パクパク日記11年1月2週
スタープリンセス号で2度目のフォークランド諸島と南極に向かった!
キングペンギン
キングジョージ島
1月 10日(月・成人の日祝日) 終日航海 晴れ
朝 スタープリンセス号14階ホライゾンコート 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン
24時間営業だが、朝食は6時から
スタープリンセス号南極クルーズ2日目。4時半起床。3時半から足が攣って治らず、ずっと起きてはい
たのだが、一応ベッドを出た時間ということで。フツーはツムラの「68」を飲めば治る。午前1時半に飲
んだのに効かなんだ。血糖値を測ってからシャワー&シャンプー。船に乗っても習慣は変えないよ。朝
食は14階のホライゾンコートでヴュッフェ。ここは24時間オープンしているチョー働きモノのレストラン
なのだ。フルーツは食べてはイケナイのだが、スイカもメロンもズラッと並んでいると誘惑に負けちゃう。
6階・7階ぶち抜きのプリンセスシアター
6階にあるカジノ
12階船尾側のプール
午前10時から旅行会社主催の説明会と自己紹介タイムがあった。全体では6グループ約120名も参
加しているのだが、私はH名グループで20名。ご夫婦4組、姉妹1組、友人同士3組、1人参加4名、
男女比男8名、女12名という顔ぶれだ。南極2度目は、添乗員H名さんと私だけ。その後、船内見学
会があった。さっきからやけに船が揺れると思ったら今海に出たという船長アナウンスがあった。昨夜8
時出港してから進んでいたのはずっとラ・プラタ川。大型船が10時間近く走っていたのが川なのだよ!
昼 6階ポルトフィーノ 野菜スープ、ミックスグリル、持参のふすまパン、フルーツ、紅茶
12時前にS井K子さんと待ち合わせて、6階のレストラン・ポルトフィーノでランチ。S井さんとは昨年
10月の南太平洋クルーズでご一緒した方だ。「来年1月南極クルーズに行くのですよ」、「えー!私
も!!」と偶然にビックリしたものだ。彼女は極めて食が細い。好みも私と正反対。笑う位に正反対だ。
夜 5階アマルフィ(フォーマルナイト) 蟹肉のキッシュ、アスパラガススープ、ポークローストアップル
ソース、持参のふすまパン、シャーベット1個、カプチーノ 2ドル、ビール・白ワイン・赤ワインの3
点セット 17ドル位
午後2時からN上先生によるセミナーが始まった。当初、4年前の南極でも講義して頂いたO瀬先生
が同行される予定であったが体調を崩されて急遽N上先生に代わられた。N上先生は南極にも南米
にも詳しい方。第1回目の今日は「南アメリカの人々はどこから来たのか」というテーマだった。これか
らが楽しみ。今晩はフォーマルナイト。皆お洒落してレストランに集まる。オホホホ。午後7時半吹き抜
けのロビーにはシャンパングラスタワーが築かれ、船長によるシャンパンウォーターフォール。行事ね。
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1月 11日(火) 終日航海 曇りのち晴れ 午前中濃霧
朝 14階ホライゾンコート 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン
真ん中薄い色がラ・プラタ川 船主催の南極セミナー
4時半起床。今日も足が攣って2時半からずっと起きていた。これじゃあ眠いわね。夜中、各船室には
船からのお知らせ英語版と日本語版が、旅行会社作成の新聞が毎日届けられる。私はざっと読む程
度だが、人によってはその日の講座やショーなどの催しを細かくチェックして、その日の予定を決めて
いるようだ。8時半から船に乗り込んでいる日本人コーディネーターによる南極講座があった。南極に
行くまでの航海をわかりやすく紹介。「南緯40度から60度は暴風圏です。吼える40度、狂う50度、
叫ぶ60度なのです!」と言うと、ほとんど南極初めての参加者は恐怖に引き攣っていた。アハハハ。
昼 5階インターナショナルカフェ 海老とセロリサラダ、チキンとりんごのサラダ、本日のスープ、持参
のふすまパン、カプチーノ 2ドル
この軽食ムッチャ気に入った!
