パクパク日記14年11月2週
イタリア・トスカーナ州2週目はオルチャ渓谷の町とフィレンツェへ
オルチャ渓谷ポスター
フィレンツェ
11月 10日(月) イタリア・トスカーナ地方は雨 1ユーロ=約143円
朝 イタリア・シエナ近郊 ホテルボルゴ・サン・フェリーチェ レストランB 朝食ヴュッフェ
ホテルボルゴ・サン・フェリーチェはルレ・エ・シャトーの一員 ワインショップだらけのモンタルチーノ
モンタルチーノは、高級ワイン「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の産地 「BARBI」ワイナリーに行った
先週金曜日からイタリアのトスカーナ州に来ている。昨日日曜日はSLに乗って白トリュフ祭に行った。
香りがすぐ抜けちゃうし、バカお高こうございましてね、白トリュフは買えなかったけど、たくさん食べた。
じゃ今日はワインだ!ということで雨が降る中モンタルチーノに向った。16世紀フィレンツェ共和国に追
われて逃げ回るシエナの残党を受け入れて4年間共に戦うが最後は屈した、なんて歴史もあるのだが
ここは何と言っても「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」である。現地で栽培されるサンジョベーゼ・グロッ
ソ種のブドウから生産され、5年間熟成させる赤ワインである。丘の上の小さな町はワインショップがズ
ラット並んでいて楽しい。今は200軒以上あるワイナリーの中で、「BIONDE−SANTI」に次いで歴史
のある「BARBI」に行く。ワイナリーの見学をした後はお楽しみの試飲会。3種類のワインをグビリ!!
昼 モンタルチーノ ワインセラー「BARBI」タベルナ 栗ときのことインゲン豆のスープ、手打
ちタリアッテッレイノシシソース、七面鳥香草焼き、トスカーナ名物カントゥチーニ(ヴィンサント酒とビ
スコッティ)、赤ワイン2本 7人でシェア 8ユーロ
ピエンツァの酒店のショーウィンドウ 羊の乳から作るペコリーノチーズの小さな工場に行った
ランチは「BARBI」に併設されているタベルナで。ここのランチが旨かった!栗ときのことインゲン豆のス
ープなんて熱々で胸にしみこむ。手打ちタリアッテッレもビロビロしていいな。デザートが面白い。ヴィンサ
ント酒という甘い酒に厚いビスコッティを漬けて食べるのだ。ここで飲んだ赤ワインもとても美味しかった。
午後はピエンツァの町へ。15世紀法王ピウス2世は寂しげな自分の故郷を何とか立派にしたいぞ!と理
想のルネッサンス様式の町にするよう命じた。イタリアで最初の都市計画となったそうよ。後ろが断崖絶壁
に建っている大聖堂に入ってみたら、祭壇のある前方が傾いていて床には亀裂も。今にも崩れそうで怖か
った。ついでに町の名前もコルシャーノから自分の名前に因んでピエンツァに変更!世界遺産だ。町の酒
屋のショーウィンドウを覗いたら、「余市」10年が98ユーロ、15年が186ユーロで売られていた。今日の
最後はペコリーノチーズ工場の貯蔵庫に行く。今は羊の出産期ではないので生産はお休み。貯蔵庫で静
かに熟成されていた。熟成期間の違う4種類のペコリーノチーズを試食。う〜ん、フレッシュの方が旨い。
夜 シエナ近郊 ホテルボルゴ・サン・フェリーチェ レストランB 野菜のフラン ペコリーノチーズソー
ス、トマトとパンのスープ、豆の煮込み、サラダ、ミックスグリルとビステッカフロレンティーナ、チー
ズケーキ、ビール、白ワインと赤ワイン 6人でK村さんにゴチになる!
