パクパク日記15年8月3週

       さよ〜ならインスブルック!あらっ、日本は意外に暑くないぞ

 

インスブルックの凱旋門  アルプスの花々

 

8月 17日(月) オーストリア・インスブルックは雨時々曇り 1ユーロ€=約139円

朝 インスブルック・ホテルオイローパ「シュトゥーベル」朝食ヴュッフェ

 

   相変わらずご飯が硬い!!

  

    オーストリア国鉄には「静かに!」という車両がある。イエンバッハ駅は乗り換え駅だ

   オーストリア文化遺産のトラッベルグ城は中世貴族の暮らしぶりを感じさせる城だ

 

昼 トラッツベルグ城レストラン スパゲティボロネーゼ8.5€、スティルウォーター3€

 

 

インスブルック長期滞在も3週目最終週の月曜日を迎えた。先週末辺りから崩れ始めたお天気だが、

今週になってもパッとしない予報である。今日もお天気が心配だが、トラッツベルグ城へのエクスカ

ーションに参加する。集合場所の中央駅地下に行ってみると、他のグループの添乗で来られたY田チ

エちゃんがいた!彼女とは4年前セーシェルとモーリシャスで一緒だったが、以来毎年インスブルッ

クでお会いしている。エッシェンバッハ行きの列車に乗り込む。先頭車両は何と「サイレント車両」

だった。面白いね、30分でイエンバッハ駅に到着し、そこから2台の大型タクシーに乗る。着いた

ところからミニトレインに乗り換える。あっ!私昔ここに来たことあるわ!1500年に建てられたト

ラッツベルグ城はハプスブルグ皇帝マクシミリアン1世の狩りの館だったが火事で焼失し、その後

大富豪によって再建され愛されて来た。当時のままの家具・調度品が貴族の暮らしぶりの一端を感

じさせる。城内は撮影禁止なのだった。ランチは城麓のレストランでカンタンなパスタ。味フツー。

夜 インスブルック郊外「ヴィラ・ブランカ」チロルの夕べ グリーンサラダマリネ、鶏胸肉の

  グリルアミガサダケとポレンタ、アイスクリーム入りオーストリア風クレープ、ビール(サービ

ス)、白ワイン4€、赤ワイン4€×2杯

 

  

  チロル音楽が賑やかに流れ    チロルの夕べにご招待頂きました     こちらが観光局長

旅行社の現地駐在員と添乗員の皆さん      千恵ちゃん       現地ランド会社JTCの皆さん

  最多滞在記録のH田・K山姉妹       Y山夫妻も4回          S尾さんは3回参加

Y瀬さんの見事なフルートとカウベル演奏

 

今夜はインスブルックサマーヴィレッジのお楽しみの一つ「チロルの夕べ」だ。インスブルック観光局

が滞在客を招待してくれるのだ。この3年間はナッターズ村の「ナッタラー・ボーデン」で開かれたが、

今年はノルトケッテに行く途中にある「ヴィラ・ブランカ」が会場だった。いつものオジサントリオに

代わって2人組のチロル音楽演奏だ。お馴染みのクラフト観光局長の挨拶と乾杯。食事の合間に旅行会

社とランド案内会社のスタッフ紹介やかくし芸(芸とも言えないが・・)披露が行われた。次に迷惑な

ことに(笑)インスブルックサマーヴィレッジ特別表彰が行われ、私も4回参加ということで表彰なん

かされてしまったのだよ。恥ずかしいなぁ。N澤夫妻は5回。最多参加者は夏5回(全参加)+冬の計

6回参加されたK山・H田ご姉妹だった。最後はランド代表モラス夫人Y瀬さんの見事な演奏で〆た。

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8月 18日(火)晴れ

朝 インスブルック・ホテルオイローパ客室にて オニオンスープ、香港ジェニークッキー

昼 インスブルック「SAPORI」野菜クリームスープ4€、スパゲティカルボナーラ9€、小ビー

24

 

  

         今回「サポリ」には3回も行ったのだよ            凱旋門喜びの門

 