昨日のお昼頃、ラ・プラタ川を出て外海に出てから船は南下している。この辺りは霧が出やすい海域で
今日も午前中から濃霧である。衝突を避けるため、スタープリンセス号はシキリに汽笛を鳴らしている。
11時からN上講座2回目。ブエノスアイレスは順風(良い風)、アルゼンチンは銀の国という意味だ。
5階にあるインターナショナルカフェでは、何種類ものサンドイッチ、ケーキと共にサラダやキッシュを置
いている。日替わりのスープもある。美味しいと評判のサンドイッチ私は不可なので、海老とセロリサラ
ダ、チキンとりんごのサラダそしてスープでランチとする。船の中ではフード類はすべて無量だが、アル
コールと特別なカフェ類は有料。カプチーノ15回回数券を買った。ここのカプチーノが実に旨いのよ。
夜 5階アマルフィ シュリンプカクテル、蟹のビスクスープ、仔牛リブチョップ、持参のふすまパン、フル
ーツ、3点セット
またフルーツ食べてるよ!
午後は部屋で南極のテキストを読む。4年前も勉強したから復習になるが、殆どは忘れていた。途中か
らうたた寝モードに入り、2時間も昼寝してしまった。ま、このところずっと寝不足が続いていたから丁度
良かった。6時から夕食。3つある私達のグループのテーブルならどこに坐ってもいい。テーブルにはド
リンク担当とフード担当がつくが、今日坐ったテーブルのフード担当は小柄な女性である。お勧め料理
を強烈に勧め、押しが強いがサービス精神満点。いろんな国から来た若者が船で働いているのだよ。
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1月 12日(水) フォークランド諸島ポートスタンレーは雨 午後晴れ
朝 14階ホライゾンコート 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン
4時起床。朝起きると、すぐテレビを付けて31チャンネルを見る。船の現在位置、気温、波の程度など
をチェックするためだ。ほう、南緯51度を超えたんだ。先日の話では「狂う50度」圏に入ったことになる
が、波は穏かだ。6時前にレストランに行ったが、既に混んでいる。今日は初めての上陸日だからね。
フォークランド諸島ポートスタンレーのボランティアポイントにいるキングペンギン
海に入るキングペンギン 右2点は営巣地のジェンツーペンギン
7時40分集合して下船を待つ。2000名を超える乗客が船を下りて70人乗りのテンダーボートに乗る
のだから大騒ぎである。1時間半も待たされて、ようやくボートに乗る。20分でポートスタンレーの港に
着いた。港では何と旅行会社が手配した4WDが30台ズラッと待っていた。ローズさんという女性ドラ
イバーの車に4人で乗せて貰う。荒涼とした島を1時間走った後がタイヘン。道なき道を大きく揺れな
がらのドライブとなった。数年前に流行ったロデオに跨っているようで、舌を噛みそうだから喋らないこ
とにした。おまけに雨まで降り出して。そんな走りを1時間半した後、ようやく目的地のボランティアポイ
ントが見えて来た。いるいる、ペンギンが。雨と強風の中キングペンギン目指して下車。海岸に急ぐ。い
たいた!憧れのキングペンギンがいましたぁ!!!4年前見ることができなかったキングペンギン。も
う夢中でシャッターを切った。可愛いなぁ、きれいだなぁ、魅力的だなぁ。マゼランペンギンならもっと近
い所にいるのだがキングペンギンはここだけ。苦労して来た甲斐があった。ジェンツーも好きだけどね。
昼 4WD車内で ランチボックス、持参のふすまパン
4WD2台が同時にパンクした こんな花が咲いていた
荒涼とした風景
ポートスタンレーの港近く 港にいたカモメ君
私達が乗っているスタープリンセス号
ランチはお弁当。ツナサンドだったので、中身をふすまパンに挟み直して食べた。ポテトチップやチョコ
バーやりんごはローズに全部プレゼントした。ボランティアポイントにいる時はずっと殴りつけるような雨
だったのに、帰路についた途端雨が止みピーカンになった。くそっ!それでも悪路は悪路。またグワン
グワン揺れて、2台の4WDが同時にパンクした。また2時間半かけて港へ。素晴らしい晴天になった。
夜 5階アマルフィ 鶏レバーのタルト、鱈とポテトのチャウダー、ビーフ、持参のふすまパン、フルーツ、
3点セット
帰りのテンダーボートに乗るために長い行列に並ばねばならなかった。大型船はこうゆうのが面倒よ
ね。お陰で船の客室に着いたのは5時半。6時の夕食に間に合わせるため、大急ぎでシャワーを浴び
た。そう、船では2度シャワーを浴びて髪を洗っているのだ。チョーキレイ好き。アハハハ。今日夕食で
面白いことがあった。20名のうち何と2人の方がお誕生日だった。♪ハッピーバースディを2度も歌っ
たのだ。お祝いケーキ2つとデザートのケーキも食べる? 誕生日祝いのケーキで太りけり ってか?