3泊したこのホテルの最後の夕食。正直ホッとしている。美味しくないわけではないが、そのボリューム攻
撃に疲れて来ちゃって。今夜もサラダになったあたりで皆さんのフォークも止まってしまい、メインのミック
スグリルでは溜息。そこにドカーンと運ばれて来たビステッカフロレンティーナなんて見るのさえシンドイ。
あっ、今入って来たガタイの良い男女のグループ客に「注文しなくてもいいよ。これ全部食べて!」と言っち
ゃおうかな。ホテルに叱られちゃうね。今日のワイン、割り勘のつもりだったのにK村さんにゴチになった。
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11月 11日(火) 曇り 夕方から小雨
朝 シエナ近郊 ホテルボルゴ・サン・フェリーチェ レストランB 朝食ヴュッフェ
花の聖母教会ドゥーモとジョットの鐘楼 ドゥーモの大クーポラ シニョリーア広場とネプチューン噴水
3泊したこのホテルとも今日でお別れ。レストラン支配人らしい人物は、昔日本代表監督だったトルシエ氏
に体つきも顔もそっくりで、「そっくりさん」に推挙したい人だった。エレベーター無しの3階客室から解放さ
えるから嬉しい。部屋付けの酒代が一日抜けているよ、と言ったけどホテルマンはパソコンデータを信用
するんだってさ。ホテルのミスで31ユーロ儲けた。1時間半でフィレンツェ着。ホテルに荷物を預けてから
小さな車に分乗してミケランジェロ広場へ。ここはいつ来ても眺めがよろしいおすなぁ。写真撮ったら下界
の花の聖母教会ドゥーモへ。外観の華やかさに較べて中はガランとしている。3万人入れるんだぜ、ここ。
昼 フィレンツェ 「PAOLI」 シーフードリゾット、チキンスライストトマト・ルッコラ、デザートワゴンよりチ
ィス 洋梨のシロップ煮
ボッティチェッリ「処女受胎」
ミケランジェロ「聖家族」
ラファエロ 「自画像」
ウフィッツ美術館からベッキオ橋に伸びるメデゥチ家の秘密の回廊「ヴァザーリの回廊」にも絵画がギッシリ掛かる
ランチ2品目を撮ったところで、カメラのリコさんが完全に沈黙。帰国したら早々に入院させないとなぁ。こ
んな時頼りになるのは、アイパッドの愛ちゃんだ。これからウフィッツ美術館にも行くから頑張るんだよ。デ
ザートはワゴンから選ぶ。洋梨のシロップ煮が1番人気だった。午後はウフィッツ美術館。去年は2度も来
てしまったさ。ジョットの間は修理中でフィリッポリッポから観始める。ここは撮影出来るから嬉しい。その上
3時半に予約してあった「ヴァザーリの回廊」も撮影がOKになっていた!メディチ家が収集した自画像が
回廊の両壁にビッシリ!なかなか壮観な眺めであるぞ。ここメディチ家コジモ1世夫妻は歩いたんだね。
夕方のお茶 フィレンツェ パラティーナ美術館カフェ カプチーノ 4ユーロ
夜 フィレンツェ ホテルルンガルノ 「Borgo San Jacopo」 ズッキーニのフラン リークのフライ添
え、牛頬肉の栗と蜂蜜ソース、ウォームチョコケーキ、カモミールティ、ビール 8ユーロ、白ワインと赤ワイン
ボトル6人でシェア
「ヴァザーリの回廊」の終点はピッティ宮。その2階にあるのがパラティーナ美術館である。ラファエロ作品
が11点もあるから、ラファエロファンの私など必見なのだが、もう足が痛くて疲れて歩けん!昔観たからい
いことにして一人カフェの近くでお茶飲んでいた。小雨の中をホテルへ。ホテルルンガルノはフェラガモが
経営していてベッキオ橋からも程近くアルノ川に面している。つまり、素晴らしいロケーションということだ。
夕食はホテルレストランで。量もちょうど良いし、しかも美味しいとエラク評判がいい。アルノ川の夜景も。
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11月 12日(水) 雨ときどき曇り
朝 フィレンツェ ホテルルンガルノ 「Borgo San Jacopo」 朝食ヴュッフェ
ホテルルンガルノ左から見たアルノ川 右から見たアルノ川とベッキオ橋
サンタ・クローチェ聖堂には多くの著名人の墓が ガリレオ・ガリレイの墓碑 ミケランジェロの墓碑
今日は一日フリーである。プランは無いようなあるような。ゆっくり朝食を摂って、10時半頃ホテルを出る。
フィレンツェには何度も来ているが、ベッキオ橋の上にある店をじっくり見たことがなかった。よし、今日はじ
っくりジロジロ見てやろうじゃないか。宝石屋、貴金属屋ばかりだった。アルノ川に沿って歩いて行き、左折
して暫くするとありました!サンタ・クローチェ聖堂。サンタクロースにちょい似てるね。ナゼここにって?こ
こイタリアの多くの著名人の埋葬場所なんですわ。ロッシーニ、マキャベリ、ダンテ(遺骨はラヴェンナに)
ガリレオ・ガリレイ、そしてミケランジェロ!ふふふ、それが目的です。何て派手で大きな墓碑なんでしょ!
