインの帝王と呼ばれる「ガヤ」を訪ねるのだ。歯
医者に行って来たばかりという長女のガイア・ガヤさんから「ガヤ」の歴史や経営ポリシー、商品名の由
来などの説明を聞く。家族全員が役割を分担し、2代に渡って勤務する70人の従業員の皆さんと一緒
に運営されている様子は逞しいの一言。醸造所の見学の後は眺めの良いティスティング室。遠くに真っ
白になったアルプスの山々が見える。この日ティスティングには白1本赤6本の7本が提供され、その
ラインナップの豪華さに「ガヤさんは太っ腹!」と皆カンドー。そうこうしているうちにオーナーのアンジェ
ロ氏が挨拶に見えた。ほう、この人がバルバレスコを世界に知らしメタアンジェロ・ガヤ氏かぁ。彼はタ
イヘンな日本贔屓らしく、築地は世界最高の市場とか日本の魚を扱う技術は凄いとか褒め言葉が続い
た。美味しいですなぁ。楽しいですなぁ。最後全員で記念撮影をして失礼したのだった。次はバローロ。
「ガヤ」ティスティングワイン:白ワイン@アルテニデブラッシカ2000、赤ワイン
@ バルバレスコ2009、Aコンディサ2008、Bソリティルディン2006、Cスペ
ルス1999、Dソリサンロレンツォ1988、Eバルバレスコ1978
遅い昼 バローロ村 「ルチアーノ・サンドローネ」 仔牛ローストツナマヨソース、布で包んだ
豚ミンチのラビオリ、ボンボンお菓子とエスプレッソ
ティスティングはこの5本 色分けされたバローロ村のワイン畑 15%のワインは10年以上備蓄する
約30分でバローロ村に到着。1時半に「ルチアーノ・サンドローネ」を訪問。入口でお嬢さんのバーバラ
さんと挨拶をして中へ。オーナーのルチアーノ夫妻が料理を用意してくれた。こちらではランチを頂きな
がら5種類の赤ワインのティスティグ。ティスティグの前に、ルチアーノ氏は赤ワインでティスティンググ
ラスをリンスしている。オーナー自らがそんな丁寧なことをしてくれたのは初めてだ。説明役はもっぱら
バーバラさん。猫も含めて家族で歓待してくれた「ルチアーノ・サンドローネ」がすっかり好きになった。
「ルチアーノ・サンドローネ」ティスティングワイン:赤ワイン@ドルチェッロダルバ
2011、Aバルベラダルバ2011、Bネッビオーロダルバヴァルマッジオーレ
2009、Cバローロレヴィーニェ2008、Dバローロカンヌビボスキス2008
夜 ピエモンテ州アルバ近郊 ルレ・サンマウリッツィオ「Guido da Costigliole」
☆ シェフと植竹シェフのコラボコース(アミューズ:うさぎのトマト煮のポレンタ、仔牛肩肉のツナマ
ヨソース、3種の肉を詰めたアニョロッティ(ラビオリのようなもの)、仔豚のパン粉揚げと野菜 葡萄
とマスタードソース、ヌガーとチョコレートクリーム)、スパークリングワイン:コントラット2009、白ワイ
ン:ルスコルカタンタン、赤ワイン@ポモロッソ、Aジャコモ・コンテルノ・バローロ・リゼルバ2002(マ
グナムボトル)
2軒のワイナリー訪問を終えてから夕方アルバの町に寄り小1時間のフリータイムがあった。アルバは
白トリフが名産。白トリフ塩や白トリフオリーブオイルなどを買い込む。M浦夫妻はワインショップでバル
バレスコとバローロのワインをゲットされた。夜8時からディナー。ホテル地下の「Guido da Costigli
ole」はミシュラン1つ星である。ここのシェフと同行されたU竹シェフのコラボコースである。メニューは
昼と2品同じ偶然があり、U竹シェフは「先にやられて焦りましが変化させました」とのことだった。S木さ
ん、昨日の言葉が効いたのかジャコモ・コンテルノ・バローロ・リゼルバ2002のマグナムボトルを選ぶ。