明後日は帰国日だから明日は荷造りに忙殺される。ということは、インスブルック散歩もお天気の良い

今日が最終になるかもな。朝ぐずぐずしていて客室で朝食代わりのジェニークッキーも今日でオシマイ。

半分以上はS尾・O和田さんに食べて頂いた。キョウコの長女ユリちゃんと長兄に絵葉書をしたためて

ホテルの傍のポストに投函。そのまま散歩に出る。今日は別ルートを歩いて凱旋門に出た。マリア・テ

レジアが長男の結婚を祝して凱旋門を造ったが、お祝いをした直後に夫君が逝去。そんなことで凱旋門

の片側は長男結婚の喜びの門、裏側は夫君逝去の悲しみの門となったのだよ。去年は修復中であった。

今年行っていない「マンマ・ミーア」に向かったのだが、目の前まで行ったのに引き返して今回3度目

となる「サポり」に行った。それほどに好きってことだわね。初めて食べたカルボナーラは濃厚だった。

午後のお茶 インスブルック「COFFEESHOP COMPANY」アイスティーラテ4€

 

  

 

夜 インスブルック「ピアノバー」(5人で)スモールペッパーステーキ(大きなサラダ付き)278€、

  生ビール、赤ワイン(オーストリア・ピノノワール201238€ 5人で180

 

 

明日の夜はグループ全員で「サヨナラディナー」。ということは、自由食の夕食は今夜が最後だ。いつ

S尾・O和田さんと3人で食事に行っていたが、今回はY山さん夫妻もご一緒で「ピアノバー」に

行く。4年前、愛知県在住のY脇さんに連れて行って頂いて以来毎年「ご馳走!」はこの店であった。

マダムは男らしい(?)頼り甲斐のある人だが、今夜サービスに当たったアンチャンは全然ダメ。ある

ハズの日本語メニューさえ「無い!」と言い張る。あるのだよ、本当は。ためにメニューを読み取るの

にエラク苦労したが何とかいつものスモールペッパーステーキやワインなど注文出来た。Y山夫人のT

子さんは「肉オールダメ」な人なのでツナサラダを頼んだが、巨大な皿が出て来て笑った。スモールペ

ッパーステーキにも結構なサイズのサラダが付いて来るし、牛肉が味わい深くて良いメニューなのだよ。

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8月 19日(水)雨

朝 インスブルック・ホテルオイローパ「シュトゥーベル」朝食ヴュッフェ

昼 インスブルック「auis」フランス風オニオンスープ4.7€、ペペロンチーノスパゲティ7.9€、

  スティルウォーター2.7

 

   こんなオニオンスープなくね?

 

今日は忙しいので6時にスパッと起きた。インターネットで10月の国内ホテルの予約をした。便利

な世の中になった。昨日洗濯したものもすべて乾いている。帰国した時の洗濯モノは着ているものだ

けを目指して(目指す理由ですか?う〜ん、特には無いけど)ホテルのクリーニングと自分洗濯して

来たのさ。ホテルレストランで朝食ヴュッフェ。今日の味噌汁はまずまずだが、ご飯やっぱり硬過ぎ。

添乗員のU野君があの後「ピアノバー」に行ったら、やっぱり日本語メニューはあったそうだ。った

くもう、である。午前中は、JSテレビの「まれ」や「朝イチ」などチラチラ見ながら帰り支度。洋

服たたみも時間かかるわなぁ・・シコシコシコ・・。昼前には荷造り@終了。最後の土産購入とラン

チのため外出。雨が降っているし、気温も低い。寒いなぁ。オシャレな食料品店でアレコレ買い、近

くのレストラン「auis」でランチ。今回2度目ね。注文してから暫くして出て来たフランス風オ

ニオンスープを食べてビックリ。注文を受けてから玉ねぎをスライスして炒めたとしか思えない「シャ

キシャキ玉ねぎ炒め汁入り」というような一品。インスブルックでの最後のランチがこれではガッカリ。

 インスブルック・ホテルオイローパ「シュトゥーベル」(サヨナラパーティ)キノコ入りポテ

トのクリームスープ、鶏胸肉のグリル ラタトゥイユとセモリナのテリーヌ添え、カスタードプ

リン ラズベリーソース、3点セット15€(1点サービス)

 

  

   今夜は「サヨナラディナー」

 

ホテルに帰って荷作りAに取り掛かる。6時半から「サヨナラディナー」。いつもの5人とダニエル

が一緒に座った。「サヨナラディナー」と言っても、特別なご馳走が出るわけでも無く、ドリンク1

点がサービスになるのと添乗員が挨拶する位だな。30日コースの皆さんは未だ滞在が続くし、昨

日他のホテルに到着された方々もいる。今年8グループがインスブルックサマーヴィレッジに参加。

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8月 20日(木)インスブルックもフランクフルトも曇り

朝 インスブルック・ホテルオイローパ「シュトゥーベル」朝食ヴュッフェ

 