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1月 13日(木) 終日航海 曇りのち雨
朝 14階ホライゾンコート 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン
今日から「魔の海峡」と呼ばれるドレイク海峡に入る。4年前のこともあるから、昨夜寝る前に酔い止め
薬を飲んだ。寝ている間も「いつから揺れるのか」と頭は考えていたのだが、何だか揺れていないよう
な。4時44分に起きてカーテンを開けたら、何と穏かな海に太陽が上るところだった。えぇ?何でぇ?
未だドレイク海峡に着いていないのかぁ?そんなことないよなぁ。不思議だ。朝食後、30分間歩いた。
昼 5階インターナショナルカフェ 海老とセロリサラダ、チキンとりんごのサラダ、本日のスープ、持参
のふすまパン、カプチーノ 2ドル
このカフェは席を取るのがタイヘン
どうも今日のドレイク海峡は機嫌が良いらしく、揺らさないつもりのようだ。有り難い!8時半からの船
主催の南極講座第2回も予定通り開催された。南極の主役はオキアミ?10時から洗濯することにした。
各フロアに洗濯室があって洗濯機と乾燥機が2台づつあるのだが、この2台の取り合いが熾烈。どこの
国の人か知らないが、人が洗濯機や乾燥機を使っていても途中で開けて勝手に他人の洗濯物を出し
てしまう人が結構いてびっくり!「終わっていたから出しておいてあげたわよ」なんてシャーシャーと言う
のだ。未だ生乾きだっちゅうの!!悔しいから本持ち込みで終わるまで見張ってやったよ。プンプン!
夜 5階アマルフィ キングクラブパテ、ポテトクリームスープ、ポークテンダーロイン、持参のふすまパ
ン、フルーツ、カプチーノ、3点セット
2時からのセミナーが終了した後、南極が近づいて来たこともあり、6階のショップでペンギン刺繍の入
ったフリースとマフラー、耳当てなど防寒グッズを買う。そういえば4年前に買ったフリースはどこに行っ
たかしら。アルコールと一緒で買い物も船のカードを差し出して「ツケ」で買う。4時から旅行会社主催
のプライベートパーティがあったのに、読書に夢中になって出席するのを忘れてしまった。楽しかったら
しいよ。レストランは日本語メニューが用意されている。メインは今日も肉をチョイス。肉好きになった。
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1月 14日(金) 南極圏へ 雪まじりの雨のち曇り
朝 14階ホライゾンコート 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン
4時起床。結構寒い。船室の暖房を強くした。ドレイク海峡はどうしたと昨日1日ずっと不思議に思って
いたが、今朝は少−しだけ揺れている。と言っても波は「モデレート」だから、ほんのちょっとね。起きた
時南緯59度を超えていたが、午前6時半に南緯60度の「南極収束線」を超えた。いよいよ南極圏だ。
昼 14階ホライゾンコート ランチヴュッフェ、持参のふすまパン
クラレンス島は見えた
8時半からN上講座。南極大陸は大昔赤道辺りに位置していたのだね。今朝エレファント島を通過す
るハズだったが、向かい風で船は遅れているようだ。やっと近づいたが、霧やら雲やらでほとんど見え
ず。4年前も悪天候で上陸出来なかったエレファント島だ。シャックルトン隊が過した島として有名だ。
夜 7階 クラウングリル 北太平洋の帆立貝とフォアグラのソティ、小海老のパンチェッタとビスクスー
プ、持参のふすまパン、フィレミニヨン特選カット10オンス(285g)、フルーツ、3点セット テーブル
チャージ 20j
船内にある6つのレストランのうち、2つは20jのテーブルチャージと予約が必要。そんな「クラウング
リル」に今晩はS井さんと2人で予約してある。20jはあくまでもテーブルチャージであって、料理は何
を食べようが無料。600gとか800gのステーキもあるけど、もちろん無料だす!帆立貝とフォアグラの
ソティが旨い!ビスクスープも量もたっぷりで味もいい。メインはフィレミニヨン特選カット10オンス(285
g)にしたが、2口残した。ぐやじー!S井さんは魚を食べていた。私とは好み違うから。大満足の夕食。