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1月 19日(土) トリノは曇り フランスパリは小雪 元横綱・大鵬幸喜氏死去(享年72歳)
朝 ピエモンテ州アルバ近郊 「ルレ・サンマウリッツィオ」 朝食ヴュッフェ
昨日は1日で16種のワインを飲んだことになる。しかし、ワイナリー訪問はもう終了してしまった。昨日
と一昨日素晴らしい晴天だったが、今日はどんよりした曇り。この地方晴れはめったに無く、昨日のよう
な晴天は一年で数回しか無い貴重な天気だそうよ。今朝も美味しい朝食を頂いてからチェックアウト。
「REAL CHIESA DI SAN LORENZO」とその内部 世界遺産の王宮
バスは北に向かって走る。州都のトリノへ。1時間半で到着し、午前中はトリノ見学となる。トリノのガイ
ドと通訳の日本人女性が登場。トリノはイタリア統一時首都であった。車メーカーのフィアットの城下町
であり、セリアAのユベントスの本拠地でもある。日本では、もっぱら「あぁ、冬季オリンピックがあったと
こね」と言うところか。世界遺産の王宮見学。豪華な宮殿ということではヴェルサイユに叶わないが、世
界2番目という武器庫は非常の面白かった。トリノは実はスイスにチョコレート製法技術を教えた町で、
チョコが名物なんですって。トリノオリンピックで金メダルを取った荒川静香が美味しいと言っていたね。
昼 トリノ 「カフェトリノ」 モッツァレラチーズと茄子とトマトの重ね焼き、ソーセージとミックスベジタ
ブルのタヤリン(パスタ)、サラダ、ホットチョコレート、ビール8ユーロ
トリノの一角にはカフェが並ぶ。今日のランチはその中でも老舗に「カフェトリノ」。店の前でシエナに帰
るというS木さんとお別れ。挨拶する彼は感極まっていた。タヤリンというパスタは、小麦粉1`に対し
て卵黄を40個(だったかな?)も入れて作るらしい。でもメインが出てからサラダが来るって変じゃない
のかなぁ。ワイン好きの皆さんは「地元でバローロを飲めるのはここまで」と名残り惜しそうに飲まれた。
夜 フランス・パリ・チェルリー公園 「FULOTTE」 サラダ、オニオングラタンスープ、生牡蠣(Lサイ
ズ) 4個、ビール、白ワイン、赤ワイン 50ユーロ
トリノ空港から午後4時過ぎのエールフランスでパリに移動。遅れも無くて良かった。午後5時半に到
着すると、パリは雪で真っ白!ルーブルとチェルリー公園近くの「ル ムーリス」にチェックイン。今夜か
ら2泊する5ツ星ホテルだ。今夜は自由食。M浦さんとR子さんとシャンゼリゼ通りのブラッスリーに行
く予定にしていたのだが、ホテルのコンシェルジェに問い合わせて貰ったら工事中とのことだった。そん
なことで近所のビストロに行く皆さんと合流することに。ル ムーリスのコンシェルジェから予約してもら
うと人気の店もしっかり取れてしまうから便利だ。10人で好きなものを注文。冬のパリならやっぱり生牡
蠣だろ。それとオニオングラタンスープね。ビールと白ワイン、赤ワインを飲みながら笑い転げて食事。
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1月 20日(日) パリ 一日中雪!
朝 パリ・ル ムーリス アメリカンブレックファースト 53ユーロ
昨夜から降っている雪は今朝になっても止まない。う〜む、どこにも行かないことにしようか。が、まず
は朝ご飯だな。このホテルは三つ☆ホテルであるが、18世紀の宮殿を改装して作られた歴史的パラス
ホテル。だから、朝ご飯を食べるのも豪華絢爛なサロンルームで誰もがオーホッホホと上品に笑いなが
ら頂くのだ。ウソだけど。アメリカンブレックファーストは53ユーロもする。円安になったから6500円!