  

  居心地が良かったスタジオルーム。JTCスタッフのお約束は「日本での長期滞在を楽しんでください!」

 

最終日は5時半に起きる。別の旅行会社からの電話で携帯電話が鳴って4時過ぎから目が覚めていた。

帰国してからの来週R子と行く約束をしているレストランをネット予約したら満席で大いに慌てる。

あとで電話しなくちゃ。最後の朝食を摂って、クリーニング代などの精算。ゲゲ!128€だって!夏の

甲子園は東海道相模が1970年以来45年ぶりに優勝した。負けた仙台育英は決勝戦に3回も進んだの

に勝てないね。出発前のロビーで30日コースのK山・H田ご姉妹が見送って下さった。「来年もここ

でお会いできることを希望します」とK山さん。「皇族の方ですか?」とつい聞いてしまったぞ(笑)。

ホテルスタッフにも見送られる。ロビーで待っているとチロリアン航空が飛んで来た。あれに乗るよ。

 チロリアン航空 インスブルック=フランクフルトビジネスクラス機内食(軽食)

 

  

 

早い夜 ルフトハンザ航空 フランクフルト=成田 ビジネスクラス機内食(和食)

 

  

 

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8月 21日(金)東京は曇り

朝 ルフトハンザ航空 フランクフルト=成田 ビジネスクラス機内食(洋食)

 

  

 

昼 舟町「峨嵋山」牛肉のカレー炒め定食950

 

  

 

昨日フランクフルト空港でルフトハンザ航空LH710便に乗り継いで成田へ。画面は小さいし、邦画は

ちょっとしか無いしで、映画やビデオは見ない。ビールとワインガビガビ飲んで、ちょっとだけ食べ

てウトウトした後は本でも読んで過ごすのだ。一夜明けて午前7時半成田空港に到着。さぞや暑いだ

ろうと覚悟を決めて飛行機から降りたら・・あらら、それほどの暑さじゃないわ。ヤッター!である。

タクシーで帰宅して早速洗濯、と思ったら僅か2日分の洗濯モノしかない。向こうでせっせと洗った

からね。ランチは四川料理の「峨眉山」で牛肉のカレー炒め定食を食べた。ここの女将最近怖くない。

夜 舟町「おちあい」お任せコース(数の子醤油豆、じゅんさいとろろ汁、お造り:大トロ・中トロ・

イカ、和風しゅうまい、豆鯵・シシャモ・カラスミ大根、よもぎ蕎麦、チータンタン)、ビール小、

麦焼酎 @4000

 

  

 

インスブルックに出かける前のあの狂ったような猛暑はどこへやら、東京はフツーの夏になっていた。

よしよしである。午後は冷房が効いた書斎のパソコンの前。パクパク日記に取り掛かる。8月も20

を過ぎたのに未だ72週だものね。旅の真ん中をミディ運河で過ごした南フランス旅の出発の週だ。

マンションの雑排水清掃の人が来た。何とかの点検には又かよと思うが今日はよろしくねって。夕食は

「おちあい」。「で、留守の間どうだったの、日本?」なんてもぐもぐ食べながらお父さんに聞くのだよ。

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8月 22日(土)曇り

朝 家食 メンチカツふすまドッグ、納豆、豚汁

昼 乃木坂「パーネアモーレ」生ウニのクリームソーススパゲティ1600円、アイスコーヒー200

 

  

 

11時乃木坂の歯科医に行く。今日も含めて暫く歯医者通いをしなければならなくなった。治療が終わ

って、さてとランチはどこで。同じ建物の1階にイタリアンレストランがある。店先で無農薬野菜な

ども売っている。この日初めての客になった。以前は店名が違ったが、その頃食べたことがある生ウ

ニのクリームソーススパゲティを注文。頼んでない人にも天然酵母無添加自家製パンとオリーブオイ

ルがもれなく供される。パスタが来た。あまりウニの存在を感じさせない味であるな。落ち着くけど。

遅い夜 荒木町「やくみや」お通し:小松菜とさつま揚げの煮浸し、無花果胡麻ソースかけ700円、

  焼きだだ茶豆500円、ピータン冷奴600円、新秋刀魚肝焼き(小)、せんざんき(四国風鶏唐揚げ)