昼 フィレンツェ 「YELLO BAR」 ミネストローネスープ 7,5ユーロ、トマトソースの手打ちタリオリー
ニ 8.5ユーロ、水 4.5ユーロ 計チップ込みで22ユーロ
サンタ・クローチェ聖堂で1時間以上も過したから、とっくに昼ドキになっていた。添乗員のS江さんが教え
てくれた「YELLO BAR」に行ってみた。あら、グループの皆さんが何人かいらした。日本語メニューがあ
るのは便利だが、この店のスタッフの態度はどうなんだろ。注文お願いします、と言えば、「私そこのテーブ
ル担当じゃないから」とプリプリ怒り顔。やっとテーブル担当の女性をつかまえると、「私他にもたくさんやる
ことがあるのよ!2分待ってよ」って。それでも旨ければまた来てもいいけど、それがね・・・最初で最後だ。
夜 フィレンツェ 「トラットリア 4レオーニ」 (3人で)アボガド入り4レオーニサラダ 10ユーロ、アンティ
パストトスカーノ 10ユーロ、クロスティーニミスティ 7ユーロ、ラザニア 12ユーロ、ストリゴリピカン
ティ 10ユーロ、ティラミス 6ユーロ、レモンのソルベ 6ユーロ、生ビール 6ユーロ、赤ワイン:キャ
ンティクラシコレゼルバ 40ユーロ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2009 46ユーロ @63ユーロ
午後はお土産にする食材を買ったり、時計をみたり、疲れたらお茶飲んだりして過した。雨がねぇ、降って
いてねぇ。夕食も自由食。K山夫妻が予約されている「トラットリア 4レオーニ」に混ぜて貰った。ホテルを
出る頃には雨も小降りになった。徒歩3分。リストランテより気楽なトラットリアである。ワインはK山さんが
料理は私が代表して決めることに。これがなかなかの「当り!」で、量もほど良くヴァリエーションに富んで
美味しいコースになった。特にアボガド入り4レオーニサラダとラザニアが旨く、ショートパスタのストリゴリ
ピカンティは珍しい。最後のレモンのソルベも爽やか。3人で2本飲んだワインもボーノ。満足夕食だった。
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11月 13日(木) フィレンツェもフランクフルトも曇り
朝 フィレンツェ ホテルルンガルノ 「Borgo San Jacopo」 朝食ヴュッフェ
帰国日だが、出発が11時なのでゆっくり寝ていようと思ったのに、午前3時某旅行会社から電話がかかっ
て飛び起き、その後は熟睡出来なくなった。こうゆうこと多い。朝食レストランに行くと、N枝さんもN島さん
も優雅にシャンパンを飲んでいた。朝シャンである。えっ!お代わりも?ご存知かもしれないが私は酒飲
み。しかし昼間ましてや朝など決して酒は飲まないのだ。パッキングを終えて部屋からアルノ川も眺める。
午後のおやつ ルフトハンザ航空 フィレンツェ=フランクフルト お菓子とコーヒー
夕方の軽食 フランクフルト空港ルフトハンザセネタラウンジ サラダとビール
夜 ANA フランクフルト=羽田 ビジネスクラス機内食(和食)
EU加盟国から帰国する時の免税手続きは原則最終出国する空港で行うとされているが、そうでない場
合もある。今回はドイツのフランクフルト経由で帰国するが、フィレンツェで免税手続きが出来た。ここは買
った物は必ず「スーツケース」に入れていること。国によっては、「手荷物で持っていること」ってのもあって
何ともややこしい話ではある。昼食を食べていないのにフィレンツェからフランクフルトまでエコノミー席だっ
たので小さな菓子しか出なかった。腹ペコである。フランクフルトで4時間待たされた間にサラダとビール。
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11月 14日(金) 東京は晴れ 寒い!