卵料理と付け合わせの肉類は注文で、サラダやフルーツはヴッフェ、数種のパンとジュースはハンサ
ムなスタッフが運んでくれる。高い朝食だからと言ってそんなにたくさん食べられないのが残念であるな。
昼 パリ・ルーブル前 「スターバックス」 蟹何ちゃらサンドイッチとアールグレイ 6.5ユーロ
希望者は午前10じに集合してオルセー美術館に行かれたようだ。オルセーは半年前に行ったばかり
だし、零下の上雪降っているから私は行かないよ。しかし、午後になって部屋の掃除もして貰わねばと
その辺を散歩することにした。いきなり水溜まりに足をつっこんで不機嫌になる。ソロソロと歩いてルー
ブル美術館の前まで来た。あぁ疲れちゃった。「スタバ」があったので休憩がてら軽いランチを摂った。
夜 パリ・ル ムーリス バンケットルーム「Salon Tuileies」 アミューズ:アサリ・サー
モン・ムール貝のゼリー寄せ金箔のせ、ウナギ燻製のワイン煮 キオッジャビーツとマスタードシ
ード、ロワール産鳩のロースト 洋梨のスライスと鴨のフォアグラポワブラーデソース、チーズセレ
クションとサラダ、栗のクリスピービスケット コニャックのアスピックとチェリーの砂糖漬け、プティ
ガトー、エスプレッソ)、シャンパン:ローランペリエ、白ワイン:オークセイデュレス2011、赤ワイン:
@ シャルムシャンベルタン2006、Aポマールレペズロール2004、Bポマールレペズロール1998、
A 貴腐ワイン:シャトークーテ2000
今回の旅最後のディナーはホテル内のレストラン・ル ムーリスの予定だった。ところが、レストランは
日曜と月曜日は定休日。ホテル内のバンケットルームでの食事となる。これで三つ星レストランで食事
をしたことになるのかなぁ。日本人のスーシェフスギモトさんはご挨拶に見えたが、レストラン・ル ムー
リスのスタッフは皆休んでいるしなぁ。そのヘンが気になってどうも食事を楽しめない。しかも今日はワ
インをチョイスする人がいないのである。グラスはティスティンググラスのようなショボイものでそれも大
きなガッカリ。ブツブツ大きな独り言を言っていたら、3本目からはM浦さんにチョイス役が回って来た
が食事はほぼ終わっているぞ。12時過ぎ長いディナー終わる。4人で記念撮影してから部屋に帰る。
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【今週の振り返り】
一昨年の7月、ひょんなことから有名ソムリエと行くワインと美食の旅に参加した。私は酒飲みである
が、正直言えば味はよくわからない。ビールはほど良く冷たければいいし、日本酒は辛口好き(今は医
者が飲むな!というので飲んでいませんよ)、ウィスキーはバーボンとソーダ割りが嫌いというだけで、
モルトウィスキーなら何でもいい。3年前から飲み出した焼酎も芋は苦手で麦が主力、他でも構わない。
ワインは白より赤が好き。タンニンの濃いフルボトルが好き。ロゼは飲まない。シャンパンは苦手。とい
う具合でアルコールの好みなど挙げても、せいぜいこんなものである。だからちっともウルサクナイ。要
は、その時飲んで「いいね」と思えばなんでもよく、たくさん飲んで気持ち良くさえなれば良いのである。
そんな私が、ワイン講釈を垂れ、ワイン談義なら何時間でもなんてワインの猛者に混じってツァーに参
加してしまったのだからお門違いも良いとこだった。しかし、何とか許して貰えたのは「酒好きでいくらで
も飲める」というところだろう。それと喰いしん坊であること。毎日ワイナリーを訪ねてティスティングをす
る。朝10時半から、堂々と9種類のワインのティスティングなんて日もあった。その上、1日起きにミシ
ュラン星レストランで豪華なコースを頂き、料理に合わせて同行ソムリエがワインを選んでくれるのだ。
料理が引き立つ飛びっきりのワインを!楽しいじゃないの!美味しいじゃないの!その年はフランスの
ブルゴーニュ地方とシャンパーニュ地方に行った。そんなことで、翌年も同じ企画に参加する。今度は
フランスボルドー地方とフランスとスペインに跨るバスク地方をやはり7月に訪ねた。この時参加者は
僅か6名で、有名ソムリエと添乗員がつくゼータクな旅となった。ワイン学徒M浦氏と彼を支えるT子
夫人、それに人生初の一人旅というR子さんと私の4人はすっかり仲良しとなった。気難しいことで知
られる有名ソムリエのN国さんも、何だか人が変わったように陽気になった。
今年はN国さんの都合で何と1月に、しかもイタリアに行くと昨年秋連絡があった。1月?寒いヨーロッ
パにワイン飲みに行くの?ま、N国さんの都合じゃ仕方ない。4人で参加することにした。ところが。ア
ルジェリアに行っている時、事態は急変する。N国さんのボスがパリから来日することになったのだ、1
月に!彼が日本を留守することは許されない。そうゆう事情で、イタリアレストランのシェフが急遽同行
することになり、「ソムリエと行く旅」は「シェフと行く旅」としてパンフレットも刷りなおされた。変更点はタ
イトルだけだけど。
ま、そんなことで、イタリアワインの有名ワイナリーのアポイントを取ったN国さんが参加しない今年の
旅となったのである。これまでイタリアワインと言えば、キャンティクラシコとバローロ位しか知らなかっ
た私であるが、たくさんのイタリアワインを飲み、話を聞いて、そうなのか、と少し利口になった(と思う
が)。これからワイン選びする時、「イタリアワインの品揃えは?」なんて言ってしまおうかな、っと。
あんたバロー子って名前でいい? ニャだ!
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今年2回目の海外に行って参ります。ちょっと遠い国々です。
次回の更新は 2月 20日頃かな。遅れたらゴメンね。