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1月 15日(土) 南極圏は晴れ
朝 14階ホライゾンコート 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン
キングジョージ島のアドミラリティ湾には、各国の観測基地がある ポーランドの研究員の交代風景
5時起床。ようやく南極圏の氷山が海にたくさん見られるようになった。エスペランサ基地を目指す予定
だったが、キングジョージ島に向かっているらしい。嬉しいことに、素晴らしい晴天である。8時半からN
上先生のセミナーは始まったが、キングジョージ島のアドミラリティ湾に到着したということで短縮版とな
った。15階の屋上に行ってみると、360度南極の風景!!キャー!4年ぶりに見る白い世界だ。美し
いなぁ。素晴らしいなぁ。ただし、大型客船なので上陸は出来ない。そこが前回と違ってつまらない。こ
の島には多くの国の観測基地があると聞いたが、その中のポーランド基地スタッフが交代するらしい。
つまりこの船に乗っていた今日から基地で働くスタッフが小舟で基地に向かい、代わりに数ヶ月基地に
いたスタッフがプリンセス号の乗客となるのだ。皆その風景を眺めた。帰って来た人は嬉しいだろうね。
昼 5階インターナショナルカフェ 海老とセロリサラダ、チキンとりんごのサラダ、本日のスープ、持参
のふすまパン、カプチーノ 2ドル
部屋からもこんな風景が見える
基地のある近くにはジェンツーペンギンの営巣地があって、浜辺ではたくさんのペンギンがウロチョロし
ていた。乗客が南極風景を十分堪能した頃、船は湾をゆっくり離れた。お気に入りのカフェで早めのラ
ンチ。今日は蟹のキッシュも食べた。午後7階デッキを歩いて運動。1周するのに10分かかる。ここは
「氷山銀座」と呼ばれる海だから、歩いていても頬が冷たい。マダラフルマカモメがたくさん飛んでいる。
夜 5階アマルフィ 鴨のレバーパテ、大麦のクリームスープ、フィレミニヨンとジャンボシュリンプ、持参
のふすまパン、シャーベット、カプチーノ、3点セット
テーブルのフード担当の陽気な青年はスロバキアの出身なんだって。ブラチスラバの近く?いつもなら
9時半には寝てしまうのだが、頑張って10時半の夕陽まで起きていた。ベランダから撮影して凍えた。
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1月 16日(日) 曇り
朝 14階ホライゾンコート 朝食ヴュッフェ、持参のふすまパン
5時起床。南極圏にいる時は嬉しくてスッパリ起きる。昨夜私にとっては深夜のような11時に寝たのに
日の出の写真を撮るために今朝3時半に起きたのだ。でも雲が出ていて写真は断念。南緯64度超。
ウィンキー島を1周してノイマイヤー海峡をそろりそろりと進む。 氷山の上にはペンギンの姿が
あんたらオカシクない?寒くねーべか!
朝食をそそくさと済ませてから、ずっと16階船首で震えながら風景を見て写真を撮っている。船首は風
をまともに受けるから寒さは半端じゃない。今日はウィンキー島を1周してノイマイヤー海峡に入る予定
だ。8時半からN上先生のセミナーに出席したが、数日の睡眠不足でついウトウトしてしまったイカン!
昼 6階ポルトフィーノ スモークサーモンのムース、グリーンピースのスープ、ロンドンビーフ、フローズ
ンヨーグルト、カプチーノ
12時からS井さんとポルトフィーノでランチを摂っている間にノイマイヤー海峡に入ってしまった。狭い
海峡を11万トンの大型船が進むからゆっくり進む。緊張するよね。それだけこの海峡が深いということ
でもある。今日がこのクルーズで最南端に来たハズだ。食後15階の展望台船首に戻ったが寒くて耳
がチギレそうだった。そこに軽快に走って来た男女がTシャツ&短パン姿。あだまさオカシクナイノ?
夜 5階アマルフィ ペルー帆立貝のセビーチェとアボガド、アラゴン風味オイスターとほうれん草のビ
スクスープ、ロブスターと帆立貝、持参のふすまパン、フルーツ、カプチーノ、3点セット
アンバス島近くでペンギンが盛んに泳いでいる姿が部屋のバルコニーから見ることが出来た。船は回
れ右をして北上を始めた。この南極風景もそろそろ終わりということだ。そう考えるとエラク寂しいぞ!