朝 無し
昼 ANA フランクフルト=羽田 ビジネスクラス機内食(サラダとそらとん)
夜 舟町 「仙水」 先付け:香箱と生海苔きゅうり和え、白イカ刺身 2400円、ふぐ唐揚げ 2400円、
野菜煮(大根・百合根・茄子) 1200円、鰯のつみれ小鍋きのこ霙餡 1800円、雑炊と漬け物、
生ビール 2杯、麦焼酎ボトル
午後8時50分発のANAに搭乗し、スタッカード席で和食の機内食を食べてようやくひとごこちついた。映
画は「万能鑑定士Q〜モナ・リザの瞳」を観た。波照間島出身の美人過ぎる(この表現何とかならない
か!)鑑定家・凛田莉子(りんだりこ)を綾瀬はるかが演じた。松岡圭祐作の人気シリーズ「万能鑑定士Q
の事件簿」が原作で、パリのルーブル美術館などで撮影されたらしいよ。映画じたいは「どうよ」って感じだ
ったが、綾瀬はるか好きだからいいわ。それだけ。「もやもやサマーズ」とか「ワンダーアース高野山」など
を観て、週刊誌2冊読んで殆んど寝ずに羽田に着いた。皆さん、お世話になりました!タクシーで帰宅し、
洗濯機を回し、写真をパソコンに入れてから「仙水」に行く。グビグビグビ・・プッハ〜!やっぱ日本の料理
はキレイだし旨いわ。香箱と生海苔きゅうり和えなんてイタリアじゃ無理。ふぐ唐揚げも実に旨いですなぁ。
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11月 15日(土) 晴れ 今日も寒い
朝 家食 野菜とつみれの胡麻豆腐春雨スープ、ふすまパンとフランスバター、低糖ヨーグルト
昼 荒木町 「宇な米」 うな重(松) 3600円
うなぎ大好き!
海外から帰ってもフツーの生活をするのが時差ボケにならないコツである、と私は思っている。昨夜もフツ
ーに飲みに行って酔っ払って帰宅し、深夜までテレビ番組の録画を観た。半分寝ていたが。今朝もフツー
に起きて昨夜やった洗濯モノを取り込んだ。帰国の翌日なんて意識は全くない。昼モタモタしているうちに
午後1時半になってしまい、「宇な米」に行くと「うなぎが無くなったので特上は出来ません」と言われちまっ
た。フィリピンから来た若い夫婦が年内もう一度来たいが予約したいがと英語で言い、お店側はオタオタ。
夜 荒木町 「松庵」 お任せ(イカの生このこ和え、自家製カラスミの粕漬けとかまぼこ、生ホタテと干
し帆立蒸し菜の花の吸い物、平目の昆布〆、甘鯛の揚げ浸し、赤蕪甘酢漬け、江戸前穴子のさ
っと煮、水菜の煮びたし、新蕎麦大盛り、本わらび餅黒糖かげ、丹波大納言)、生ビール 2杯、麦
焼酎ボトル @1万5120円
午後はパクパク日記の作成に注力した。未だ10月3週だけど。「1ヶ月遅れのパクパク日記」となってもう
長いなぁ。読者の皆さんも「そんな昔のこと読んだって」と思っておられようが、こちとら1ヶ月前のことを思
い出し、思い出しして作成しているのだからドエリャアタイヘンなんである。はよ作れ!ってね、結構時間
かかるんですわ、これ。すんません。「松庵」に行く。今日は予約しないで行ったから、フツーなら「蕎麦前」
という数種の料理になってしまうのだが、そこはそれ、ね、松丸さん。あるものいろいろ出して〜とお願いし
てずっと食べていたんですわ。先付けからお碗、料理、蕎麦、甘味までどれも旨い。食べ過ぎ飲み過ぎ。
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11月 16日(日) 晴れ
朝 無し
昼 西新宿 「あるでん亭」 トマトサラダ 470円、アルタリア(ボロネーゼ、しめじ、生クリーム、鷹の
爪) 1550円
カメラのりこさん(RIKOHのCX3だからリコ3で)を入院させに西新宿にあるリコーイメージングスクエアに
行った。もう生産していないCXシリーズだから、治療費が2万円と言われても構わん。この子を何とか直
してくだされ。ランチは近くの「あるでん亭」でパスタ。アルタリアというパスタはアルタリア航空のクルー直
伝のレシピなんだそうだ。特に美味しいとは思わなかった。これで1550円とはなぁ。新宿駅西口に移動し
ビックカメラで携帯目覚まし時計を買った後、ついふらふらとカメラを買ってしまった。カメラ購入が趣味っ
て困ります。そうこうしているうちにアメフットの試合が関西で始まる時間になってしまった。急いで帰宅し
チームHPのツィッターで試合状況をチェック。45対0で快勝!あと2つ勝てば社会人日本一5連覇だ!