  小サイズ、ラム肉と夏野菜のキーマカレー(ライス)600円+100円、生ビール2杯、麦焼酎

  @7200

 

 

昨日から取り掛かった72週をアップしてから「やくみや」に行く。手書きのメニューを見て好き

な物だらけで悩むぞ。ポテサラは無いけどね。中でも無花果胡麻ソースかけとラム肉と夏野菜のキー

マカレーは食欲をソソルよ。カレーは〆にするとして、その間にだだ茶豆とピータン冷奴、新秋刀魚

肝焼き、そしてせんざんき。完璧だ!しかし、待てよ、そんなには食べられん。というわけで、秋刀

魚とせんざんきはハーフサイズにして貰った。こういう臨機応変対応が嬉しい。カレームチャ旨い!

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8月 23日(日)曇り

朝 家食 まるちゃんのミニわんたん、バナナ、アイスティ

昼のおやつ 国立劇場小劇場座席にて 焼き菓子、牛乳アイスクリーム

 

  

                国立劇場小ホールで開かれた尾上右近の「研の會」

 

現在歌舞伎界には2人の右近がいる。市川右近と尾上右近。単に右近とあれば市川右近のことで、もう

一方は必ず尾上右近と書く。その尾上右近の初めての勉強会「研の會」をオジョーと観に行く。愛車で

迎えに来てくれたから楽ちん。国立劇場小ホールで昨日土曜日の夜の部と今日日曜日の昼の部夜の部の

3回公演である。最初の演目は「吉野山」。静御前に猿之助を迎え、清元は父親の延寿大夫、三味線に

は兄の昴洋も出演している。猿之助が亀治郎時代「亀治郎の会」で尾上右近は連獅子の子獅子やった

から返礼というわけね。2つ目は「春興鏡獅子」。もちろん小姓弥生と獅子の精は尾上右近だ。子供時

代から踊りが上手と評判だった彼だ。これからも精進してね。因みに尾上松緑の息子は尾上左近だよ。

夜 早稲田「汐見」7500円コース+αお任せ(鶴岡のだだ茶豆冷たいスープ、揚げ新銀杏、鱧湯引き

  梅ソースがけ、真イワシ、鯛のお造り、スッポン生姜鍋、スッポン揚げ、大トロ握り炙り、ズッキ

ーニ胡桃ソース、天ぷら:海老、穴子、ししとう、かぼちゃ、せいろ蕎麦、デザート:マロンと無

花果、シェリー酒)、生ビール、麦焼酎w、赤ワイン2杯(オジョーにゴチになった!)

 

 

舞台がはねてから早稲田のリーガロイヤルホテルに向かった。オジョーの策略(!)で、夜の食

事までの時間プールに行かされるのだ。強制的にプールで運動しろ!って。もっともこのホテル

のヘルスクラブの会員は私なんだけどね。ホテルの地下駐車場で久々にミワさんに会った。ずっ

とセラバーにいた彼も管理職となってあちこち担当しているようだ。会員でありながら、ヘルス

クラブを訪れるのは年に1度年会費を支払いに来るだけ、なんてことが数年続いているからプー

ルに入るのはチョー久しぶりだ。ところがである。プールに行ってみると水中ウォーキング専用

の1レーンは子供連れ8人が占領していた・・。夏休み期間だから仕方無いが家族連れの宿泊客

多いんだなぁ、はぁ〜。やっと来たのにねぇ。そんなことで十分な運動は出来なかったが、それ

でも腰が痛くなった。夜7時。楽しみにしていた「汐見」に行く。場所は以前「松下」があった

場所である。そしてそこには懐かしい松下利市さんのお姿があったのだよ。「わぁ〜!松下さん、

お久しぶりです!嬉しいです!」。懐かしい味を堪能して、その上オジョーにゴチになったのだ。

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【今週の振り返り】

今年7月から8月にかけての暑さは尋常ではなかった。埼玉の熊谷や群馬県の館林、岐阜の多治

見などにはトーゼン負けるものの、ヒートアイランド東京でも8日連続猛暑日なんてのがあった。

あまりいない自宅であるが、いる時昼間はほとんど書斎で過ごす。寝る前2時間程リビングで録

画を見る。夜中から朝まで寝室。あとは浴室や洗面所、台所、トイレにちょっといるだけ。そろ

そろ書斎を引き上げようと思ったら、リビングに走って冷房を入れる。書斎の冷房を切ったら、

即リビングへ。寝ようと思う1時間前に寝室に走って冷房を入れる。こんな具合に自分がいる部

屋を事前に涼しくしておくことにコレ務めた。廊下には当然クーラーは設置していない。一般

住宅だから。2度も3度もトイレに行く時、「あちち、あちち」と独りごちていた。夜中なのに

だよ!