夕食のメインはロブスターのグラタン仕立てを注文した。アマルフィの料理では一番美味しかったな。
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【今週の振り返り】
2度目の南極である。4年前、2007年1月日本を出発しアメリカのアトランタで1泊した。CNN本社だ
のコカコーラ博物館を見学し、キング牧師のお墓と博物館を見学したりした。まるで「アメリカ南部ツァ
ー」に参加したような気分になったが「イヤイヤ私は南極に行くのだ」と本来の目的地を思い出した。10
時間かけてアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに飛んでまたもや1泊。「南アメリカツァー」になりかけ
たが、翌日のモーニングコールは午前2時45分だった。ボロボロのチャーター機でウシュアイアに飛ん
でフェエゴ島のウシュアイアを観光。「地の果て鉄道」などに乗って夕方まで観光するうちに「パタゴニア
ツァー」に参加したような錯覚に陥った(バカじゃないの!アンタ!)が、夕方船に乗って、ようやく南極
に行くのだ、と思い出した。
船はドイツ船のブレーメン号だった。6700トンで乗客は日本人80名にドイツ人、アルゼンチン人合わ
せて約150名という小さな船だった。世界で最も荒れることで知られるドレイク海峡を渡る頃、低気圧
がどっかり海峡付近に居座っていて、大きく迂回したが船はまるで「木の葉」のように揺れた。海峡を超
えるのに40時間もかかったのだよ。多くの乗客が船酔いに苦しみ、怪我人も少なからず出た。毎日3
食必ず食べるのは私を含めて半数位で、レストランに行くだけでもあちこちのバーに掴まってはよろよ
ろと歩き辿り着くのもタイヘンであった。特に揺れると予告が無い海でも、フルコースの夕食を食べてい
る時、突然テーブルの正面に坐っていた人が2人突然消えてしまうようなことがあった。え?あの人達
どうして消えたの?あの2人は幻覚だったの?と自分を疑い始めた頃、その2人が転がった床からよう
やく起き上がって来るなんてこともあったし、やはり夕食の時突然船が30度傾いで、ワイングラスを押
さえたまま30分過したなんてこともあった。
それほど揺れる小さな船で行くということは、航海の途中であちこちに上陸することを前提としている。
しかし、南極圏の海は荒れていることが多く、ゴム製のゾディアックボートに乗り移れないことが度々あ
たった。今回薄っすらとだけ見えたエレファント島を始め、「上陸断念」したところがいったいどれほどあ
っただろうか。前半は悪天候で悩まされ、上陸したのは何と旅に出かけてから11日目のことだった。南
緯63度50分のポーレット島。アデリーペンギンの営巣地があり、ほかほかの毛をまとったペンギン赤
ちゃんが雪が降りしきる中で餌を取りに行った親を待ち侘びていた。そんなペンギンは可愛いが、6万
羽もいると臭くて臭くて。フォークランド諸島ではマゼランペンギンを見たし、アデリーペンギン、ジェンツ
ーペンギン、ヒゲペンギンと酒類の違うペンギンを見るのも楽しかった。そのペンギンを狙うトウゾクカ
モメは憎たらしかったし、ミナミゾウアザラシは愛嬌があった。
そして、南極圏の風景に圧倒されっぱなしだった。この世の風景とは思えない巨大な氷棚がある景色
や真夜中に近い時間にゆっくり沈む太陽、寒い海ににょっきりと立つ真っ白な山々、危険を感じる程ゾ
ディアックボート近くを泳ぐ数頭の鯨、飛魚のように水面を飛ぶペンギン達・・・・。4年前のツァー参加者
にはリピーターが一杯。2回目はウジャウジャ、4回目、5回目の人も。南極はリピーターが多いとは聞
いていたが、来てみて理由はわかった。私も「来年参加しよう」と心に決めて帰ったのだから。しかし、
その翌年ブレーメン号での南極行きツァーは無く断念した。そんな風に更に2年経ってしまったが、ある
時「スタープリンセス号で行く南極クルーズ」のキャッチフレーズが目に飛び込んで来た。大型船だから
魔のドレイク海峡でもそれ程揺れないらしい。南極圏で下船&上陸は出来ないが、高いところから南極
の風景を楽しめる、そして何と言ってもプレミアム船で優雅に南極で過せる・・・・よし、行こう!
20名の参加理由しか知らないが、今回の参加者たちは前回のような「南極を探検する」ような気持ち
の方はほとんどいない。まぁ上陸しないのだから当たり前か。確かに揺れない船でゆったりと南極を眺
められるのは楽チンだ。しかし、ペンギンは遠いし、彼らの臭いもしない。楽な分遠い。4年前のことが
あるから物足りなさは致し方ないのか。4年前は南緯65度7分まで行ったが、今回は南緯65度行った
かどうかギリギリのところだ。だが、迫力は不足していても、冒険は無くても、やっぱり南極の風景は凄
いのである。来週はまた面白い所に行くのよ。乞うご期待!
カンドーはリスクも伴なうのだニャア
*
旅の始まりは 1月 1週 をご覧ください。
*
4年前の南極旅行は 7年1月 2週 1月 3週、 1月 4週
をご覧ください。