夜 荒木町 「やくみや」 お通し:白菜と油揚げ煮、ほうれん草と菊花お浸し 500円、ポテトサラダ(オ
ミヤも) 500円×2、トマトの塩糀マリネ 500円、ふろふき大根 500円、椎茸シュウマイ 300
円×2個、牡蠣フライ 900円、白菜春菊牡蠣の味噌雑炊 かんずり添え、栗の渋皮煮(サービ
ス)、生ビール 2杯、麦焼酎 2合 @8400円
昨日グワンバッタパクパク10月3週をアップした。次は寒中見舞いだ。年賀状を止めて、寒中見舞いに切
り換えてから9年になる。年賀状作成なんてずーっと先のことだ、と思っている人が多いこんな時期から私
は寒中見舞いに取り掛かるのだよ。ま、その気になれば10分もあれば。但し、毎回入れる4枚の写真選
びが難しい。この1年で間に撮影した写真の中から風景、動物、花、人物の写真を選ぶわけさ。重いから
と最近一眼レフを旅に持って行かないことも多く、写真撮影は年々下手になって行くような気がする。よし、
これで入稿。印刷会社H社Hさんにファイルと写真転送。こ5れで入稿が済んでしまうのだから便利な世
の中だ。夕食は「やくみや」へ。メニューにはポテサラも牡蠣フライもあるじゃないの。嬉しい。早速注文!
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【今週の振り返り】
医者や薬屋の一族から勢力を拡大して行ったメディチ家は、銀行業を営むようになってから、莫大な富を
得て、西ヨーロッパでも有数の大富豪となった。メディチ銀行はフィレンツェのみならず、ローマやヴェネツ
ィアに、さらにはロンドンやジュネーブにも支店を設けるほどの繁盛ぶりだった。莫大な富を背景に政治に
も進出し、銀行家であると共に政治家の一族ともなる。
更に一族から教皇や枢機卿を何人も輩出して教皇庁との繫がりも強固にした。そのひとりローマ教皇レオ
10世は、前教皇が着手したサン・ピエトロ大聖堂の建築を引き継いだ。建築資金にも膨大な計費がかか
る上、贅沢好きで湯水のように浪費する教皇だったから免罪符をバシバシ乱発。それをドイツでも販売し
たことからマルティン・ルターが「宗教改革するぞ!ゼッタイ!」って気になってしまったのだ。しかし、彼も
良いことはしている。ミケランジェロやラファエロら芸術家のパトロンとなって、サン・ピエトロ大聖堂やシス
ティーナ礼拝堂を舞台に彼らの腕を存分に発揮させたのだから。そこだけエライ!
もっとも、パトロンとして名を残した人はメディチ家の初期から存在した。ピエロ(1416年〜1469年)はドン
テッロやフィリッポ・リッポなどを、ロレンツォ(1449年〜1492年)はボッティチェリ、ミケランジェロなど多数
の芸術家を保護した。そのためということでは無いだろうが、ロレンツォの時代、メディチ銀行は大赤字だ
ったらしいけどね。
メディチ家は婚姻による勢力の拡大にも勤しんだ。カテリーナ・ド・メディシスはフランス王アンリ2世の王妃
となり、フランソワ2世、シャルル9世、アンリ3世と息子の3人も王位につけて摂政として陰からフランスを
操った。しかし、カトリックとプロテスタントの対立が激化したフランス宗教戦争をとめられず結果的にプロ
テスタント大虐殺という結果を招き、カテリーナは悪名を残した。しかし、カテリーナの輿入れに付き添って
フランス入りしたメディチ家の専属料理人が、それまで手づかみで焼いた肉なんかを食べていた粗野なフ
ランスに、洗練されたトスカーナの料理技術を持ち込んだ。それが発展して今のフランス料理を築いたの
だ。カテリーナ=メディチ家がいなかったら、今のような美味しいフランス料理は生まれていなかったかもし
れないのだよ。感謝。
もうひとりマリー・ド・メディシスもフランス王家アンリ4世に2番目の妃として嫁いだ。国の財政が逼迫して
いたための持参金目当ての政略的婚姻であったが、マリーは寂しさの余りに浪費を重ねて持参金も底を
ついてしまう程だったらしい。世継のルイ13世を出産したが、長じた息子は政治に口出しする母マリーを
幽閉し、結局彼女は寂しい最後を迎えた。フツーの母親になれないメディチ家ってことなのか。
メディチ家の基礎をつくったとされるヴィエーリ・ディ・カンピオ(1323年〜1395年)から始まった一族の隆
盛も、1737年第7代トスカーナ大公ジャン・ガストーネが後継者を残さず亡くなったことから、メディチ家は
断絶。3百数十年続いたメディチ家の歴史は終わった。毀誉褒貶多きメディチ家であったが、この一家が
いなければ、ルネッサンス期の大波のような芸術は育たなかっただろうし、世界で1,2を争う美食のフラン
ス料理も無かったかもしれない。そんな意味では、この一家に多いに感謝するところだろう。因みに、メディ
チとはイタリア語で「医師」「医学」と言った意味である。
アタクシ名家の生まれですニャ
★ 旅の始まりは 11月1週 をご覧ください。