 

今から5年前の2010年、「日本一暑い街」を競っている(!)3都市(熊谷、舘林、多治見)は、

35度以上の猛暑日が何日だったかの記録がる。熊谷が41日(ヒィッ!)、舘林も41日(ゲェ

ッ!)、多治見は38日(ガ〜ン)。私など、こんな数字だけでクラクラして来るのだが、3都市

の方々は「どうせ暑いのなら、日本一の暑さを取りに行きたい」と巨大な温度計を設置したり、

キャラクターを作ったりと暑さアピールのヘンテコな努力をしているのだ。あぁ、やだやだ。

そんなこともあり、7月末から札幌に逃げ、8月初旬からはオーストリアのインスブルックに

逃げた。お陰で時には寒い程の涼しい夏を過ごすことが出来た。ゴメン。しかし、さぞや暑い

だろうと思って帰って来た日本には既に猛暑はどこかに行っていた。意外だった。猛暑どころ

か秋が早くも忍び寄っていたのだ。そうなると人間勝手なもので、「子供達の夏休みも終わって

いないうちから、夏終わりそうなんて寂しいじゃないか!」なんてね。

 

曙橋にある「天ぷら荘司」は、ご夫婦共にかつての和食の名店「松下」の出身である。ご主人

の松下利市さんに大事に育てられた大勢のお弟子さん達は荘司夫妻のように多くの人が独立

してそれぞれ活躍されている。早稲田にあった店は1階が和食の「松下」、2階が蕎麦懐石の

「松庵」だった。蕎麦好きの松下さんは率先して「江戸蕎麦ほそ川」で修業し、何人ものお

弟子さんにも同店で修業をさせ「松庵」を開いたのだ。「ほそ川」仕込みの十割蕎麦を和食の

名店の出汁で食べる、「松下」の〆の蕎麦はそんな贅沢が可能だった。長らく私の「一番好き

な店」であった「松下」であるが、ある日予約の電話をしたところ女将さんから閉店を知ら

され時の衝撃を今でも忘れられない。ご主人の松下さんの膝の具合が悪く、階段の上り下り

が出来ないという理由で2階の「松庵」を閉められたのは3月末のことだったが、まさか本

丸の「松下」まで閉店とは!もうガッカリという以外言葉が無かった。

 

それから2年。オジョーが「天ぷら荘司」から朗報を貰って来た。「松下」の跡をお弟子さん

の一人が622日に蕎麦屋を開店したというのだ。「汐見」という店名で。しかも、時々師

匠の松下さんが店にいらっしゃることもあるという。待ち詫びた「松下復活」では無かった

が、それでも素晴らしいじゃないか。あの場所にまた人々が集う場所があること、そしてま

た松下利市さんにお会い出来るのだから。日曜日、オジョーが予約してくれた「汐見」に向

かった。蕎麦、うどん、蕎麦がき、出汁巻卵、鴨ロースなどの単品もあるし、夜h3500円か

らコースもあり、その日の最高の食材を使った7500円のコースもあるようだ。店に入って

行くと、松下さんがニコニコ笑って立っていらした。もう私がお邪魔するというので、てぐ

すねを引いておられたと言ってもいいかもしれない。有難いことだ。7500円なんて枠は取っ

払って「夢子さん、あれ好きでしたよね、これも好きでしょ」と次から次へと美味しい料理

が出て来る。昔と同じじゃないかと錯覚しそうになったが、ここは「松下」ではなく、弟子

の汐見さんの店。師匠が可愛い弟子のために料理を教えながらお手伝いをしているという恰

好なのだ。あれほど悪かった膝も治療の甲斐あって随分良くなららたと。良かったなぁ。お

手伝いであっても、ここに来ればまた松下さんのお料理が食べられる。それが何よりの喜び

である。     

    

             う、う、嬉しいニャア

 

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